JP3869156B2 - 遊技球の計数装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に代表される弾球遊技機の遊技に用いる遊技球の計数装置、具体的には、遊技球の受皿と、計数指令に基づいて受皿から排出する遊技球を計数する球計数機構部をもつ遊技球の計数装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平5−84357号公報記載の遊技機では、受皿と別に遊技者の持込み球を計数してクレジットに加算する球取込口を補助的に備え、この補助的な小さな球取込口に一々手で投入する遊技球を計数処理し、持込み球による遊技が行えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上のような補助的な小さな球取込口をもつ計数装置では、計数処理の高速化が図れない問題がある。また、球取込口を大きくすれば、異物の挿入やゴト行為を誘発する恐れが高くなる。
【0004】
本発明では、計数処理の高速化が図れながら、異物の挿入やゴト行為を効果的に防止できる遊技球の計数装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するため、遊技球の受皿と、計数指令に基づいて受皿から排出する遊技球を計数する球計数機構部をもつ遊技球の計数装置において、前記受皿と前記計数機構部とを結ぶ球取込部は、球一個分の通過を許容する開口区画を複数個備え、前記計数機構部は、前記受皿に連通する取込口と、遊技球を円弧状通路から成る移送路に沿って回転方向に整列させて移送する回転移送体と、前記移送路の頂上となる位置に設けられ、遊技球の流入部と出口とを有し、排出路側に連通する排出口と、前記回転移送体を駆動するモータを収納するモータケースの筒部の腹面を前記取込口に臨ませて、遊技球を当該取込口側に導く誘導部と、を備え、前記回転移送体の回転方向に倣う円弧に沿って下方から上方に向けて遊技球を揚送し、前記頂上を乗り越えて落下させることにより、遊技球を前記排出口から取り出す構成とし、しかも、前記移送路の頂上に位置する前記流入部に、前記排出路側へ排出されようとする遊技球を検知する上流側検知スイッチを配設する一方、前記排出口の出口には、前記排出路側へ排出された遊技球を検知する下流側検知スイッチを配設した構成にした。
【0006】
また、(1)前記開口区画に振動を付与する振動付与手段を設けたこと、(2)円弧状通路から成る前記移送路は、前記受皿の水平線に対して傾斜していること、(3)前記取込口を挟んで円周方向一側に設けられた前記排出口と反対側の円周方向他側に返却口を設け、前記回転移送体の回転方向を切換えることによって、遊技球を前記返却口から返却通路に導くこと、(4)前記移送路の途中に、前記回転移送体の軸線と平行状に延びる片持ちスプリングの下方の自由端を臨ませ、遊技球1個分の通過を許容するようにしたこと、(5)前記片持ちスプリングは導電性材料から成ること、(6)前記誘導部は、前記モータケースの筒部の左右両側に一体的に張り出す羽根状板部を備えることにも特徴を有する。
【0007】
【発明の作用効果】
請求項1記載の発明では、遊技球の受皿と、計数指令に基づいて受皿から排出する遊技球を計数する球計数機構部をもつ遊技球の計数装置において、前記受皿と前記計数機構部とを結ぶ球取込部は、球一個分の通過を許容する開口区画を複数個備え、前記計数機構部は、前記受皿に連通する取込口と、遊技球を円弧状通路から成る移送路に沿って回転方向に整列させて移送する回転移送体と、前記移送路の頂上となる位置に設けられ、遊技球の流入部と出口とを有し、排出路側に連通する排出口と、前記回転移送体を駆動するモータを収納するモータケースの筒部の腹面を前記取込口に臨ませて、遊技球を当該取込口側に導く誘導部と、を備え、前記回転移送体の回転方向に倣う円弧に沿って下方から上方に向けて遊技球を揚送し、前記頂上を乗り越えて落下させることにより、遊技球を前記排出口から取り出す構成とし、しかも、前記移送路の頂上に位置する前記流入部に、前記排出路側へ排出されようとする遊技球を検知する上流側検知スイッチを配設する一方、前記排出口の出口には、前記排出路側へ排出された遊技球を検知する下流側検知スイッチを配設した構成にしたから、球計数機構部側への供給球を十分に確保できて計数処理の高速化が図れる。これと共に、各開口区画は球一個分の通過を許容するものであるから、異物の挿入やゴト行為を効果的に防止できる。さらに、計数機構部では、重力に逆らって適度な搬送抵抗が付与され、遊技球が不用意にはじき飛ばされたり、なだれ現象等を招くことなく、良好な球搬送が行える。しかも、前記誘導部により、球の取込みを一層円滑に行える。そして、このような良好な搬送と共に、頂上乗り越えによる排出とし、この頂上乗り越え部分の前後において一対の球検出器である上流側検知スイッチと下流側検知スイッチとにより、まさに排出されようとする遊技球と現実に排出された遊技球とを検出するから、極めて適切かつ的確な球計数が行え、信頼性及び精度を高くできる。
【0008】
請求項2記載の発明では、各開口区画を球一個分の通過を許容するものとしながらも、振動付与手段により振動を付与するから、各開口区画に円滑に遊技球を取り込ませることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1において、100は封入球式のパチンコ遊技機から成る弾球遊技機の本体であり、これに隣接させて現金対応の玉貸機すなわち現金サンド200を設けている。紙幣投入口201又は硬貨投入口202から現金を投入することにより、遊技機設置設備側すなわち島300から所定個数の貸球が供給ノズル203、投入口6、投入通路64を経て受皿4に払い出される。例えば500円なら125個の貸球が払い出される。図15ステップ001参照。投入口6は現行機の上皿に相当するため、遊技者への違和感を低減できると共に、遊技機設置設備側との適合性も良い。
【0010】
図1の現金サンド200に代え、プリペイドカードの挿入口をもつCRサンドを用いてもよく、この場合、カードを挿入すると、遊技機本体100の操作部110の第1表示部111にカードの残度数がデジタル表示され、貸出ボタン120を一回押すごとに500円分の125個の球が島300から遊技機本体100内の払出装置3、払出通路34を経て受皿4に払い出される。返却ボタン130を押すと、CRサンドからカードが返却される。以上、図15ステップ002〜006参照。
【0011】
図1に示すように、操作部110の自動供給ボタン150又は手動供給ボタン160を押すと、受皿4の奥行方向内方に設ける排出装置5が作動し、受皿4の球が島300に強制排出される。この排出する球数に等しい数だけクレジット度数が増加し、操作部110の第3表示部113に表示される。自動供給の場合、クレジットが10以下であると、最大250になるまで受皿4からの排出球を自動的にカウントし、クレジットを増加させる。手動供給の場合、手動供給ボタン160を押している間だけ或は押した回数に所定の倍数を乗じた数だけ排出球をカウントし、同じく最大250の範囲内でクレジットを増加させる。尚、自動供給でクレジットが0になり、排出装置5を3秒間駆動しても球のカウントがなくクレジットが上がらない場合、手動供給に切り替えている。以上、図15ステップ007〜013参照。
【0012】
図1の遊技機本体100内に封入した封入遊技球は総数25個であるが、クレジット度数に応じたのべ個数の封入遊技球を用いて遊技をすることができる。すなわち、クレジット度数が例えば200なら200回封入遊技球を発射できる。発射ハンドル10の操作によりソレノイド式の発射装置1から球を打ち出し、フロントガラス2Aの内方に設ける遊技盤2に球を流下させる。そして、入賞球或はアウト球となった遊技球を再び発射装置1に循環させる。このように封入遊技球が循環する閉回路Nは、払出装置3、受皿4、排出装置5を経路中に含む開回路O側とは独立している。
【0013】
図1中、符号112はトラブル発生時のエラー符号を表示する第2表示部、140はクレジット度数の残分に見合う数の球を受皿4に払い出す清算ボタンである。121,131,141,151,161は各ボタン120,130,140,150,160の操作時にボタン部分の点燈と同期させて点燈させる補助表示燈である。9は灰皿、40は受皿4の球を遊技者の手元側のドル箱に入れる押ボタン式の球抜操作具である。
【0014】
同図1中、170は遊技盤2の前部を覆う扉式のフロントカバーであり、171は枠上部飾りランプ、172は払出ランプ、173はトラブルランプ、174〜178は左右対称の各種演出用ランプ、179は演出用ステレオスピーカである。181,182は遊技機本体100を固定枠180に対して扉状に開く上下のヒンジ部、183はドア鍵の正回しで遊技機本体100の戸開きを許し逆回しでフロントカバー170の戸開きを許す鍵穴部である。
【0015】
図2に示すように、遊技機本体100は、平面的に見て中央が前方に張り出すように丸みを帯びている。払出装置3の球タンク30はその上部開口を図示しない島側の遊技球供給口に臨ませている。ところで、島は、複数台の遊技機を横並びに設置する現行主流の集合島の他、1台の遊技機を単独で設置する単独島をも含む。
【0016】
図3に示すように、投入口6はジョウゴ形を呈し、下部出口から延びる投入通路64を払出通路34の下流部途中に合流させている。従って、受皿4に接続される遊技球通路の出口は一箇所のみとなっている。このように投入通路64と払出通路34とが合流して受皿4に接続されるため、受皿4への通路接続部が一箇所のみにまとめられ、構造を簡易にできる。
【0017】
図4に示すように、操作部110は遊技者の見下ろし視線に対応させて後傾姿勢にしている。丸みを帯びた部分に設けられる各補助表示燈121〜161はサイドからもその点燈状況が判るようになっている。
【0018】
図5に示すように、遊技機本体100の裏側には、可変図柄表示装置等の主に遊技盤周りの制御対象をコントロールする主基板191、操作部110,払出装置3,排出装置5等をコントロールする枠基板192、これら基板上のCPUやROMの改ざんを防止する施錠機構付き基板保護装置193、主基板に付属するエラー表示基板194、盤面端子板195、枠中継端子板196、これに具備する電源スイッチ197、CRサンドとの接続基板198などの各種部品を備える。
【0019】
図5中、7は、払出通路34の上流側を、投入通路64と合流する下流側通路343と、島300に開放する回収通路70側とに切り替えて連通させる切替機構である。341は払出通路34の上流側パイプ部、342はパイプ部341と切替機構7を結ぶコイル状のフレキシブル通路である。11は、内蔵する発射装置1に封入球を送る球送り装置12、これに封入球を導く上流通路13等を備える封入球の球循環装置である。
【0020】
図6に示すように、遊技盤2には、発射装置1から打ち出す封入遊技球を盤面に導くガイドレール20、液晶画面上に3列の数字・記号や各種演出用絵柄を可変表示させる可変図柄表示装置21、その可変表示を起動する始動入賞口22、同じく電動チューリップから成る補助始動入賞口23、可変図柄表示装置21上で数字等が3列全て揃う大当たりが発生した時に開放するアタッカ24、補助始動入賞口23を開成させる抽選を起動する左右ゲート25、上下左右の一般入賞口26、盤面サイドランプ27、6個の風車28、アウト口29を設けている。
【0021】
図6の可変図柄表示装置21は、10インチの液晶大画面210をもち、透明樹脂板から成る遊技盤2の裏面から図柄を透かして見せるようにしている。図示は省略したが、遊技盤2上には、液晶大画面210の部分も含めて、多数の釘が打たれている。
【0022】
図7に示すように、遊技盤2の裏には、各入賞口22,23,26及びアタッカ24への入賞球を集める集合樋220を設けている。一般入賞口26に入賞した球は、各流下樋221〜224を通って集合樋220に開放される。流下スパンの長い両端の流下樋221,224には、球の流下速度を減じる千鳥配置の突起225を設けている。始動入賞口22,23に入賞した球は、流下樋226,227から始動口スイッチb1を通過した後、集合樋220に開放される。アタッカ24に入賞した球はテンカウントスイッチb2を通過した後、流下樋228から集合樋220に開放される。
【0023】
図7の集合樋220に集められた球は、入賞球検知スイッチb3を通過した後、球循環装置11の盤面排出球通路14に落ちる。アウト口29の球は流下樋229からそのまま盤面排出球通路14に落ちる。
【0024】
図7のテンカウントスイッチb2は、アタッカ24への入賞球が10個になるとアタッカ24を閉じる機能をもつと共に、アタッカ24の最大開放時間30秒のうち、開放当初の5秒間、開放後15秒〜20秒の5秒間に設定したV入賞タイミングに1球でも入賞があると、アタッカ24を最大16回の繰り返しを限度に再開放させる機能をもつ。尚、アタッカ24及び一般入賞口26への入賞球1個当たりの賞球数は13個、始動入賞口22,23への入賞球1個当たりの賞球数は5個に設定している。
【0025】
図8は、球循環装置11の詳細を示す。ベース11Aには、発射ソレノイド1Mをもつ発射装置1、前後一対の発射球検知スイッチ15、遊技盤面に達せずに戻ってくる球を検知する戻り球検知スイッチ16、球搬送モータ17M及び搬送スクリュー17Sをもつ球搬送装置17を設けている。ベース11Aに展開機構11Bを介して折り畳み及び展開自在としたカバー11Cには、球送りソレノイド12M及びスライダ12Sをもつ球送り装置12、上流通路13、上流通路13から球送り装置12に至る球を検知する球通路スイッチ18、盤面排出球通路14、これに連通する下流通路19を設けている。
【0026】
図8において、球の流れは以下の通りである。
▲1▼上流通路13内の球は、球送り装置12に流れる。
▲2▼球送りソレノイド12Mの動作により、発射装置1に送られる。
▲3▼発射ソレノイド1Mの動作により、発射球検知スイッチ15,15を通過して盤面へ発射される。
▲4▼盤面排出球通路14に落ちたアウト球又は入賞球はAから下流通路19を通ってBへ流れる。
▲5▼Bへ流れた球は、球搬送装置17のスクリュー下端位置Cに導かれ、球搬送モータ17Mの動作によりスクリュー上端位置Dまで上昇する。
▲6▼Dまで上昇した球は、Eから上流通路13に戻る。
▲7▼盤面に達しない戻り球は、戻り球検知スイッチ16を通過して、FからGを通り、盤面排出球と合流してBへ流れる。
【0027】
図8の球通路スイッチ18が一定時間球を検知できなかった場合、循環経路内での球詰りの発生とみなし、エラー状態としている。球送り装置12及び発射装置1は発射ハンドル10の回動操作により駆動され、発射球検知スイッチ15で発射球が検知され且つ戻り球検知スイッチ16で戻り球が非検知の場合、クレジット度数をカウントダウンするようにしている(図15ステップ014〜019参照)。クレジットが0になると、封入球の発射装置1、球送り装置12、球搬送装置17が停止し、遊技が終了する(同ステップ020)。
【0028】
図8の球送り装置12の詳細な動作説明は以下の通りである。
(1)上流通路13を流れてきた球は、スライダ12Sにより静止する。
(2)球送りソレノイド12Mの吸引動作により、スライダ12Sが上昇する。
(3)スライダ12Sの上昇により、球がスライダ12Sの内部に入る。
(4)球送りソレノイド12Mへの通電を停止することにより、スライダ12Sは下降し通常状態に戻り、内部の球が排出される。
【0029】
図8の球搬送装置17の詳細な動作説明は以下の通りである。
[1]下流通路19を通った球は、球搬送装置17の搬送スクリュー17Sの下端部Cに導かれる。
[2]スクリュー17Sの回転により球は上昇する。
[3]出口Dまで上昇した球はスクリュー17Sの歯によって押し出され、上流通路13に流れる。
尚、発射装置1の作動中、常にスクリュー17Sは回転している。
【0030】
図8中、11Dはカバー11Cを折り畳み状態でベース11Aに係止させる止具の受入穴、11Eは発射装置1、球送り装置12、球搬送装置17等の信号を中継する端子板である。
【0031】
図9は、払出装置3の詳細を示す。球タンク30の上流側底部裏面には、球切れ検知スイッチ31を設けている。球タンク30の下流側端部には、排出装置5と同じ構造のロータリー式球送出装置8をその軸線を傾けて取付けている。球送出装置8は、タンク底部の爪32に嵌め込むガイド体810によりタンク30と連通する遊技球の取込口81、取り込む遊技球をモータ821の駆動により円弧状通路822に沿って移送する溝820をもつ回転ディスク82を具備する。
【0032】
図10に示すように、球送出装置8は、その円弧状通路822の一側端部に、回転ディスク82の反時計方向に沿う左回転(正転)に伴い、球タンク30から移送する遊技球を払出通路34に排出する排出口83を具備する。円弧状通路822の他側端部には、回転ディスク82の時計方向に沿う右回転(逆転)に伴い、排出口83の上流に滞留する遊技球を排出する返却口84をも具備するが、払出装置3では逆転はさせないため、返却口84は未使用である。
【0033】
図11に示すように、球送出装置8の排出口83の前後には、遊技球の通過を検知する上流側検知スイッチ85と下流側検知スイッチ86とを設けている。
【0034】
図9〜11に示すように、払出装置3の動作は以下の通りである。
▲1▼島300より球タンク30へ供給された遊技球は、タンク30の勾配により取込口81へと流下する。
▲2▼取込口81に流下した遊技球は、回転ディスク82の溝820又はその上方に貯えられる。
▲3▼遊技球を賞球として払い出す際、回転ディスク82が左回転(正転)するようにモータ821に電流が供給される。
▲4▼回転ディスク82の溝820に入り込んだ遊技球は、ディスク82の回転に伴い移動し、上流側検知スイッチ85の上部を通過する。(上流側検知スイッチ85により所定の遊技球数がカウントされると、モータ821を停止する。)
▲5▼上流側検知スイッチ85を通過した遊技球は、排出口83へと落下する。この途中には、下流側検知スイッチ86が設けられていて、この2つのスイッチによりカウントされた遊技球が払い出した賞球数となる。こうして、封入遊技球の入賞があると、所定個数の賞球が受皿4に払い出される(図15ステップ021,022参照)。
▲6▼球タンク30の球切れ検知スイッチ31により、タンク30の貯球が検知されなくなると賞球の払い出しを停止する。
【0035】
図12は、受皿4部分の詳細を示す。受皿4の底部には、ドル箱へ球を抜くための球抜口41を開口しており、これを開閉するように球抜スライダ42を設けている。スライダ42の裏面に突設するピン43は、球抜操作具40の進退により軸441回りに揺動するクランク44の長孔442に受入れている。球抜操作具40を押し込むと、スライダ42が移動して球抜口41が開き、受皿4の底部の勾配により遊技球は球抜口41の下方からこれに連なる下方通路45を経てドル箱内に落とされる。球抜操作具40の押込み時、クランク44の小突起443により球抜き検知スイッチ46が作動される。
【0036】
図12に示すように、受皿4の奥には、仕切り470により球一個の通過のみ許容させた4区画の球吸込口47を開口しており、この球吸込口47の下方に、仕切り480をもつ4列の傾斜状ガイドレール48を設けている。そして、このレール48に流下させる遊技球を排出装置5に導いている。球吸込口47を一つ一つが球一個の通過のみ許容する区画構造にしているのは、不正球の挿入等のゴト行為を防止するためである。
【0037】
図13に示すように、排出装置5には、払出装置3で用いたと同じロータリー式球送出装置8を採用している。その遊技球の取込口81に連なるガイド体810は、ガイドレール48の下端爪49に嵌め込んでいる。基本的に図10、図11と同じ構造であるが、排出装置5に用いた球送出装置8では、排出口83の出口を、そのまま島300に開放させている。また、回転ディスク82の逆転により、排出口83の上流側に滞留する遊技球を返却口84から返却できるようにしており、返却口84から延びる返却通路87の出口870を、球抜口41の下方近傍にある下方通路45に隣接状に配置している。
【0038】
このように、排出装置5を回転ディスク82の回転によるロータリー式の構造としたため、遊技球の強制排出を円滑に行えると共に、回転ディスク82の逆転により、排出口83の上流における回転ディスク82の移送経路中に溜まった遊技球を、返却口84から遊技者の手元に戻すことができる。更に、返却通路87から返却される滞留球と、受皿4の球抜口41から抜かれる遊技球とを同じような位置から受け取ることができ、ドル箱等への球抜きが良好に行える。
【0039】
図13中、421は球抜スライダ42に一体化したガイド棒、422は一端をガイド棒421に受入れ、球抜スライダ42を閉方向に付勢するスプリングである。
【0040】
図13に示すように、排出装置5の正転によるクレジットアップ動作は以下の通りである。
▲1▼受皿4に遊技球が投入されると、受皿4の勾配により遊技球は吸込口47へ流下する。
▲2▼遊技球は吸込口47を通過後、ガイドレール48を経て取込口81に達する。▲3▼遊技球は回転ディスク82の溝820又はその上方に貯えられる。
▲4▼遊技球数のカウントによるクレジットアップを行う際、回転ディスク82が左回転(正転)するようにモータ821に電流が供給される。
▲5▼回転ディスク82の溝820に入り込んだ遊技球は、ディスク82の回転に伴い移動し、上流側検知スイッチ85(図10,11参照)の上部を通過する。(上流側検知スイッチ85により所定の遊技球数がカウントされると、モータ821を停止する。)
▲6▼上流側検知スイッチ85を通過した遊技球は、島300へと落下する。この途中には、下流側検知スイッチ86が設けられていて、この2つのスイッチによりカウントされた遊技球数がクレジットとなる。
【0041】
図12に示すように、排出装置5の逆転による残留球及びガイドレール48上の球の返却は以下の通りである。
▲1▼球抜操作具40を押し込むと、クランク44が回転する。
▲2▼クランク44の回転により球抜き検知スイッチ46が作動し、回転ディスク82が右回転(逆転)するように、モータ821に電流が供給される。
▲3▼回転ディスク82の溝820に入り込んだ遊技球は、ディスク82の回転に伴い移動し、返却口84から返却通路87へ落下する。
▲4▼遊技球は返却通路87の勾配により流下し、受皿4の下方(ドル箱)へつながる下方通路45と合流し、返却が行われる。
【0042】
このように、球抜操作具40を作動させて受皿4に貯めた球を抜くとき、連動して自動的に回転ディスク82の逆転による滞留球の返却も行える。
【0043】
以上、ドル箱への球返却は、受皿4の貯球が増えたとき任意に行え(図15ステップ023)、また、遊技終了時に清算ボタン140を押してクレジット分を受皿4に払い出した後、引き続いて行うことにより、受皿4の球を全て手元に回収できる(同ステップ024〜027)。尚、一旦クレジット分を受皿4に払い出した後、思い直して遊技を再開する場合、球抜操作具40を操作しないで、自動供給ボタン150又は手動供給ボタン160を押すことにより、島300側に遊技球を排出させて、再びクレジットをアップさせることができる。
【0044】
図14は、切替機構7の詳細を示す。ベース7Aには、払出通路34の上流側フレキシブル通路342に連続する一次側通路71、円形のセレクタチャンバ72、払出通路34の下流側通路343に連続する二次側右通路721、回収通路70に連続する二次側左通路722を形成しており、上部に被せるカバー7Bにより蓋をしている。セレクタチャンバ72には、軸730回りに回転する円板73裏に一体化するセレクタ74を配設しており、円板73表のつまみ75,75を左右に倒すことにより、一次側通路71を二次側の右通路721又は左通路722何れかにその連通を切替えるようにしている。
【0045】
図14中、740はセレクタ74の先端を受入れるベース7A側に設けた左右対称の凹所、750はつまみ75の所定範囲の回転を許容させるカバー7B側に設けた上下一対の開口部、76はベース7Aに設けた4つの位置決め用くぼみ、77は円板73に設けたスイッチ操作片770付きの左側位置決めラッチ、78は同円板73に設けた右側位置決めラッチである。
【0046】
図14の状態は、払出通路34の上流側が下流側に接続された通常状態を示す。このとき、円板73の側方に取付けた切替検知スイッチ79はオフ状態である。つまみ75を回して円板73を回転させて、一次側通路71を回収通路70に接続すると、各ラッチ77,78の係止位置が変わり、左側位置決めラッチ77のスイッチ操作片770により切替検知スイッチ79がオンし、これに連動して、払出装置3における球送出装置8のモータ821を正転駆動し、球タンク30に溜まる遊技球を自動的に島300に回収するようにしている。
【0047】
このとき、投入通路64側にある遊技球は回収されないため、遊技者側に不測の損害を与えることもない。又、回収通路70側への切替に連動して払出装置3が駆動するため、切替機構7での一つの操作で簡易に遊技球を回収できる。更に、払出装置3から払い出された遊技球は、コイル状のフレキシブル通路342を経て切替機構7に至るため、払出装置3と切替機構7とを結ぶ通路構成を簡易にできると共に、フレキシブルでコイル状とした内部通路によって落下球を減速等でき、切替機構7への衝突を緩和できて、その機構を保護できる。
【0048】
図14中、350は、受皿4がオーバーフローして払出通路34の球が流れずに滞留してきた場合、これを検知するオーバーフロー検知器であり、二次側右通路721の内部に臨む振り子式の検出片351と、これの動きでオンオフするスイッチ352とを有する。尚、オーバーフローを検出した場合、払出装置3を強制停止するようにしている。
【0049】
以上のものでは、発射装置1と遊技盤2との間でクレジット度数に応じたのべ個数の封入遊技球を循環させる閉回路N、遊技機設置設備側との間で遊技球を給排させる開回路Oを独立に備え、開回路Oは、遊技盤2での入賞による賞球を逐次払い出す払出装置3、払い出された遊技球を貯める受皿4、受皿4に貯める遊技球を遊技機設置設備側に排出させる排出装置5を含み、排出する球数に基づいてクレジット度数を更新するコントローラを設けている。尚、閉回路Nと開回路Oが独立であるとは、通常の遊技状態で、両回路の遊技球が互いに干渉せず混ざり合ったりしないことをいう。又、コントローラは、例えば主基板191や枠基板192上のマイクロコンピュータ等を用いて構築している。
【0050】
以上のものによれば、遊技者は、発射装置1から遊技盤2に向け、現時点で保有するクレジット度数に応じたのべ回数だけ封入遊技球を発射させ、遊技を楽しむことができる。遊技盤2で入賞が生じると、払出装置3から受皿4に賞球が逐次払い出される。このため、遊技者は遊技の進行に応じて、その都度、出玉の実感を得ることができる。封入遊技球の消費により、クレジット度数が減ると、排出装置5により受皿4に貯める遊技球を遊技機設置設備側に排出させる。すると、この排出する球数に基づいてクレジット度数が更新され、封入遊技球による遊技を続行することができる。
【0051】
しかも、払出装置3、受皿4、排出装置5は、遊技機設置設備側との間で遊技球を給排させる開回路O上にあり、払出しは遊技機設置設備側からの供給球により行え、大当たり等の大量出玉にも良好に対応できる。また、受皿4に払い出された遊技球は遊技者が直接手にすることができ、ドル箱等に入れることもできる。更に、受皿4の遊技球を排出することによりクレジット度数を更新でき、獲得した球や持込み球による再プレーにも柔軟に対応できる。もちろん、遊技盤2上には、開回路O側とは独立の外部と遮断された封入遊技球のみが循環するため、クリーンでトラブルが少なく、ゴト対策も改善でき、封入球式の利点がそのまま生かされる。
【0052】
図15のステップ022では、入賞があると、その都度、賞球を受皿4に払い出すようにしたが、ステップ022に代え、ステップ122,222に示すように、賞球によりクレジットのアップを優先させ、クレジットが上限値250に達したとき、これを越える分の賞球を受皿4に払い出すようにしてもよい。
【0053】
このようにすると、封入遊技球の発射のたびに少なくなるクレジット度数の減少を補って一定範囲のクレジット度数を確保でき、いつの間にかクレジット度数が零になって連続遊技が止まるといった事態を回避できる。それでいて、クレジット度数が上限値に達したときは(図15ステップ222)、この上限値を越える分の賞球は払出装置3から受皿4に逐次払い出される。このため、ある程度の出玉があるとき、遊技者はその遊技の進行に応じた出玉の実感を得ることができる。
【0054】
図16は、図8−Iにおける発射装置1周りの拡大図であり、該発射装置1は、球循環装置11の第1主ケースたるベース11Aと、これに対し折り畳み及び展開自在としたカバー11Cとの間に、サンドイッチ状にすっぽりと内装している。ベース11A及びカバー11Cは球循環装置11の本体ケーシング11Fを構成しており、そのベース11Aには、発射ソレノイド1Mから打ち出す球Pを遊技盤2側のガイドレール20(図6参照)に導く発射球導出通路11Gを設けている。このように、発射装置1の全体を、発射球導出通路11Gをもつケーシング11Fの内部にすっぽりと入れることにより、球の打ち出しに伴う衝撃音が外部に伝わるのを低減するようにしている。
【0055】
図16で明示した発射装置1の他、球送り装置12や球搬送装置17(図8参照)も、ベース11A及びカバー11C間にすっぽりと内装しており、一層の低騒音化を図っている。また、発射ソレノイド1M、球送りソレノイド12M、球搬送モータ17Mといった駆動部を有するこれらの装置1,12,17を球循環装置11の本体ケーシング11Fに組付けてユニット化することにより、全体の取扱い及びメンテナンスを容易にしていると共に、適当な振動を球循環装置11の本体ケーシング11Fに付与し、上流通路13や内部の球通路内で封入遊技球が円滑に流れるようにしている。
【0056】
図17は、図8−IIにおける発射装置1周りの拡大図であり、発射ソレノイド1Mは、その外側を覆う半割構造(図16参照)の第1ハウジング1Aと第2ハウジング1Bとでサンドイッチし、これらハウジング1A,1Bの各フランジ部1Af,1Bfを突き合わせて、複数のネジ1Nによりベース11Aに取付けている。尚、各ハウジング1A,1Bは、内部の発射ソレノイド1Mの様子がよく判るように透明ABS等の透明部材で形成している。さらに各ハウジング1A,1Bの径大な中央半円筒部1Am,1Bmには、発射ソレノイド1Mからの発熱を逃がす円形の通気孔1Ah,1Bhを開口している。
【0057】
図18は、図16,図17で表わされた発射ソレノイド1Mの半割構造のハウジング1A,1Bを一層明確にしたものである。発射ソレノイド1Mの円筒ケース1MKはハウジング1A,1Bの中央半円筒部1Am,1Bmの内部に、ロッド1MLの前部軸受1Mtは同前部半円筒部1At,1Btの内部に、同ロッド1MLの後部軸受1Mrは同後部半円筒部1Ar,1Brの内部にそれぞれ収納している。ロッド1MLの先端には、球を打つ先細りゴム製の槌先1Mgを取付けている。尚、このものは、各ハウジング1A,1Bの前方先端に半割構造の銃砲部1Ag,1Bgを設けたが、例えば第1ハウジング1A側のみに銃砲部を設けてもよい。
【0058】
図19は、発射ソレノイド1Mの組立図を示す。固定子巻線1Mfを介装するボビン1MBの外側には金属製の円筒ケース1MKを套嵌している。ボビン1MBの内部にはロッド1MLを結合したプランジャ1Mpを挿入している。プランジャ1Mpの前側には、復帰用コイルスプリング1Mcと前部緩衝部材1Maを介在させ、ボビン1MBに一体化した4本の前部ラッチ脚1Miに前部軸受1Mtの係止穴1Mzを嵌合係止させている。プランジャ1Mpの後側には、後部緩衝部材1Mbを介在させ、ボビン1MBに一体化した4本の後部ラッチ脚1Mjに後部軸受1Mrの係止穴1Mwを嵌合係止させている。
【0059】
図19において、1Mn,1Msはボビン1MBの巻線両端の磁極端板である。また、ロッド1の前側は円柱であるが、後側は一側に平坦部1Muを設けた非円柱としており、これを後部軸受1MrのD形通孔1Mdに挿入している。これにより、プランジャ1Mpを回り止めし、その進退動を安定化させている。
【0060】
図20は、発射ソレノイド1Mの完成図断面である。ここに、ボビン1MB及び各軸受1Mt,1Mrは、硬質な合成樹脂材料から成り、ロッド1ML及びプランジャ1Mpの軸心にブレが生じないようにしている。これに対し、前後両側の各緩衝部材1Ma,1Mbは、ゴム等の軟質な材料から成り、プランジャ1Mpの進退動に伴う衝撃をその弾性変形により吸収緩和し、一層の低騒音化が図れるようにしている。
【0061】
図21において、1Meは固定子巻線1Mfと結ばれる口出線であり、図23にも示すように、後部緩衝部材1Mbの切欠部1Myから取り出している。図22に示すように、前部緩衝部材1Ma側からは口出線は出ないが、材料及び組立管理を容易にするため、前部緩衝部材1Maにも切欠部1Mxを設けて部品の共通化を図っているが、もちろん機能上問題となることはない。尚、口出線1Meは、図17に示す第2ハウジング1Bの後部半円筒部1Brの切欠1Bqから取り出すようにしている。
【0062】
図24〜26は、球循環装置11の第2実施例の詳細を示す。本体ケーシング11Fの第1主ケースたるベース11Aは、図8のものと同様、遊技機本体100の裏側に取付けるものである(図5参照)。
【0063】
図24及び図25に示すように、ベース11Aには、発射ソレノイド1Mをもつ発射装置1、発射球導出通路11G、前後一対の発射球検知スイッチ15(15a,15b)、遊技盤面に達せずに戻ってくる球を回収する戻り球回収通路11H、戻り球を検出する戻り球検知スイッチ16、プレート状の発射球及び戻り球カバー11Jを設け、発射関連機構部をまとめている。発射球及び戻り球カバー11Jは、3辺に位置する先鋭三角鉤状の係止爪11Kと平面内2箇所の位置決めピン11Lによりベース11Aに着脱自在に取付けている。
【0064】
図24において、本体ケーシング11Fの第2主ケースたるカバー11Cは、回動式の展開機構11Bにより、ベース11Aに重ね合わせた折り畳み状態(通常の使用状態)と、展開させて互いの内部を外部に開き、点検・清掃等に対応させた展開状態とに位置変更自在としている。発射関連機構部をまとめたベース11A側とは異なり、カバー11C側には、球循環機構部をまとめている。このように、2つに分かれる主ケース11A,11Cのそれぞれに、独立した機能を集約させることにより、組付及びメンテナンス等を一層容易にしている。
【0065】
図24及び図26に示すように、カバー11Cの表側には、傾斜状通路から成る上流通路13及びその通路カバー11M、閉回路N中の過剰球を島300に排出する過剰球排出通路11N及びその通路カバー11Pを設けている。上流通路カバー11Mは、上下一対3箇所の外側張出し爪11Qとこれを引っ掛ける引掛爪11Rによりカバー11Cに対し着脱自在にしている。排出通路カバー11Pは、3箇所の先鋭三角鉤状の係止爪11S及び係止孔11Tと2つの位置決めピン11Uによりカバー11Cに対し着脱自在にしている。
【0066】
図24及び図26において、カバー11Cの内側には、球搬送モータ17M、減速機17m及び搬送スクリュー17Sをもつ球搬送装置17、上流通路13から球送り装置12に至る球を検知する球通路スイッチ18、上流通路13に折り返して連通する傾斜状の連通路11V及び盤面排出球通路14をもつ球送り通路ケース11W、盤面排出球通路14及び戻り球回収通路11Hに連通する下流通路19をもつ下流通路ケース11X、球送りソレノイド12M及びスライダ12Sをもつ球送り装置12及びこれを保持する球送りケース11Yを設けている。
【0067】
図24及び図26において、球搬送装置17は3箇所をネジによりカバー11Cの内側に取付けている。球送り通路ケース11Wは、4組の先鋭三角鉤状の係止爪11Z及び係止孔11aと2組の位置決め用筒状ボス11b及び受入孔11dによりカバー11Cの内側に着脱自在に取付けている。下流通路ケース11Xは、2箇所の先鋭三角鉤状の係止爪11e及び係止孔11fと2つの位置決めピン11gにより球送り通路ケース11Wの裏側に着脱自在に取付けている。球送りケース11Yは、上側の先鋭三角鉤状の係止爪11h及び係止孔11iと下側のL型爪11j及び引掛孔11mと2つの位置決めピン11nにより球送り通路ケース11Wの裏側に着脱自在に取付けている。
【0068】
図24において、球の流れは以下の通りである。
▲1▼上流通路13内の球は、連通路11Vを経て球送り装置12に流れる。
▲2▼球送りソレノイド12Mの動作により、発射装置1に送られる。
▲3▼発射ソレノイド1Mの動作により、発射球検知スイッチ15a,15bを通過して盤面へ発射される。
▲4▼盤面排出球通路14に落ちたアウト球又は入賞球はAから下流通路19を通ってBへ流れる。
▲5▼Bへ流れた球は、球搬送装置17のスクリュー下端位置Cに導かれ、球搬送モータ17Mの動作によりスクリュー上端位置Dまで上昇する。
▲6▼Dまで上昇した球は、Eから上流通路13に戻る。
▲7▼盤面に達しない戻り球は、戻り球回収通路11Hから戻り球検知スイッチ16を通過して、FからGを通り、下流通路19において盤面排出球と合流し、Bへ流れ、アウト球や入賞球と同様、球搬送装置17によりスクリュー上端位置Dまで上昇する。
【0069】
図24において、球通路スイッチ18の機能、クレジットのカウントダウン、球送り装置12の動作、発射装置1の動作、球搬送装置17の動作等は、図8を参照して説明した上記内容と同じである。尚、球通路スイッチ18は、図8及び図24のもの何れも、壁を隔てて検出端面に遊技球が存在しているか否かを感知する近接スイッチから成るものである。また、ベース11A及びカバー11C、発射球及び戻り球カバー11J、上流通路カバー11M、排出通路カバー11P、球送り通路ケース11W、下流通路ケース11X、球送りケース11Yは透明ABS等の透明部材で形成しており、内部の封入遊技球の循環状態が容易に目視できるようになっている。
【0070】
図24及び図26において、球搬送装置17は下方の球を上方に揚送する球揚送装置17を構成している。このような球揚送装置17を設けたことにより、球循環装置11内において盤面排出球(入賞球、アウト球)及び戻り球の球通路落差を十分に確保でき、その球の流れを円滑にできると共に、一旦下方に集めた球を揚送して発射装置1に導くから、発射装置1に安定して球を供給することができる。尚、このような球搬送装置17は、封入式のものに限らず、例えば、通常の遊技機において打ち損ない等による戻り球を下皿に放出させるのではなく、発射装置に自動的に導く機構にも適用できる。この場合、一々下皿から手で上皿に球を入れ直す手間が省ける。
【0071】
図24及び図26における上流通路13及び連通路11Vは、球送り装置12を経て発射装置1に導く前の封入遊技球を整列させる傾斜状通路から成るものであるが、同時に閉回路N中に所定数の封入遊技球、例えば25個の球Pを一時的に貯留する球貯留許容部を構成する。すなわち、上流通路13及び連通路11Vには、本例では最大25個の球Pを保持できるようにしている。尚、許容個数は25個以上の数(例えば30個)でもよいし、これ以下の数でもよい。
【0072】
図26に示すように、上流通路13の入口すなわち球搬送装置17の出口には、幅が略球1個分の寸法で、奥行が球1個半から2個分に満たない寸法の球受継樋13Jを設けており、この球受継樋13Jの反上流通路13側に、貯留許容数(本例では25個)を越える封入遊技球の乗り越えを可能にするオーバーフロー振分体13Wを設け、この振分体13Wを挟んで超過球排出通路11Nの入口側を隣接させている。
【0073】
図26に示すように、点検・清掃時等に閉回路N中に封入遊技球を過剰に封入したような場合で、上流通路13及び連通路11Vに最大25個の封入遊技球Pが常時貯留するものであると、球搬送装置17から搬送されてくる新たな球Pはオーバーフロー振分体13Wを乗り越え、超過球排出通路11Nを経て島300に排出される。これにより、過剰封入が自動的に是正される。球貯留許容部である上流通路13及び連通路11Vと、超過球排出通路11Nとにより、過剰球数是正手段が構成される。この是正手段は、過剰封入を自動的に是正するため、逆の見方をすると、点検時等に係員は厳密に規定個数を数える必要はなく、少し多めの封入遊技球を封入すればよく、作業性が改善できる。
【0074】
図26の状態は、過剰封入だけでなく、上流通路13や連通路11Vで球詰りが生じた場合にも起こる。この場合も、上流通路13の入口まで球が溜ってくると、球搬送装置17から搬送されてくる新たな球Pはオーバーフロー振分体13Wを乗り越え、超過球排出通路11Nを経て島300に排出される。これにより、球詰り発生部位の上流側に球が累積的にどんどん詰め込まれて、新たな球噛み等が発生するのを抑制できる。従って、上記過剰球数是正手段は、同時に球詰り対処手段を兼ねる。
【0075】
図26において、球受継樋13Jでゴミ詰りや球噛み等があり、球搬送装置17から球受継樋13Jへの球の受継ぎに障害が生じた場合にも、球搬送装置17から搬送されてくる新たな球Pはオーバーフロー振分体13Wを乗り越え、超過球排出通路11Nを経て島300に排出される。これにより、無理な球の押し込みにより球搬送装置17に過大負荷が作用したり、通路が破損したりする事故を未然に防止できる。従って、上記過剰球数是正手段は、さらに球搬送装置17からの球受継ぎ障害対処手段をも兼ねる。
【0076】
図27は第2実施例の発射装置1周りの平面図、図28はその正面図であり、それぞれ、第1実施例の図16、図17に対応している。このものも、基本的に図16、図17を参照して説明した第1実施例と同じ内容である。ただし、図27のとおり、半割構造の第1ハウジング1Aのみに略4分の3の円筒外面をもつ銃砲部1AGを設けている。また、その銃砲部1AGの底部には、鋼板等から成る断面V字型の発射レール1Rを設置し、摩耗等を低減している。
【0077】
図29は、発射装置1の組立図を示し、図19〜23で示したものと同じ発射ソレノイド1Mを用い、これを半割構造の第1及びハウジング1A,1Bでサンドイッチして4つのネジ1Nにてベース11Aに取付けている。
【0078】
図30〜32に示すように、ベース11Aには、発射装置1の第1ハウジング1Aの外側を受け入れる凹所1W、第1ハウジング1Aの円筒座部1Xを受入れるネジボス1Yを突設している。
【0079】
図33〜37は、球搬送装置17の詳細を示す。搬送スクリュー17Sは、第1スクリューケース17Aと第2スクリューケース17Bの間に内装している。2つのケース17A,17Bは、4組の先鋭三角鉤状の係止爪17F及びこれを突入させる嵌合孔17Hにより分解自在にしている。2つのケース17A,17Bの内方に、球入口17Jから球出口17Qに至る球搬送通路17Gを形成している。搬送スクリュー17Sは、中心部にインナーシャフト17Dを一体に具備し、両端を軸受17R,17Tで支持している。減速機17m及び球搬送モータ17Mは、モータブラケット17Zを介して取付け、継手用アダプタ17Uによりシャフト17Dと連結している。出口近くのスクリュー間には球止壁17Wを設けており、軸端側での球噛みを防止して球出口17Qから円滑に球を排出できるようにしている。排出された球Pは、上流通路13の入口に位置する球受継樋13Jに開放される(図26参照)。尚、17a,17bは各ケース17A,17Bをカバー11Cに取付ける取付座部である。全体は透明ABS等の透明部材から成る。搬送スクリュー17Sの回転数は、球搬送モータ17Mの出力を減速機17mで15分の1に落とし、約200rpm程度である。
【0080】
図38は、球搬送装置17に着脱自在に付設する球磨き装置17Cを示し、半円筒形のフィルタケース17f、球出口17Qの対応部位をストレートに開放させた出口部ケース17e、第1スクリューケース17A側取付座部17aに設ける突起17rに係止する係止片17t、第1スクリューケース17Aに設ける止穴17hに引っ掛けるレバー片17gを一体化している。フィルタケース17fには、不織布、スポンジ、軟質ゴム等のフィルタを入れ、定期的に交換するようにしている。尚、球磨き装置17Cは、汚れる部分であることから、例えば黒色のABS等で形成している。
【0081】
図39の遊技機は、投入口6から受皿4に至る投入通路64と、払出装置3から受皿4に至る払出通路34とを合流させずに独立させて設け、それぞれの出口を受皿4の奥行方向内方に左右対向状に変位させて開口した通路構成をもつ。遊技機本体100の幅方向一側すなわち遊技機の正面から見て左側には投入通路64を、他側すなわち右側には払出通路34をそれぞれ配置している。
【0082】
このように、投入通路64の遊技球と払出通路34の遊技球とは、それぞれ独立して別の出口から受皿4に開放され、受皿4に至る球経路に合流部はないため、投入通路64及び払出通路34それぞれの遊技球を受皿4に円滑に導くことができる。又、投入通路64と払出通路34とを遊技機本体の幅方向一側と他側に分かれて配置したため、遊技機本体の幅方向中央部に基板設置スペースや裏機構配設スペースを広く確保でき、裏構造をまとまりの良いものにできる。
【0083】
図40に示すように、払出装置3は、上述の図9〜11の第1実施形態と同様、遊技球を貯める球タンク30を備え、払出指令に基づいて所定個数の遊技球を払出すものであり、球タンク30に、払出すべき遊技球を払出通路34に強制的に送り出す球送出装置8を直結している。これにより、従来のような球タンクから延びる長尺な球整列樋を廃止して省スペース化を図っていると共に、従来のような重力落下を利用した払出しではなく、球送出装置8による強制的な球送りによる払出しにより、その払出し動作の高速化を図り、大当たり時等の大量出球に追従性良く対応できるようにしている。
【0084】
また、第1実施形態と同様、球送出装置8は、球タンク30に連通する取込口81、取込む遊技球を円弧状通路から成る移送路822に沿って回転方向に移送する回転移送体82、移送する遊技球を払出通路34に排出する排出口83をもつロータリー式のものから成る。このように球送出装置8をロータリー式とすることにより、構成の一層のコンパクト化を図ると共に、球の送り出し動作を確実かつ円滑に行えるようにしている。尚、第1実施形態と同様、取込口81は、球タンク30の底部に設ける爪32に嵌め込む着脱式の球ガイド体810により球タンク30の内部と結ばれ、また、回転移送体82は、外周に遊技球を受入れる所定深さをもち平面から見て円弧状を呈する多数の溝820を設けた回転ディスクから成る。
【0085】
更に、第1実施形態と同様、回転移送体82及びその駆動モータ821の軸線82Lは、球タンク30の水平線30Hに対し傾斜させており、回転移送体82に円滑に球を取り込ませることができるようにしていると共に、球タンク30内に貯留する多数の遊技球の荷重が駆動モータ821にそのまま直に作用するのを軽減し、できるだけ駆動モータ821にかかる負荷を軽くするようにしている。その軸線82Lの傾斜角αは、図示のとおり45°若しくはこの近辺に設定するのが好ましく、球の円滑な取込みと、貯留球による負荷の軽減とが両方うまく図られる。
【0086】
軸線82Lの傾斜配置に伴い、複数の遊技球を取込み可能とした一次側の取込口81、取込む遊技球を回転方向に整列させて移送する回転移送体82、移送する遊技球を二次側通路に排出する排出口83を備える球送出装置8にあって、回転移送体82による移送路822をも水平面に対し傾斜させ、この移送路822の傾斜方向下方に取込口81を上方に排出口83をそれぞれ設けて、下方から斜め上方に向け回転移送体82の回転方向に倣う円弧に沿って遊技球を揚送するようにしている。これにより、重力に逆らう適度な搬送抵抗の付与により、遊技球が不用意にはじき飛ばされたり、なだれ現象等によって過剰払出しが行われたりすることもなく、しかも、揚送負荷が過大になったり、揚送途中で球噛みや球詰り等が生じたりすることもなく、円滑な強制搬送が行える。
【0087】
また、図40の第2実施形態のものは、図9の第1実施形態と同様、球タンク30の下位底部に回転移送体82を臨ませていると共に、回転移送体82の上方において球タンク30の内方側に張り出すように駆動モータ821を配置している。これにより、球タンク30の外方に駆動モータ821が出っ張るのを防止でき、より一層のコンパクト化が図れる。
【0088】
更に、図40の第2実施形態のものは、図9の第1実施形態と同様、駆動モータ821は、前方に直結する減速機82Dと共にモータケース823に保持させている。モータケース823は、中心部に駆動モータ821及び減速機82Dを納める筒部82Tを有し、軸線82Lの傾斜構成と相まって、筒部82Tの下方腹面を球タンク30の内方から取込口81側にかけて臨ませ、これにより、取込口81側に遊技球を導く誘導部を構成している。こうして、駆動モータ821の傾斜配置によるコンパクト化と相まって、球の取込みを一層円滑に行えるようにしている。尚、図9の第1実施形態において、モータケース823の筒部82Tの左右両側に一体的に張り出す羽根状板部82F,82Fも、筒部82Tの下方腹面と同様、取込口81側に遊技球を導く誘導部を構成している。
【0089】
図40の第2実施形態は、図9の第1実施形態と異なり、回転移送体82による遊技球の移送路822の途中に、斜め上方側から、回転移送体82の軸線と平行状に延びる片持ちスプリング824の下方の自由端を臨ませている。その自由端と移送路822の底面との間には、球1個分のリフトを確保しており、取込口81から離れた排出口83の間際の最下流側移送路822dと共に、球一個分の通過を許容する規制通路を構成している。尚、スプリング824の上方側端部は、モータケース823に固定している。
【0090】
このようにスプリング824を設けることにより、多数貯留する遊技球を入口側で適度にさばいて回転移送体82に遊技球を一個づつ円滑に取り込ませると共に、移送する遊技球に適度な遊びを付与し、回転移送体82と移送路822との間で遊技球の噛込みや球詰り等が生じるのを防止できるようにしている。従って、遊技球は回転移送体82の各溝820に円滑に取り込まれ、噛込み等もなく円滑に移送される。尚、スプリング824は導電性材料から成り、遊技球の静電気を接地できるようにしている。
【0091】
図40において、310は球タンク30内の球切れ検出器である。図9のものでは壁を隔てて検出端面に遊技球が存在しているか否かを感知する近接スイッチを用いたが、図40のものでは、球有り時は下方に揺動してマイクロスイッチ311をオンし、球切れ時は同スイッチ311をオフにする検知板312を備えて成る。マイクロスイッチ311及び検知板312はホルダー313に保持させて、球タンク30の下面に取付けている。33は球タンク30からの球落ち防止ガイドであり、上向きに突出する多数の小幅なガイド片330をもつ合成樹脂製一体成型品から成る。825は移送路822の底面及び側面を区画するホッパーケースである。該ホッパーケース825には、モータケース823及び球ガイド体810がネジ止めより取付けられる。ホッパーケース825、モータケース823、球ガイド体810により、球送出装置8を一体にまとめる本体ハウジングを構成している。
【0092】
図41及び42は、球タンク30から球送出装置8をその本体ハウジングごと取り外した状態を示す。球ガイド体810の先端を嵌め込む爪32は、タンク底部の円弧状開口320に沿って4つ設けている。321,321は、球送出装置8の本体ハウジングを取付けるボス部であり、図43に示すホッパーケース825の左右に突出させたフランジ826,826を当接させ、ネジにより取付けるようにしている。従って、爪32部の嵌合とボス部321の2箇所のネジ締めとにより、簡単且つ確実に球送出装置8を装着でき、また、これらを外すことにより簡単に取外しが行える。
【0093】
図43に示すように、図40の第2実施形態のものは、図9の第1実施形態と異なり、取込口81を挟んで円周方向一側に設ける排出口83に対し反対側の円周方向他側に位置する第2の排出口84を、球タンク30及び回転移送体82の溝820内に滞留する遊技球を遊技機設置設備側すなわち島に回収する回収口として利用している。すなわち、回転移送体82は正逆転切換え式の駆動モータ821によって同じく正逆転切換え式としており、その逆転により、回転移送体82で移送する遊技球を排出口83と別に設ける第2の排出口84を経て回収通路70に導く構成にしている。これにより、球タンク30の部分で、通常の払出しの他に、点検や閉店時等における遊技球の回収をも行え、特別な切換機構7を設ける必要性もなく、一層の構成の簡易化及び小型化が図れるようにしている。尚、回収通路70の出口は、図39に示すように島に開放される。
【0094】
図43において、第1排出口83と第2排出口84とは、ハの字形に隣接する仕切り壁833,843を挟んで近接させており、各排出口83,84に至る移送路822,822を、限られた寸法の範囲内で共に最大限に長く確保し、正逆作動時何れについても遊技球の良好な強制移送が行えるようにしている。また、第2排出口84に至る移送路822の途中にも、第1排出口83に至る移送路822の途中に設けた片持ちスプリング824と同じものを対称な位置に配設しており、遊技球の回収時にも円滑な作動が行えるようにしている。
【0095】
図44に示すように、取込口81から離れた下流側の移送路822は、上述したとおり、球一個分の通過を許容する規制通路としており、この規制通路に上流側検知スイッチから成る球検出器85を配設している。この点、図11も同じである。図11のものは移送路822を垂直に描いているが、図9から明らかなとおり実際には45°に傾斜しており、図44と同じである。こうして、斜め上方に向く移送路822に沿い、重力に逆らう適度な搬送抵抗を付与しながらの移送構成と相まち、規制通路を通る1個1個の遊技球を球検出器85で検出させることにより、検出ミスすることなく良好かつ確実な検出を行わせ、検出精度を高めている。
【0096】
排出口83の出口には、下流側検知スイッチから成る第2の球検出器86を設けており、2つの球検出器85,86により、より一層の検出精度の向上を図ると共に、セキュリティを万全にしている。
【0097】
ところで、図44のものは、一次側に貯留する遊技球を回転ディスク等による強制移送手段によって球1個分の通過を許す移送路822を経て二次側に送り出す構成において、移送路822を上流部から下流部に向けて上を向く傾斜状通路にすると共に、この傾斜状通路の上方に二次側への排出口83を開口し、この排出口83の開口位置を頂上とした頂上乗越えにより二次側に遊技球を取り出す構成とする一方、排出口83の開口位置の前後に第1及び第2の一対の球検出器85,86を配置している。このように、重力に逆らう適度な搬送抵抗の付与による良好な搬送と共に、頂上乗り越えによる排出とし、この頂上乗り越え部分の前後において、まさに排出されようとする遊技球と現実に排出された遊技球とを検出するから、極めて適切かつ的確な球計数が行え、信頼性及び精度を極めて高くできるのである。
【0098】
図44において、傾斜状通路と排出口83との連続部には、傾斜状通路を上昇する遊技球の向きを変えて排出口83に誘導する誘導体830を設けている。この誘導体830は、排出口83の流入部に広い台形状の盗みを確保するホッパーケース825側の受入ガイド831と、これに対向するモータケース823側の三角状押出ガイド832とから成る。第2排出口84側も同様の構成にしており、受入ガイド841と押出ガイド842とから成る誘導体840を設けている。こうして、誘導体830,840を設けることにより、円滑な球排出が行えるようにしている。
【0099】
図45は、受皿4部分の第2実施形態を示しており、球送出装置8を取外した平面図である。基本的には、図12の第1実施形態と同じであるが、投入通路64の出口は受皿4の奥行方向内方の左側に接続し、払出通路34の出口はその反対側の右側に接続している。
【0100】
図46に示すように、受皿4の奥には、計数すべき遊技球を遊技機設置設備側の島に通じる排出路に強制的に送り出す球送出装置8を直結しており、遊技機正面の自動供給ボタン150又は手動供給ボタン160の操作に起因した計数指令に基づいて受皿4から排出する遊技球を計数し、クレジットアップするようにしている。こうして、受皿4の奥に球送出装置8を直結することにより、全体構成のコンパクト化を図ると共に、球送出装置8による強制的な球送りにより、計数処理を高速化するようにしている。尚、この技術は、景品交換場や島の適宜箇所等に設けるいわゆるジェットカウンタにも適用できる。
【0101】
図46の第2実施形態も、図13の第1実施形態と同様、球送出装置8は、受皿4に連通する取込口81、取込む遊技球を円弧状通路から成る移送路822に沿って回転方向に移送する回転移送体82、移送する遊技球を排出路となる島側に排出する排出口83をもつロータリー式のものから成る。このように球送出装置8をロータリー式とすることにより、構成の一層のコンパクト化を図ると共に、球の送り出し動作を確実かつ円滑に行えるようにしている。
【0102】
尚、図46の第2実施形態では、図13の第1実施形態が取込口81に至る球ガイド体810と受皿4からのガイドレール48とを分離しているのとは異なり、これら球ガイド体810とガイドレール48を丁度一体化させたような球継ぎ路481を用い、この球継ぎ路481を介して受皿4と取込口81とを連結している。球継ぎ路481はその先端を受皿4の底部に設ける爪490に嵌め込む着脱式としている。
【0103】
その他、回転移送体82は外周に遊技球を受入れる所定深さをもち平面から見て円弧状を呈する多数の溝820を設けた回転ディスクから成る点、回転移送体82及びその駆動モータ821の軸線82Lを受皿4の水平線4Hに対し傾斜させている点、その傾斜角αを45°若しくはこの近辺に設定するのが良い点、移送路822も同様な傾斜構成にして重力に逆らう適度な搬送抵抗の付与による搬送をしている点、球ガイド体810に代わる球継ぎ路481に回転移送体82を臨ませ、回転移送体82の上方において球継ぎ路481側に張り出すように駆動モータ821を配置している点、駆動モータ821を保持するモータケース823に取込口81側に遊技球を導く誘導部を設けている点、回転移送体82による遊技球の移送路822の途中に回転移送体82の軸線と平行状に延びる片持ちスプリング824の自由端を臨ませている点、及び、それぞれの関連事項は、図40を参照して説明した内容と同じである。
【0104】
図47に示すように、受皿4部分の第2実施形態は、図12の第1実施形態と同様、回転移送体82を正逆転切換え式としており、その逆転により移送する遊技球を排出口83と別に設ける第2の排出口たる返却口84を経て返却通路87に導く構成にしている。図47の返却通路87は、球継ぎ路481の構成体と一体化している。その他、第1の排出口83と第2の排出口84とを近接させている点、第2の排出口84に至る移送中にも片持ちスプリング824を配設している点、及び、それぞれの関連事項は、図43を参照して説明した内容と同じである。
【0105】
図47に示すように、球継ぎ路481は、仕切り480(48i,48j,48k,48m,48n)で区画する4レーンの球通路48A,48B,48C,48Dを備え、各通路の底面には、下方に開放するスリット482をそれぞれ設けている。図46に示すように、各スリット482の下方には、該スリット482からの落下物の捕集具483を配置しており、ジュース等の液体や煙草の灰等といった正規の遊技球以外の異物が球送出装置8側に侵入するのを未然に防いでいる。捕集具483は、受皿4の底部から延びる球抜き用の下方通路45の構成部材450と一体的に兼用させて設けており、異物は下方の例えばドル箱の内部に戻される。尚、受皿4に直結する球送出装置8の本体ハウジングは、ホッパーケース825、モータケース823、球ガイド体に代わる球継ぎ路481から成り、受皿4側のボス部401,401にホッパーケース825側のフランジ826,826を当接させてネジにより取付けている。
【0106】
図48に示すように、受皿4から球送出装置8側への球吸込口47、すなわち球滞留部と球計数機構部とを結ぶ球取込部は、球一個分の通過を許容する複数個の開口区画、具体的には球継ぎ路481の4レーンに対応させて4つの開口区画47A,47B,47C,47Dをもつ。それぞれは仕切り470(47i,47j,47k,47m,47n)で区画している。このように、球取込部を球一個分の通過を許容する複数個の開口区画とすることにより、球計数機構部側への供給球を十分に確保して計数処理の高速化を図りながら、異物の挿入やゴト行為を効果的に防止できるようにしている。尚、球取込部を複数の開口区画に仕切ったことから、各開口区画に円滑に球が吸い込まれるように、偏心カムやハンマー等の打部を開口区画近くの壁面に打ち当てる等といった振動付与手段を設け、開口区画に振動を付与するようにしてもよい。
【0107】
その他、図45〜48の受皿4部分の第2実施形態は、図12,13の第1実施形態も同様であるが、図44を用いて説明した点、すなわち、取込口41から離れた下流側の移送路822を球一個分の通過を許容する規制通路としている点、頂上乗り越えにより球排出を行う点、頂上乗り越えの前後に一対の球検出器85,86を配設している点等と内容において同じである。
【0108】
図49は図5における基板まわりの詳細を示す。第1基板たる主基板191と第2基板たる枠基板192とは、前述したとおり、施錠機構付き基板保護装置から成る単一のロック機構193によりロックしている。このように異なる種類の複数の基板を一つのロック機構193でロックすることにより、ロック時には複数の基板をまとめてセキュリティが図れ、ロック解除時には、複数の基板を同時にメンテナンスできるのであり、点検、修理等の利便を高めつつ、ROMの改ざん等のゴト行為に簡易かつ確実に防御することができる。
【0109】
図50に示すように、第1基板たる主基板191は、下ケース19iと上ケース19jとを、爪19eと係止段部19gから成る複数の係止手段を介して箱状と成した第1基板ケース19Aの内部に納めている。同じく第2基板たる枠基板192は、下ケース19kと上ケース19mとを、爪19fと係止段部19hから成る複数の係止手段を介して箱状と成した第2基板ケース19Bの内部に納めている。これら基板ケース19A,19Bは全体を透明な合成樹脂材料で形成している。コネクタ部分等の外部接続部を除き、CPU,ROM、周辺回路部品は全て基板ケース19A,19Bの内部に収めている。
【0110】
第1基板ケース19Aは、その右端をピン19pをもつヒンジ19xから成る上下一対の回動支持機構により遊技機本体裏のベース部材に支持され、ピン19pを中心として右側に戸開きできるようにしている。一方、第2基板ケース19Bは、その左端をピン19qをもつヒンジ19yから成る上下一対の回動支持機構により遊技機本体裏のベース部材に支持され、ピン19qを中心として左側に戸開きできるようにしている。左右下方側のヒンジ19x,19yには、各基板ケース19A,19Bと当接して下方への脱落を防止するサポート片19sを一体化している。
【0111】
従って、図50に示すように各基板ケース19A,19Bは単独で戸開きできる他、これら基板ケース19A,19Bは観音開きできるようになっている。これにより、図49に示すように通常時は各基板ケース19A,19Bの底面で蓋をした遊技機本体裏のベース部材開口部2Rを開放でき、遊技盤2の裏面の球通路並びに、可変図柄表示装置21の裏側や遊技盤裏面に取付ける液晶コントロール基板や各種中継基板等をむき出しの状態にでき、点検、修理が容易に行えるようにしている。
【0112】
図51にも示すように、前記ロック機構193は、各基板ケース19A,19Bの突き合わせ側上部の段部19a,19bに上から覆い被さる長尺なサポート部193A、遊技機本体裏のベース部材に立設させるブラケット19zに回動自在に支持する枢支側基端部193B、遊技機本体裏のベース部材側との間で施錠及び解錠する錠の可動部を保持するL形の操作側先端部193Cとから成る。キーの差し込み及び回転により施錠を外してロックを解除すると、全体は基端部193Bを中心に90°以上回動可能となり、サポート部193Aを各基板ケース19A,19Bの上から退かすことにより、基板まわりのセキュリティを解除できる。
【0113】
尚、各基板ケース19A,19Bの内部には一枚のプリント基板を収納する他、例えば図示のように主基板191とエラー表示基板194とをまとめて収納するといったように2種以上の基板を一つの基板ケースに収めてもよい。また、各基板ケース19A,19Bを上下方向に分割する等して、3以上の基板ケースを一つのロック機構193でまとめてロックするようにしてもよい。更に、上記ヒンジ19x,19yやブラケット19zを遊技機本体裏のベース部材に固定するネジは、全て、ロック状態にある各基板ケース19A,19Bの影やロック機構193の影で隠され、ドライバー等は挿入できない構造にしており、セキュリティを万全にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明計数装置を適用した弾球遊技機の正面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】投入口周りの通路説明図。
【図4】図1の側面図。
【図5】図1の背面図。
【図6】遊技盤の正面図。
【図7】図6の背面図。
【図8】球循環装置の説明図。
【図9】払出装置の説明図。
【図10】球送出装置の要部説明図。
【図11】図10のY−Y断面図。
【図12】受皿部分の平面的説明図。
【図13】受皿及び排出装置の断面図。
【図14】切替機構の正面図。
【図15】遊技動作を示すフローチャート。
【図16】図8−Iの要部拡大図。
【図17】図8−IIの要部拡大図。
【図18】図16の分解図。
【図19】発射ソレノイドの分解断面図。
【図20】同完成断面図。
【図21】同完成正面図。
【図22】同完成右側面図。
【図23】同完成左側面図。
【図24】球循環装置の第2実施例の説明図。
【図25】球循環装置のベース側組付完成図。
【図26】球循環装置のカバー側組付完成図。
【図27】図16に対応した発射装置の第2実施例の平面図。
【図28】図17に対応した発射装置の第2実施例の正面図。
【図29】発射装置の第2実施例の組立図。
【図30】図28のX−X断面図。
【図31】図30のY−Y断面図。
【図32】図30のZ矢視側面図。
【図33】球搬送装置の正面図。
【図34】図33のV−V断面図。
【図35】図33のW−W端面図。
【図36】図33のR矢視側面図。
【図37】図33のT−T断面図。
【図38】球磨き装置の説明図。
【図39】通路構成が異なる弾球遊技機の正面図。
【図40】払出装置の第2実施形態の説明図。
【図41】球タンクの第2実施形態の平面図。
【図42】球タンクの第2実施形態の左側面図。
【図43】図40のβ1矢視拡大図。
【図44】図43のY2−Y2断面図。
【図45】受皿部分の第2実施形態の平面説明図。
【図46】受皿及び排出装置の第2実施形態の断面図。
【図47】図46のβ2矢視拡大図。
【図48】受皿部分の第2実施形態の正面説明図。
【図49】基板ケースまわり平面図。
【図50】一部断面とした図49の下面図。
【図51】ロック機構の断面図。
【符号の説明】
1;発射装置
1A;第1ハウジング、1B;第2ハウジング
1M;発射ソレノイド、1Mp;プランジャ、1ML;ロッド
1Ma;前部緩衝部材、1Mb;後部緩衝部材
2;遊技盤、20;ガイドレール、2R;ベース部材開口部
3;払出装置、30;球タンク、34;払出通路
4;受皿、482;スリット、483;捕集具
5;排出装置
6;投入口
7;切替機構、70;回収通路
8;球送出装置、81;取込口、82;回転移送体、83;排出口、
84;第2の排出口(返却口)、85;球検出器、86;第2の球検出器、
87;返却通路、821;駆動モータ、
822;移送路、823;モータケース、824;片持ちスプリング
11;球循環装置、12;球送り装置、17;球搬送装置(球揚送装置)
11F;本体ケーシング、11A;第1主ケース(ベース)
11B;展開機構、11C;第2主ケース(カバー)
17S;搬送スクリュー、17W;球止壁、17C;球磨き装置
19A;第1基板ケース、19B;第2基板ケース、193;ロック機構
Claims (7)
- 遊技球の受皿と、計数指令に基づいて受皿から排出する遊技球を計数する球計数機構部をもつ遊技球の計数装置において、
前記受皿と前記計数機構部とを結ぶ球取込部は、球一個分の通過を許容する開口区画を複数個備え、
前記計数機構部は、
前記受皿に連通する取込口と、
遊技球を円弧状通路から成る移送路に沿って回転方向に整列させて移送する回転移送体と、
前記移送路の頂上となる位置に設けられ、遊技球の流入部と出口とを有し、排出路側に連通する排出口と、
前記回転移送体を駆動するモータを収納するモータケースの筒部の腹面を前記取込口に臨ませて、遊技球を当該取込口側に導く誘導部と、
を備え、
前記回転移送体の回転方向に倣う円弧に沿って下方から上方に向けて遊技球を揚送し、前記頂上を乗り越えて落下させることにより、遊技球を前記排出口から取り出す構成とし、しかも、前記移送路の頂上に位置する前記流入部に、前記排出路側へ排出されようとする遊技球を検知する上流側検知スイッチを配設する一方、前記排出口の出口には、前記排出路側へ排出された遊技球を検知する下流側検知スイッチを配設した構成としたことを特徴とする遊技球の計数装置。 - 前記開口区画に振動を付与する振動付与手段を設けている請求項1記載の遊技球の計数装置。
- 円弧状通路から成る前記移送路は、前記受皿の水平線に対して傾斜している請求項1又は2に記載の遊技球の計数装置。
- 前記取込口を挟んで円周方向一側に設けられた前記排出口と反対側の円周方向他側に返却口を設け、前記回転移送体の回転方向を切換えることによって、遊技球を前記返却口から返却通路に導く請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技球の計数装置。
- 前記移送路の途中に、前記回転移送体の軸線と平行状に延びる片持ちスプリングの下方の自由端を臨ませ、遊技球1個分の通過を許容する請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技球の計数装置。
- 前記片持ちスプリングは導電性材料から成る請求項5記載の遊技球の計数装置。
- 前記誘導部は、前記モータケースの筒部の左右両側に一体的に張り出す羽根状板部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遊技球の計数装置。
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