JP2520444Y2 - ゲーム機の呼出表示兼入賞表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は例えばパチンコ機、ス
ロットマシン等のゲーム機において、トラブル発生時等
に遊戯者が店員を呼び出すための呼出表示および入賞情
報を示すための入賞表示の両表示機能を備えたゲーム機
の呼出表示兼入賞表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のゲーム機として、そのゲ
ーム機本体の上方位置に、トラブル発生時等に遊戯者が
店員を呼び出すための呼出スイッチと、その呼出時およ
び入賞時に点灯する呼出表示兼入賞表示部とを有する呼
出表示兼入賞表示装置が配設されたものが知られてい
る。

【０００３】この種の表示装置における呼出スイッチと
しては、押下操作によって作動される機械接点式の押し
ボタンスイッチが広く用いられている。

【０００４】一方、呼出表示兼入賞表示部としては、例
えば横列に直線状に並設した複数個のランプを有し、入
賞時に各ランプを左から右へあるいは右から左へあるい
は中央から左右へ流れ点滅せしめ、入賞状態が続いてい
る限りこれを継続する一方、呼出スイッチ押下時に特定
のランプが点灯することによって呼出情報を表示するよ
うになされたものが既知である。

【０００５】ところで、上記のような表示は、その遊戯
者の顕示欲を満たしかつ他の遊戯者の射倖心を高揚して
ゲーム意欲を増大せしめるべく、顕示性、興趣性に優れ
たものであることが望まれる。さらには遊戯者が店員を
呼び出す場合に店員が多数のゲーム機列の中から当該呼
出機を見付け易くするために表示効果の高いものである
ことも要請される。

【０００６】しかして、従来のこの種の表示部は、複数
個のランプを内部に配置せしめ、これを例えば赤色、黄
色、青色等のカラフルな色に着色された立体的な表示灯
器で覆った形式のものが好んで用いられていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上述の如く
この種の呼出スイッチはゲーム機本体の上部位置に配設
固定された、遊戯者の視野範囲外に存在するものであ
り、しかも比較的小型のものである。従って、これを押
下操作するには遊戯者がスイッチの位置を先ず視認する
ことが要求される。このような視認作業は、遊戯者がゲ
ーム中に一旦そのゲーム機から目を離すことを意味する
ものであり、ゲームに支障のない程度の些細なトラブル
の場合であってもゲームを中断等せざるを得ずゲームに
集中することができないという不都合があった。

【０００８】一方、表示灯器にあっては、興趣性、注意
喚起力、顕示効果、表示効果等の増強を図るべく種々の
形状、色彩のものが提案されており、その外観体裁は年
々派手なものになる傾向にある。しかし、そのような業
界の努力にもかかわらず、興趣性、注意喚起力、顕示効
果、表示効果等において必ずしもその試みは成功してい
るとは言い難いのが現状である。

【０００９】また、表示灯器の興趣性の増大を図るため
にこれを立体的で複雑な形状にすることが好んで行われ
ているが、かかる遊戯場にあっては埃や煙草のヤニ等が
付着しやすいものであり、表面形状が複雑になって凹凸
が増大すればするほどその清浄作業が面倒になる。

【００１０】更に、表示部に用いるランプは、通常の使
用状態では１年位のサイクルで交換することを余儀無く
され、そのメインテナンスが結構面倒なものであった。

【００１１】この考案は上述の欠点を解消するためにな
されたものであって、遊戯者が呼び出し操作を容易に行
うことができるように操作性に優れるとともに、遊戯者
に対する顕示効果、興趣性に優れ、しかも店員に対して
も呼出ゲーム機を容易に特定できるように表示効果に優
れ、それでいて外観体裁をすっきりせしめて遊戯場を落
ち着いた雰囲気にしうるようになされた、ゲーム機の呼
出表示兼入賞表示装置の提供を目的とするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本願考案は、上記目的を
達成すべくなされたものであり、ゲーム機本体の上方位
置に配設された、呼出スイッチおよび呼出表示兼入賞表
示部を有する、ゲーム機の呼出表示兼入賞表示装置であ
って、前記呼出表示兼入賞表示部を構成するランプとし
て冷陰極管が用いられる一方、前記呼出スイッチとして
幅広のタッチセンサー式電子スイッチが用いられ、前記
ランプとしての冷陰極管の前方に垂直平板状の表示プレ
ートが配設されるとともに、前記タッチセンサー式電子
スイッチのタッチ板が、表示プレートの下端部から前方
突出状に延びた水平状平面部と、該平面部の前端縁部か
ら後方に向かって下方屈曲状に延設された前面部を有す
るものに形成されていることを特徴とする、ゲーム機の
呼出表示兼入賞表示装置を要旨とするものである。

【００１３】呼出表示兼入賞表示部としては、その前面
に平板状の透光性合成樹脂パネルを配設し、その背後の
ランプとして複数本の冷陰極管を配設したものが好適に
用いられる。

【００１４】

【実施例】次に、この考案を図示実施例に基づいて説明
する。

【００１５】図１〜図３において、（１）はパチンコ
機、スロットマシン等のゲーム機本体、（２）は表示装
置である。

【００１６】ゲーム機本体（１）は大当り等の入賞状態
になると、所定の入賞信号を出力するように構成されて
いる。

【００１７】隣り合うゲーム機本体（１）（１）の境界
部上方位置には木製の蒲鉾状区画部材（３）が配設され
ている。その隣接する区画部材（３）（３）相互間に
は、平板状の表示プレート（４）、その裏面側に上下一
対の冷陰極管（５）および制御装置（６）がそれぞれ配
設されている。しかして、表示プレート（４）および冷
陰極管（５）により表示部（ａ）が構成されている。上
記表示プレート（４）の下部には、表示プレート（４）
の幅とほぼ同じ程度の幅広のタッチセンサー式電子スイ
ッチ（７）のタッチ板（８）が配設されている。

【００１８】上記表示装置（２）の上部には、乳白色ア
クリル系合成樹脂等よりなる断面弧状の透光性合成樹脂
カバー（９）とその内部に配設された蛍光灯（１０）と
からなる幕板内照式の照明装置（１１）が設置されてい
る。

【００１９】前記表示プレート（４）は、乳白色アクリ
ル系合成樹脂等よりなる矩形状の平板材であり、隣接す
る蒲鉾状区画部材（３）（３）相互間の上方位置の奥部
に差し替え可能な態様で垂直状配置にて嵌め込み状態に
配設固定されている。

【００２０】一方、前記タッチ板（８）は、ステンレス
等よりなる金属板をプレス成形したものであって、図２
に示すように、上記表示プレート（４）の下端縁部が当
接されるとともに前方突出状に延びた水平状の平面部
（８ａ）と、その前端縁部より前記蒲鉾状区画部材
（３）の表面と略同一曲率半径をもって後方に向かって
下方屈曲状に延設された前面部（８ｂ）とを有するもの
である。その前面部（８ｂ）には、これが従来の呼出ス
イッチにかわるものである旨を教示すべくその表面に例
えば「TOUCH 」等の文字を適宜付することが望ましい。
前記表示プレート（４）の裏面側には、上下一対の冷陰
極管（５）（５）が水平状に配設されると共に、その制
御装置（６）が配設されている。

【００２１】このように従来のランプに代えて冷陰極管
（５）を採用したのは、先ず第１に従来のランプと較べ
てその耐用年数を大幅に延長でき、ひいてはいわゆる球
切れに伴う交換作業の回数を少なくし得てメインテナン
スを容易なものとすることができるからである。第２
に、従来のランプと較べて小型であり、しかも発熱が殆
どないのでその前面に配置される表示灯器の前方への突
出度を少なくすることができるからである。因みに、本
実施例においてはその表示灯器として表示プレート
（４）を用い、その結果殆ど前方に突出しないフラット
なものとなっている。第３に、冷陰極管（５）によれば
その前面に配置される表示プレートとして乳白色系の合
成樹脂板からなるものを用いても、複数種の発光色が得
られると共にわずかな電力で大きな照度を得ることがで
き、従来のランプと着色表示灯器とを用いたものと較べ
ても照度的にも決してひけをとらず、それでいて充分な
興趣性、注意喚起力、顕示効果、表示効果を得ることが
できるからである。

【００２２】前記タッチ板（８）は、リード線（１２）
によってタッチセンサー式電子スイッチ（７）のスイッ
チ回路部（７ａ）に接続されており、ゲーム機のトラブ
ル発生時等に遊戯者が軽く触れるだけでスイッチ（７）
が作動されて所定の呼出点灯表示がなされるものであ
る。

【００２３】上記タッチセンサー式電子スイッチ（７）
は、リーク検出回路を備え電源ラインのリークを検出す
ることにってスイッチ回路部（７ａ）をスイッチング作
動させるものであり、該リーク検出回路に金属製の前記
タッチ板（８）が接続されている。

【００２４】ところで、この種のスイッチ（７）は、遊
戯者が着座姿勢であると起立姿勢であるとを問わず確実
にスイッチング作動することが要求される。しかも、タ
ッチ板（８）の大小によってもその感度が微妙に変化す
る。従って、取り付け状態において確実に作動させる目
的で感度調整機能を備えたものを採用することが望まし
い。

【００２５】また、遊戯者の足が床から離れた状態でも
確実にスイッチング作動させる必要があり、そのために
は可及的高感度であることが望まれる。ところが、この
種のゲーム機本体（１）は各種の電子部品を内蔵するも
のであり、いわば電気的ノイズの発生源でもある。しか
してこの種のゲーム機本体（１）における表示装置
（２）の呼出スイッチとして上述のようなタッチセンサ
ー式電子スイッチ（７）を用いた場合、そのタッチ板
（８）がノイズをひっろてしまい、その結果正確に作動
しない事態が発生しうる。

【００２６】そこでこの実施例においては、タッチ板
（８）の下部に絶縁状態で近接配置された、ゲーム機本
体（１）のステンレス製取付用枠（Ｘ）を接地してい
る。これによりノイズの影響を殆ど受けることなく正確
にスイッチング作動することとなり信頼性の向上が図ら
れている。

【００２７】このようにこの種のタッチ板（８）には、
そのノイズ対策として、接地された金属部材を絶縁状態
で近接配置することが望ましい。

【００２８】前記制御装置（６）は、ゲーム機本体
（１）から送出される大当り信号等の所定の入賞信号を
受領して作動されるものであるが、ゲーム機本体（１）
のメーカーや機種により異なる入賞信号の各種出力形
態、即ち光信号、電圧信号、いわゆる接点出力等の各種
の出力形態に選択的に対応できるように構成することが
望ましい。

【００２９】図３に示すように、ゲーム機本体（１）よ
り入賞信号を受領して制御装置（６）が作動されると、
それに応じてインバータ回路部（１３）が駆動され前記
冷陰極管（５）（５）が点滅を繰り返す。一方、タッチ
板（８）に遊戯者が触れるとスイッチ回路部（７ａ）が
作動して同様に制御装置（６）およびインバータ回路部
（１３）が駆動されて所定の冷陰極管（５）が点灯す
る。

【００３０】また、ゲーム機本体（１）の裏側には、そ
の所定位置に磁石検出装置（１４）が配置されており、
パチンコ機等を磁石を用いて不正操作した場合にこの磁
石を検知して制御装置（６）によりインバータ回路部
（１３）が駆動され、所定の冷陰極管（５）が点灯する
ものとなされている。この磁石検出装置（１４）は、ゲ
ーム機内部に設けたリセットスイッチ（１５）によって
リセットされる。

【００３１】図４は、他の実施例を示すものであり、前
記実施例のようにタッチ板（８）を前方膨出状に成形す
ることなく表示パネル（４）とほぼ面一状態に成形した
ものである。他の箇所については前記実施例と同様であ
るので対応箇所に同一符号をふしてその説明を省略す
る。

【００３２】尚、図示実施例では表示灯として２本の冷
陰極管を用いたものを例示したが、勿論それ以上の本数
の冷陰極管を適宜配置に装備させたものであっても良
い。

【００３３】

【考案の効果】この考案は上述の次第で、呼出表示兼入
賞表示部を構成するランプとして冷陰極管が用いられる
一方、呼出スイッチとして幅広のタッチセンサー式電子
スイッチが用いられている。

【００３４】従って、呼出スイッチがゲーム機本体の上
部位置に配設固定され、遊戯者の視野範囲外に存在する
ものであるにもかかわらず、そのスイッチのタッチ板に
軽く触れるだけ店員の呼出を容易に行うことができる。
これによって、従来のようにトラブル発生の度毎に一旦
そのゲーム機から目を離してスイッチの位置を確認しこ
れを作動させるというような面倒さをなくすことができ
る。特に、前記タッチ板が、表示プレートの下端部から
前方突出状に延びた水平状平面部と、該平面部の前端縁
部から後方に向かって下方屈曲状に延設された前面部を
有するものに形成されているから、タッチ板が表示プレ
ートよりも前方に突出することになり、従って遊技者は
着座状態のまま手を上方に伸ばすことにより、ゲーム機
から目を離すことなくスイッチの存在を極めて簡単にか
つ直接的に把握することができる。のみならず、タッチ
板の前面部は平面部の前端縁部から後方に向かって下方
屈曲状に延設されているから、タッチ板の下面は水平で
はなく傾斜することになる。従って、遊技者がゲーム機
から目を離すことなく上方垂直方向に手を伸ばした際に
前面部に指先が強く突き当たっても、指の長さ方向に加
わる反力は水平面に突き当たった場合に比べて小さくな
るから、突き指等の危険を少なくできる効果もある。

【００３５】しかも、タッチセンサー式電子スイッチを
用いることで、メカニカルスイッチの宿命的な接点不良
という問題が生ずることもなく信頼性を向上することも
できる。

【００３６】また、ランプとして冷陰極管が用いられて
いることより、その前面側に表示プレートを配するだけ
で表示部を構成することができる。従って、従来のよう
に派手な形状、色彩を有するものとは全く趣の異なるも
のを提供することができ、ひいては興趣性に富むものと
することができる。しかも、表示部の表面に凹凸を無く
すことができるので、埃や煙草のヤニ等が付着しやすい
場所に設置されるものでありながら、その清掃作業を容
易に行うことができる。

【００３７】更に、冷陰極管はその耐用年数が通常のラ
ンプと較べて長いので、そのメインテナンスを容易に行
うことができる。

【００３８】しかも、冷陰極管を用いることによって充
分な照度を得ることができるので、遊戯者に対する顕示
効果、興趣性に優れ、しかも店員に対しても呼出ゲーム
機を容易に特定できるように表示効果に優れたものとす
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】使用状態におけるゲーム機本体と表示部とを示
す斜視図である。

【図２】図１のII-II 線の拡大断面図である。

【図３】この考案の概要を示すブロック図である。

【図４】他の実施例にかかる図２に対応する断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ゲーム機本体 ２ 表示装置 ４ 表示プレート ５ 冷陰極管 ７ タッチセンサー式電子スイッチ ８ タッチ板 8a 平面部 8b 前面部 ａ 呼出表示兼入賞表示部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゲーム機本体の上方位置に配設された、
   呼出スイッチおよび呼出表示兼入賞表示部を有する、ゲ
   ーム機の呼出表示兼入賞表示装置であって、 前記呼出表示兼入賞表示部を構成するランプとして冷陰
   極管（５）が用いられる一方、前記呼出スイッチとして
   幅広のタッチセンサー式電子スイッチ（７）が用いら
   れ、前記ランプとしての冷陰極管（５）の前方に垂直平板状
   の表示プレート（４）が配設されるとともに、前記タッ
   チセンサー式電子スイッチ（７）のタッチ板（８）が、
   表示プレート（４）の下端部から前方突出状に延びた水
   平状平面部（8a）と、該平面部の前端縁部から後方に向
   かって下方屈曲状に延設された前面部（8b）を有するも
   のに形成され ていることを特徴とする、ゲーム機の呼出
   表示兼入賞表示装置。