JP2519541Y2 - カード用コネクタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、カード用コネクタ装置に係り、とくに種々
のカードを収納するカード用コネクタと、このカード側
コネクタを着脱自在に収納するシステム側コネクタとを
備えたカード用コネクタ装置に関する。

〔従来の技術〕

従来例を、第６図および第７図に示す。

第６図に示す従来例は、カードを収納するとともに一
方の側面に外部に向けて突設されたＴ字状ハリ部50を有
する板状のカード側コネクタ60と、このカード側コネク
タ60を着脱自在に収納するシステム側コネクタ70とを備
えている。システム側コネクタ70の一方の側壁の中央部
には、当該側壁の端縁の一部を切り欠いて成る十字状の
切除部71が形成されている。

Ｔ字状ハリ部50は、カード側コネクタ60の収納時にシ
ステム側コネクタ70の側壁の外面を前述した十字状切除
部71に沿って案内され、その先端部が十字状切除部71の
外面部分に留めおかれるようになっている。この十字状
切除部71を形成するシステム側コネクタ70の側壁の端縁
部分には、同図に示すように外部に膨出した膨出部70A
が設けられ、この膨出部70Aの下側に、Ｔ字状ハリ部50
の先端部50Aが留めおかれるようになっている。

このＴ字状ハリ部50の支柱部材50B（Ｔ字状ハリ部の
先端水平部材50Aを支持する部材）は、バネ材により形
成され、これによってカード側コネクタ60がシステム側
コネクタ70の内側面に引き寄せられ、外部への離脱が有
効に防止されている。

第７図に他の実施例を示す。この第７図に示す従来例
は、前述した第６図に示す従来例におけるＴ字状ハリ部
50の先端部に、レバー51を装備するとともに、前述した
膨出部70Aの第７図における下端部に段部70Bを設けたも
のである。このレバー51は、カード側コネクタ60をシス
テム側コネクタ60側から迅速に離脱せしめる必要が生じ
た場合に使用されるものである。その他の構成は第６図
に示す従来例と同一となっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来例にあっては、カード側コネ
クタ60をシステム側コネクタ70に嵌合せしめる場合、嵌
合音と振動が効率よく発生しない。このため、嵌合完了
の可否がはっきりしない場合が多く、ときには嵌合操作
が途中でやめられ、不完全嵌合の状態が生じるという不
都合があった。

この問題を解決するために、第７図では、膨出部70A
の同図中の下端部に段部を設けている。一方、これによ
って、カード側コネクタ60の離脱が困難となり、実用的
でないことから、第７図の実施例では離脱操作用のレバ
ー51を装備した。

しかしながら、嵌合の解除に際してこのレバー51を操
作するために、システム側コネクタ60を複数個装備する
箇所では、その装備に多くの占有面積が必要となり、装
備が大掛りとなる等，実用上多くの不都合が生じてい
る。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、かかる従来例の有する不都合を改善
し、とくに、嵌合時の音の発生を可能とするとともに、
安定した嵌合状態の維持及び離脱操作を容易に行い得る
ようにしたカード用コネクタ装置を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案では、カードを収納するとともに一方の側面に
突設されたＴ字状ハリ部を有する板状のカード側コネク
タと、このカード側コネクタを着脱自在に収納するシス
テム側コネクタとを備えている。システム側コネクタの
一方の側壁の中央部には、当該側壁の端縁の一部を切り
欠いて成る十字状切除部を有している。Ｔ字状ハリ部
は、カード側コネクタの収納時に，システム側コネクタ
の側壁の外面を十字状切除部に沿って案内されるよう
に，カード側コネクタに装着されている。十字状切除部
を形成するシステム側コネクタの端縁側部分に、カード
側コネクタの収納時にＴ字状ハリ部を外面に沿って案内
する第１のガイド斜面が設けられると共に、十字状切除
部の端縁を形成する部分の内側角部で前記第１のガイド
斜面と反対面に、カード側コネクタの引出し時にはＴ字
状ハリ部を内面に沿って案内する第２のガイド斜面が設
けられている。

この第１のガイド斜面と第２ガイド斜面との間には、
第１のガイド斜面の延長上の角部を切除して成る段部と
該段部に連なる平坦部とを設けられている。そして、カ
ード側コネクタの他端面にコネクタ係止用膨出部を設け
るとともに、このコネクタ係止用膨出部に対応して、シ
ステム側コネクタの側壁の一部に係止用角孔を設ける、
という構成を採っている。これによって前述した目的を
達成しようとするものである。

〔作用〕

カード側コネクタ１をシステム側コネクタ２に嵌合さ
せる場合、Ｔ字状ハリ部13は、その先端ハリ部13Aが第
１のガイド斜面2aに摺接する摺接斜面13bの作用によ
り、ガイド斜面2aに沿ってＴ字状ハリ係止用膨出部2Bに
乗り上り、続いて段部2Cからはずれて平坦部2dに移行す
る。そして、この平坦部に当った瞬間に、音と振動が発
生する。

また、この音と振動の発生以前に、システム側コネク
タ２の他方の側壁2A′部分では、角孔2Cに対しカード側
コネクタのコネクタ係止用膨出部1Cが嵌合動作に入る。

次に、カード側コネクタ１を嵌合状態から外す場合、
まず、第５図に示す如く、カード側コネクタ１の引き抜
き動作に入る。この場合、Ｔ字状ハリ部13は、その先端
部の摺接斜面13aがシステム側コネクタの第２のガイド
斜面2eに沿って下方から上方に案内される。そして、こ
のままカード側コネクタ１を引き抜くと、当該カード側
コネクタ１は円滑に且容易にシステム側コネクタ２から
離脱する。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図に基づ
いて説明する。

この内、第１図に本実施例の一部を成すシステム側コ
ネクタ２を示し、第２図に前述したシステム側コネクタ
２に着脱自在に装備されるカード側コネクタ１を示す。

カード側コネクタ１は、板状のカード支持板10と、こ
のカード支持板10の両端部から当該支持板10の厚さの範
囲内において図示の如く同一方向に向けて突設されたカ
ード用支持ガイド11,12と、カード支持板10の一方の側
面中央部に、第２図中の斜め上方に向けて突設されたＴ
字状ハリ部13とを備えている。

一方、システム側コネクタ２の一方の側面中央部に
は、前述した従来例と同様に、その側壁2Aの端縁の一部
を切り欠いて成る十字状の切除部71が設けられている。

このシステム側コネクタ２は、前述した如くカード側
コネクタ１を着脱自在に装備するもので、内部に収納部
を有し、一方が開口され、全体的には厚板状に形成され
ている。

Ｔ字状ハリ部13は、カード側コネクタ１をシステム用
コネクタ２に収容する際、該システム側コネクタ２の側
壁の外面を前述した十字状切除部71に沿って案内される
ようになっている。

このＴ字状ハリ部13が案内される部分，すなわち前述
した十字状切除部71を形成するシステム側コネクタ２の
端縁側部分に、外部に向って膨出されたＴ字状ハリ係止
用膨出部2Bが形成されている。このＴ字状ハリ係止用膨
出部2Bは，第１図の上方から下方に向って、第１のガイ
ド斜面2aと、膨出先端部でこれに連なる平坦面2bと、こ
の平坦面2bの下側に設けられた段部2cとにより形成され
ている。この段部からは、更に下方に平坦面2dが延設さ
れている。

さらに、Ｔ字状ハリ係止用の膨出部2Bの内側，すなわ
ち第１のガイド斜面2aの裏側で十字状切除部71の端縁を
形成する部分の内側角部（第１図における水平部分の内
側角部）には、前述したＴ字状ハリ部13の先端ハリ13A
部分の移動を、下方から上方に向けて円滑に案内するた
めの第２のガイド斜面2eが形成されている。

さらに、Ｔ字状ハリ部13には，上述した第１のガイド
斜面2aと第２のガイド斜面2eに対応して、Ｔ字状ハリ部
13のカード挿入方向に直交する先端部材の角部であって
当該各ガイド斜面2a,2eに当接する部分の角度が、斜め
に切除され、摺接斜面13a,13bが形成されている。これ
によって、カード側コネクタ1の挿脱時に、前述したＴ
字状ハリ部13の先端部材が第１及び第２の各ガイド斜面
2a,2eに沿って円滑に摺動することができるようになっ
ている。

システム側コネクタ２の他方の側壁2A′の中央部下方
には、四角形状の比較的大きい角孔2Cが形成されてい
る。この角孔２Cに対応して前述したカード側コネクタ
１の他方の側面の中央部下方には、コネクタ係止用膨出
部1Cが設けられている。

このコネクタ係止用膨出部1Cは、その膨出端面の平坦
面1C₁と、その摺動方向（第２図の上下方向）に沿って
設けられた二つの斜面1C₂,1C₃とにより形成されてい
る。そして、このコネクタ係止用膨出部1Cは、カード側
コネクタ１が前述したシステム側コネクタ２に収納され
た場合に当該システム側コネクタ２の角孔2Cに適度に嵌
合することができるように形成され、これによってカー
ド側コネクタ１がシステム側コネクタ２に有効に係止さ
れるようになっている。

次に、上記実施例の動作を説明する。

いま、第３図に示すようにカード側コネクタ１をシス
テム側コネクタ2に嵌合させる場合、Ｔ字状ハリ部13
は、その先端ハリ部13Aが第１のガイド斜面2aに摺動す
る摺接斜面13bの作用により、ガイド斜面2aに沿ってＴ
字状ハリ係止用膨出部2Bに乗り上り、更に進行して段部
２cからはずれて平坦部2dに移行する。そして、この平
坦部2dに当った瞬間に、音と振動が発生する。

また、この音と振動の発生以前に、システム側コネク
タ２の他方の側壁2A′部分では、角孔２Cに対しカード
側コネクタ１のコネクタ係止用膨出部1Cが嵌合動作に入
る。この場合、側壁2A′の僅かなバネ効果も加味され、
上述したコネクタ係止用膨出部1Cが角孔2Cに嵌合する動
作が促進される。

この嵌合促進作用が働いて、Ｔ字状ハリ部13はその先
端ハリ部13AがＴ字状ハリ係止用膨出部2Bの平坦部2bに
当った状態から、更にコネクタ嵌合を促進させ第４図の
嵌合完了状態に至る。

一方、カード側コネクタ１を嵌合状態から外す場合、
まず、第５図に示す如く，カード側コネクタ１の引き抜
き動作に入る。この場合,T字状ハリ部13は、その先端部
の摺接斜面13aがシステム側コネクタの第２のガイド斜
面2eに沿って下方から上方へ案内される。そして、その
ままカード側コネクタ１を引き抜くと、当該カード側コ
ネクタ１は円滑に且容易にシステム側コネクタ２から離
脱する。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によると、カード側コネクタを前
述した従来例の場合と同様にシステム側コネクタに挿入
すると、嵌合完了時にＴ字状ハリ部の動作によって音と
振動が効果的に出力され、同時にシステム側コネクタの
他方の側壁部分でカード側コネクタが有効に係止され、
これによって全体的な大きさを変えることなく不完全嵌
合等の不都合をほぼ完全に無とすることができるという
従来にない実用的なカード用コネクタ装置を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一部を示すシステム側コネクタを示す
一部切り欠いた斜視図、第２図は第１図に着脱装備され
るカード側コネクタを示す斜視図、第３図ないし第５図
はそれぞれ第１図ないし第２図の動作を示す説明図、第
６図ないし第７図は従来例を示す説明図である。 １……カード側コネクタ、1C……コネクタ係止用膨出
部、1C₂,1C₃……斜面、２……システム側コネクタ、2A
……一方の側壁、2A′……他方の側壁、2a……第１のガ
イド斜面、2c……段部、2d……平坦面、2K……係止用角
孔、13……Ｔ字状ハリ部、71……十字状切除部。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カードを収納するとともに一方の側面に突
   設されたＴ字状ハリ部を有する板状のカード側コネクタ
   と、このカード側コネクタを着脱自在に収納するシステ
   ム側コネクタとを備え、 前記システム側コネクタの一方の側壁の中央部に形成さ
   れ当該側壁の端縁の一部を切り欠いて成る十字状切除部
   を有し、 前記Ｔ字状ハリ部が、前記カード側コネクタの収納時
   に，前記システム側コネクタの側壁の外面を前記十字状
   切除部に沿って案内されるように，前記カード側コネク
   タに装着されて成るカード用コネクタ装置において、 前記十字状切除部を形成するシステム側コネクタの端縁
   側部分に、前記カード側コネクタの収納時に前記Ｔ字状
   ハリ部を外面に沿って案内する第１のガイド斜面を設
   け、 前記十字状切除部の端縁を形成する部分の内側角部で前
   記第１のガイド斜面と反対面に、前記カード側コネクタ
   の引出し時には前記Ｔ字状ハリ部を内面に沿って案内す
   る第２のガイド斜面を設け、 この第１のガイド斜面と第２のガイド斜面との間に、前
   記第１のガイド斜面の延長上の角部を切除して成る段部
   と該段部に連なる平坦面とを設け、 前記カード側コネクタの他端面にコネクタ係止用膨出部
   を設けるとともに、このコネクタ係止用膨出部に対応し
   て前記システム側コネクタの側壁の一部に、係止用角孔
   を設けたことを特徴とするカード用コネクタ装置。
2. 【請求項２】前記Ｔ字状ハリ部のカード挿入方向に直交
   する部材の角部であって前記第１及び第２図の各ガイド
   斜面に当接する部分を、当該第１及び第２の各ガイド斜
   面に対応して斜めに切除したことを特徴とする請求項１
   記載のカード用コネクタ装置。
3. 【請求項３】前記コネクタ係止用膨出部を、中央の平担
   面とその摺動方向に沿って設けられた二つの斜面とによ
   り形成したことを特徴とする請求項１記載のカード用コ
   ネクタ装置。