JP2518904B2 - 給紙方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、積層された記録紙を一枚ずつ供給する給紙
方法に関する。

従来の技術 従来、スタツカに積層された記録紙を押圧板によりピ
ツクアツプローラに押圧し、最表層の記録紙をピツクア
ツプローラにより所定の場所に送り出すようにした給紙
装置がある。

発明が解決しようとする課題 ピツクアツプローラの搬送力は記録紙に対する押圧板
の押圧力に比例し、この押圧板の押圧力を一定以上にし
なければ搬送不能となる。しかし、複数枚の記録紙が重
なつて送り出されることがあり、このために、給紙装置
の下流側に重積された記録紙を一枚ずつ分離する分離装
置についても種々工夫されているが、記録紙にミシン目
を形成した場合は、ミシン目を形成する時に発生する凹
凸が記録紙の積層間の摩擦抵抗を高めるため、記録紙は
分離装置で分離されずジヤムが発生することがある。

課題を解決するための手段 ミシン目が形成された多数枚の記録紙を積層状態で支
える移動自在の押圧板を有するスタツカを設け、最表層
の前記記録紙に対向するピツクアツプローラをモータに
連結して設けた給紙装置において、給紙開始時に前記押
圧板からの力を受けて相対的に最表層の前記記録紙に強
い圧接力で接触する前記ピツクアツプローラを駆動する
とともに瞬間的に前記ピツクアツプローラを前記記録紙
から離反させた後に復帰させて前記記録紙を送り出すよ
うにした。

作用 積層された記録紙の最表層の記録紙がミシン目のため
に送り出しの抵抗が大きい状態であつても、最表層の記
録紙に接触していたピツクアツプローラを駆動した状態
で瞬間的にその記録紙から離反させた後に復帰させるこ
とにより記録紙の層間の摩擦力が低くなつた状態で最表
層の記録紙に送り出し力を与えることができ、これによ
り、ピツクアツプローラが原位置に復帰するまでの間
に、記録紙間のミシン目の抵抗が大きい状態であつても
ミシン目の部分がずれるまでその記録紙を移動させるこ
とができ、その後は、ミシン目の抵抗を受けない状態で
記録紙を送ることができるため、ピツクアツプローラの
接触圧を大きくしても最表層の記録紙を確実に送り出す
ことができるものである。

実施例 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。１はス
タツカで、このスタツカ１には多数枚の記録紙２を積層
状態で載置する押圧板３が駆動部（図示せず）に連結さ
れて昇降自在に設けられている。これらの記録紙２には
ミシン目2aが形成されている（第４図及び第５図参
照）。また、スタツカ１の上部には支持体４が支軸５を
中心に上下回動自在に保持され、この支持体４にはピツ
クアツプローラ６が回転自在に支承されている。さら
に、前記支持体４は駆動部であるソレノイド７のプラン
ジヤ８に回動自在に連結されている。第２図及び第３図
に示すように、支持体４はスプリング4aにより時計方向
に付勢されている。さらに、最表層の記録紙２の先端縁
の近傍には、分離ローラ９と定位置に固定された円筒形
の抵抗体10とが記録紙２の略一枚分の間隔を開けて対向
配置されている。

このようなスタツカ１はピツクアツプローラ６や分離
ローラ９や抵抗体10とともに券発行機11に装着されてい
る。また、並設されたスタツカ１のそれぞれに連続され
た搬送経路12,13が途中で合流され、その合流部分から
下流側のストツカ14に至る搬送経路15中に磁気記録部16
と印字部17とこの印字部17の前面にインクリボン18を供
給するリボンカセツト19とが配置され、また、スタツカ
１から磁気記録部16に至る経路12,13中には、複数の搬
送ローラ20が配置され、磁気記録部16の下流部分からス
トツカ14に至る搬送経路15中には複数の搬送ローラ21が
配置されている。さらに、前記磁気記録部16には搬送ロ
ーラ22が設けられている。さらに、券発行機11にはスト
ツカ14の上部で開口する券発行口23と手差口24とが形成
され、この手差口24から前記磁気記録部16に至る手差路
25には複数の搬送ローラ26が配置されている。

このような構成において、例えば、旅客機の搭乗券を
発行する場合について説明する。通常は、スタツカ１の
記録紙２がピツクアツプローラ６により送り出され、続
いて、搬送ローラ20により搬送され、磁気記録部16で氏
名、座席番号、目的地、座席のクラス等が記録紙２の磁
気ストライプに書き込まれ、さらに、搬送ローラ21,22
により搬送される過程で印字部17で座席番号、フライト
情報等が印字されてストツカ14に排出される。

ここで、スタツカ１からの記録紙２の供給動作を説明
する。第２図にはスタツカ１内の記録紙２を一枚排出し
終えた状態でピツクアツプローラ６は最表層の記録紙２
に接触する。この状態で押圧板３がモータに駆動されて
排出された記録紙２の厚さに相当するストロークをもつ
て上昇する。この瞬間にピツクアツプローラ６は駆動を
開始され、かつ、記録紙２は第２図及び第４図に示すよ
うに積層方向に圧縮されるが、次の瞬間には第３図に示
すように、ソレノイド７が励磁されスプリング4aの力に
抗して支持体４を反時計方向へ回動させるためピツクア
ツプローラ６が最表層の記録紙２から離反する。ソレノ
イド７への通電は瞬時であるため支持体４は直ちにスプ
リング4aの付勢力で復帰しピツクアツプローラ６を記録
紙２に接触させる。この間、記録紙２に対するピツクア
ツプローラ６の接触圧は暫時減少してゼロになり再び増
加するが、この接触圧が減少する瞬間は積層された記録
紙２のミシン目2aの部分の圧接力が弱くなり、その抵抗
が小さくなつた状態で最表層の記録紙２がピツクアツプ
ローラ６からの送り出し力を受けるため、ミシン目2aの
部分がずれるまで移動する。すなわち、第５図に示すよ
うに離反し記録紙２間の摩擦力が低下した瞬間で、この
間に最表層の記録紙２のみが少なくともミシン目2aの部
分がずれる長さにわたつて送り出される。一度ミシン目
2aの部分がずれた後は記録紙２間の滑りがよいので、支
持体４が復帰してピツクアツプローラ６がスプリング4a
の付勢力で記録紙２に接触しても最表層の記録紙２のみ
が送り出される。

仮に、分離ローラ９と抵抗体10との間に複数枚の記録
紙２が進入した場合は、分離ローラ９が最表層の記録紙
２を右方へ搬送しようとすることに対し、固定された抵
抗体10は次層以下の記録紙２の進行に抵抗を示し、記録
紙２間の摩擦抵抗より記録紙２と分離ローラ９との間に
生じる摩擦抵抗の方が大きいので最表層の記録紙２のみ
が送り出される。これにより、記録紙２の重積送りを確
実に防止することができる。

発明の効果 本発明は上述のように、ミシン目が形成された多数枚
の記録紙を積層状態で支える移動自在の押圧板を有する
スタツカを設け、最表層の前記記録紙に対向するピツク
アツプローラをモータに連結して設けた給紙装置におい
て、給紙開始時に前記押圧板からの力を受けて相対的に
最表層の前記記録紙に強い圧接力で接触する前記ピツク
アツプローラを駆動するとともに瞬間的に前記ピツクア
ツプローラを前記記録紙から離反させた後に復帰させて
前記記録紙を送り出すようにしたので、積層された記録
紙の最表層の記録紙がミシン目のために送り出し抵抗が
大きい状態であつても、最表層の記録紙に接触していた
ピツクアツプローラを駆動した状態で瞬間的にその記録
紙から離反させた後に復帰させることにより記録紙の層
間の摩擦力が低くなつた状態で最表層の記録紙に送り出
し力を与えることができ、これにより、ピツクアツプロ
ーラが原位置に復帰するまでの間に、記録紙間のミシン
目の抵抗が大きい状態であつてもミシン目の部分がずれ
るまでその記録紙を移動させることができ、その後は、
ミシン目の抵抗を受けない状態で記録紙を送ることがで
きるため、ピツクアツプローラの接触圧を大きくしても
最表層の記録紙を確実に送り出すことができる等の効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は券発行
機の内部を縮小して示す側面図、第２図は記録紙にピツ
クアツプローラを接触させた状態を示す側面図、第３図
は記録紙からピツクアツプローラを離反させた状態を示
す側面図、第４図は記録紙のミシン目の部分の重なり状
態を拡大して示す側面図、第５図は記録紙のミシ目の部
分を離反させた状態を示す側面図である。 １……スタツカ、２……記録紙、2a……ミシン目、３…
…押圧板、４……支持体、６……ピツクアツプローラ、
７……駆動部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ミシン目が形成された多数枚の記録紙を積
   層状態で支える移動自在の押圧板を有するスタツカを設
   け、最表層の前記記録紙に対向するピツクアツプローラ
   をモータに連結して設けた給紙装置において、給紙開始
   時に前記押圧板からの力を受けて相対的に最表層の前記
   記録紙に強い圧接力で最表層の前記記録紙に接触する前
   記ピツクアツプローラを駆動するとともに瞬間的に前記
   ピツクアツプローラを前記記録紙から離反させた後に復
   帰させて前記記録紙を送り出すようにしたことを特徴と
   する給紙方法。