JP2518372Y2 - インサート保持装置 - Google Patents

インサート保持装置

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JP2518372Y2
JP2518372Y2 JP6798291U JP6798291U JP2518372Y2 JP 2518372 Y2 JP2518372 Y2 JP 2518372Y2 JP 6798291 U JP6798291 U JP 6798291U JP 6798291 U JP6798291 U JP 6798291U JP 2518372 Y2 JP2518372 Y2 JP 2518372Y2
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貞行 檀浦
隆 斉藤
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は例えば自動車のエンジン
ブロック等を金型鋳造する金型鋳造装置において,シリ
ンダライナ等の筒状等インサートを金型側のインサート
保持部に装入して保持するインサート保持装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車等のエンジンのシリンダブ
ロックをアルミニウム等で金型鋳造する場合,鋳造装置
の金型にシリンダライナとなる鋳鉄製の筒状インサート
を装填しておき,そののち,この筒状インサートとアル
ミニウム鋳込部分とが一体になるようにアルミニウムを
鋳込むことが行われている。
【0003】図4はこの種の筒状インサートを保持する
保持装置を備えた従来における金型鋳造装置要部の縦断
面図,図5は同じく筒状インサート装入部の拡大縦断面
図であって,図示しない固定盤上には,一部のみを図示
する下金型1が固定されており,この下金型1の上方に
は,図示しない可動盤に支持されて型締シリンダにより
可動盤とともに昇降する上金型2が配設されている。こ
れら下金型1と上金型2との間には,周方向に例えば2
分割され開閉シリンダにより放射水平方向に移動して開
閉する複数個のスライドコア3が,上金型2側に支持さ
れて設けられている。また,上金型2の中心部からは円
筒状のマンドレル4が垂下されており,このマンドレル
4の内孔4aの下端テーパ部は,型締時において下金型
1の中心部の凸部1aに嵌合されるように構成されてい
る。そして,型締された上下の金型2,1と,閉鎖され
たスライドコア3と,マンドレル4とで囲まれた箇所に
は,円筒状のシリング相当部5aとかまぼこ形のシリン
ダケース相当部5bとからなるキャビティ5が形成され
ており,また,型締時におけるキャビティ5内には,ほ
ぼ円筒状に形成された崩壊性の砂中子6が,上金型2側
に支持されて設置されている。
【0004】上金型2のピン孔2aに挿入固定されて下
方へ突出された位置決めピン7は,マンドレル4の内孔
4aに嵌合されており,また,マンドレル4の外周面4
bには,成形時にインサートされる円筒状のシリンダラ
イナ8が嵌着されている。そして,マンドレル4の内周
面と位置決めピン7の外周面との間には,一部が切欠か
れたリング状に形成されてマンドレル4のリング溝4c
と係合しマンドレル4に対する位置決めピン7の軸線方
向への移動を規制する止めリング9が,拡張力を蓄積さ
れて装入されている。また,図5にも拡大して示すよう
に,マンドレル4の外周面とシリンダライナ8の内周面
との間には,一部が切欠かれたリング状に形成されてマ
ンドレル4のリング溝4dと係合しマンドレル4に対す
るシリングライナ8の軸線方向への移動を規制する止め
リング10が,拡張力を蓄積されて装入されている。
【0005】このように構成されていることにより,上
金型2が型開されかつスライド金型3が開かれた状態
で,砂中子6を保持したマンドレル4にシリンダライナ
8を嵌合させ,このマンドレル4を位置決めピン7に嵌
装して支持させたのち,開閉シリンダによりスライド金
型3を閉じ,型締シリンダにより上金型2を下降させて
型締めすると,上金型2から垂下されたマンドレル4の
内孔4aの下端テーパ部が,下金型1の凸部1aに嵌合
される。そして,溶湯をキャビティ5内へ射出すると,
この溶湯はクランクケース相当部5bと,シリンダライ
ナ8外方のシリンダ相当部5aのうちの砂中子6を除く
箇所とに射出され,シリンダライナ8がインサートされ
た状態で鋳込まれる。溶湯が固化したのち,上金型2と
スライド金型3とを開いて上金型2内の押出ピンを突出
させると,キャビティ5内で固化した製品すなわちエン
ジンブロックが押出され,上金型2外へ取出される。こ
のあと,鋳造品であるエンジンブロック内に残された砂
中子6を崩壊すると,この砂中子6がばらばらになって
取出され,空間部としての冷却水循環用ジャケットが形
成される。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら,このよ
うな従来の筒状インサート保持装置においては,マンド
レル4とシリンダライナ8との軸線方向への移動を規制
するために止めリング10には拡張力を蓄積されてお
り,また,この止めリング10が係入されるリング溝4
dの深さが,マンドレル4への係入時に止めリング10
を引っ込ませるようにその断面径よりも深く形成されて
いるので,図5に鎖線で示すように止めリング10がマ
ンドレル4と同芯とならず,図5に実線で示すように片
側へ大きく片寄ることがあるので,この状態でマンドレ
ル4にシリンダライナ8を装入しようとすると,シリン
グライナ8が止めリング10に止められて入らないこと
がある。また,たとえ入ったとしても,入れるときのシ
ョックで崩壊性の砂中子6が損傷することがあり,この
とき砂中子6に形成されたクラックに溶湯が侵入して所
望形状の鋳込製品が得られないばかりでなく,鋳込後に
キャビティ5内に残った砂を充分に取出せないという問
題がある。
【0007】本考案は以上のような点に鑑みなされたも
ので,マンドレルとシリンダライナとの嵌合を容易にし
崩壊性砂中子の損傷を無くすことを可能にした筒状イン
サート保持装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本考案では,インサート保持用の保持具の外周
面の一部に軸線方向の第1の溝を設けるとともに,第1
の溝の端部付近の位置で保持具の外周面に沿つて第1の
溝よりも浅い円周方向の第2の溝を設け,第1の溝の中
に尺取虫状のスプリングを配置し,このスプリングの端
部を押える止めリングを外周面が第2の溝から外へ出な
い状態で第2の溝の中に配置し,スプリングの両端部を
第1の溝の底面に接しさせ,スプリングの中央部の外面
を保持具の外周面よりも外に位置させ,スプリングの中
央部を,装入するインサートの押圧により第1の溝の中
に引込ませ得るように設けた。
【0009】
【作用】インサート保持部の外周面に設けた軸線方向の
第1の溝に尺取虫状のスプリングを装入し,第2の溝に
装入した止めリングでスプリングの端部を押えておき,
その上にインサートを装入するが,この場合,尺取虫状
のスプリングは,そのインサートの装入側を保持具の外
周面よりも引込んだ状態に形成されているので,インサ
ートの装入が容易であり,また,装入後はスプリングの
背部でインサートの内周面を押圧しているので,インサ
ートはインサート保持部に対し軸線方向への移動を規制
されて固定され,確実容易に保持される。
【0010】
【実施例】図1ないし図3は本考案に係る筒状インサー
ト保持装置を竪型締型ダイカストマシンに実施した例を
示し,図1は筒状インサート保持装置の縦断面図,図2
はインサート保持部としてのマンドレルの正面図,図3
は図2のA−A線断面図でスプリングを装入した状態を
示す図である。図において,マシンベースに固定された
図示しない固定盤上には,一部のみを図示する下金型1
1が固定されており,この下金型11の上方には,図示
しない可動盤に支持されて型締シリンダにより可動盤と
ともに昇降する上金型12が配設されている。これら下
金型11と上金型12との間には,周方向に例えば2分
割され開閉シリングにより放射水平方向に移動して開閉
する複数個のスライドコア13が,上金型12側に支持
されて設けられている。
【0011】また,上金型12の中心部からは円筒状の
マンドレル14が基部を上金型12に固定されて垂下さ
れており,このマンドレル14の内孔14a下端テーパ
部は,型締時において下金型11中心部の凸部11aに
嵌合されるように構成されている。そして,型締された
上下の金型12,11と,閉鎖されたスライドコア13
と,マンドレル14とで囲まれた箇所には,円筒状のシ
リンダ相当部15aとかまぼこ形のシリンダケース相当
部15bとからなるキャビテイ15が形成されており,
また,型締時におけるキャビテイ15内には,ほぼ円筒
状に形成された崩壊性の砂中子16が,上金型12側に
基部を支持されて垂下されている。さらに,上金型12
のピン孔12aに挿入固定されて下方へ突出された位置
決めピン17は,マンドレル14の内孔14aに嵌合さ
れており,この位置決めピン17の中心部には,前記凸
部11a上方の空間部18を介して図示しない真空装置
とキャビティ15とを連通させるエア通路17aが穿設
されている。
【0012】そして,インサート保持用の保持具である
マンドレル14の外周面の一部には,軸線方向の比較的
に深い第1の溝14bが1〜4個設けられるとともに,
第1の溝14bの両方の端部付近の位置でマンドレル1
4の外周面に沿つて第1の溝14bよりも浅い円周方向
の第2の溝14c,14dが設けられており,第1の溝
14bの中には尺取虫状のスプリング19が配されてお
り,このスプリング19の端部を押えるための止めリン
グ19a,19bがその外周面が第2の溝14c,14
dから外に出ない状態で第2の溝14c,14dの中に
配置されている。尺取虫状のスプリング19は両端部が
第1の溝14bの底面に接しており、その中央部の外面
である背部がマンドレル14の外周面よりも若干外に出
ており,スプリング19の中央部の背部を,装入するシ
リンダライナ20の押圧により第1の溝14bの中に引
込ませ,スプリング19の中央部の背部でシリングライ
ナ20を内側から押圧してマンドレル14に保持し得る
ようにした。スプリング19のインサート装入側の端部
は止めリング19aで押えて固定しておいても良いが,
スプリング19の他端側は固定されずに自由端となって
いて、スプリング19bで押えられているが、軸線方向
に摺動し得るようになっている。そして,シリンダライ
ナ20を装入したとき,スプリング19の自由端側の端
部が伸びるので,第1の溝14bの奥はスプリング19
の自由端の位置よりも奥に位置するように形成されてい
る。
【0013】以上のようなインサート保持装置を備えた
ダイカストマシンの鋳造動作を説明する。上金型12が
型開きされかつスライド金型13が開かれた状態で,尺
取虫状のスプリング19が第1の溝14bに装入された
マンドレル14に砂中子16を支持させ,このマンドレ
ル14を位置決めピン17に嵌装して支持させたのち,
筒型インサートとしてのシリンダライナ20をマンドレ
ル14の外周面にスプリング19を介して装入する。こ
の装入に際しては,図3に示すように,スプリング19
はシリングライナ20装入側の外面がマンドレル14の
外周面よりも内側に引込んでおり,また,中央部の背部
はマンドレル14の外周面よりわずかに出ているだけで
あるから,シリンダライナ20の装入が容易である。ま
た,シリンダライナ20を奥まで装入すると,スプリン
グ19の自由端が伸び,背部でシリンダライナ20を内
側から押圧するので,シリンダライナ20は,マンドレ
ル14に対し軸線方向への移動を規制されて固定され
る。
【0014】こうしたのち,開閉シリンダによりスライ
ド金型13を閉じ,型締シリンダにより上金型12を下
降させて型締めする。そして,図示しない射出スリーブ
内の溶湯をプランジャチップで押すと,溶湯はキャビテ
ィ15内へ射出される。この場合の溶湯はクランクケー
ス相当部としてのキャビティ5b内と,シリンダライナ
20外方のキャビティ5aのうちの砂中子16を除く箇
所に射出され,シリンダライナ20がインサートされた
状態で鋳込まれる。キャビティ15内の溶湯が固化して
冷却されると,型締シリンダにより可動盤が上金型12
とともに上昇するが,この場合,上金型12に支持され
たスライド金型13も溶湯の固化物としての製品を伴っ
て上昇する。そこでスライド金型13を開いたのち,図
示しない押出シリンダでピストンを下降させると,製品
が押出される。押出された製品を機外へ取出したのち,
マンドレル14を取外し,砂中子16を振動等によって
崩壊させることにより,砂となって取出されると,冷却
水循環用のジャケットを有しかつシリンダライナ20が
インサートされたエンジンブロックが得られる。
【0015】なお,本実施例においては本考案を竪型締
型ダイカストマシンに実施した例を示したが,横型締型
ダイカストマシンにも同様に実施することができ,さら
にその効果が顕著である。すなわち,横型締型の場合に
は,従来技術を説明した図5を90°回動させて見れば
明らかなように,止めリング10が自重で下がり,溝4
dから大きく突出するので,シリンダライナ8をマンド
レル4に装入することができないが,本説明ではその心
配がなく,従来と較べて効果が大きい。また,本実施例
ではインサート保持部としてのシリンダライナを円筒状
に形成した例を示したが,円柱状に形成してもよく,同
様の効果が得られる。
【0016】
【考案の効果】以上の説明により明らかなように本考案
によれば筒状インサート保持装置において,円柱または
円筒状のインサート保持具の外周面に,第1の溝を軸線
方向に設け,この溝の中に尺取虫状のスブリングを装入
してこのスプリングの両端部を保持具の円周方向に設け
た第2の溝の中に設けた止めリングで抑えておくととも
に,このスプリングの外面を,インサート装入側でもイ
ンサート保持部の外周面の内側に引込ませて設け,この
部分に続く中央部の背部の外面をインサート保持部の外
周面よりも若干出して設けたことにより,インサート保
持部へのインサートの装入に際しては,スプリングが装
入を妨げることがなく,容易に装入され,また,インサ
ートを確実に保持し得るので,作業性が向上する。ま
た,装入に際し砂中子を損傷させることがなく,かつ製
品内部に残された砂を充分に取出すことができるので,
所望形状の製品が得られ製品の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】インサート保持装置の縦断面図である。
【図2】インサート保持部としてのマンドレルの正面図
である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】従来の筒状インサート保持装置の縦断面図であ
る。
【図5】従来の筒状インサート保持装置における筒状イ
ンサート装入部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
14 マンドレル 14b 第1の溝 14c 第2の溝 14d 第2の溝 15 キャビティ 16 砂中子 19 スプリング 19a 止めリング 19b 止めリング 20 シリンダライナ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インサート保持用の保持具の外周面の一
    部に軸線方向の第1の溝を設けるとともに,第1の溝の
    端部付近の位置で保持具の外周面に沿って第1の溝より
    も浅い円周方向の第2の溝を設け,第1の溝の中に尺取
    虫状のスプリングを配置し,このスプリングの端部を押
    える止めリングを外周面が第2の溝から外へ出ない状態
    で第2の溝の中に配置し,スプリングの両端部を第1の
    溝の底面に接しさせ,スプリングの中央部の外面を保持
    具の外周面よりも外に位置させ,スプリングの中央部
    を,装入するインサートの押圧により第1の溝の中に引
    込ませ得るように設けたインサート保持装置。
JP6798291U 1991-05-21 1991-05-21 インサート保持装置 Expired - Lifetime JP2518372Y2 (ja)

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JP6798291U JP2518372Y2 (ja) 1991-05-21 1991-05-21 インサート保持装置

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JPH04129564U JPH04129564U (ja) 1992-11-26
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