JP2518059B2 - 空調換気扇 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、給排気用ファンおよびパネルの運転を湿
度センサーのスイッチ作用にてなすことを特徴とする空
調換気扇に関するものである。

〔従来の技術〕

第11図は例えば実開昭62−52834号公報に示された従
来の空調換気扇を示す図であり、図において（１）は本
体で、フロントケーシング（２）およびバックケーシン
グ（３）とからなる。（４）はパネルで上記フロントケ
ーシングに設けられたスライド機構（５）により前後に
スライドして給排気通路を形成する。（６）はモータ、
（７）、（８）はこのモータの装着された排気ファンと
給気ファン、（９）は熱交換器、（10）は本体（１）背
部に設けられたダクトである。

従来の空調換気扇は上記のように構成され、パネル
（４）を押圧しスライド機構（５）にてフロントケーシ
ング（２）前方にパネル（４）をスライドさせ、給排気
通路を確保する。そして、モータ（６）を駆動させるこ
とにより排気ファン（７）、給気ファン（８）および熱
交換器（９）にて室内・外の空気が熱交換されながら給
排気される。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような従来の空調換気扇は、手動にてパネル
（４）を操作し給排気通路を確保した後、人為的に運
転、停止を繰り返しており操作が面倒であるとともに運
転停止時において適切なパネル（４）操作がなされない
と室内へ冷気が侵入するという課題があった。

この発明は係る課題を解決するためになされたもの
で、室内の湿気を自動的な換気運転により排出でき、運
転停止時に室内へ冷気が侵入することのない空調換気扇
を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る空調換気扇は、給気と排気のためのフ
ァンを駆動するモータと、給気流との排気流との間で熱
交換を行なう熱交換器とを内蔵する本体の前面に給気流
の通る給気通路と排気流の通る排気通路の各開口端が開
口し、本体の前面には各開口端を前後のスライドにより
開閉するパネルを備えた空調換気扇に対して、そのパネ
ルをモータを含む駆動機構によりスライドさせるように
構成し、本体内には室内の湿度を検知し、検知した湿度
に基づいてオンオフのスイッチ作用をする湿度センサー
を組込み、この湿度センサーのオン動作によりファンを
動かすモータとともにパネルをスライドさせるモータを
動作させて各開口端を開放し、オフ動作によりファンを
動かすモータとパネルをスライドさせるモータとを停止
させるとともに、パネルを駆動機構により各開口端を閉
止する位置にするようにしたものである。

また、湿度センサーを断熱材よりなり開口を有するケ
ースに内蔵し、ケースごと本体に組込むとともに、本体
にはケースの開口に連通し室内に通じる感湿孔を設けた
ものである。

〔作用〕

室内の湿度に応じて自動的に熱交換を伴う給排気によ
る換気の運転停止が行なわれ、運転時には本体の前面の
各開口端がパネルの前方への移動により開放され、停止
時には本体の前面の各開口端がパネルに閉止される。

また、湿度センサーを外乱を受け難くい状態におくこ
とができる。

〔実施例〕

第１図〜第10図はこの発明の一実施例を示す図であ
り、図において（20）は空調換気扇の本体、（21）はこ
の本体のバックケーシングで、前方に開口を有する箱体
よりなり、背部に給気口（22）および排気口（23）を有
する。（24）のこのバックケーシングに内蔵される内部
ケーシングＡで、例えばスチロール材からなり、前方に
開口を有し、背部に上記給気口（22）と連通される給気
穴Ａ（25）と上記排気口（23）と連通される排気穴Ａ
（図示せず）を有する熱交換器取付部（27）とを設け、
さらに後述される吸気ファンが内設される送風機取付部
（26）を有する。（28）は送風機で、仕切板（29）に両
端に回転軸（30a）が突出されたモータ（30）が取着さ
れ、この回転軸（30a）には給排気ファン（31）を形成
する給気ファン（32）と排気ファン（33）とが装着され
ている。（34）はこの排気ファンが内設される内部ケー
シングＢで、例えばスチロール材からなり、上記排気穴
Ａと連通する排気穴Ｂ（35）および上記給気穴Ａ（25）
と連通する給気穴Ｂを設け、さらにこの給気穴Ｂ下部に
スライド穴Ａ（37）を有する。（38）はドレン皿で、上
記送風機（28）を有する内部ケーシングＡ（24）、Ｂ
（34）の下部に配設され、給排作用に発生するドレンを
回収する。（39）は熱交換器で、上記内部ケーシングＡ
（24）の熱交換器取付部（27）に配設され、上記送風機
（28）による給・排気流を熱交換する。（40）はフロン
トケーシングで上記バックケーシング（21）と着脱可能
に係合され、上記排気穴Ｂ（35）と連通する吸込口（4
1）と上記給気穴Ｂ（36）と連通する吐出口（42）とを
有し、この吐出口下部に図示されないが上記スライド穴
Ａ（37）と連通するスライド穴Ｂが設けられている。
（40a）はこのフロントケーシングの側壁に設けられた
感湿孔で、後述される開口と連通している。（43）はパ
ネルで、内側にクッョン（45）を装着し、上記フロント
ケーシング（40）の吸込口（41）、吐出口（42）および
スライド穴Ｂとを封止するように嵌合される。（44）は
ケースで、内壁に断熱材（45）を有し、側壁に開口（4
6）を上下にて複数個穿設している。（47）はこのケー
スの蓋体で、後述される湿度センサーのツマミカバー
（48）を設けている。（49）は湿度センサーで、例えば
湿度調節範囲30〜80％HRにて設定が可能とし、所定設定
湿度以上になると上記モータ（30）の運転およびパネル
（43）の開となるスライド作用を指示するスイッチ的な
役割をなす。さらに、所定設定湿度以下になるとモータ
（30）の運転停止およびパネル（43）の閉を指示する。
なお、上記湿度センサー（49）は上記バックケーシング
（21）に穿設された取付足（50）にネジ（51）止めさ
れ、パネル（43）に設けられている。（52）は本体に設
けられた駆動機構で、取付板（53）上にブレーキ機能付
モータであるギャモータ（54）を設け、このギャーモー
タの回転軸（55）にクランク（56）が連設されている。
（57）は上記ギャモータ（54）およびクランク（56）の
取付用ネジＢ。（58）は上記フロントケーシング（40）
に設けられたスライド機構、（59）はこのスライド機構
を構成するスライドベースで、上記フロントケーシング
（40）に設けられ、前部に取付面（60）を有し、対向す
る内壁底部にギャ溝（61）および背部にバネ係止片（6
2）を設けている。（63）はスライドプレートで、略Ｌ
字状に形成され一方が側壁にて上記パネル（43）に装着
され、他方がスライド穴Ａ（37）およびスライド穴Ｂに
挿通される。（64）はこのスライドプレートの下部に設
けられたラックで、両端にギャ（65）を有するシャフト
（66）がギャカバー（66a）にて装着される。（67）は
バネで、一端を上記スライドプレート（63）の下部に、
他端が上記スライドベース（59）のバネ係止片（62）に
係止される。（68）はバックケーシング（21）に装着さ
れる取付板、（69）は壁取付金具で、通風穴（70）を有
する壁（71）にネジＣ（72）にて固定される。（73）は
上記壁（71）に嵌通されるダクト、（74）はこのダクト
に装着されるウェザーカバーである。即ち、この空調換
気扇は、本体（20）内に室内の湿度を検知し、検知した
湿度に基づいてオンオフのスイッチ作用をする湿度セン
サー（49）を組込み、こ湿度センサー（49）のオン動作
により給気ファン（32）と排気ファン（33）を動かすモ
ータ（30）とともにパネル（43）をスライドさせるギャ
モータ（54）を動作させて吸込口（41）と吐出口（42）
を開放し、オフ動作によりモータ（30）とギャモータ
（54）とを停止させるとともに、パネル（43）を駆動機
構（52）により吸込口（41）と吐出口（42）を閉止する
位置にするように構成されている。

上記のように構成された空調換気扇において、その取
付けは通風穴（70）が設けられた壁（71）面に壁取付金
具（69）がネジＣ（72）にて固定され、壁取付金具（6
9）を介して取付板（68）が取り付けられ、本体（20）
が前記取付板（68）に引っ掛けるようにして装着され
る。次に、通風穴（70）にダクト（73）が嵌着され、そ
の後ウェザーカバー（74）が屋外にて外壁に装着され
る。そして、フロントケーシング（40）をバックケーシ
ング（21）より取り外し、湿度センサー（49）を任意の
値に設定し、電源を投入する。これにより湿度センサー
（49）が設定値の湿度を検知することにて、駆動機構
（52）のギャモータ（54）が駆動しクランク（56）が回
動されスライド機構（58）のスライドプレート（63）が
押圧されギャ（65）がギャ溝（61）を歯合し、クランク
（56）の回動方向へ移動されることにてパネル（43）が
本体（20）前方へ移動され、フロントケーシング（40）
とパネル（43）との間に給排気通路（43a）が形成され
る。このとき、バネ（67）はスライドプレート（63）の
移動により張架される。上記パネル（43）の開と同時に
送風機（28）が運転され、室内空気は排気ファン（33）
により吸込口（41）から熱交換器（39）を介して排気口
（23）へ、室外空気は給気口（22）から熱交換器（39）
を介して吐出口（42）へと熱交換されながら室内が除湿
される。そして、感湿孔（40a）と開口（46）との間に
て室内空気が流れ、湿度センサー（49）が作動し室内の
湿度が湿度センサー（49）の設定値より小さくなると、
送風機（28）が停止され、送風機（28）およびギャモー
タ（54）の電源がOFFされてパネル（43）が閉じる。こ
の場合、スライドプレート（63）はバネ（67）の戻り力
によりフロントケーシング（40）側へ引き戻され、その
力はクランク（56）を逆方向に押圧し、ギャモータ（5
4）のブレーキ機能よりバネ力を緩和させてフロントケ
ーシング（40）との当たり音を静音化させて戻る。

〔発明の効果〕

この発明は以上説明したとおり、給排気用ファンを有
するモータおよび熱交換器を内蔵する本体の前面に、前
後にスライドして給気通路と排気通路の各開口端を一括
して開閉するパネルを設け、このパネルと給排気用ファ
ンとを室内の湿度を検知する湿度センサーにより動作さ
せるようにしたものであり、湿度センサーによる湿度検
知が行なわれ、これにより換気運転を行なうモータとパ
ネルを動かすモータとが運転または停止され、室内の湿
度が高いときには湿気を換気作用により自動的に排出
し、結露の発生を防止することができる。給排気用ファ
ンの停止時にはパネルにより給気通路の排気通路の各開
口端が一パネルにより一括して閉止され、室内への冷気
等の侵入が防止される。特に、本体の前面に給気通路と
排気通路の各開口端を配し、これを前後方向のスライド
により一括して開閉するパネルを設けたものであるの
で、二系統の通路内にダンバ等の開閉部品を設けたもの
より、構成が簡素になり全体を小型化することができ
る。

また、湿度センサーを断熱材からなり、開口を有する
ケースに内設し、上記開口と連通する感湿孔を本体に設
けたことにより、湿度センサーが断熱材にて周囲状態に
より隔離されるととも、開口、感湿孔間の空気の流れに
より本体外の状態が検知されるとともに、本体内の空気
条件に左右されないので精度がより向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す取付斜視図、第２図
は同じく側面図、第３図は同じく内部分解斜視図、第４
図は同じく湿度センサーの斜視図、第５図および第６図
は同じく湿度センサー内蔵斜視図、第７図は同じく駆動
機構およびスライド機構の取付斜視図、第８図は同じく
スライド機構の分解斜視図、第９図は同じく駆動機構の
分解斜視図、第10図は同じく駆動機構とスライド機構と
の動作図、第11図は従来の空調換気扇を示す側面図であ
る。 なお、（20）は本体、（30）はモータ、（31）は給排気
ファン、（32）は給気ファン、（33）は排気ファン、
（39）は熱交換器、（40a）は感湿孔、（42a）は給気通
路、（43）はパネル、（43a）は給排気通路、（44）は
ケース、（45）は断熱材、（46）は開口、（49）は湿度
センサーである。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給気と排気のためのファンを駆動するモー
   タと、そのファンにより形成される給気流と排気流間で
   の熱交換を行なう熱交換器とを内蔵する本体の前面に給
   気流の通る給気通路と排気流の通る排気通路の各開口端
   を開口させ、本体の前面には上記各開口端を前後のスラ
   イドにより一括して開閉するパネルを備え、このパネル
   をモータを含む駆動機構によりスライドさせる構成と
   し、上記本体内には室内の湿度を検知し、検知した湿度
   に基づいてオンオフのスイッチ作用をする湿度センサー
   を組込み、この湿度センサーのオン動作により上記ファ
   ンを動かすモータとともに上記パネルをスライドさせる
   モータを動作させて上記各開口端を開放し、オフ動作に
   よりファンを動かすモータと上記パネルをスライドさせ
   るモータとを停止させるとともに、上記パネルを駆動機
   構により上記各開口端を閉止する位置にするように構成
   したことを特徴とする空調換気扇。
2. 【請求項２】請求項１に記載の空調換気扇であって、湿
   度センサーを断熱材よりなり開口を有するケースに内蔵
   し、このケースごと本体に組込むとともに、その本体に
   は上記ケースの開口に連通し室内に通じる感湿孔を設け
   たことを特徴とする空調換気扇。