JP2517251B2 - ピリジルピリミジン誘導体およびそれを有効成分とする植物病害防除剤 - Google Patents

ピリジルピリミジン誘導体およびそれを有効成分とする植物病害防除剤

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JP2517251B2 JP61288575A JP28857586A JP2517251B2 JP 2517251 B2 JP2517251 B2 JP 2517251B2 JP 61288575 A JP61288575 A JP 61288575A JP 28857586 A JP28857586 A JP 28857586A JP 2517251 B2 JP2517251 B2 JP 2517251B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は新規なピリジルピリミジン誘導体およびそれ
を有効成分とする植物病害防除剤に関する。
〈従来の技術〉 これまで、ピリジルピリミジン誘導体が殺菌活性を有
することなどは何ら知られていない。またピリジルピリ
ミジン誘導体としては、例えば4−メチル−2−(2−
ピリジル)ピリミジンの合成例がJ.Org.Chem.,32,1591
(1967)に記載されており、N,N−ジメチル−2−(6
−メチル−2−ピリジル−ピリミジン−4−イルチオ)
エチルアミンがフレオマイシン(医薬)の増強剤として
用いられることがAust.J.Chem.,35,1208(1982)に記載
されているにすぎない。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は、新規骨格で多くの植物病害に対して予防的
あるいは治療的に防除効力を有する化合物の開発を目的
とするものである。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討
を重ねた結果、 一般式 [式中、R1は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R2
およびR3は水素原子または低級アルキル基を表わす。ま
たR1とR2はCH2 nで結合し、環状構造をとることもで
き、ここでnは3,4あるいは5を表わす。R4は炭素数1
〜7のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、
低級アルコキシアルキル基または低級アルキルチオアル
キル基を表わし、R5は、水素原子、ハロゲン原子、低級
アルキル基、または低級アルカノイル基を表わす。ま
た、R4とR5はCH2 mで結合し環状構造をとることもで
き、ここでmは3,4あるいは5を表わす。R6は水素原
子、低級アルコキシル基、低級アルケニルオキシ基、低
級アルキニルオキシ基、低級ハロアルキルオキシ基、低
級アルコキシアルコキシル基、低級アルキルチオ基また
は-CH2R7を表わす。ここでR7は水素原子、低級アルキル
基または低級アルケニル基を表わす。] で示されるピリジルピリミジン誘導体およびその塩(以
下、本発明化合物と記す。)が優れた殺菌活性を有する
ことを見出し本発明に至った。
本発明化合物によって防除できる植物病害としては、
イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病
(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia s
olani)、ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis f.s
p.hordei,f.sp.tritici)、斑葉病(Pyrenophora grami
nea)、さび病(Puccinia striiformis,P.graminis,P.r
econdita,P.hordei)、アイスポット(Pseudocercospor
ella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium sec
alis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptos
phaeria nodorum)、カンキツの黒点病、(Diaporthe c
itri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、リンゴのうど
んこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alt
ernaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、ナ
シの黒星病(Venturia nashicola)、黒斑病(Alternar
ia kikuchiana)、モモの灰星病(Sclerotinia cinere
a)、ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病
(Glomorella cingulata)、うどんこ病(Uncinula nec
ator)、ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenariu
m)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、トマト
の輪紋病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora
infestans)、ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、ア
ブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑
病(Cercosporella brassicae)、ネギのさび病(Pucci
nia allii)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchi
i)、黒とう病(Elsinoe glycines)、インゲンの炭そ
病(Colletotrichum lindemuthianum)、ラッカセイの
黒渋病(Mycosphaerella personatum)、褐斑病(Cerco
spora arachidicola)、エンドウのうどんこ病(Erysip
hepisi)、ジャガイモの夏疫病(Alternaria solan
i)、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、バラ
の黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaero
theca pannosa)、種々の作物の灰色かび病(Botrytis
cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)等が
あげられる。
次に本発明化合物の製造法について詳しく説明する。
本発明化合物のうち一般式 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を
表わし、R6′は水素原子を表わす。] で示されるピリジルピリミジン誘導体は一般式 [式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を表わ
す。] で示されるピコリンアミジン誘導体またはその塩と、一
般式 [式中、R4およびR5は前記と同じ意味を表わし、R8
低級アルキル基を表わす。] で示されるβ−オキソアセタール誘導体を塩基の存在下
に反応させることによって製造できる。
ピコリンアミジン誘導体の塩としては、塩酸塩、臭化
水素酸塩、酢酸塩、蟻酸塩等があげられる。
この反応において、標準的には、反応温度は50℃〜15
0℃、反応時間は1時間〜6時間である。また反応に供
される試剤の量は、ピコリンアミジン誘導体[III]ま
たはその塩1当量に対して、β−オキソアセタール誘導
体[IV]は1〜1.5当量であり、塩基は触媒量〜2.5当量
である。溶媒としては、メタノール、エタノール等の低
級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
環状エーテル類、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等が使用できる。塩基としては、ナトリウムメトキシ
ド等のアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミン、
N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基があげられるが、
通常、メタノールあるいはエタノール中ナトリウムメト
キシドあるいはナトリウムエトキシドにより反応するこ
とが好ましい。
反応終了後の反応液は、減圧濃縮等の通常の後処理を
行い、必要に応じ、クロマトグラフィー等の操作によっ
て精製する。
また、一般式[II]で示されるピリジルピリミジン誘
導体は、一般式 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を
表わし、Xはハロゲン原子を表わす。] で示されるハロピリミジン誘導体を還元することによっ
て製造することができる。
たとえば、接触還元の場合標準的には、ハロピリミジ
ン誘導体[V]を溶媒中、触媒存在下、水素ガスと常圧
あるいは、加圧下、室温〜50℃、0.5時間〜3時間接触
させる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール等
の低級アルコール類、ジオキサン、酢酸エチル、トルエ
ンおよびそれらの混合物等があげられる。触媒としては
パラジウム炭素等があげられる。水素圧は1〜3気圧が
好ましい。また好ましくは、脱ハロゲン化水素剤の存在
下で反応を行い、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基あるいはDowex 1
(ダウケミカル社登録商標)等の塩基性イオン交換樹
脂を使用する。
反応終了後の反応液は、触媒を過にて除き減圧濃縮
する。次いで、脱ハロゲン化水素剤を使用しない場合
は、炭酸ナトリウム水溶液等の無機塩基水溶液を加えた
後、有機溶媒抽出し、脱ハロゲン化水素剤を使用した場
合は、水を加えた後、有機溶媒抽出を行う。その後、減
圧濃縮等の通常の後処理を行い、必要に応じ、クロマト
グラフィー等の操作によって精製する。
次に本発明化合物のうち一般式 [式中、R1、R2、R3、R4およびR5は前記と同じ意味を
表わし、R6″は低級アルコキシル基、低級アルケニル
オキシ基、低級アルキニルオキシ基、低級ハロアルキル
オキシ基、低級アルコキシアルコキシル基、低級アルキ
ルチオ基を表わす。] で示されるピリジルピリミジン誘導体は、一般式[V]
で示されるハロピリミジン誘導体と、一般式 R6″Y [VII] [式中、R6″は前記と同じ意味を表わし、Yはアル
カリ金属原子を表わす。] で示されるアルカリ金属化合物とを反応させることによ
って製造することができる。
アルカリ金属原子としてはナトリウム、カリウム等が
あげられる。
この反応に於いて標準的には、反応温度は10℃〜120
℃、反応時間は1時間〜48時間であり、反応に供される
試剤の量はハロピリミジン誘導体[V]1当量に対して
アルカリ金属化合物[VII]は1〜1.5当量である。溶媒
としては、一般式[VII]においてR6″が低級アルコキ
シル基、低級アルケニルオキシ基、低級アルキニルオキ
シ基、低級ハロアルキルオキシ基、低級アルコキシアル
コキシル基であるアルカリ金属化合物の場合は、対応す
るアルコール、例えば、メタノール、エタノール、アリ
ルアルコール、プロパルギルアルコール等あるいは、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル類あるいはそれらの混合物があげられる。
6″が低級アルキルチオ基であるアルカリ金属化合物
の場合は、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル
類、トルエン等の芳香族炭化水素類、水等あるいはそれ
らの混合物があげられる。
反応終了後の反応液は、減圧濃縮後、水を加え、有機
溶媒抽出および濃縮等の通常の後処理を行い、必要に応
じ、クロマトグラフィー等に付すことにより目的化合物
を得ることができる。
さらに本発明化合物のうち一般式 [式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR7は前記と同じ意
味を表わす。] で示されるピリジルピリミジン誘導体は一般式[V]で
示されるハロピリミジン誘導体と一般式 R7CH(COOR9)2 [IX] [式中R7は前記と同じ意味を表わし、R9は低級アルキ
ル基を表わす。] で示されるマロン酸ジエステル誘導体とを塩基の存在下
反応させた後、加水分解し、さらに脱炭酸することによ
り製造することができる。
上記一般式[V]で示されるハロピリミジン誘導体と
一般式[IX]で示されるマロン酸ジエステル誘導体との
反応において、該反応に用いられる塩基としては、例え
ば、水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属類、n−
ブチルリチウム等のアルキルリチウム類、リチウムジイ
ソプロピルアミド(LDA)等のリチウムジアルキルアミ
ド類、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属類等が
あげられる。
上記反応において標準的には、反応温度は0〜150
℃、反応時間は30分間〜24時間であり、該反応に供され
るハロピリミジン誘導体1当量に対して、一般式[IX]
で示されるマロン酸ジエステル誘導体および塩基は夫々
1〜2当量である。
上記反応において、反応溶媒は必ずしも必要ではない
が、一般的には溶媒の存在下に行なわれる。使用しうる
溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロ
ロホルム等のハロ炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の
芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロ芳香族炭化
水素類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等の硫黄化合物またはそれらの混合物等
があげられる。
上記反応の終了後、これを加水分解および脱炭酸する
ことにより目的の本発明化合物に導びくことができる。
代表的には上記、一般式[V]で示されるハロピリミジ
ン誘導体1当量に対して2.1〜5当量の塩基例えば水酸
化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属類、または炭酸ナ
トリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の水溶液あるいはメ
タノール、エタノール等の低級アルコールと該塩基の水
溶液との混合溶液を加えて反応温度10〜100℃、反応時
間10分間〜24時間でアルカリ加水分解反応を行う。次い
で、反応液に上記一般式[V]で示されるハロピリミジ
ン誘導体1当量に対して2.5〜6当量の酸、例えば硫酸
等の無機酸または酢酸等の有機酸を加えて、反応温度20
〜150℃、反応時間10分間〜24時間で脱炭酸反応を行
う。
反応終了後は、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ
金属類、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属
類、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、重曹、ト
リエチルアミン等の有機塩基等で反応液を中性にした
後、減圧濃縮、抽出等の通常の後処理を行い、必要に応
じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等に付すことに
より本発明化合物を得ることができる。
また、一般式[I]においてR5がハロゲン原子であ
り、R6が水素原子の場合には、Synthesis,March 1984,2
53〜254に記載の製法により、本発明化合物を得ること
ができる。
尚、前記一般式[I]で示される本発明化合物は、こ
れに、常法に従がい塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸等
の強酸を作用させることにより、夫々の塩に導びくこと
ができる。
これらの塩を製造する場合、一般式[I]で示される
本発明化合物を溶媒に溶解し、氷冷下ないし室温にて酸
を気体あるいは水溶液にて1当量加えて10分〜1時間放
置した後、減圧濃縮等の後処理を行い、必要に応じて再
結晶等によって処理する。
反応溶媒としてはメタノール、エタノール等の低級ア
ルコール、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、エ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ア
セトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキ
サン等の炭化水素類、水あるいはそれらの混合物等があ
げられる。
次に本発明化合物を製造する場合の原料化合物である
一般式[III]で示されるピコリンアミジン誘導体およ
び一般式[V]で示されるハロピリミジン誘導体の製造
法について説明する。
これらの誘導体は例えば以下のルートにより製造する
ことができる。
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、前記と同じ意味
を表わし、R10およびR11は低級アルキル基を表わし、M
はアルカリ金属原子を表わす。] すなわち、J.Org.Chem.,48,1375〜1377(1983)等に
記載されている方法で得られる一般式[X]で示される
シアノピリジン誘導体と、一般式[XI]で示されるアル
コキシドとを反応させることにより、一般式[XII]で
示されるイミデート誘導体が得られ、該イミデート誘導
体とアンモニウム基とを反応させることにより、一般式
[III]で示されるピコリンアミジン誘導体が得られ
る。
次いでこのようにして得られる該ピコリンアミジン誘
導体またはその塩と一般式[XIII]で示されるβ−オキ
ソカルボン酸エスエルとを塩基の存在下に反応させるこ
とにより、一般式[XIV]で示されるヒドロキシピリミ
ジン誘導体が得られ、該ヒドロキシピリミジン誘導体と
ハロゲン化剤とを反応させることにより、一般式[V]
で示されるハロピリミジン誘導体が得られる。
以下に、上記の製法につき詳細に説明する。
一般式[X]で示されるシアノピリジン誘導体と一般
式[XI]で示されるアルコキシドとの反応に於いて、用
いられるアルコキシドのアルカリリ金属原子としては例
えば、ナトリウム原子、カリウム原子等が挙げられる。
また該反応において、標準的には反応温度は10〜50
℃、反応時間は1〜48時間であり、反応に供される試剤
の量は一般式[X]で示されるシアノピリジン誘導体1
当量に対して一般式[XI]で示されるアルコキシドは0.
1〜1当量である。
上記反応において、反応溶媒は必ずしも必要ではない
が、一般的には溶媒の存在下に行なわれる。
使用しうる溶媒としては、一般式[XI]で示されるア
ルコキシドのR10に対応の低級アルコール、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等であり、
好ましくはメタノール、エタノールがあげられる。
反応終了後の反応液は、酸により中和し、減圧濃縮し
た後、有機溶媒に溶解し、不溶のアルカリ金属塩を去
し、液を減圧濃縮して、必要に応じ、蒸留等の操作に
付し、目的の一般式[XII]で示されるイミデート誘導
体を得ることができる。
次に上記で得られた一般式[XII]で示されるイミデ
ート誘導体とアンモニウム塩との反応において、用いら
れるアンモニウム塩としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、酢酸、蟻酸等のアンモニウム塩が挙げられる。
また該反応において、標準的には反応温度は30〜100
℃、反応時間は30分〜5時間であり、反応に供される試
剤の量は、一般式[XII]で示されるイミデート誘導体
1当量に対してアンモニウム塩は通常1〜1.1当量であ
る。
上記反応において溶媒は必ずしも必要ではないが一般
的には溶媒の存在下に行なわれる。
使用しうる溶媒としては低級アルコール、好ましくは
エタノールと水との混合溶媒があげられる。
反応終了後の反応液は、減圧濃縮等の通常の後処理を
行い、必要に応じ、再結晶等の操作により一般式[II
I]で示されるピコリンアミジン誘導体の塩酸、臭化水
素酸、酢酸、蟻酸等の塩を得ることができる。
このようにして得られた塩は、これを水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機塩基あるいはナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アル
コキシドなどにて中和するなどの通常の方法にて分解す
ることにより、一般式[III]で示されるピコリンアミ
ジン誘導体に導びくことができる。
また、該塩をそのまま次工程の反応に供し、該反応系
内で塩分解を行なうこともできる。
次に、上記で得られた一般式[III]で示されるピコ
リンアミジン誘導体と一般式[XIII]で示されるβ−オ
キソカルボン酸エステルとの反応に於いて、標準的には
反応温度は50〜150℃、反応時間は1〜24時間であり、
反応に供される試剤の量は、一般式[III]で示される
ピコリンアミジン誘導体またはその塩1当量に対して、
一般式[XIII]で示されるβ−オキソカルボン酸エステ
ルは通常1〜1.5当量、塩基は触媒量〜1.5当量である。
上記反応において溶媒は必ずしも必要ではないが、一般
的には溶媒の存在下に行なわれる。
使用しうる溶媒としては、例えばメタノール、エタノ
ール等の低級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等の環状エーテル類、ピリジン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、水等あるいはそれらの混合物があげら
れ、塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸カリウム等の無機塩基、ナトリウムメトキ
シド等のアルカリ金属アルコキシド、トリエチルアミ
ン、N,N−ジエチルアニリン等の有機塩基等があげられ
る。
反応終了後の反応液は、必要に応じ、塩を過等で除
去し、減圧濃縮等の通常の後処理を行い、必要に応じ、
クロマトグラフィー、再結晶等の操作により目的の一般
式[XIV]で示されるヒドロキシピリミジン誘導体を得
ることができる。
次に、上記で得られた一般式[XIV]で示されるヒド
ロキシピリミジン誘導体とハロゲン化剤との反応におい
て、用いられるハロゲン化剤としては、例えば、塩化チ
オニル、ホスゲン、オキシ塩化リン、五塩化リン、オキ
シ臭化リン、三臭化リン等が挙げられる。
上記反応において、標準的には反応温度は50〜150
℃、反応時間は1〜10時間であり、反応に供される試剤
の量は、一般式[XIV]で示されるヒドロキシピリミジ
ン誘導体1当量に対してハロゲン化剤は通常1〜10当量
である。
上記反応において溶媒は必ずしも必要ではないが一般
的には溶媒の存在下に行なわれる。
使用しうる溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水
素類等があげられる。
反応終了後の反応液は、減圧濃縮後、水酸化ナトリウ
ム等の無機塩基等で中和後、有機溶媒抽出および濃縮等
の通常の後処理を行い、必要に応じ、クロマトグラフィ
ー、再結晶等に付すことにより目的の一般式[V]で示
されるハロピリミジン誘導体を得ることができる。
本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分として用い
る場合は、他の何の成分も加えずそのまま使用してもよ
いが、通常は、固体担体、液体担体、界面活性剤その他
の製剤用補助剤と混合して、乳剤、水和剤、懸濁剤、粒
剤、粉剤、液剤等に製剤して使用する。
これらの製剤には有効成分として本発明化合物を、重
量比で0.1〜99%、好ましくは0.2〜95%含有する。
固体担体としては、カオリンクレー、アッタパルジャ
イトクレー、ベントナイト、酸性白土、パイロフィライ
ト、タルク、珪藻土、方解石、トウモロコシ穂軸粉、ク
ルミ殻粉、尿素、硫酸アンモニウム、合成含水酸化珪素
等の微粉末あるいは粒状物があり、液体担体には、キシ
レン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、イソプ
ロパノール、エチレングリコール、セロソルブ等のアル
コール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等
のケトン類、大豆油、綿実油等の植物油、ジメチルスル
ホキシド、アセトニトリル、水等があげられる。
乳化、分散、湿展等のために用いられる界面活性剤と
しては、アルキル硫酸エステル塩、アルキル(アリー
ル)スルホン酸塩、ジアルキルスルホこはく酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテルりん酸エステ
ル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等の陰イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック
コポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性
剤等があげられる。製剤用補助剤としては、リグニンス
ルホン酸塩、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、ア
ラビアガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PAP
(酸性りん酸イソプロピル)等があげられる。
これらの製剤は、そのままで使用するか、あるいは水
で希釈して、茎葉散布するか、土壌に散粉、散粒して混
和するかあるいは土壌施用等する。また、他の植物病害
防除剤と混合して用いることにより、防除効力の増強を
も期待できる。さらに、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、
除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌改良剤等と混合し
て用いることもできる。
本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分として用い
る場合、その処理量は、気象条件、製剤形態、処理時
期、方法、場所、対象病害、対象作物等によっても異な
るが、通常1アールあたり0.2〜200g、好ましくは1〜1
00gであり、乳剤、水和剤、懸濁剤、液剤等を水で希釈
して施用する場合、その施用濃度は、0.005〜0.5%好ま
しくは0.01〜0.2%であり、粒剤、粉剤等は、なんら希
釈することなくそのまま施用する。
〈実施例〉 以下に、本発明を製造例、参考例、製剤例および試験
例によりさらに詳しく説明する。
まず製造例を示す。
製造例1 6−n−ブチル−2−ピコリンアミジン塩酸塩3gにエ
タノール100mlと金属ナトリウム0.65gより調製したナト
リウムエトキシドエタノール溶液を加え、これにホルミ
ルアセトンジメチルアセタール(純度90%品)2.16gを
加え3時間加熱還流した。反応液を放冷した後、酢酸を
加えて弱酸性とし減圧濃縮した。残渣にクロロホルム20
0mlを加え水50mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液:ヘキサン:アセトン=2:1)
にて精製し、2−(6−n−ブチル−2−ピリジル)−
4−メチルピリミジン2.17g(収率68%)を得た。▲n25
D▼1.5525 PMR(CDCl3)δppm:2.59(s,3H,−CH3) 7.13(d,1H,ピリミジン−H5,J=5.4Hz) 7.24(d,1H,ピリジン−H5,J=7.8Hz) 7.73(t,1H,ピリジン−H4,J=7.8Hz) 8.31(d,1H,ピリジン−H3,J=7.8Hz) 8.77(d,1H,ピリミジン−H6,J=5.4Hz) 製造例2 4−クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−
2−ピリジル)ピリミジン2gをエチルアルコール50mlに
溶解し、5%パラジウム炭素0.2gを加え、室温にて水素
ガスと接触させた。2時間後、触媒を去し、反応液を
減圧濃縮した。残渣に飽和重曹水30mlを加え、クロロホ
ルム100mlで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥の
後、減圧濃縮して4−メチル−2−(6−n−プロピル
−2−ピリジル)ピリミジン1.53g(収率89%)を得
た。▲n27 D▼1.5720 PMR(CDCl3)δppm:1.00(t,3H,−CH2CH2 CH3 ,J=7.8H
z) 2.58(s,3H,-CH3) 7.17(d,1H,ピリミジン−H5,J=5.4Hz) 7.28(d,1H,ピリジン−H5,J=8.4Hz) 7.79(t,1H,ピリジン−H4,J=8.4Hz) 8.35(d,1H,ピリジン−H3,J=8.4Hz) 8.82(d,1H,ピリミジン−H6,J=5.4Hz) 製造例3 4−クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−
2−ピリジル)ピリミジン1gをメタノール10mlに溶解
し、これにメタノール10mlと金属ナトリウム0.11gから
調製したナトリウムメトキシドを加えた。室温でそのま
ま2時間放置した後、減圧濃縮し、得られた残渣にクロ
ロホルム100mlを加え水(30ml×2)で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後減圧濃縮して4−メトキシ
−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピリジ
ル)ピリミジン0.93g(収率95%)を得た。▲n27 D▼1.5
621 PMR(CDCl3)δppm:1.01(t,3H,−CH2CH2 CH3 ,J=7.8H
z) 2.52(s,3H,−CH3) 4.01(s,3H,OCH3) 6.46(s,1H,ピリミジン−H5) 7.18(d,1H,ピリジン−H5,J=8.4Hz) 7.62(t,1H,ピリジン−H4,J=8.4Hz) 8.14(d,1H,ピリジン−H3,J=8.4Hz) 製造例4 プロパルギルアルコール0.82gを無水テトラヒドロフ
ラン30mlに溶解し、これに60%油性水素化ナトリウム0.
58gを加え、ナトリウムプロパルギレートを調製した。
この溶液に、室温下に4−クロロ−6−メチル−2−
(6−n−プロピル−2−ピリジル)ピリミジン3gを加
え、そのまま1時間攪拌した。次いで反応液を減圧濃縮
し、得られた残渣にクロロホルム100mlを加えた後、30m
lの水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮し、得られた結晶状残渣をヘキサンで洗浄
して4−メチル−6−プロパルギルオキシ−2−(6−
n−プロピル−2−ピリジル)ピリミジン2.7g(収率83
%)を得た。
m.p.92.5℃ PMR(CDCl3)δppm 1.01(t,3H,−CH2CH2 CH3 ,J=7.2Hz) 2.54(s,3H,−CH3) 5.23(d,2H,−CH2 −C≡CH,J=2.1Hz) 6.57(s,1H,ピリミジン−H5) 7.18(d,1H,ピリジン−H5,J=7.2Hz) 7.65(t,1H,ピリジン−H4,J=7.2Hz) 8.13(d,1H,ピリジン−H3,J=7.2Hz) 製造例5 4−クロロ−6−n−プロピル−2−(6−n−プロ
ピル−2−ピリジル)ピリミジン1gに15%メチルメルカ
プタンナトリウム水溶液2mlを加え、さらにアセトニト
リル5mlを加え溶解し、室温に20時間放置した。反応液
を減圧濃縮し、得られた残渣にクロロホルム100mlを加
え、水(30ml×2)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後減圧濃縮して4−メチルチオ−6−n−プロ
ピル−2−(6−n−プロピル−2−ピリジル)ピリミ
ジン0.98g(収率94%)を得た。▲n24 D▼1.5798 PMR(CDCl3)δppm:1.00(t,6H,2×CH2CH2 CH3 ,J=6.6H
z) 2.63(s,3H,SCH3) 6.94((s,1H,ピリミジン−H5) 7.15(d,1H,ピリジン−H5,J=7.8Hz) 7.62(t,1H,ピリジン−H4,J=7.8Hz) 8.15(d,1H,ピリジン−H3,J=7.8Hz) 製造例6 ジエチルマロン酸0.9gと60%油性水素化ナトリウム0.23
gをテトラヒドロフラン30mlに加え、これに4−クロロ
−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピリジ
ル)ピリミジン1gを加えた。添加後1時間加熱還流した
後、水酸化ナトリウム0.49gを水10mlとメタノール10ml
の混液に溶解した溶液を加えさらに20分間加熱還流し
た。室温まで放冷した後、硫酸0.8gを注意深く加え、さ
らに30分間加熱還流した。室温まで放冷した後、1Nの炭
酸ナトリウム水溶液を加え中性にし減圧濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ア
セトン=3:1)で処理し4,6−ジメチル−2−(6−n−
プロピル−2−ピリジル)ピリミジン0.65gを得た。
性状:樹脂状 PMR(CDCl3)δppm 0.97(t,3H,CH3 CH2CH2−,J=6.6Hz) 2.34(b,3H,CH3−) 6.25(s,1H,ピリミジン−H5) 7.24(d,1H,ピリジン−H5,J=7.2Hz) 7.64(t,1H,ピリジン−H4,J=7.2Hz) 8.18(d,1H,ピリジン−H3,J=7.2Hz) 次にこの様な製造法によって製造できる本発明化合物
のいくつかについて第1表に示す。
次に、これら原料化合物の製造例を参考例として示
す。
参考例1[ピコリンアミジン誘導体[III](塩酸塩)
の製造] 2−シアノ−6−n−プロピルピリジン10gをメタノ
ール100mlと金属ナトリウム0.32gより調製したナトリウ
ムメトキシドメタノール溶液に溶解した。一夜放置の後
酢酸0.82gを加え減圧濃縮し、得られた残渣にエーテル2
00mlを加え不溶物を去した後、減圧濃縮してメチル2
−ピコリンイミデート11.5g(収率94%)を得た。次い
でこれに塩化アンモニウム3.45gを水20mlに溶解し、エ
タノール80mlを加えた溶液を加え1時間加熱還流した。
反応液を放冷の後、充分に減圧濃縮した後、得られた結
晶状残渣をアセトンで洗浄して、6−n−プロピル−2
−ピコリンアミジン塩酸塩12.2gを得た。
m.p.173.0℃ 次にこのような製造法によって製造される一般式[II
I]で示されるピコリンアミジン誘導体およびその塩の
いくつかを第2表に示す。
参考例2[ヒドロキシピリミジン誘導体[XIV]の製
造] 6−n−プロピル−2−ピコリンアミジン塩酸塩5gを
エタノール100mlと金属ナトリウム0.61gから調製したナ
トリウムエトキシド/エタノール溶液に溶解し、これに
アセト酢酸エチルエステル3.42gを加え、1時間加熱還
流した。反応液を冷却後、塩を去し、液を減圧濃縮
し、得られた生成物をヘキサンで洗浄して4−ヒドロキ
シ−6−メチル−2−(6−n−プロピル−2−ピリジ
ル)ピリミジン5.28gを得た。
m.p.139.2℃ PMR(CDCl3)δppm 0.96(t,3H,−CH2CH2 CH3 ,J=6.6Hz) 2.32(b,3H,CH3) 6.14((s,1H,ピリミジン−H5) 7.12(d,1H,ピリジン−H5,J=7.2Hz) 7.59(t,1H,ピリジン−H4,J=7.2Hz) 8.09(d,1H,ピリジン−H3,J=7.2Hz) 次にこのような製造法によって製造できるヒドロキシ
ピリミジン誘導体[XIV]のいくつかを第3表に示す。
参考例3[ハロピリミジン誘導体[V]の製造] 4−ヒドロキシ−6−メチル−2−(6−n−プロピ
ル−2−ピリジル)ピリミジン2gをトルエン20mlに溶解
し、これにオキシ塩化リン2gを加え1時間加熱還流し
た。次いで室温に放冷した後、炭酸ナトリウム水溶液を
加えて約pH8にした後、分液した。トルエン層を水洗
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
て、4−クロロ−6−メチル−2−(6−n−プロピル
−2−ピリジル)ピリミジン2.03gを得た。
m.p.77.1℃ PMR(CDCl3)δppm 1.02(t,3H,−CH2CH2 CH3 ,J=6.6Hz) 2.63(b,3H,−CH3) 7.20((s,1H,ピリミジン−H5) 7.26(d,1H,ピリジン−H5,J=7.2Hz) 7.73(t,1H,ピリジン−H4,J=7.2Hz) 8.25(d,1H,ピリジン−H3,J=7.2Hz) 次にこのような製造法によって製造できるハロピリミ
ジン誘導体[V]のいくつかを第4表に示す。
次に製剤例を示す。なお本発明化合物を第1表の化合
物番号で示し、部は重量部である。
製剤例1 本発明化合物(1)〜(114)各々50部、リグニンス
ルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2部
および合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合して各々の
水和剤を得る。
製剤例2 本発明化合物(1)〜(114)各々25部、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエート3部、CMC3部および
水69部を混合し、有効成分の粒度が5ミクロン以下にな
るまで湿式粉砕して各々の懸濁剤を得る。
製剤例3 本発明化合物(1)〜(114)各々2部、カオリンク
レー88部およびタルク10部をよく粉砕混合して各々の粉
剤を得る。
製剤例4 本発明化合物(1)〜(114)各々20部、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル14部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸カルシウム6部、およびキシレン60部を
よく混合して各々の乳剤を得る。
製剤例5 本発明化合物(1)〜(114)各々2部、合成含水酸
化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベン
トナイト30部およびカオリンクレー65部をよく粉砕混合
し、水を加えてよく練り合わせた後、造粒乾燥して各々
の粒剤を得る。
次に、本発明化合物が植物病害防除剤の有効成分とし
て有用であることを試験例で示す。なお、本発明化合物
は、第1表の化合物番号で示し、比較対照に用いた化合
物は第5表の化合物記号で示す。
また防除効力は、調査時の供試植物の発病状態すなわ
ち葉、茎等の菌叢、病斑の程度を肉眼観察し、菌叢、病
斑が全く認められなければ「5」、10%程度認められれ
ば「4」、30%程度認められれば「3」、50%程度認め
られれば「2」、70%程度認められれば「1」、それ以
上で化合物を供試していない場合の発病状態と差が認め
られなければ「0」として、6段階に評価し、それぞれ
5、4、3、2、1、0で示す。
試験例1 イネいもち病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。イネの幼苗
に、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤を水で希釈
して所定濃度にし、それを葉面に充分付着するように茎
葉散布した。散布後、植物を風乾しいもち病菌の胞子懸
濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、暗黒、多湿下で
4日間置いた後、防除効力を調査した。その結果を第6
表にしめす。
試験例2 イネいもち病防除試験(治療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で20日間育成した。イネの幼苗
に、いもち病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種
後、28℃、暗黒、多湿下で16時間置いた後、製剤例4に
準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度に
し、それを葉面に充分付着するように茎葉散布した。散
布後、28℃、暗黒、多湿下で3日間生育し、防除効力を
調査した。その結果を第7表にしめす。
試験例3 イネ紋枯病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、イネ(近畿33
号)を播種し、温室内で28日間育成した。イネの幼苗
に、製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤を水で希釈
して所定濃度にし、それを葉綿に充分付着するように茎
葉散布した。散布後、植物を風乾し紋枯病菌の含菌寒天
懸濁液を噴霧、接種した。接種後、28℃、暗黒、多湿下
で4日間置いた後、防除効力を調査した。その結果を第
8表にしめす。
試験例4 コムギ眼紋病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した。コムギの幼苗
に、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤を水で希釈し
て所定濃度にし、それを葉面に充分付着するように茎葉
散布した。散布後、植物を風乾しMBC耐性眼紋病菌の胞
子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、15℃、暗黒、多湿
下で4日間置いた後、さらに照明、多湿下で4日間生育
し、防除効力を調査した。その結果を第9表にしめす。
試験例5 コムギ葉枯病防除試験(治療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で8日間育成した。コムギの幼苗
に、葉枯病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、
15℃、暗黒、多湿下で3日間置き、さらに照明下で4日
間生育した後、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤
を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着す
るように茎葉散布した。散布後、15℃照明下で11日間生
育させて、防除効力を調査した。その結果を第10表にし
めす。
試験例6 リンゴ黒星病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、リンゴを播種
し、温室内で20日間育成した。第4〜5本葉が展開した
リンゴの幼苗に、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬
剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着
するように茎葉散布した。散布後、リンゴ黒星病菌の胞
子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、15℃、多湿下で4
日間置いた後、さらに照明下で15日間生育し、防除効力
を調査した。その結果を第11表にしめす。
試験例7 キュウリ炭そ病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相模
半白)を播種し、温室内で14日間育成した。子葉が展開
したキュウリの幼苗に、製剤例4に準じて乳剤にした供
試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分
付着するように茎葉散布した。散布後、キュウリ炭そ病
菌の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、23℃、多湿
下で1日間置いた後、さらに照明下で4日間生育し、防
除効力を調査した。その結果を第12表にしめす。
試験例8 コムギうどんこ病防除試験(治療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した。コムギの幼苗
にうどんこ病菌を接種した。接種後23℃で3日間生育し
た後、製剤例2に準じて懸濁剤にした供試薬剤を水で希
釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着するように
茎葉散布した。散布後、23℃、温室内で7日間生育し、
防除効力を調査した。その結果を第13表に示す。
試験例9 キュウリ灰色かび病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相模
半白)を播種し、温室内で14日間育成した。子葉が展開
したキュウリの幼苗に、製剤例4に準じて乳剤にした供
試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分
付着するように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し、
ベンズイミダゾール・チオファネート系殺菌剤耐性の灰
色かび病菌の菌糸を接種した。接種後、15℃、暗黒、多
湿下で3日間生育し、防除効力を調査した。その結果を
第14表にしめす。
試験例10 ラッカセイ褐斑病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、ラッカセイ(千
葉半立性)を播種し、温室内で14日間育成した。ラッカ
セイの幼苗に、製剤例1に準じて水和剤にした供試薬剤
を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着す
るように茎葉散布した。散布後、植物を風乾し褐斑病菌
の胞子懸濁液を噴霧、接種した。接種後、23℃、多湿下
で7日間置いた後、さらに温室内で7日間生育し、防除
効力を調査した。その結果を第15表にしめす。
試験例11 コムギ赤さび病防除試験(治療効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73
号)を播種し、温室内で10日間育成した。コムギの幼苗
に赤さび病菌を接種した。接種後23℃、暗黒、多湿下で
1日間置いた後、製剤例4に準じて乳剤にした供試薬剤
を水で希釈して所定濃度にし、それを葉面に充分付着す
るように茎葉散布した。散布後23℃、照明下で7日間生
育し、防除効力を調査した。その結果を第16表に示す。
試験例12 トマト疫病防除試験(予防効果) プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(ポンテ
ローザ)を播種し、温室内で20日間育成した。第2〜3
本葉が展開したトマトの幼苗に、製剤例1に準じて水和
剤にした供試薬剤を水で希釈して所定濃度にし、それを
葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後、植物
を風乾し、トマト疫病菌の胞子懸濁液を噴霧、接種し
た。接種後、20℃、多湿下で1日間置いた後、さらに照
明下で5日間生育し、防除効力を調査した。その結果を
第17表に示す。
〈発明の効果〉 本発明化合物は、種々の植物病原菌による植物病害に
対して優れた効果を有することから植物病害防除剤の有
効成分として種々の用途に供しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 典久 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 実光 穣 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 井上 悟 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R2
    よびR3は同一または相異なり水素原子または低級アルキ
    ル基を表わす。またR1とR2はCH2 nで結合し、環状構
    造をとることもでき、ここでnは3,4あるいは5を表わ
    す。 R4は炭素数1〜7のアルキル基、炭素数3〜7のシクロ
    アルキル基、低級アルコキシアルキル基または低級アル
    キルチオアルキル基を表わし、R5は、水素原子、ハロゲ
    ン原子、低級アルキル基、または低級アルカノイル基を
    表わす。また、R4とR5はCH2 mで結合し環状構造をと
    ることもでき、ここでmは3,4あるいは5を表わす。 R6は水素原子、低級アルコキシル基、低級アルケニルオ
    キシ基、低級アルキニルオキシ基、低級ハロアルキルオ
    キシ基、低級アルコキシアルコキシル基、低級アルキル
    チオ基または-CH2R7を表わす。ここでR7は水素原子、低
    級アルキル基または低級アルケニル基を表わす。〕 で示されるピリジルピリミジン誘導体またはその塩。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1は炭素数1〜7のアルキル基を表わし、R2
    よびR3は同一または相異なり水素原子または低級アルキ
    ル基を表わす。またR1とR2はCH2 nで結合し、環状構
    造をとることもでき、ここでnは3,4あるいは5を表わ
    す。R4は炭素数1〜7のアルキル基、炭素数3〜7のシ
    クロアルキル基、低級アルコキシアルキル基または低級
    アルキルチオアルキル基を表わし、R5は、水素原子、ハ
    ロゲン原子、低級アルキル基または低級アルカノイル基
    を表わす。また、R4とR5はCH2 mで結合し環状構造を
    とることもでき、ここでmは3,4あるいは5を表わす。R
    6は水素原子、低級アルコキシル基、低級アルケニルオ
    キシ基、低級アルキニルオキシ基、低級ハロアルキルオ
    キシ基、低級アルコキシアルコキシル基、低級アルキル
    チオ基または-CH2R7を表わす。ここでR7は水素原子、低
    級アルキル基または低級アルケニル基を表わす。〕 で示されるピリジンピリミジン誘導体またはその塩を有
    効成分として含有することを特徴とする植物病害防除
    剤。
JP61288575A 1985-12-03 1986-12-02 ピリジルピリミジン誘導体およびそれを有効成分とする植物病害防除剤 Expired - Lifetime JP2517251B2 (ja)

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JP61-153684 1986-06-30

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