JP2517121Y2 - 組立式エアコン据付け台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、エアコンの室外機を設
置するのに使用するエアコン据付け台に関し、更に詳し
くは、複数の垂直部材および水平部材を組み合わせた組
立式エアコン据付け台に関する。なお、本明細書ではエ
アコンの室外機を単にエアコンと称する。

【０００２】

【従来の技術】エアコンを地上や壁面、屋根上等に設置
するために各種のエアコン据付け台が使用されており、
最近は複数の垂直部材および水平部材を組み合わせた軽
量かつ高強度な組立式エアコン据付け台が、設置箇所を
問わず多用されている。図４に従来の組立式エアコン据
付け台の１例を示す。

【０００３】ここに例示された組立式エアコン据付け台
は、平地高置・二段置用と呼ばれるものであり、２本の
水平横部材１，１と２本の水平縦部材２，２とを組み合
わせて形成した枠体を、４本の垂直部材３により２段に
支持した構成になっている。各枠体においては、２本の
水平横部材１，１間に２本の水平縦部材４，４が架け渡
されている。エアコンは、この２本の水平縦部材４，４
の上にクッション５を介して取り付けられる。従って、
この２本の水平縦部材４，４は、通常、取付ベースと呼
ばれている。

【０００４】取付ベースと呼ばれる水平縦部材４の端部
は、水平横部材１の上に載り、ボルト６で水平横部材１
に連結される。水平横部材１に設けられたボルト孔７
は、２本の水平縦部材４，４の間隔を調節するために長
孔とされている。他の部材連結も全てボルトによって行
われる。また、各部材には軽量で高強度なアングル等の
成形材が使用されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】このような組立式エア
コン据付け台においては、上述したように、各部材の連
結がボルトによって行われる。ボルトによる連結は確実
であるが、その締め付けに手数を要する。特に、図４に
示した平地高置・二段置用のものは、枠体を２段に設け
るため、一般のエアコン据付け台に比してボルト止めの
箇所が多く、組立に手数がかかるという本質的な問題が
あった。また、ボルト止めは部材の厳密な位置合わせを
必要とする。そのため、例えば水平縦部材４，４（取付
ベース）については、エアコンを取付ける前に、水平縦
部材４，４を、エアコンの脚間隔に応じて、水平横部材
１，１の上で間隔調整しなければならず、その調整に手
数がかかるという問題があった。すなわち、取付ベース
の間隔調整も含め、組立にかなりの手数がかかってい
た。

【０００６】本考案は、部材連結部の一部または全部を
ボルト止めからワンタッチの連結方式に置き換えた組立
作業が簡単な組立式エアコン据付け台を提供することを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案にかかる組立式エ
アコン据付け台は、複数の垂直部材および水平部材を組
み合わせた組立式エアコン据付け台において、部材端部
をその部材に直角な部材に重ね合わせた１以上の重合部
を有し、該重合部における部材同士を、両端部が各部材
に係合するよう鉤状に形成され且つ弾性変形により両端
部が両端側へ離反する止め金具により挟持して連結する
ことを特徴とする。

【０００８】

【作用】止め金具の弾性変形により、該止め金具がワン
タッチで部材重合部に装着され、その止め金具により部
材重合部が連結される。この方式によると、部材重合部
の位置合わせ精度をボルト止めの場合よりも低下させる
ことができる。そのため、取付ベースを予めエアコンの
脚に取付けておくことができる。これにより取付ベース
の間隔調整が不要になる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明
する。図１は本考案にかかる組立式エアコン据付け台の
１例を示す斜視図、図２は止め金具の三面図、図３は止
め金具による連結構造を示す断面図である。

【００１０】本エアコン据付け台は、図１に示すよう
に、平地高置・二段置用であって、アングルからなる４
本の垂直部材１０と、４本の垂直部材１０によって２段
に支持される２つの枠体２０と、２つの枠体２０上に各
２本づつ取り付けられるエアコン取付け用の水平縦部材
３０とを具備する。

【００１１】個々の枠体２０は、アングルからなる２本
の水平横部材２１，２１と、同じくアングルからなる２
本の水平縦部材２２とを長方形に組み合わせてボルト２
３により連結したものである。そして、２つの枠体２
０，２０は、４本の垂直部材１０の最上部と下部に四隅
がそれぞれ２本のボルト２４，２４によって連結され
る。２本のボルト２４，２４のうちの１本は、枠体２０
の連結ボルトを兼ねている。垂直部材１０の下端には、
足１１がボルト１２によって取り付けられる。

【００１２】水平縦部材３０は取付ベースと呼ばれるも
のであって、断面がほぼコ字形状の成形材からなり、そ
の開口部を下方に向けて、枠体２０の水平横部材２１，
２１間に架け渡されている。水平縦部材３０の両端部
は、水平横部材２１，２１の水平面部上に載り、後述す
る止め金具４０，４０により水平横部材２１，２１とそ
れぞれ連結される。水平縦部材３０には、クッション５
０，５０がそれぞれ装着され、且つその間隔を調節する
長孔３１，３１が設けられている。また、水平縦部材３
０の端部下縁には、水平横部材２１が嵌合する切り込み
３２が設けられている（図３参照）。

【００１３】止め金具４０は、図２および図３に示すよ
うに、水平縦部材３０の端部上面に当接するように直角
に折り倒された係止部４１を一端部に有する。係止部４
１の先には、内側に突出した爪部４２が設けられてい
る。爪部４２は、水平縦部材３０の端部上面に設けた開
口部３３に嵌合する。止め金具４０の他端部には、該他
端部を９０°以上の角度で内側へ２段に折り倒して形成
した係止部４３が設けられている。該係止部４３は、水
平横部材２１の垂直面部を下から抱持するようにして、
該垂直面部に係止される。係止部４３の更に先は、外側
へ傾斜した案内部４４である。

【００１４】止め金具４０の寸法は、係止部４１が水平
縦部材３０の端部上面に当接し、係止部４３が水平横部
材２１の垂直面部に係止された状態で、該止め金具４０
が弾性変形して、水平縦部材３０と水平横部材２１を充
分な固定力で上下から挟持するように設定されている。

【００１５】枠体２０上に水平縦部材３０，３０を取り
付けるには、まず、水平縦部材３０，３０をエアコンの
脚に取付ける。次いで、そのエアコンを枠体２０上に載
せ、水平縦部材３０の両端部を水平横部材２１，２１の
上に重ねる。そして、水平縦部材３０の端部に設けた開
口部３３に止め金具４０の爪部４２を引っ掛け、止め金
具４０を水平横部材２１に接近させる。これにより、止
め金具４０の係止部４３が水平横部材２１の垂直面部に
係止され、係止部４１が水平縦部材３０の端部上面に当
接する。その結果、水平横部材２１，２１とその上に重
ねられた水平縦部材３０の端部とが、充分な固定力で上
下から挟持される。水平縦部材３０，３０の各両端部に
対してこの作業を行うことにより、枠体２０上に水平縦
部材３０，３０が固定される。

【００１６】このように、本エアコン据付け台は、止め
金具４０を使用することにより、水平縦部材３０，３０
の各両端部が枠体２０の水平横部材２１，２１にワンタ
ッチで連結される。２段の枠体２０，２０にこれを行う
ことにより、８箇所でボルト止め作業が不要になる。ま
た、水平横部材２１，２１上で水平縦部材３０，３０を
ボルト止めせず、部材間にボルト止めの場合ほど厳密な
位置合わせ精度が要求されないので、水平縦部材３０，
３０を予めエアコンに取付けておくことができる。その
ため、水平横部材２１，２１上での水平縦部材３０，３
０の間隔調整が不要になる。これらにより、エアコン据
付け台の組立作業が非常に簡単になる。なお、水平縦部
材３０，３０を水平横部材２１，２１に先に取付けるこ
とが可能であることは言うまでもない。

【００１７】また、水平横部材２１においては、ボルト
を通すための長孔が不要になり、その強度が上がる。更
に、長孔より、水平縦部材３０，３０の間隔調節範囲が
広がるという効果も得られる。

【００１８】なお、上記実施例は、平地高置・二段置用
のエアコン据付け台であるが、平地用、平地高置用は勿
論のこと、屋根置用、壁掛用等のエアコン据付け台にお
ける取付ベースの固定にも適用することができる。ま
た、取付ベース以外の部材連結にも、止め金具４０によ
るワンタッチ連結を適用することができる。更に、止め
金具４０についても、重ね合わされた部材を弾性変形に
より挟持できるものであれば、上記実施例に示した以外
の構造を採用することが可能である。

【００１９】

【考案の効果】以上に説明した通り、本考案にかかる組
立式エアコン据付け台は、取付ベースと呼ばれる水平縦
部材と該水平縦部材を支承する水平横部材との連結部の
ように、部材端部がその部材に直角な部材に重ね合わさ
れる部分を、止め金具によりワンタッチで挟持連結する
ので、手数のかかるボルト止めの箇所を少なくできる。
また、取付ベースをこの方式で取付ける場合は、その間
隔調整を不要にすることもできる。従って、組立作業が
非常に簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる組立式エアコン据付け台の１例
を示す斜視図である。

【図２】止め金具の三面図である。

【図３】止め金具による連結構造を示す断面図である。

【図４】従来の組立式エアコン据付け台を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０ 垂直部材 ２０ 枠体 ２１ 水平横部材 ３０ 水平縦部材（取付ベース） ４０ 止め金具 ５０ クッション

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の垂直部材および水平部材を組み合
   わせた組立式エアコン据付け台において、部材端部をそ
   の部材に直角な部材に重ね合わせた１以上の重合部を有
   し、該重合部における部材同士を、両端部が各部材に係
   合するよう鉤状に形成され且つ弾性変形により両端部が
   両端側へ離反する止め金具により挟持して連結すること
   を特徴とする組立式エアコン据付け台。
2. 【請求項２】 複数の垂直部材および水平部材を組み合
   わせ、且つ２本の平行な第１水平部材間に、エアコンを
   載せるための２本の第２水平部材を架け渡した組立式エ
   アコン据付け台において、第１水平部材の上に第２水平
   部材の端部を重ね合わせ、その部材同士を、両端部が各
   部材に係合するよう鉤状に形成され且つ弾性変形により
   両端部が両端側へ離反する止め金具により挟持して連結
   することを特徴とする組立式エアコン据付け台。