JP2516840Y2

JP2516840Y2 - シートベルトの格納構造

Info

Publication number: JP2516840Y2
Application number: JP1989148260U
Authority: JP
Inventors: 光昭大脇
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1989-12-22
Filing date: 1989-12-22
Publication date: 1996-11-13
Anticipated expiration: 2004-12-22
Also published as: JPH0385251U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は自動車用シートにおけるベンチ式リヤシート
に備えるシートベルトの格納構造に関する。

（従来の技術とその問題点）従来のリヤシートには、シートベルトのアンカーを車
体に固定し、シートベルトをシートクッションの後部と
シートバックの下端部との間に挿通してバックル、タッ
グをシートクッション上に露出したものがある。

これは、金属製のバックル、タッグがシートクッショ
ンの着座面に位置するため、着座者の尻部に接触し、不
快感が生じるし、また、シートクッションの上面にバッ
クル、タッグ付きのシートベルトが存在するため、リヤ
シートの美観が損なわれる不具合があった。

斯る不具合を除去するため、シートベルトがシートク
ッションの上面上に露出しないように、バックル、タッ
グ付きのシートベルトをシートクッションの後部とシー
トバックの下端部との間に押し込むと、シートクッショ
ン、シートバックの一部が変形し、リヤシートの外観が
悪くなる欠陥があった。

そこで、本考案はシートベルトの不使用時におけるシ
ートベルトの露出を防止し、使用時には速やかにシート
ベルトが格納部から引き出せ得るようにすることを目的
とする。

（問題点を解決するための手段）以上の目的を達成するための本考案に係るシートベル
トの格納構造は、シートバックを構成する発泡体製クッ
ション体の下端面に設けた上向き且つ前面側に開口を有
する凹窪部と、該凹窪部を被覆すると共に凹窪部下方の
シートクッションの後部上面とでシートベルトのバック
ル等を挟持するシートバックの表皮とからなる格納部
と、前記凹窪部後方のシートバックに、下方に突出する
と共にインサートワイヤが埋設され前記表皮が張設され
る突出部とを設けてなることを特徴とするものである。

（作用）格納部内に格納されたシートベルトのバックル等は、
格納部を構成する表皮とシートクッションの後部上面と
によって挟持されるので、自動車の振動等によって格納
部内から脱出することがない。また、格納部内に格納さ
れたシートベルトは外部から視覚されない。

更に、インサートワイヤを内部に埋設した突出部によ
り、格納部内に格納されたバックル、シートベルトがシ
ートの後方に脱落するとこがないし、表皮が張設され
る。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係るシートベルトの格納構造を有す
る自動車用リヤシートを示し、図中（SC）はシートクッ
ション、（SB）はシートバックを夫々示し、このシート
バック（SB）の下端部にはシートベルトのバックル等を
格納する格納部（ａ）が設けてある。

この格納部（ａ）は第２図に示すようにシートバック
（SB）の前面側に開口を有するように形成され、この開
口の上方には、表示（SEAT、BELT）が形成されている。
第２図において、図中（12）はシートバック（SB）内を
構成する発泡体製クッション体内に埋設したインサート
ワイヤで、このインサートワイヤ（12）は格納部（ａ）
の後方において低くなるようにコ字状に折曲されてい
る。

第３図、第４図は格納部（ａ）内にシートベルト（2
1）のバックル（22）を格納した状態を示し、第５図は
格納部（ａ）からシートベルト（21）のバックル（22）
を取り出してシートベルト（21）を使用可能とした状態
である。

以上の格納部（ａ）はシートバック（SB）を構成する
発泡体（例えば、ウレタンフォーム）製クッション体
（13）の下端面に上向きに設けた凹窪部（13a）と、こ
の凹窪部（13a）を被覆する表皮（11）の下部まち部（1
1a）とから構成されている。そして、前記クッション体
（13）に設けた凹窪部（13a）はシートバック（SB）の
前面側に開口を有するように成形され、また、表皮（1
1）は前記クッション体（13）を被覆し、その下端まち
部はクッション体（13）の下端面を被覆し、端末はクッ
ション体の背裏側において固定されている。この表皮
（11）の下部まち部におけるクッション体（13）の凹窪
部（13a）に対応する部分（11a）は第５図に示すよう
に、凹窪部（13a）における開口部の前、後端に接合
し、凹窪部（13a）の底面との間に間隙が生じるように
張設されている。

前記クッション体（13）はその凹窪部（13a）を設け
た後部側がシートクッション（SC）方向に突出し、この
突出部内に前記インサートワイヤ（12）が埋設されてい
る。

シートクッション（SC）における発泡体製クッション
体（32）内にも、前記インサートワイヤ（12）と対峠す
るようにインサートワイヤ（33）が埋設されている。図
中（31）はシートクッション（SC）の表皮を示し、シー
トクッション（SC）は車床（４）上に固定されている。
そして、前記シートベルト（21）の一端は車床（４）と
一体で、シートバック（SB）を支持する壁面（５）に締
結されている。

従って、斯様にシートバック（SB）のクッション体
（13）下端面にインサートワイヤ（12）を埋設した突出
部を設けると共に、この突出部下方のシートクッション
（SC）のクッション体（32）上部にインサートワイヤ
（33）を埋設すると、両クッション体（13）（32）にお
けるインサートワイヤ（12）、（33）を埋設した部分の
保形性が向上し、その変形を防止することができる。そ
のため、斯る部分を接近させるようにシートバック（S
B）、シートクッション（SC）を組付けることにより、
格納部（ａ）内に格納したシートベルト（21）、バック
ル（22）が、格納部（ａ）からシートバック（SB）、シ
ートクッション（SC）の外部の車床（４）に脱落するこ
とがない。

斯して、前述の如く、第５図に示す状態から、格納部
（ａ）内にシートベルト（21）をバックル（22）と共に
格納すると、バックル（22）等によって表皮（11）の下
部まち部におけるクッション体（13）の凹窪部（13a）
を被覆する部分（11a）は、第４図に示す仮想線の状態
から実線の状態、即ち、クッション体（13）の凹窪部
（13a）面に押圧される。そのため、斯る部分（11a）に
張力が生じ、この張力によってシートベルト（21）、バ
ックル（22）はシートクッション（SC）側に押圧されて
挟持され格納状態を保持する。従って、自動車の振動に
よってシートベルト（21）、バックル（22）が格納部
（ａ）からシートクッション（SC）上に脱落することが
ない。

そして、シートベルト（21）を使用する際には、シー
トベルト（21）、バックル（22）を格納部（ａ）から手
で取り出せればシートベルト（21）が容易に取り出せ
る。

（効果）本考案は叙上の如く構成したので、格納状態のシート
ベルトは外部から視覚されず、シートの美観が向上す
る。また、格納状態のシートベルトはシートバックのク
ッション体凹窪部を被覆する表皮とシートクッションの
後部上面とに挟持されるため、確実に格納され自動車の
振動によってシート上に脱出することがない。

また、前記従来品の如く、シートベルトが着座者の尻
部等に接触することがないし、シートクッション、シー
トバックの変形も防止できる。

更に、格納部の後方にはインサートワイヤを埋設して
補強した突出部が設けてあるため、格納部に格納された
バックル、シートベルトが、シートの後方に脱落するこ
どかない。また、突出部により、シートバックの格納部
を構成する表皮に張力が生じ、この表皮の張力により
皺、たるみが生じないし、また、前記表皮の張力で前記
バックル等を確実に挟持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本構造を採用した自動車用シートの斜視図、第
２図は第１図におけるＡ部の拡大図、第３図は断面図、
第４図は第３図の部分拡大図、第５図はシートベルトを
格納部から取り外した状態の断面図である。図中、（ａ）は格納部、（SB）はシートバック、（SC）
はシートクッション、（11）はシートバックの表皮、
（13）はシートバックのクッション体、（13a）はクッ
ション体の凹窪部、（21）はシートベルト、（22）はバ
ックルを夫々示す。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】シートバックを構成する発泡体製クッショ
ン体の下端面に設けた上向き且つ前面側に開口を有する
凹窪部と、該凹窪部を被覆すると共に凹窪部下方のシートクッショ
ンの後部上面とでシートベルトのバックル等を挟持する
シートバックの表皮とからなる格納部と、前記凹窪後方のシートバックに下方に突出すると共にイ
ンサートワイヤが埋設され前記表皮が張設される突出部
とからなるシートベルトの格納構造。