JP2516657B2 - 多重モ―ド型圧電振動子 - Google Patents

多重モ―ド型圧電振動子

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JP2516657B2 JP63064115A JP6411588A JP2516657B2 JP 2516657 B2 JP2516657 B2 JP 2516657B2 JP 63064115 A JP63064115 A JP 63064115A JP 6411588 A JP6411588 A JP 6411588A JP 2516657 B2 JP2516657 B2 JP 2516657B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の利用分野) 本発明はフィルタ素子として構成される多重モード型
圧電振動子を利用分野とし、特に、フィルタを形成する
にスプリアスとなる不要な厚みすべり振動モードの振動
レベルを小さくした多重モード型水晶振動子(以下、多
重モード型振動子)に関する。
(発明の背景) 一般に、多重モード型振動子は、水晶片に励起される
厚みすべり振動のうち複数の隣接した振動モードを利用
して形成され、例えば通信機器等に小型、無調整で電気
的特性に優れたフィルタ素子として有用される。近年で
は通信網の増大による混信や通話品質等の向上を計るべ
く、スプリアスの少ない多重モード型振動子が望まれて
いる。
(背景技術) 第16図及び第17図はこの種の多重モード型振動子を説
明する水晶片の図である。なお、第16図は水晶片の切断
方位を示す図、第17図(a)は水晶片の平面図、同図
(b)は同図(a)のA−A′断面図である。
多重モード型振動子を構成する水晶片1は結晶軸
(x、y、z)のy軸に直交するx−z主面がx軸を中
心としてyからz軸の方向に略35゜15′回転してATカッ
トと呼ばれる角度で切断し、例えば円板状に形成され
る。なお、新たにできた軸をy′,z′軸とする。水晶片
1の両主面(x−z′)には音響的に結合してそれぞれ
対向した二組の電極対2、3を例えばx軸方向に形成さ
れる。二組の電極対2、3は、通常、一方の主面側を分
割電極4、5、他方の主面側を共通電極6として形成さ
れ、分割電極4、5からは両端外周部に、共通電極6か
らは一端外周部にそれぞれ引き出し電極7、8、9を延
出する。そして、一方の対電極2を例えば入力側、他方
の対電極3を出力側とし、入力信号のうち必要な周波数
帯域のみの信号を出力する。
このような構成の多重モード型振動子は、分割電極
4、5と共通電極6とが形成された部分を共通領域部と
して厚みすべり振動が励起される。厚みすべり振動は概
略x軸方向の両主面で互いに反対方向に変位する振動
で、後述のモード記号(y、x、z)で示される種々の
厚みすべり振動モード(以下、振動モードとする)が存
在する。この場合には、第18図の伝送特性図に示したよ
うに、対称モード「同図(a)」と斜対称モード「同図
(b)」とによる厚みすべり振動fs,faが励起される
(以下、対称振動fs、斜対称振動faとする)。対称振動
fsはモード記号(y、x、z)のzを奇数とし、斜対称
振動faはzを偶数として示される。通常では、対称及び
斜対称振動fa、faのうち(y、1、1)と(y、1、
2)モードによるものをそれぞれの主振動fs1、fa1とし
てフィルタ素子を構成する。例えば、第19図(a)のリ
アクタンス特性図に示したように対称振動fsにおける主
振動fs1の反共振周波数fxと斜対称振動faにおける主振
動fa1の共振周波数fyとを一致させ、同図(b)に示す
所望帯域の伝送特性を得るようにしている。
なお、モード記号(y、x、z)中、yは厚み(y′
軸)方向の半波長の数即ちオーバトーンの次数、x、z
は各々共振領域部内におけるx、z′軸方向の変位分布
の振動の腹(山及び谷)の数を表す。すなわち、第20図
に示したように対称振動faの主振動fs1となる(y、
1、1)モードは、分解電極4、5を単一電極10として
x軸、z′軸方向の共振領域部内ではその中央部を最大
として余弦的に、共振領域部材では指定関係的に減少す
る変位分布になる。また、斜対称振動faの主振動fa1
なる(y、1、2)モードはz′方向の共振領域部内で
即ち分割電極4の部分では山、分割電極5の部分では谷
となる振動の腹を2つ有し、x軸方向には(y、1、
1)モードと同様に振動の腹を1つ有する変位分布にな
る。
(従来技術の欠点) しかしながら、上記構成の多重モード型振動子では、
伝送特性を得るに必要な振動モード(以下、必要モー
ド)即ち(y、1、1)と(y、1、2)による主振動
fs1、fa1以外に、例えば(y、1、3)や(y、3、
1)の対称モード及び(y、1、4)や(y、3、2)
の斜対称モード等の不要な振動モード(以下、不要モー
ドとする)による厚みすべり振動(以下、不要振動とす
る)fp(fs2、fs3、fa2、fa3)も励起される「前第18図
参照」。なお、不要振動fpは相互に、又主振動fs1、fa1
に対して非調和の関係にあり、一般に非調和振動とか副
振動等と称される。そして、これらの不要振動fpは、第
21図に示したように、伝送特性の帯域外にスプリアスと
なって通過帯域外の保証減衰量を低下させる問題があっ
た。
このような問題を解決するために、例えば分割電極
4、5及び共通電極6の径や厚みを小さくしてプレート
バック量即ちこれら電極形成による周波数低下量を少な
くし、主振動fs1、fa1となる必要モード以外の不要振動
fpを共通領域部内に閉じ込めないようにする。また、第
22図の平面図に示したように水晶片1の主面に接着剤等
の付加物を施して不要振動を機械的に抑圧し、この振動
レベルを低減させる方法がある。しかし、分割電極4、
5及び共通電極6の径を小さくするとCI(クリスタルイ
ンピーダンス)の増大により挿入損失を多くして通過帯
域内特性を劣化させる。そして、等価定数のインダクタ
ンスは大きく、容量は小さく制限されるので、設計の自
由度が損なわれる。また、分割電極4、5及び共通電極
6の厚みを小さくすると、良好な導電性を維持する上で
制約を受けて充分な効果を期待できない。また付加物を
施す場合には、CI及び作業性を低下させる欠点があっ
た。
(発明の目的) 本発明は、伝送特性を形成する厚みすべり振動の必要
モードには影響が少なく不要モードに対してはその振動
レベルを小さくして通過帯域外の保証減衰量を高めつ多
重モード型振動子を提供することを目的とする。
(発明の解決手段) 本発明は、共振領域部から不要モードの伝播方向に、
前記不要モードの共振周波数より低くてかつ必要モード
の共振周波数より高い遮断周波数をもった導波路を形成
し、該導波路の幅を共振領域部のそれに対して0.5以上
にするとともに、該導波路に振動吸収材を設けたことを
解決手段とする。
(発明の作用) 本発明は、導波路を不要モードの伝播方向に形成して
その遮断周波数を必要モードの共振周波数より高くて不
要モードの共振周波数より低くしたので、必要モードの
主振動は共振領域部内に閉じ込められ不要振動は導波路
を伝播する。導波路の幅を共振領域部に対して0.5以上
として導波路中に振動吸収材を設けたので、不要振動の
伝播量を大として振動エネルギーを吸収させる作用があ
る。以下、本発明を説明する。
(発明の説明) 第1図乃至第3図は本発明を説明する図で、前従来例
図と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略す
る。なお、第1図は水晶片の平面図、第2図は周波数配
列及びエネルギー閉じ込め効果の周波数領域を示す図、
第3図は引き出し電極の遮断周波数を定義する水晶片の
図である水晶。
水晶片1は前従来例と同様に、ATカットで円板状に加
工されているとし、両主面には二組の電極対となる分割
電極4、5及び共通電極6が形成されてそれぞれz′軸
方向の両端外周部及びx軸の一端外周部に引き出し電極
7、8、9が延出されている。そして、分割電極4、5
と共通電極6との対向部分を共振領域部として対称振動
fsと斜対称振動faが励起されるとする。
先ず、水晶片1の遮断周波数をf1とし、対称及び斜対
称振動fs、faのうち必要モードによる主振動fs1、fa1
共振周波数をf2、f3とすると、その周波数配列はf1>f3
>f2となる。そして、共振領域部内におけるエネルギー
閉じ込め効果の生ずる周波数範囲(以下、閉じ込め範囲
とする)△f1はf1とf2との間になる。従って、例えば
(y、1、3)や(y、3、1)モード等による不要振
動fp(fs2、fs3)が閉じ込め範囲△f1内にある場合には
主振動fs1、fa1とともに励起された強勢なスプリアスに
なる。
一方、引き出し電極7、8、9内における閉じ込め範
囲△f2を想定すると、水晶片1の遮断周波数f1と引き出
し電極7、8、9の遮断周波数f4との間になる。なお、
引き出し電極7、8、9の遮断周波数f4は、説明の便宜
上第3図に示したように引き出し電極7、8、9と同一
の幅の電極7′、8′、9′を水晶片1の一方の主面に
形成したときの共振周波数とする。
従って、共振領域部10内に閉じ込められた不要振動fp
のうち、閉じ込め範囲△f2内にありかつ伝播方向が引き
出し電極7、8あるいは9と同方向のものfp′は引き出
し電極7、8あるいは9内を導波路として伝播すること
になる。
すなわち、これらのことは引き出し電極7、8、9の
遮断周波数f4を不要振動fp′(不要モード)の共振周波
数f5より低くし、その延出方向を伝播方向と同じ方向に
すれば、各引き出し電極7、8、9を不要振動fp′の導
波路とすることができ、導波路(引き出し電極)に振動
吸収材を施せば不要振動fp′は吸収されて減衰すること
を意味する。
そして、不要振動fp′をz′軸方向に伝播する例えば
fs2即ち(y、1、3)モードとすると、基本的には導
波路(引き出し電極7、8)と共振領域部10の幅b、a
に一致させることにより、x軸方向に閉じ込められたそ
の振動エネルギーの殆ど全てを外周部に伝播することに
なる。さらに、導波路と共振領域部10との幅b、aの中
心を一致させてb/aを0.5以上にすれば、x軸方向の最大
変位部分を伝播するので、その振動エネルギーの多くを
伝播吸収できることになる。
(発明の実施例) 以下、本発明の一実施例を実験結果に基づき説明す
る。なお、前第1図と同一部分には同番号を付与して説
明する。
水晶片1は、第4図の平面図(同図a)、断面図(同
図b)に示したようにATカットで切断して円板状に加工
する。両主面には対称振動fsと斜対称振動faを励起する
共振領域部10となる二組の電極対即ち分割電極4、5及
び共通電極6を形成する。分割電極4、5からは分割方
向に直交するz′軸方向の、共通電極6からはx軸方向
の両端外周部に引き出し電極7、8、9、12を延出す
る。そして、引き出し電極7、8、9、12の延出端には
導電性接着剤13を施し、例えば引き出し電極7、8、9
の延出端を図示しない保持具により電気的・機械的に接
続する。
なお、この実施例では、水晶片1の直径を5.5mm、共
振領域部10のx軸及びz′軸方向の幅a、cを1.5mm、
1.92mm、引き出し電極の同方向の幅をb、dとし、伝送
特性を得る対称及び斜対称振動fs、faの主振動fs1、fa1
を(3、1、1)、(3、1、2)の必要モードからな
るオーバトーン振動とする。そして、水晶片1の遮断周
波数f1を45.25MHz、主振動fs1、fa1の共振周波数f2、f3
をそれぞれ45.10MH、45.12MHzとし、引き出し電極7、
8及び9、12の遮断周波数f4を主振動fs1、fa2のうち高
い方の即ちfa2の共振周波数f3(45.12MHz)と次に述べ
る主振動fa1に最も近い不要振動fp即ちここでは(3、
1、3)モードによるfa2の共振周波数f5との間に設定
する。なお、引き出し電極7、8及び9、12の遮断周波
数f4は例えば質量を付加する質量負荷効果により調整さ
れる。
この構成の多重モード型振動子は、第5図に示したよ
うに、主振動fs1、fa1により中心周波数f0を略45.12Hz
とした通過帯域を形成し、帯域外に不要振動fpがスプリ
アスとなってを発生する。例えば不要振動fp中、(3、
1、3)モードによるfs2は45.2MHzに、(3、3、1)
モードによるfs3は45.24MHz近傍に、(3、3、2)モ
ードによるfa2は45.26MHz近傍になる。
第6図は共振領域部10と引き出し電極7、8とのx軸
方向の電極幅比b/aを変化させたときの副振動fpの減衰
特性図である。なお、共振領域部10と引き出し電極9、
12とのz′軸方向の電極幅比d/cは従来一般の0.5以下の
一定値とする。また、横軸は電極幅比b/a、縦軸は中心
周波数f0領域における減衰量を0dBとした(3、1、
3)(3、3、1)(3、3、2)モードによる不要振
動fs2、fs3、fa3の減衰量である。
この図から明らかなように(3、1、3)モードによ
る不要振動fs2の減衰量は、電極幅比b/aが0.45、0.6、
0.7、0.85でそれぞれ19、20、25、30dBとなる。すなわ
ち、電極幅比b/aに比例して増加し、b/aが1.1を越える
と略40dBで飽和する曲線になる。また、(3、3、1)
(3、3、2)モードによる不要振動fs3、fa2は電極幅
比b/aに拘らず減衰量の増加がみられない。そして、
(3、1、3)モードによる不要振動fs2は電極幅比b/a
が略0.5以上のとき、(3、3、1)(3、3、2)モ
ードによる不要振動fs3、fa3以上の減衰量を得ることを
示している。
従って、この実験結果では、z′軸方向の引き出し電
極7、8の遮断周波数f4を主振動fa1と(3、1、3)
モードによる不要振動fa2の共振周波数f3、f5との間に
設定してその電極幅比b/aを0.5以上としたことにより、
z′軸方向に伝播する不要振動fs2の導波路として機能
するとともに導電性接着剤13が振動吸収材として作用す
ることを明らかにしている。
なお、x軸方向に伝播する(3、3、1)モードによ
る不要振動fs3については、同様の実験の結果、即ち引
き出し電極9、12と共振領域部とのz′軸方向の電極幅
比d/cを0.5以上とすることにより、その振動レベルを低
減できることが確認された。また、(3、3、2)モー
ドによる不要振動fa2についても同様に振動レベルの低
減に効果があった。
(他の実施例) 第7図は本発明の他の実施例を説明する前実施例と同
一部分は同番号を付与した多重モード型振動子の図で、
同図(a)は水晶片の平面図、同図(b)は同図(a)
のa−a′断面図である。なお、この実施例は、両主面
に分割電極を形成して共振領域部とした場合を説明する
ものである。
水晶片1は、前述同様にATカットで切断して円板状に
加工する。両主面には二組の電極対をそれぞれ対向する
分割電極(4、9a)(5、9b)から形成し、対称モード
fsと斜対称モードfaを励起する共振領域部10とする。一
方の主面の分割電極4、5から分割方向に直交するz′
軸方向の両端外周部へ引き出し電極7、8を、分割電極
4、5と同一幅で延出する。他方の主面の分割電極6a、
6bからは分割方向に沿って、それぞれの両端外周部に引
き出し電極9a、9b、12a、12bを延出する。そして、引き
出し電極7、8、9、12の延出端には導電性接着剤13を
施し、例えば引き出し電極7、8、9の延出端を図示し
ない保持具により電気的・機械的に接続する。
そして、前実施例同様に引き出し電極7、8、9、12
の遮断周波数f4を主振動fa1の共振周波数f3との間に設
定し、その幅を0.5以上とする。但し、引き出し電極
9、12の幅はそれぞれ分割された引き出し電極9a、9b及
び12a、12bの和とする。なお、引き出し電極9、12の遮
断周波数は、第8図の平面図に示したうに水晶片1の一
方の主面に引き出し電極9(12)と同一幅の電極9′
(12′)を形成したときの共振周波数とする。
従って、この構成の多重モード型振動子でも、引き出
し電極7、8、9、12は導波路として作用し、不要振動
を抑圧してスプリアスの減衰量を大きくする。そして、
この実施例では他面側の引き出し電極9、12をそれぞれ
9a、9b及び12a、12b分割して延出したので、蒸着等によ
る引き出し電極の形成をし易くする。すなわち、例えば
第9図の平面図に示したように分割しない場合と比較す
ると、分割しない場合には分割電極6a、6b間の空隙14が
孤立して例えば二つの蒸着マスクを必要ととするが、本
実施例の場合には空隙14が孤立しないので一つのマスク
により一度に蒸着できてその作業性を良好とする。
(他の事項) なお、上記実施例では引き出し電極は均一の幅例えば
bとしたが、例えば第10図に示したように共振領域部と
の間に幅Gのギャプ14を設け、分割電極4、5と共通電
極6とに起因する回路定数L、C等の変化を防止するよ
うにしてもよい。第11図は引き出し電極の幅を共振領域
部の径と同一にしたときのギップ14の幅Gと不要振動の
減衰量の関係で、幅Gを大きくすると減衰量が減少する
ことを示している。従って、極端に幅Gを大きくすると
導波路としての作用を減ずることからこれを考慮した設
計が必要である。
また、フィルタ素子としては対称モードfsと斜対称モ
ードfaの主振動s1、fa1を利用した二重モードの場合を
説明したが、例えば第12図(a)(b)の平面図に示し
たように水晶片1に対向する三つ以上の電極対例えば1
6、17、18を設けた多重モード型振動子にも適用でき
る。すなわち、この場合には対向する電極対16、17、18
間部分を共振領域部とし、前実施例と同様に不要振動の
伝播方向に、利用する三つの振動モードのうち最も高い
共振周波数とその共振周波数に一番近い不要振動の共振
周波数との間になる遮断周波数の引き出し電極20、21、
22を形成して導波路とすればよい。
また、第1の実施例では分割電極4、5の分割方向と
直交する方向に引き出し電極を形成して導波路とした
が、例えば第13図の平面図に示したように分割方向に沿
って、分割電極4、5からそれぞれ引き出し電極8′を
設けて導波路としてもよい。このとき、他方の主面の共
通電極6からは一方の主面の導波路と直交させて引き出
し電極12′を延出する。そして、第2の実施例では引き
出し電極9、12をx軸方向に分割して形成したが、z′
軸方向としもよい。そして、作業上の点が問題にならな
い場合には敢て分割する必要はなく「前第9図参照」、
本発明はこれを排除するものではない。
また、多重モード型振動子は第14図の結線図に示した
ように順接続としたが、例えば逆接続の場合でも同様に
適用できる。すなわち、第15図(a)(b)の結線図及
び平面図に示したように両主面に分割電極(4、6a)
(5、6b)形成し、分割中心線p−p′に対しx、z′
軸方向に延出した引き出し電極22aと22b、23aと23bとが
両主面間で回転対称になるように形成すればよい。この
とき、z′軸方向の一端側は図示しない保持具等により
電気的に接続される。
また、導波路は共振領域部から不要振動の伝播する方
向の両端外周部に形成したが、一端外周部でもその効果
を期待できる。そして、導波路は引き出し電極を延出し
て形成したが、例えば絶縁材から形成してもよく、要
は、不要モードの伝播方向の遮断周波数が不要モードの
共振周波数より低くかつ必要モードより高く設定されれ
ばよい。
また、導波路はx軸及びz′軸方向に形成して説明し
たが、不要振動の伝播方向は形成した導波路に引き込ま
れるので必ずしもx軸方向とz′軸方向に限定されるも
のではない。そして、導波路の遮断周波数はその方向に
伝播する不要振動の共振周波数より低くすればよいの
で、x軸方向とz′軸方向との遮断周波数は異なっても
よいことはいうまでもない。なお、本明細書中では不要
振動と不要モードとを使用しているが、両者は同意語と
して差支えない。
また、オーバトーン次数が3の多重モード型振動子に
ついて説明したが、本発明は基本波は勿論高次のものに
も適用されその趣旨を逸脱しない範囲内で適宜自在に変
更可能である。
(発明の効果) 本発明は、共振領域部から不要モードの伝播方向に、
前記不要モードの共振周波数より低くてかつ必要モード
の共振周波数より高い遮断周波数をもった導波路を形成
し、該導波路の幅を共振領域部の径に対し0.5以上にす
るとともに、該導波路に振動吸収材を設けたので、伝送
特性を形成する振動モードのうち必要モードには影響が
少なく不要モードに対してはその振動レベルを小さくし
て通過帯域外の保証減衰量を高める多重モード型振動子
を提供でき、その効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明多重モード型振動子のを説明する水晶片
の平面図、第2図は周波数配列及びエネルギー閉じ込め
効果の周波数領域を示す図、第3図は引き出し電極の遮
断周波数を定義する水晶片の図である。 第4図は本発明の一実施例を説明する多重モード型振動
子の図で、同図(a)は水晶片の平面図、同図(b)は
断面図である。第5図は本発明の一実施例を説明する多
重モード型振動子の伝送特性図、第6図は本発明の一実
施例の効果を説明する減衰特性図である。 第7図は本発明の他の実施例を説明する多重モード型振
動子の図で、同図(a)は水晶片の平面図、同図(b)
は同図(a)の断面図である。 第8図、第9図はは本発明の他の実施例を説明する多重
モード型振動子の図で、水晶片の平面図である。 第10図は本発明の他の実施例を説明する多重モード型振
動子の図で、同図(a)は水晶片の平面図、同図(b)
は同図(a)の矢印(イ)で示す部分の図である。第11
図は第10図に多重モード型振動子を説明するの減衰特性
図である。 第12図は本発明の他の実施例を説明する多重モード型振
動子の図で、同図(a)は水晶片の平面図、同図(b)
は同断面図である。第13図は本発明の他の実施例を説明
する多重モード型振動子の図で、水晶片の平面図であ
る。 第14図は順接続の多重モード型振動子を示す結線図、第
15図(a)は逆接続の多重モード型振動子を説明する
図、同図(b)は逆接続の多重モード型振動子を示す水
晶片の平面図である。 第16図及び第17図は従来の多重モード型振動子を説明す
る水晶片の図で、第16図は水晶片の切断方位を示す図、
第17図(a)は水晶片の平面図、同図(b)は同図
(a)のA−A′断面図である。第18図(a)はfsモー
ドの、同図(b)はfaモードの伝送特性図、第19図
(a)はリアクタンス特性図、同図(b)はフイルタの
伝送特性図、第20図(a)(b)は二重モード型振動子
の変位分布を示す図、第21図は従来のフイルタの欠点を
示す伝送特性図、第22図は多重モード型振動子の一従来
例を示す水晶片の平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−221211(JP,A) 特開 昭51−62984(JP,A) 特開 昭50−2892(JP,A) 実開 昭55−36601(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電片の両主面に音響的に結合する二組以
    上の電極対を形成して共振領域部とし、該共振領域部内
    に励起される複数の厚みすべり振動モードのうち所望帯
    域の伝送特性を得るに必要な隣接した複数の厚みすべり
    振動モードを利用してフィルタ素子を構成した多重モー
    ド型圧電振動子において、前記共振領域部から前記伝送
    特性を得るに不要な厚みすべり振動モードの伝播方向
    に、前記不要な厚みすべり振動モードの共振周波数より
    低くてかつ前記必要な厚みすべり振動モードの共振周波
    数より高い遮断周波数の導波路を形成し、該導波路の幅
    を共振領域部のそれに対し0.5以上にするとともに、該
    導波路に振動吸収材を設けたことを特徴とする多重モー
    ド型圧電振動子。
  2. 【請求項2】前記共振領域部は二組の電極対からなる特
    許請求の範囲第1項記載の多重モード型圧電振動子。
  3. 【請求項3】前記二組の電極対は一方の主面の共通電極
    と他方の主面の分割電極とから形成された特許請求の範
    囲第2項記載の多重モード型圧電振動子。
  4. 【請求項4】前記分割電極からはそれぞれ分割方向に対
    して直交方向に導波路を形成したことを特徴とする特許
    請求の範囲第3項記載の多重モード型振動子。
  5. 【請求項5】前記共振領域部は両主面に形成した分割電
    極からなる特許請求の範囲第1項又は第2項記載の多重
    モード型圧電振動子。
  6. 【請求項6】前記分割電極のうち一方の主面の分割電極
    からはそれぞれ分割方向に対して直交方向に導波路を形
    成したことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の多
    重モード型振動子。
  7. 【請求項7】前記分割電極のうち他方の主面の分割電極
    からはそれぞれ分割方向に沿って導波路を分割して形成
    したことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の多重
    モード型振動子。
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