JPH05129884A - 多段接続多重モードフイルタ - Google Patents

多段接続多重モードフイルタ

Info

Publication number
JPH05129884A
JPH05129884A JP28801691A JP28801691A JPH05129884A JP H05129884 A JPH05129884 A JP H05129884A JP 28801691 A JP28801691 A JP 28801691A JP 28801691 A JP28801691 A JP 28801691A JP H05129884 A JPH05129884 A JP H05129884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mode
filter
resonance frequency
frequency
surface acoustic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28801691A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3369581B2 (ja
Inventor
Motoyoshi Takase
素義 高瀬
Masayoshi Etsuno
昌芳 越野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP28801691A priority Critical patent/JP3369581B2/ja
Publication of JPH05129884A publication Critical patent/JPH05129884A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3369581B2 publication Critical patent/JP3369581B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、通過帯域幅を広げつつ、通過帯域
内の特性を良好に保つことができる多段接続多重モード
フィルタを提供することを目的としている。 【構成】 機械振動を利用する2つのフィルタ素子3
a、3bを組合せて対称モードの共振周波数と反対称モ
ードの共振周波数とのモード結合により所望の通過周波
数帯域を得るように励振媒体上に形成された多重モード
フィルタ2a、2bを、複数段直列に接続した多段接続
多重モードフィルタにおいて、当該多段接続多重モード
フィルタの入力端8及び出力端9並びに多重モードフィ
ルタ2a、2b間の接続部分10に、それぞれインダク
タンス素子11a、11b、11cを並列に接続したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段接続された弾性表
面波多重モードフイルタ等の多段接続多重モードフィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波を利用して低損失で狭帯域の
フィルタを構成する場合、基本波のモードと高次の振動
モードとを結合させようにした多重モードフィルタとす
ることが有効であり、近年では盛んに採用されている。
【0003】例えば、2つの弾性表面波共振器を表面波
の伝搬方向に対し垂直な位置に近接して配置すると、対
称モードと反対称モードの二種類のモードが生じ、共振
器間の音響的結合によりモード結合フィルタを構成する
ことができる。
【0004】図7はこのような弾性表面波共振器による
フィルタの構成を示す図である。
【0005】図において、1は水晶基板であり、水晶基
板1の表面には、弾性表面波を励振するインターディジ
タル電極(以下、IDTと呼ぶ。)3a及びIDT3a
の両側に弾性表面波を反射させる反射器4a、5aを配
置してなる弾性表面波共振器6aと、同様にIDT3b
及び反射器4b、5bを配置してなる弾性表面波共振器
6bとが、共通電極7を介して縦属接続されている。
【0006】そして、これら2つの弾性表面波共振器6
a、6bが導波路を形成し、励振される弾性表面波はそ
のポテンシャル分布が共通電極7に対して対称な対称モ
ード(図7(a))と、反対称な反対称モード(図7
(b))の2つのモードを発生させる。
【0007】ここで、対称モードの共振周波数をfs 、
反対称モードの共振周波数をfa とすると、2つのモー
ドの音響的結合によりfs からfa に亘り低損失なフィ
ルタを実現することができる。
【0008】なお、例えば移動体通信用の弾性表面波フ
ィルタは、通常システムのフロント、エンド部に利用さ
れるため、通過帯域では低損失、阻止域では高減衰量が
要求される。そのため、一般に、多重モードフィルタを
多段接続構成として、阻止域すなわち帯域外の高減衰量
を得ている。
【0009】ところで、対称モードの共振周波数fs と
反対称モードの共振周波数fa とのモード周波数差fa
−fs がフィルタの通過帯域幅をほぼ決定する。そし
て、フィルタを設計する上で、このモード間周波数差を
求めることが最も重要である。ここで、このモード間周
波数差の傾向を探るため本発明者等が行った実験結果を
図8に示す。
【0010】なお、周波数差fa −fs に影響するパラ
メータとして、図7に示した弾性表面波共振器6a、6
bの電極指交差幅WL 、並置された2つの弾性表面波共
振器6a、6b間の距離G、電極膜厚hが主に考えられ
るが、この実験では、これらのパラメータのうち、2つ
の弾性表面波共振器6a、6b間の距離Gを一定値に固
定して、電極指交差幅WL 、及び電極膜厚hを数種類変
化させ傾向を探った。また、圧電基板として温度特性の
優れたθ=36°STカット水晶を用い、金属電極はA1
で形成し、IDT対数を300 対、両側の反射器は300 本
に設定した。さらに、Al膜厚をh/λ=0.019 、0.03
7 、0.049 の3種類(λ:表面波の波長)、電極指交差
幅をWL /λ=5 、10、15の3種類とし、G/λ=1に
固定した。 図8に示す結果から言えることは、電極指
交差幅をWL の増加とともにモード間の周波数差は狭ま
り、またAl膜厚hの増加によってもモード間の周波数
差は狭まる傾向にある。
【0011】実際にフィルタを構成した場合、実用的な
通過帯域幅は比通過帯域幅で考えて0.0001〜0.002 程度
と推定できる。
【0012】一方、弾性表面波モード結合フィルタは、
音響結合による2つのモードを利用しており、モノリシ
ッククリスタルフィルタと同様の動作原理で説明でき
る。
【0013】すなわち、図9に示す対称格子型回路で諸
特性を計算することが可能である。同図に示すZaは対
称モードの共振系を、Zbは反対称モードの共振系を表
すインピーダンスである。
【0014】ここで、イメージパラメータ法によるフィ
ルタ構成法を用いて特性を考えてみる。
【0015】図10はZa及びZbのそれぞれのリアク
タンスXa、Xbの周波数特性、さらにフィルタの振幅
特性を示したものである。
【0016】同図において、対称モードの共振周波数を
fs1、反共振周波数をfs2、同様に反対称モードの共振
周波数をfa1、反共振周波数をfa2とすると、イメージ
パラメータ法の考え方では、XaとXbの符号が同符号
のときフィルタの減衰域、異符号のとき通過域となる。
図10の場合、対称モードの反共振周波数fs2が反対称
モードの共振周波数fa1に一致しており、対称モードの
共振周波数fs1から反対称モードの反共振周波数fa2の
周波数領域でXaとXbは互いに異符号の関係にある。
すなわち、図10の振幅特性にみられるように、対称モ
ードの共振周波数fs1から反対称モードの反共振周波数
fa2に亘りフィルタ通過域となる。
【0017】これに対し、図11はfs2とfa1が一致し
ていない場合の例であり、対称モードの反共振周波数f
s2から反対称モードの共振周波数fa1の周波数領域でX
aとXbの符号が同符号となって減衰域にあたる。よっ
て、振幅特性の通過域を歪ませてしまう。
【0018】以上より、弾性表面波モード結合フィルタ
を構成するにあたり、その通過域が良好な特性を得るた
めには、対称モードの反共振周波数fs2と反対称モード
の共振周波数fa1をほぼ一致させる必要があるという結
論になる。
【0019】ただし、ここで重要なことは、単体の共振
器がその共振周波数と反共振周波数との差をどこまで延
ばせるかを把握することである。
【0020】図12はその計算結果を表したもので、A
lの膜厚をパラメータにして、IDT対数を変化させた
ときの共振周波数と反共振周波数との差を描いたもので
ある。 同図に示すように、Alの膜厚によらずIDT
対数が200対を越えると、共振周波数(f1 )と反共
振周波数(f2 )との差は飽和してしまうため、(f2
−f1 )/f2 =0.0004が限界である。換言するなら
ば、対称モード(fs )と反対称モード(fa )の比モ
ード間周波数差が(fa −fs )/fa =0.0004以下で
あれば通過帯域の良好なフィルタを得ることができる
が、それ以上広がると通過帯域に歪が生じ、遅延リップ
ル等を悪化させてしまう。図8のモード間周波数差実験
値から見ればAl膜厚比が0.05の場合、交差幅は 8λ以
下にあたり、Al膜厚比が0.02では約12λ以下になる。
【0021】一方、IDT対数が200 対以下の場合電極
の膜厚の増加によっても共振周波数と反共振周波数との
差を延ばすこも考えられるが、次のような問題がある。
【0022】すなわち、水晶横モード結合フィルタは表
面波共振器を考えを基としているものであるから、対称
モード、反対称モードの他に、高次の横モードスプリア
ス、さらには縦モードスプリアスが現れることは当然、
予見される。このスプリアスはフィルタの減衰域におい
て急峻なレスポンスとしてみられる他、通過帯域を歪ま
せる原因ともなる。特に、電極膜厚の増加に伴いスプリ
アスの数が増え、またレスポンスのレベルも大きくな
る。素子の製造面から考えてもパターンニングの困難
さ、電極線幅の制御の難しさからみて厚い電極膜厚に設
定することは、不利である。従って、この電極膜厚は、
経験的にみて、波長で正規化した膜厚比(h/λ)を0.
04以下とすることが望ましい。ここで、図8を見れば、
(fa −fs)/fa が0.0004を越え、h/λ≦0.04の
範囲はおおむね共振器の交差幅WL が10波長以下とな
る。
【0023】なお、フィルタの通過帯域幅はおおむねモ
ード間周波数差の1.5 倍程度膨らむため、比通過帯域幅
で0.0006〜0.0007が実現できる限界である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】このように通過帯域幅
を広げるためには、所定条件下で共振周波数と反共振周
波数との差を大きくすればよい。そのため、従来の技術
で説明したように、インターディジタル電極の対数を増
加すること或いは電極膜厚を厚くすることが考えられ
る。
【0025】しかし、インターディジタル電極の対数を
増加してもその対数が200対を越えた場合には、共振周
波数と反共振周波数との差が飽和し、通過帯域に歪が生
じるという問題がある。
【0026】また、IDT対数が200 対以下で電極膜厚
を厚くする場合には、各種スプリアスが増大し、減衰帯
域で急峻なレスポンスが生じ、また通過帯域に歪が生じ
るという問題がある。しかも、製造面において、パター
ンニングが困難である。
【0027】本発明は、かかる課題を解決するために成
されたもので、通過帯域幅を広げつつ、通過帯域内の特
性を良好に保つことができる多段接続多重モードフィル
タを提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するために、機械振動を利用する2つのフィルタ素
子を組合せて対称モードの共振周波数と反対称モードの
共振周波数とのモード結合により所望の通過周波数帯域
を得るように励振媒体上に形成された多重モードフィル
タを、複数段直列に接続した多段接続多重モードフィル
タにおいて、当該多段接続多重モードフィルタの入力端
及び出力端並びに前記多重モードフィルタ間の接続部分
に、それぞれインダクタンス素子を並列に接続したこと
を特徴とする。
【0029】
【作用】例えば、弾性表面波共振器は、図2に示す回路
に等価でき、この等価回路により弾性表面波共振器の共
振周波数近傍の特性を表現することができる。
【0030】つまり、共振特性は、インダクタンスL1
、容量C1 び抵抗R1 からなる直列アームによって決
定し、反共振特性すなわち並列共振には、インターディ
ジタル電極の静電容量C0 が寄与する。
【0031】ここで、この共振器における共振周波数f
1 と反共振周波数f2 との差は、直列容量C1 と並列容
量C0 との比によって表される。すなわち、 2(f2 −f1 )/f2 =C1 /C0 =1/γ となる。なお、γとは、容量比である。
【0032】従って、共振周波数と反共振周波数との差
を広げるためには、並列容量C0 を小さくして容量比γ
を小さくすればよい。
【0033】そこで、本発明では、図2において、破線
で示すインダクタンスLx (特許請求の範囲にいうイン
ダクタンス素子)を並列に接続し、見かけの上でのC0
を小さくしている。そして、この場合、インダクタンス
Lx の値は、共振周波数と反共振周波数との差(f1 −
f2 )がモード間周波数差(fa −fs )に等しくなる
ように調整すればよい。
【0034】すなわち、インダクタンスLx は、 Lx =1/ω2 (C0 −Cx ) となる。ただし、ωは表面波の角周波数、 Cx =C1 {(fa −fs )/fa )}-1/2 である。
【0035】また、電源及び負荷の終端抵抗Rは、 R=1/ωCx により求められる。
【0036】なお、本発明では、多重モードフィルタを
複数段直列に接続しているため、多重モードフィルタ間
にもインダクタンスを同様に接続する必要がある。そし
て、この場合、そのインダクタンスの値は、Lx /2と
なる。
【0037】つまり、通過帯域幅を広げるためには、共
振周波数と反共振周波数との差を大きくすればよい。そ
のため、従来の技術で説明したように、インターディジ
タル電極の対数を増加すること或いは電極膜厚を厚くす
ることが考えられる。
【0038】しかし、インターディジタル電極の対数を
増加してもその対数が200対を越えた場合には、共振周
波数と反共振周波数との差が飽和し、通過帯域に歪が生
じることがある。
【0039】また、IDT対数が200 対以下で電極膜厚
を厚くする場合には、各種スプリアスが増大し、減衰帯
域で急峻なレスポンスが生じ、また通過帯域に歪が生じ
ることがある。しかも、製造面において、パターンニン
グが困難である。
【0040】そこで、本発明は、多段接続多重モードフ
ィルタの入力端及び出力端並びに多重モードフィルタ間
の接続部分に、それぞれインダクタンス素子を並列に接
続することで、反共振特性に寄与する静電容量を見かけ
上小さくして共振周波数と反共振周波数との差を大きく
し、通過帯域幅を広げつつ、通過帯域内の特性を良好に
保つことを可能としている。
【0041】なお、従来の技術で説明したように、イン
ターディジタル電極の対数を増加すること或いは電極膜
厚を厚くすることで通過帯域幅を広げることは、インタ
ーディジタル電極の電極指交差幅が10波長までが限界で
ある。よって、本発明は、電極指交差幅が10波長以下に
おいて特に有効である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を多段接続された弾性表面波多
重モードフイルタに適用した実施例を説明する。
【0043】図1はその弾性表面波多重モードフイルタ
の上面図である。
【0044】同図において、1は水晶基板である。
【0045】水晶基板1の表面には、2組の弾性表面波
多重モードフィルタ2a、2bが直列に接続されるよう
に形成されている。
【0046】各弾性表面波多重モードフィルタ2a、2
bは、弾性表面波を励振するインターディジタル電極
(以下、IDTと呼ぶ。)3a及びIDT3aの両側に
弾性表面波を反射させる反射器4a、5aを配置してな
る弾性表面波共振器6aと、同様にIDT3b及び反射
器4b、5bを配置してなる弾性表面波共振器6bと
が、共通電極7を共有してなるものである。
【0047】ここで、上記IDT3a、3bの電極指交
差幅WL は、対称モードの共振周波数fs と反対称モー
ドの共振周波数fa により決まる比モード間周波数差
(fa −fs )/fa が0.0004以上の条件、すなわちW
L ≦10λに設定されている。
【0048】また、弾性表面波多重モードフィルタ2
a、2bの入力端8及び出力端9並びに弾性表面波多重
モードフィルタ2a、2b間の接続部分10には、それ
ぞれインダクタンス素子11a、11b、11cが並列
に接続されている。そして、これらインダクタンス素子
11a、11b、11cのインダクタンスLx の値は、
共振周波数と反共振周波数との差(f1 −f2 )がモー
ド間周波数差(fa −fs )に等しくなるように調整さ
れている。
【0049】つまり、この実施例の弾性表面波多重モー
ドフイルタでは、インダクタンス素子11a、11b、
11cにより反共振特性に寄与する静電容量を見かけ上
小さくして共振周波数と反共振周波数との差を大きくし
ているので、比通過帯域幅が0.0007より広いフィルタ、
換言するならば比モード間周波数差(fa −fs )/f
a ≧0.0004のとき問題となる通過帯域内のリップルを平
坦化させることができる。
【0050】次に、本発明の効果を確認するために行っ
た実験結果を示す。
【0051】図3は本発明に係る多段接続弾性表面波多
重モードフイルタの振幅特性を示す図である。一方、図
4は従来例の多段接続弾性表面波多重モードフイルタの
振幅特性を示したものである。なお、この実験では、基
板にθ=36°ST水晶を用い、電極のAl膜厚を0.25μ
m 、IDTの対数を300 対、反射器の電極数を 300本、
電極指交差幅WL を 5λ、共振器間距離Gを 2λ、設定
中心周波数f0 を250MHz(実測値f0 =249.5MHz)に設
定した。この場合、比モード間周波数差(fa−fs )
/fa は0.001 であった。
【0052】ところで、図9に示すように弾性表面波多
重モードフィルタの等価回路は対称格子回路で表される
が、より具体的に表現すれば、図5に示すように対称モ
ードの共振系Zaと反対称モードの共振系Zbが音響的
な結合を表す変換器により結びつけられており、さらに
IDTによって決まる静電容量C0 が両端に並列接続さ
れた2端子対回路で表現できる。そして、この2端子対
回路が直列接続され2段接続型になる。通常、終端抵抗
Rは静電容量C0 で決まりR= 1/ωC0 (ω:表面波
の角周波数)となる。
【0053】前述の実験結果でいえば、インダクタンス
素子11a、11b、11cがない場合の静電容量C0
は測定結果からR=300 Ωであり、300 Ωの終端抵抗に
より周波数特性を求めた結果が図4(従来のもの)であ
る。この周波数特性では、通過帯域内で大きく割れが生
じているため、フィルタとしての機能を満たすことがで
きない。
【0054】これに対し、共振周波数と反共振周波数と
の差(f1 −f2 )がモード間周波数差(fa −fs )
に等しくなるようにインダクタンス素子11a、11
b、11cのインダクタンスを求めると、インダクタン
ス素子11a、11bのインダクタンスLは280nH 、イ
ンダクタンス素子11cのインダクタンスLmは140nH
となり、また終端抵抗Rはり650 Ωとなる。この終端条
件を用いて特性を測定した結果が第3図(本発明のも
の)である。この周波数特性では、従来例の特性に見ら
れた通過帯域内の大きな割れは解消され、通過域全体に
亘りほぼ平坦な特性が得られ、比通過帯域幅0.0011のフ
ィルタが実現されることが確認された。
【0055】なお、上述した実施例では、2段接続によ
る弾性表面波多重モードフイルタにつき説明したが、図
6に示すように3段以上の多段接続構成でも勿論よく、
同様の効果が得られる。この場合、接続する段数が多い
ほど通過帯域外で高減衰量を得ることができ、フィルタ
の阻止域を十分とることができる。また、インダクタン
スL、Lm、および終端抵抗Rは前述の方法で算出すれ
ばばよい。
【0056】また、上述した本実施例は水晶基板にST
カットを用い、弾性表面波を利用したものであるが、本
発明は弾性表面波による素子のみならず、回転Y板Z方
向伝搬の水晶等のように横波の変位をもつSSBW(Su
rface Skimming Bulk Wave)、或いは基板表面に摂動を
与えることによって生じるSTW(Surface Transverse
Wave )等に対しても同様に適用でき、同様の効果が得
られる。 以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
段接続多重モードフィルタの入力端及び出力端並びに多
重モードフィルタ間の接続部分に、それぞれインダクタ
ンス素子を並列に接続することで、反共振特性に寄与す
る静電容量を見かけ上小さくして共振周波数と反共振周
波数との差を大きくしているので、通過帯域幅を広げつ
つ、通過帯域内の特性を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る弾性表面波多重モードフイルタ
の上面図
【図2】 弾性表面波共振器の等価回路図
【図3】 本発明に係る多段接続弾性表面波多重モード
フイルタの振幅特性図
【図4】 従来の多段接続弾性表面波多重モードフイル
タの振幅特性図
【図5】 多段接続弾性表面波多重モードフイルタの等
価回路図
【図6】 本発明の変形例を示す図
【図7】 弾性表面波共振器によるフィルタの構成を示
す図
【図8】 モード間周波数差の傾向を探るため本発明者
等が行った実験結果を示す図
【図9】 従来の弾性表面波共振器フィルタの等価回路
【図10】 図9の周波数特性及び振幅特性図
【図11】 図9の周波数特性及び振幅特性図
【図12】 IDT対数を変化させたときの共振周波数
と反共振周波数との差を描いた図
【符号の説明】
1…水晶基板、2a、2b…弾性表面波多重モードフィ
ルタ、3a、3b…インターディジタル電極(ID
T)、4a、4b、5a、5b…反射器、6a、6b…
弾性表面波共振器、7…共通電極、8…入力端、9…出
力端、10…接続部分、11a、11b、11c…イン
ダクタンス素子。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械振動を利用する2つのフィルタ素子
    を組合せて対称モードの共振周波数と反対称モードの共
    振周波数とのモード結合により所望の通過周波数帯域を
    得るように励振媒体上に形成された多重モードフィルタ
    を、複数段直列に接続した多段接続多重モードフィルタ
    において、 当該多段接続多重モードフィルタの入力端及び出力端並
    びに前記多重モードフィルタ間の接続部分に、それぞれ
    インダクタンス素子を並列に接続したことを特徴とする
    多段接続多重モードフィルタ。
JP28801691A 1991-11-01 1991-11-01 多段接続多重モードフィルタ及び弾性表面波フィルタ装置 Expired - Fee Related JP3369581B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28801691A JP3369581B2 (ja) 1991-11-01 1991-11-01 多段接続多重モードフィルタ及び弾性表面波フィルタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28801691A JP3369581B2 (ja) 1991-11-01 1991-11-01 多段接続多重モードフィルタ及び弾性表面波フィルタ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05129884A true JPH05129884A (ja) 1993-05-25
JP3369581B2 JP3369581B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=17724721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28801691A Expired - Fee Related JP3369581B2 (ja) 1991-11-01 1991-11-01 多段接続多重モードフィルタ及び弾性表面波フィルタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3369581B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0856135A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Tdk Corp 弾性表面波装置
WO1996032777A1 (fr) * 1995-04-11 1996-10-17 Japan Energy Corporation Dispositif a ondes acoustiques de surface
US5793266A (en) * 1996-08-12 1998-08-11 Motorola Inc. Differential input and/or differential output, transversely-coupled surface acoustic wave filter
US5999068A (en) * 1997-08-29 1999-12-07 Fujitsu Limited Surface acoustic wave filter of multi-stage connection type
KR20160045018A (ko) 2014-10-16 2016-04-26 다이요 유덴 가부시키가이샤 탄성파 디바이스, 필터 및 분파기
US10097158B2 (en) 2014-10-16 2018-10-09 Taiyo Yuden Co., Ltd. Acoustic wave device, filter, and duplexer

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0856135A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Tdk Corp 弾性表面波装置
WO1996032777A1 (fr) * 1995-04-11 1996-10-17 Japan Energy Corporation Dispositif a ondes acoustiques de surface
US5850167A (en) * 1995-04-11 1998-12-15 Kinseki, Limited Surface acoustic wave device
US5793266A (en) * 1996-08-12 1998-08-11 Motorola Inc. Differential input and/or differential output, transversely-coupled surface acoustic wave filter
US5999068A (en) * 1997-08-29 1999-12-07 Fujitsu Limited Surface acoustic wave filter of multi-stage connection type
KR20160045018A (ko) 2014-10-16 2016-04-26 다이요 유덴 가부시키가이샤 탄성파 디바이스, 필터 및 분파기
US10097158B2 (en) 2014-10-16 2018-10-09 Taiyo Yuden Co., Ltd. Acoustic wave device, filter, and duplexer

Also Published As

Publication number Publication date
JP3369581B2 (ja) 2003-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100290804B1 (ko) 탄성표면파필터
KR100196292B1 (ko) 표면 음향파 필터
JP3301399B2 (ja) 弾性表面波装置
US10461718B2 (en) Acoustic wave resonator, filter, and multiplexer
US6346864B1 (en) Saw resonator filter and duplexer utilizing SH waves, substrate edge reflection, and sub-interdigital transducer portions
US6208224B1 (en) Surface acoustic wave filter with parallel arm resonators having different resonant frequencies
JP4100249B2 (ja) 弾性表面波装置、通信機
EP1005153A2 (en) Surface acoustic wave filter
EP0637873B1 (en) SAW filter
US6297713B1 (en) Surface acoustic wave device with split electrodes and outermost electrodes of a different width than the split electrodes
JPH11312951A (ja) 弾性表面波フィルタ
US7482895B2 (en) Surface acoustic wave filter
JPH07273597A (ja) 共振器型弾性表面波フィルタ
US6828879B2 (en) Longitudinal coupled multiple mode surface acoustic wave filter
JP3369581B2 (ja) 多段接続多重モードフィルタ及び弾性表面波フィルタ装置
JP3366477B2 (ja) 縦型複合4重モードsawフィルタ
JPH1070436A (ja) 弾性表面波共振子フィルタ
JPH05335881A (ja) 縦型2重モード弾性表面波フィルタ
JPH06177703A (ja) 縦型3重モードsawフィルタ
JP2002111443A (ja) 複合弾性表面波フィルタ
JPH10261935A (ja) 弾性表面波素子
JPH11251861A (ja) 縦結合多重モードsawフィルタ
JP3291860B2 (ja) 縦型二重モード弾性表面波フィルタ
JP2004260402A (ja) 弾性表面波装置およびそれを有する通信装置
JP2002185284A (ja) 弾性表面波フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010501

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071115

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081115

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091115

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101115

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees