JP2516417Y2 - 蓋体の取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案はCDラジカセ等の音響機器における蓋体の取付
装置に関するものである。

（ロ）従来の技術 CDラジカセ等の音響機器においては、機器キャビネッ
トの上面にCD再生部を配置した構成が多く採用されてい
る。このような機器においてはキャビネットのCD再生部
は凹所になっており、この再生凹所に対して蓋体を支軸
によって回動自在に設けている。

このような構成の機器において、従来は第４図に示す
ように、蓋体１の側面に小径軸２と大径軸３とを設け、
機器キャビネット４には第５図に示すように小径軸２を
挿入して回動のための支軸とするための軸受凹所５を設
け、そして、大径軸３を蓋体１の左右のガタ防止のため
の隆起面として使用していた。

そして、後面キャビネット６を前面キャビネット４に組
み合わせた時、該後面キャビネット６の突起７によって
軸受凹所５に挿入された小径軸３の抜け止めを行なうよ
うに構成されていた。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上記したような従来の蓋体取付装置によれば、前面キ
ャビネット４に後面キャビネット６を組み合わせた時
に、CD再生凹所、即ち、蓋体取付凹所、に対して蓋体１
を抜け止めして取付けた状態になるものであるから、キ
ャビネットの組立作業時に蓋体１が外れてしまうという
問題があった。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案は上記の課題に鑑み、機器キャビネットに対し
て蓋体を支軸によって回動自在に設けてなる蓋体の取付
装置において、 前記蓋体の外側面に、弾性片及び該弾性片の弾性によ
って軸方向に変位可能な小径軸及び該小径軸を略囲む大
径突部を形成し、 前記機器キャビネットにおける蓋体取付凹所の内壁
に、前記小径軸の挿通移動を案内する第１の案内溝及び
該第１の案内溝と連続した嵌合凹部及び前記大径突部の
挿通移動を案内する第２の案内溝を形成し、 前記蓋体の小径軸は、弾性片の弾性に抗して軸方向に
変位しながら前記第１の案内溝に挿通された後に嵌合凹
部に嵌合して抜け止め状態となり、前記蓋体の大径突部
は、前記第２の案内溝に挿通された後に該第２の案内溝
を軸受とした回動軸になるように構成されたことを特徴
とする蓋体の取付装置を提供するものである。

（ホ）作用 上述の本考案装置によれば、蓋体に設けられた弾性片
によって小径軸が軸方向に変位可能になっているので、
該小径軸をキャビネットの第１の案内溝に沿って挿通移
動させる時、弾性片の弾性に抗して軸方向に変位して嵌
合凹部に嵌合して抜け止め状態となり、又、蓋体の大径
突部は第２の案内溝に挿通された後に該第２の案内溝を
軸受とした回動軸となって、蓋体は取付凹所に対して大
径突部を支軸として安定した回動動作を行うことができ
る。

（ヘ）実施例 以下、第１図に示す本考案装置の実施例について説明
する。

８は上面にCD再生凹所９を設けた機器キャビネットで
あり、該再生凹所９は蓋体取付凹所となるものである。
10は該蓋体取付凹所９に取付けられる蓋体である。

前記機器キャビネット８は後部が開放されており、前
記蓋体10の左右側面に形成された一対のアングル部分11
を挿入する切り欠き12が開放端から連続して形成されて
いる。

前記蓋体10のアングル部分11にはギヤ歯13が形成され
ており、該ギヤ歯13は図示していないオイルダンパー装
置のギヤと噛み合う。

前記蓋体10の側面のアングル部分11には、第２図に示
すようにＵ字状のスリット14によって弾性片15が設けら
れ、該弾性片15の先端には小径軸16が一体に設けられて
いる。

そして、該小径軸16を略囲むようにリブ状になった大
径突部17が設けられている。

前記機器キャビネット８における蓋体取付凹所９の左
右の内壁には、前記蓋体10の小径軸16の挿通移動を案内
する第１の案内溝18及び該案内溝18と連続した嵌合凹部
19、及び前記大径突部17の挿通移動を案内する第２の案
内溝20が形成されている。

前記第１の案内溝18及び第２の案内溝20はキャビネッ
ト８の開放端に隣接して形成されているものであり、し
たがって、蓋体10はキャビネット８の開放端側より以下
に説明するようにしてキャビネットに取付けられる。

即ち、キャビネット８の開放端に形成されている切り
欠き12から蓋体10のアングル部分11を挿入しながら、小
径軸16を第１の案内溝18に、大径突部17を第２の案内溝
20に対向せしめて挿入移動させる。この時、左右の小径
軸16の先端間寸法は左右の第１の案内溝18の壁面間の寸
法より大きく設定されているので、該小径軸16はその挿
入移動時に、弾性片15が弾性に抗して内側に変位するこ
とになって軸方向に変位しながら移動する。

そして、小径軸16の先端が第１の案内溝18の奥端に形
成された嵌合凹部19に到達すると、該小径軸16は弾性片
15の弾性復帰力によって外方に向かって軸方向に変位し
て該嵌合凹部19内に嵌合することになり、該小径軸16は
抜け止めされた状態になる。

一方、左右の大径突部17の先端間寸法は左右の第２の
案内溝20の壁面間の寸法にほぼ等しく設定されているの
で、第２の案内溝20を移動する大径突部17は第２の案内
溝20の溝端縁に到達すると、該溝端縁を軸受とした回動
軸となる。

このようにして、蓋体10は小径軸16によって抜け止め
された状態になり、且つ大径突部17を支軸として回動自
在に取付けられた状態になるものである。

（ト）考案の効果 上述したように本考案によれば、キャビネットの蓋体
取付凹所に対して蓋体を簡単に取付けることができ、そ
の作業はワンタッチであり、組立て作業効率を向上させ
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による蓋体取付装置の取付前の斜視図、
第２図は蓋体の要部側面図、第３図は蓋体をキャビネッ
トに嵌合させた状態の説明図、第４図は従来の蓋体の斜
視図、第５図はその取付状態の断面図である。 ８…機器キャビネット、９…蓋体取付凹所、10…蓋体、
15…弾性片、16…小径軸、17…大径突部、18…第１の案
内溝、19…嵌合凹部、20…第２の案内溝。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機器キャビネットに対して蓋体を支軸によ
   って回動自在に設けてなる蓋体の取付装置において、 前記蓋体の外側面に、弾性片及び該弾性片の弾性によっ
   て軸方向に変位可能な小径軸及び該小径軸を略囲む大径
   突部を形成し、 前記機器キャビネットにおける蓋体取付凹所の内壁に、
   前記小径軸の挿通移動を案内する第１の案内溝及び該第
   １の案内溝と連続した嵌合凹部及び前記大径突部の挿通
   移動を案内する第２の案内溝を形成し、 前記蓋体の小径軸は、弾性片の弾性に抗して軸方向に変
   位しながら前記第１の案内溝に挿通された後に嵌合凹部
   に嵌合して抜け止め状態となり、前記蓋体の大径突部
   は、前記第２の案内溝に挿通された後に該第２の案内溝
   を軸受とした回動軸になるように構成されたことを特徴
   とする蓋体の取付装置。