JP2515538B2 - 折機の羽根車位相調整機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （１）産業上の利用分野 本発明は印刷機等における折機の羽根車の位相調整機
構に関する。

（２）従来技術 従来、折機の羽根車の位相調整機構は差動歯車機構に
よって羽根車の位相調整を行なっていたため、機構が複
雑化すると共に印刷機の高速化に伴なう潤滑の問題があ
った。また装置自体もコストが高いものとなるため改良
が望まれていた。

（３）発明が解決しようとする問題点 本発明は印刷機の高速化に対処でき、かつ、羽根車の
位相調整を簡単に行なえるようにした位相調整機構を提
供することにある。

（４）問題点を解決するための手段 本発明の折機の羽根車位相調整機構は、輪転印刷機の
折機から排出された折丁を連続的に揃える羽根車の位相
を調整する位相調整装置において、前記折機の駆動系の
出力軸に固定した原動歯車と、前記羽根車軸に固定した
従動歯車と、前記原動歯車と従動歯車に噛合するベルト
と、前記ベルトに係合する位相調整張車を回転自在に支
持すると共に前記羽根車軸に回転自在に支持された位相
調整ホイールと、前記羽根車軸等を支持するフレームに
支持され、前記位相調整ホイールを微細回転するように
した位相調整機構と、前記ベルトに押圧機構を介して係
合する張車とからなる。

なお、本発明において、ベルトとはチエーン、歯付ベ
ルト等を含み、歯車とは、スプロケット、ベルト車等を
含む。

（５）作用 折機から順次排出されてくる折丁を羽根車を介してタ
イミングよく複数の羽根内に行けて折丁を搬送する場合
において、前記羽根車軸に固定した従動歯車と前記折機
の駆動系の出力軸に固定した原動歯車をベルトで駆動
し、前記羽根車軸に回転自在に支持された位相調整ホイ
ールを微細回転するようにして前記ベルトに係合する位
相調整張車の位置を調整し、前記従動歯車の位相を調整
することにより前記羽根車の位相を調整するものであ
る。

（６）実施例 以下、本発明の実施例について、添付図面第１図、第
２図を参照して説明する。

羽根車装置は一般に図示省略した折機より排出された
折丁を一葉づつ羽根車に受け、羽根車の下方に設けた搬
送ベルトに整列して送り出す装置であり、その機構は第
１図、第２図に示す。第１図は羽根車装置の概略側面
図、第２図は第１図Ａ−Ａ断面をそれぞれ示す。

なお、本実施例では、駆動歯車および従動歯車はそれ
ぞれ駆動スプロケット、従動スプロケットを使用し、ベ
ルトにはループ状のチエーンを使用した。

羽根車25の駆動は図示省略した折機の駆動系の出力軸
と接続された駆動軸11aに駆動スプロケット11を固定
し、羽根車軸10に従動スプロケット12を固定し、駆動ス
プロケット11と従動スプロケット12に噛合するループ状
のチエーン13によて行なわれる。

羽根車軸10にはベアリング14を介して、位相調整ホイ
ール15が回転自在に支持され、位相調整機構17によっ
て、この位相調整ホイール15を微細角度回転し、角度の
位相調整することができる。この位相調整機構17は位相
調整ホイール15の偏心位置に回転自在に支持された回転
ピン22に螺合するねじ軸21を設け、ねじ軸21に固定した
ハンドル20を固定し、一部図示を省略したフレーム100
に固定したピン19にハンドル20を揺動自在に支持するよ
うに構成されている。

また、ピン19にはねじ軸21を固定する蝶ボルト23を設
けており、この蝶ボルト23によってねじ軸21を固定する
ことができる。羽根24は羽根車軸10にスリーブ24aを介
して等配に固定されて羽根車25を構成している。また、
位相調整張車26は位相調整ホイール15にベアリング26
a、軸27を介して回転自在に支持される。チエーン13の
一側と接する張車26の反対側には、チエーン13に張力を
付与する張車28が接しており、この張車28は中央をピン
31によってフレーム100に支持されるへの字形のレバー2
9の一端に軸28aにより支持され、他端には同じくフレー
ム100に支持されて揺動可能とした油圧又は空圧のシリ
ンダ30によって揺動可能に支持されている。

次に本実施例の動作説明を行なう。

第１図に示すように図示省略した折機から順次搬送さ
れてくる折丁16は羽根車25の羽根24の間に順次挿入され
下方の搬送ベルト200に搬送される。この場合羽根車25
の羽根24の位相が折機から搬送されてくる折丁16とタイ
ミングが合わなければならない。羽根車25の位相を調整
する場合には次の要領で調整を行なう。

まず、ハンドル20を回転させ、ねじ軸21とピン22の螺
合により位相調整ホイール15が微細回転し、位相調整ホ
イール15に支持された位相調整張車26がチエーン13を押
圧し、その押圧により従動スプロケット12がわずかに回
転し、羽根車25の位相を調整することが可能となる。な
おこの時、シリンダ30により張車28を介してチエーン13
に一定張力を付与する。

（７）発明の効果 以上述べたように、本発明によれば従来のように差動
歯車を使用することなく、位相調整張車と張車の揺動動
作により、チエーンを介して羽根車の位相を調整でき
る。さらに、本願発明においては差動歯車を使用しない
ので、歯車の高速回転に伴なうトラブルを回避でき、か
つ保守も容易であり、したがって簡単な装置で印刷機械
の高速化に対処できると共に製作コストの低減を達成す
ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略側面図、第２図は
第１図Ａ−Ａ断面を示す断面図を示す。 11……原動スプロケット、12……従動スプロケット、13
……チエーン、15……位相調整ホイール、17……位相調
整機構、26……位相調整張車、28……張車、25…羽根
車。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】輪転印刷機の折機から排出された折丁を連
   続的に揃える羽根車の位相を調整する位相調整装置にお
   いて、 （ａ）前記折機の駆動系の出力軸に固定した原動歯車
   と、 （ｂ）羽根車軸に固定した従動歯車と、 （ｃ）前記原動歯車と前記従動歯車に噛合するベルト
   と、 （ｄ）前記ベルトに係合する位相調整張車を回転自在に
   支持すると共に、前記羽根車軸に回転自在に支持された
   位相調整ホイールと、 （ｅ）前記羽根車軸を支持するフレームに支持され、前
   記位相調整ホイールを微細回転するようにした位相調整
   機構と、 （ｆ）前記ベルトに押圧機構を介して係合する張車とか
   らなることを特徴とした折機の羽根車位相調整機構。