JPH0531946U - 給紙部と見当部間の紙流れタイミング調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、イニシャルセットのみならず、運
転中にも給紙部と見当部の間の紙流れを調整することの
できる紙流れ調整装置を提供することを目的とするもの
である。 【構成】 枚葉機の見当部の作動タイミングと給紙部の
フィーダボード上の紙流れタイミングを調整する装置に
おいて、前記見当部の駆動装置と給紙部の駆動装置とを
接続するチェーンの張り側の長さを変えるようにした給
紙部と見当部間の紙流れタイミング調整装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は枚葉機の見当部と給紙部の間の動力伝達装置において、これら両部間 のタイミングを調整する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３と図４に従来の給紙部と見当部間の紙流れタイミング装置を示す。１は印 刷ユニット、２は印刷ユニット１に取付けられた見当部の駆動装置（図示せず） より駆動されている軸、３は軸２に固設された駆動側スプロケット、４はテンシ ョナ、５は従動スプロケット、６はチェーン、７はワンポイントクラッチ、８は 給紙部を駆動する軸、９と１０は軸８に取付けられた給紙部駆動のスプロケット とデイスクである。プロセット９は軸８のまわりに回動し得るように取付けられ 、長溝９ａが加工されている。デイスク１０は軸８に固定され、長溝９ａにスタ ッド１１が植えこんである。１２は固定ナットである。尚、ワンポイントクラッ チ７はスプロケット５と軸８との連結を円周上の一点のみにて行うものである。 よって軸２と軸８との間の紙流れタイミングの調整は、ワンポイントクラッチ７ の軸８との結合を外し、固定ナット１２を弛めスプロケット９を長溝９ａの範囲 内でまわし、デイスク１０に対するスプロケット９の位相を変えて行う。調整後 、固定ナット１２を締付ける。

【０００３】 尚、図３において、スプロケット５とスプロケット９は軸８上にあるため実際 は重なるが、図が複雑になることを避けるため斜視的に記載してある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述の従来技術には、次のような問題点がある。給紙部と見当部間の紙流れタ イミングの調整は、機械（枚葉機全体）を停止しないと出来ない。一方、最初の １枚目の枚葉紙を送り、見当部の前当、横針（共に図示していない）の見当合せ タイミングに合せてフィダーボード上の紙流れタイミングを調整（イニシャルセ ット）しても、イニシャルセット時の紙流れタイミングは実際の運転時とは違っ てくる。この違いが大きい場合には、イニシャルセットタイミングを変更しなけ ればならないことが発生する。また紙厚、紙サイズ、紙質等が変わる場合も、こ れら紙の条件に応じて、紙流れタイミングは変わってくる。この場合も変化の大 きなものはタイミングの調整が必要となってくる。こうしたタイミング調整がイ ニシャルセットはもちろん運転中も可能となる。

【０００５】 本考案は、イニシャルセットのみならず、運転中にも給紙部と見当部の間の紙 流れを調整することのできる紙流れ調整装置を提供することを目的とするもので ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

紙流れタイミングを運転中に、運転速度に応じて、また紙厚等の紙の条件か変 わっても調整出来るようにするため、従来紙流れタイミング装置に見当部の駆動 装置より給紙部の駆動装置を駆動するチェーンの張り側通路を変える装置を設け る。又この張り側通路変更装置を単独モータにて作動させ、このモータ駆動系に ポテンショメータを設ける。

【０００７】

【作用】

（１）張り側のチェーンの通路を変更すると、その変更量に応じて駆動側スプ ロケットは重くて（後述）回動しないので、従動スプロケットが回動し、その位 相が変わる。よって給紙部の駆動スプロケットの位相が変わり、紙流れタイミン グを調整することが出来る。

【０００８】 （２）単独モータ駆動なので、機械運転中紙流れタイミングを調整することが 隨時単独にて可能である。紙厚等の紙条件が変わっても同様に、運転中に紙流れ タイミングの調整が出来る。このタイミング調整のための位相調整量はポテンシ ョメータで表示される。よってこの表示された量を記憶していると任意運転速度 に対する紙流れタイミングのプリセットも可能である。

【０００９】

【実施例】

図１および図２に本考案による給紙部と見当部間の紙流れタイミング調整装置 の実施例を示す。 図３に示した従来の紙流れタイミング調整装置のチェーン６の張り側に、図１ のように本考案による紙流れタイミング調整装置２１を設置する。この装置２１ は、固定軸２２のまわりを回動するレバー２３、レバー２３の両端に回転自在に 設けられたスプロケット２４，２５、これらスプロケット２４，２５の軸２６， ２７、軸２６に螺合するねじ軸２８、このねじ軸２８は軸の途中にユニバーサル 部を保有し軸のねじれに対応できているねじ軸２８を回転自在に支持する軸受２ ９，３０、ねじ軸２８に取付けられた一対のベベルギヤ３１，３２、ベベルギヤ ３２を駆動するモータ３３、及びねじ軸端に取付けられたポテンショメータ３４ より構成されている。モータ３３をまわすと、レバー２３が軸２２のまわりに回 動し、チェーン６の張り側の通路が第１個で、実線より破線で示すように変わる 。駆動スプロケット３の軸２にかかっている回転体のＧＤ² に比し、従動スプロ ケット５の軸８にかかっているＧＤ² が極めて小さいので、駆動スプロケット３ は回転せず、従動スプロケット５がチェーン６の張り側の通路の変化量だけ回転 し、イニシャルセット及び組立時の位置に対して位相を変える。従って給紙部の 駆動スプロケット９の位相も同量だけ変わる。よって見当部を基準とした給紙部 の紙流れタイミングが、機械運転中単独モータ３３を押ボタン等で遠隔操作して まわすことによって、調整される。モータ３３の回転量即ちレバー２３の回動量 、従ってチェーン６の通路長の変化量が、ポテンショメータ３４にて検出される 。この検出量を制御装置（図示せず）に記憶しておくと、任意の運転速度におけ る紙流れタイミングのプリセットが出来る。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、枚葉機の見当部の作動タイミングと給紙部のフィーダボードとの紙 流れタイミングを調整する装置において、前記見当部の駆動装置と給紙部の駆動 装置とを接続するチェーンの張り側の長さを変えるように構成したことにより、 次の効果を有する。

【００１１】 運転中に位相調整が出来るので、運転中イニシャルセットは勿論、このセット 時と機械速度が変化しても、紙流れタイミングを隨時調整することが出来る。ま た紙厚等紙の条件が変わっても運転中に調整することが可能である。 更に調整時のチェーンの移動量（位相変化量）がポテンショメータにて検出さ れるので、これを記憶している制御装置にて、任意の速度および紙厚等に応じた 紙流れタイミングをプロセットすることも出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の配置を示す側面図である。

【図２】本考案の構成図である。

【図３】従来装置の側面図である。

【図４】図３のＸ−Ｘ断面図である。

【符号の説明】

１ 印刷ユニット ３ 見当部の駆動軸 ６ チェーン ８ 給紙部の駆動軸 ２１ 紙流れタイミング調整装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉機の見当部の作動タイミングと、給
   紙部のフィーダボード上の紙流れタイミングとを調整す
   る装置において、前記見当部の駆動装置と給紙部の駆動
   装置とを接続するチェーンの張り側の長さを変えるよう
   に構成したことを特徴とする給紙部と見当部間の紙流れ
   タイミング調整装置。