JP2515345B2 - 回転する機械部分のための無接触の遠心式シ−ル装置 - Google Patents

回転する機械部分のための無接触の遠心式シ−ル装置

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JP2515345B2 JP62199260A JP19926087A JP2515345B2 JP 2515345 B2 JP2515345 B2 JP 2515345B2 JP 62199260 A JP62199260 A JP 62199260A JP 19926087 A JP19926087 A JP 19926087A JP 2515345 B2 JP2515345 B2 JP 2515345B2
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、回転面を有する回転する機械部分のための
無接触の遠心式シール装置であつて、前記回転する機械
部分は、より低い圧力が支配する所定のスペースに対し
てシールしようとするケーシング内で回転可能に軸受け
されており、ケーシングと前記所定のスペースとの間
で、種種異なる寸法の直径を有する環状ギヤツプが形成
されている形式のものに関する。
この無接触のシール装置は、空気力学的作用に基づい
ており、その主な使用領域は一般的なターボ機械である
が、ラジアル圧縮機及びラジアルタービンに使用するに
も適している。
従来の技術 ターボ機械に一般に使用されているラビリンスシール
は、ギヤツプに設けた絞りによつて、圧縮しようとする
か若しくは膨張させようとする媒体が翼通路から、圧縮
機ロータ若しくはタービンロータとケーシングとの間の
遊びによつて形成されたスペース内に達するのをできる
だけ阻止するために用いられる。このスペース内には翼
通路内におけるよりも低い圧力が生じており、これが漏
れ損失を惹起する原因となつている。
このような漏れ損失をできるだけ小さく維持しようと
するラビリンスシールの作用は、まず第1に、ラビリン
ス突起とラビリンスルームとの間の軸方向のギヤツプ幅
並びにこのギヤツプの数に基づいている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながらこれらのギヤツプ幅は、静的状態におけ
るように任意に小さく構成できるのではなく、軸、ロー
タ及びシール突起と、シールルームを備えたケーシング
との熱膨張差並びに、回転する機械部分の振動による、
運転中における許容される最大のガタつきを考慮して設
計する必要がある。従つてラビリンスシールにおいては
多かれ少なかれ大きい漏れ損失が生じるのは避けること
はできない。
さらに、前記のようなラビリンスシールは少なからぬ
構造費用を必要とする。シールしようとするギヤツプの
直径が小さければ、シール突起及び溝状のシール室は、
一般に、相応に高い費用を必要とする加工作業で十分に
切削される。これは、シールしようとするギヤツプの直
径が大きい時に、突起部及びルームがあらかじめ鋳造に
よつて製造され、次いで仕上げ加工される場合にもあて
はまる。またラビリンスシールによれば、計算通りのラ
ビリンス遊びを実際に得てシール突起部が接触しないよ
うにするために、加工を非常に狭い製造許容誤差で行な
われなければならず、ロータをケーシングに組み込む際
に高い正確さが必要とされるという別の欠点もある。
問題点を解決するための手段 前記従来のラビリンスシールにおける欠点を解決した
本発明によれば、回転する機械部分の回転面に渦形成ウ
エブが設けられており、該渦形成ウエブが、直径の小さ
い方の環状ギヤツプから直径の大きい方の環状ギヤツプ
まで延びており、渦形成ウエブを備えた各回転面のため
にケーシング内に渦室が設けられており、該渦室内に渦
形成ウエブが突入している。
作用及び効果 本発明の遠心式シール装置は、特に小型の圧縮機及び
タービンに使用すると有利である。何故ならば、小型の
圧縮機及びタービンにおいては、媒体の装入量に対する
ラビリンスシールにおける漏れ損失の割合が、大型の機
械におけるよりも大きいからである。また本発明の遠心
式シール装置は、ギヤツプをラビリンスシールにおける
ように狭く設計する必要がないので、製造許容誤差が大
きくてもよいという利点を有している。また、ギヤツプ
は、簡単に製造可能な、軸方向の円筒状面によつて制限
されたものが用いられ、従つて、ギヤツプ範囲の熱膨張
を、ラビリンスシールにおけるように非常に精密に設計
する必要はない。本発明によれば半径方向に十分な遊び
を確実に設けるだけでよく、この時に、半径方向のギヤ
ツプ幅は問題ではなくギヤツプの軸平行な長さが重要で
ある。前記円筒形のギヤツプ面は加熱すると互いに無関
係に自由にスライドし、ギヤツプを制限する面が接触す
る危険性は避けられる。
実施例 次に図面に示した実施例について本発明の構成を具体
的に説明する。
第1図に示した両吸込み型のラジアル圧縮機におい
て、圧縮機ケーシングは符号1、両吸込み型の圧縮機の
ロータ(回転する機械部分)は符号2で示されている。
左右対称に配置された2つの吸込み通路3によつて吸込
まれた、圧縮しようとする媒体は、ロータの翼通路4内
に達する。この翼通路4は、ハブ体5と動翼6とカバー
壁7(回転面)とによつて制限されている。圧縮された
媒体のの2つの部分流8は、2つの吸込み口の翼通路か
ら出てから一緒になつて、らせん状の排出通路9を通つ
て圧縮機から排出される。
従来の半径圧縮機においては、外側の吸込み通路制限
部からロータのカバー壁への移行部にラビリンスシール
が設けられている。1つのカバー壁だけを有するロータ
においては、第2のラビリンスシールが、翼とは反対側
の裏側におけるロータの外側のボス外周部に設けられて
いる。この第2のラビリンスシールはここで媒体が圧縮
機の軸室内に漏れるのを阻止する。
第1図では、ラビリンスシールのために設けられた箇
所が符号10で示されている。本発明によればこの箇所10
に、ラビリンスの代わりに半径方向の環状ギヤツプが設
けられており、これによつてロータがケーシングに接触
することは決してない。この場合に、ギヤツプの軸平行
方向における長さは問題ではない。
本発明のシール装置のその他の構造的特徴は、渦室11
及び渦形成ウエブ12である。これらの渦室11及び渦形形
成ウエブ12は、ロータ2の子午線断面でカバー壁7のほ
ぼ全長にわたつてそのつどの渦室11内に延びている。渦
室11並びに渦形成ウエブ12は、カバー壁7に有利には一
様に分割して配置されており、その数及び位置は、第2
図に示されているように、動翼6の数及び向きと一致さ
せることができる。しかしながらこの渦室11並びに渦形
成ウエブ12を、例えばそれぞれ第2の動翼の延長部だけ
に設けるか又は、それぞれ隣接し合う2つの動翼の間に
設けてもよい。
このシール装置の作用は、動翼に渦形成ウエブ12によ
つて渦室11内の媒体に渦が伝達されることに基づいてい
る。次に第3図及び第4図を用いてその作用を説明す
る。第3図及び第4図では、円環セクタ状のカバー壁の
区分が符号13で示されている。このカバー壁13は第1図
によるカバー壁7と同じである。渦室14内に突入する渦
形成ウエブ15若しくは16は前記渦形成ウエブ12に対応す
る。渦形成ウエブ16は渦形成ウエブ15よりも大きいこと
が分る。回転数、媒体の特性及び渦室の寸法とは無関係
に、渦形成ウエブの幅bが、媒体への渦伝達を規定す
る。
渦の形成が弱い場合、例えば第3図による渦形成ウエ
ブの幅b1が短かいと、カバー壁13に結合された、渦室内
の同翼が、半径方向及び軸方向平面で壁部付近の渦流17
の形状の二次流を生ぜしめる。この時に、媒体の主要部
分は、幅b1の上限界値まで渦室内でほとんど静止状態に
ある。つまり、媒体の主要部分は、カバー壁13よりも著
しく遅い角速度で周方向に回転する。
ウエブ長さb1の上限界値よりも大きいウエブ長さb2
おいて、渦室内の媒体には、次の程度に強い渦流が加え
られる。つまり、渦室の壁部における限界層エネルギの
散逸が、生ぜしめられた渦をもはや消滅させない状態に
なる程度に強い渦流が加えられる。これが生じると直ち
に、渦室内の流れ場が完全に変化する。媒体の粒子は、
この強い渦によつて軌道にのせられる。つまり、軌道が
安定せしめられる。この時に、渦室内の媒体の主要部
は、あたかも固体のように動翼と共に方位角的(azimut
hal)方向で移動し、媒体粒子の半径方向及び軸方向の
回転運動は、著しく小さい周速度で厚さdの薄い限界層
に縮められる。
第3図及び第4図の2つの実施例の違いは次のような
ものである。つまり、第3図による関係においては箇所
A,Bにほぼ同じ静力学的圧力が形成され、これに対して
第4図に示した実施例では、箇所AとBとの間に、動翼
の回転運動の半径方向の圧力こう配に相当する完全に静
力学的な圧力差が生じる。
十分な幅(ウエブ長さb2)を有する渦形成ウエブ7若
しくは16において、この渦形成ウエブ7若しくは16は、
渦室内で、あたかも固定のように動翼と共に回転する渦
を形成する。その結果、第1図による圧縮機ロータの翼
通路4における半径方向の圧力上昇は、第4図による渦
室14内におけるよりも大きくならない。従つて、漏れ流
は、従来のようにラビリンスシールが設けられている、
第4図に示した箇所A,B及び第1図に示した対応する箇
所10並びに、ロータ2のカバー壁7の外周と圧縮機1と
の間のギヤツプ18で完全に阻止される。しかもこの場
合、渦室内の限界層損失は最小である。
実際には、この状態を得るために必要な、渦形成ウエ
ブの長さb2は、渦室内の圧力を箇所10,18で測定するこ
とによつて試験的に見つけ出され、この時に、運転回転
で種種異なる長さのウエブを有するロータがテストされ
る。損失をできるだけ少なく維持するために、前記好都
合な圧力こう配を有する渦流が生じる、渦形成ウエブ12
の最小可能な長さb2が見つけ出される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の1実施例による、両吸込み型のラジ
アル圧縮機のロータ部分の概略的な軸方向断面図、第2
図は、第1図のII−II線に沿つた断面図、第3図及び第
4図は、本発明の作用を説明するための、それぞれ異な
る実施例による渦形成ウエブ部分の概略的な破断した斜
視図である。 1……圧縮機ケーシング、2……ロータ、3……吸込み
通路、4……翼通路、5……ハブ体、6……動翼、7…
…カバー壁、8……部分流、9……排出通路、10……箇
所、11……渦室、12……渦形成ウエブ、13……カバー
壁、14……渦室、15,16……渦形成ウエブ、17……渦
流、18……環状ギヤツプ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転面を有する回転する機械部分(2)の
    ための無接触の遠心式シール装置であつて、前記回転す
    る機械部分(2)は、より低い圧力が支配する所定のス
    ペースに対してシールしようとするケーシング(1)内
    で回転可能に軸受されており、ケーシング(1)と前記
    スペースとの間で、種種異なる寸法の直径を有する環状
    ギヤツプ(10;18)が形成されている形式のものにおい
    て、回転する機械部分(2)の前記回転面に渦形成ウエ
    ブ(12)が設けられており、該渦形成ウエブ(12)が、
    直径の小さい方の環状ギヤツプ(10)から直径の大きい
    方の環状ギヤツプ(18)まで延びており、渦形成ウエブ
    (12)を備えた各回転面のためにケーシング(1)内に
    渦室(11)が設けられており、該渦室(11)内の渦形式
    ウエブ(12)が突入していることを特徴とする、回転す
    る機械部分のための無接触の遠心式シール装置。
  2. 【請求項2】前記遠心式シール装置が、両吸込み型の圧
    縮機ロータとしての回転する機械部分(2)を備えたラ
    ジアル圧縮機に設けられており、渦形式ウエブを受容す
    るための前記回転面が、圧縮機ロータ(2)の2つのカ
    バー壁(7)によつて形成されていて、該カバー壁
    (7)が、ハブ体(5)及び動翼(6)と共に翼通路
    (4)を制限しており、渦形成ウエブ(12)が方形横断
    面形状を有していて、前記カバー壁(7)の外周に一様
    に分割配置されており、渦形式ウエブ(12)が、半径方
    向及び軸方向の平面で、直径の小さい方の内側の環状ギ
    ヤツプ(10)から直径の大きい方の外側の環状ギヤツプ
    (18)まで延びており、渦室(11)が截頭円錐形に形成
    されていて、該渦室(11)によつて生ぜしめられた渦が
    カバー壁の外側面に対してほぼ平行に延びる、特許請求
    の範囲第1項記載の遠心式シール装置。
  3. 【請求項3】渦形成ウエブ(12)が、2つのカバー壁
    (7)を越えて動翼(6)の延長部を形成している、特
    許請求の範囲第2項記載の遠心式シール装置。
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