JP2514848Y2 - 枚葉印刷機の排紙積載装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は枚葉印刷機において、印刷後排出される正規
の紙やサンプリング用の紙を積載する排紙積載装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

枚葉印刷機において、印刷ユニツトで印刷された紙
は、排紙チエーンの爪にくわえられて排紙チエーンの走
行により搬送され、排紙積載装置上で爪のくわえから解
放されて落下、積載される。また、印刷中に印刷状態を
見る場合には、サンプリング用に別の排紙積載装置を設
けてこれに排紙して積載している。

この種の排紙積載装置には、積載用ボードの上方に立
設された紙ガイドが設けられており、紙の落下積載時に
紙端を案内して揃えるように構成されている。そしてこ
れらの紙ガイドのうち、紙の幅方向に位置する紙ガイド
は、紙サイズの変更ごとにこれを移動させる必要があ
り、従来からその移動装置が設けられている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来におけるこの種紙ガイドの移動装
置は、両側の紙ガイドを、機台の両側へ回つて別々に移
動調節しなければならないので操作性が悪いばかりでな
く、積載紙の機外への取出し時に紙ガイド移動調節用の
操作ハンドルが紙の取出し側に突出しているので危険で
あり、紙が取出し難い。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために本考案では、積載
紙の幅方向両側の紙ガイドのうち一方の紙ガイドをねじ
軸で支持し、他方の紙ガイドを前記ねじ軸と同期して回
転するねじ軸で支持して前記両ねじ軸の同期回転により
前記両方の紙ガイドが互いに左右逆方向へ移動するよう
に形成し、前記両ねじ軸を紙積載ボード内に収納すると
ともに、紙積載ボード内に収納される位置と紙積載ボー
ドの紙を積載する面から外に突出する位置とに移動自在
で、紙積載ボード外に突出する位置で前記ねじ軸を回動
操作する操作ハンドルを設け、かつ前記紙積載ボードは
フレームの開口側から突出するように移動自在とされる
とともに、前記操作ハンドルを前記紙積載ボードの突出
する側に一体的に取付けた。

〔作用〕

紙サイズが変更になったときには、操作ハンドルを紙
積載ボード内から突出させて回動操作すると、両ねじ軸
が一体的に回転し、両側の紙ガイドが互いに反対方向に
移動して紙サイズに対応する。移動調節後は操作ハンド
ルを紙積載ボード内に収納する。また、積載紙をフレー
ム開口側から取出すとき、および操作ハンドルを操作す
るときは、紙積載ボードをフレーム開口側から突出させ
て行う。

〔実施例〕

第１図ないし第８図は本考案に係る排紙積載装置を凹
版印刷機のサンプリング用に実施した例を示し、第１図
はその反印刷ユニツト側から見た側面図、第２図は同じ
く平面図、第３図は紙を取出すときの状態で示す第１図
のＡ視拡大正面図、第４図は第３図のＢ視側面図、第５
図は第１図のＣ視拡大正面図、第６図は第１図のＤ視拡
大正面図、第７図は第１図のＥ視拡大正面図、第８図は
第２図のFF拡大断面図である。

図において、凹版印刷機の排紙装置には、印刷ユニツ
ト側から順に第１排紙積載装置、第２排紙積載装置、サ
ンプリング用排紙積載装置が紙の搬送経路下方に沿つて
配設されており、紙を搬送する排紙チエーンは、上記と
は逆方向の復路において、紙をくわえから解放していず
れの排紙積載装置へ選択的に排紙するように構成されて
いる。そして、左右の排紙フレームは、第１図および第
２図に符号1,2で示す位置に、紙の搬送方向（第２図に
矢印Ｇで示す）と平行して立設されており、操作側のフ
レーム１は、紙を取出せるように各排紙積載装置に対応
する箇所が開口されている。

排紙積載装置３は、縦部材4a,4bと横部材4c,4dとで長
方形状に枠組形成されて横部材4c,4dの３箇所を板状の
ステー4e,4f,4gで連結された機枠４を備えており、この
機枠４は、固定金具5,6によつてフレーム1,2は水平姿勢
で固定されている。７は固定金具６を縦部材4bに固定す
るブラケツトである。横部材4c,4dのステー4e,4g対応箇
所には、左右一対ずつの軸受8,9がそれぞれ固定されて
いて、このうちの軸受８には、ステー4eから垂下された
一対の中間軸受10で中央部を軸支された旋回駆動軸11が
回動自在に軸支されており、また、他方の軸受９には短
かいピン12が回動自在に軸支されている。さらに、中央
のステー4fの長手方向中央部に垂下されたブラケツト13
には、流体圧シリンダとしての油圧シリンダ14が枢支さ
れており、そのピストンロツド15の作用端は、前記旋回
駆動軸11に固定されてレバー16の遊端部に枢着されてい
る。そして、旋回駆動軸11の両突出端部と、左右のピン
12との４箇所には、短冊状のリンク17,18がそれぞれ固
定されており各リンク17,18の上端部には、以下説明す
るボード組立体20の下端部がそれぞれ枢着されている。
こうすることにより、油圧シリンダ14のピストンロツド
15が進退すると、レバー16を介して旋回駆動軸11が回動
し、ボード組立体20とリンク17,18とが４節リンク運動
してボード組立体20が、機枠４に対して前後へ移動しな
がら昇降して平行移動するように構成されている。

ボード組立体20は、フレーム２側を除く３方の側板21
a,21b,21cと、上板21dとで下方へ開口する板材製のボー
ド21を備えており、前記リンク17,18の上端部は、側板2
1a,21cに軸受22,23を介して枢着されている。上板21dの
裏面には、前後４個の軸受24が、リンク17の上方とリン
ク18の上方とに分かれて２個ずつ固定垂下されており、
また前部の軸受44の側方には、前後左右４個のブラケツ
ト25が上板21dの裏面から固定垂下されている。４個の
軸受24には、カツプリング26,27で一体的に連結された
ねじ軸28、連結軸29、ねじ軸30が回動自在に軸支されて
おり、各ねじ軸28,30には右ねじと左ねじとがそれぞれ
切られている。31,32は、ねじ軸28,30にそれぞれねじ孔
を螺合させて、軸受24間のガイド軸33にガイド孔を摺動
自在に嵌合させた前後一対のブラケツトであつて、前部
のブラケツト31には、水平状の紙ガイド軸34が回動自在
に軸支されており、また後部のブラケツト32には、水平
状の紙ガイド受35が固定されている。紙ガイド受35の左
右両端部には、落下紙の一側端を案内する一対の紙ガイ
ド36が、上板21dの短冊形透孔37から上方へ突出させて
一体的に固定されている。また、紙ガイド軸34の両端部
には、落下紙の他側端を案内する一対の紙ガイド38が割
締めによつて固定されており、上板21dの短冊状透孔39
が上方へ突出されている。

両側の紙ガイド36,38のうちのフレーム開口側紙ガイ
ド38には、ボード21の昇降に連動して紙ガイド38を起
立，倒伏させる連動機構が付設されている。すなわち、
前記ブラケツト31に基端をボルト止めされて後方へ突設
されたレバー受40の先端部には、Ｌ字状に形成されたレ
バー41が回動自在に枢着されており、その一方の遊端部
には、ころ42が枢着されている。また、レバー41の他方
の遊端部と、前記紙ガイド軸34に割締め固定されたリン
ク43とは、両端を枢着された伸縮調節自在なターンバツ
クル44で連結されており、さらにレバー41とブラケツト
31との間には、紙ガイド38を起立させる方向の回動力を
レバー41に付設する引張りばね45が張架されている。第
３図に符号46で示すものは、紙ガイド38の起立を直立位
置で規制するストツパである。一方、機枠４側のステー
4eからは、ころ当て板47が水平状に前方へ突設されてお
り、その先端部はころ42の真下位置に臨んでいる。この
ように構成されていることにより、ボード組立体20が下
降してころ42がころ当て板47に当接するとレバー41が引
張りばね45の引張り力に抗して回動し、紙ガイド38が倒
伏する。また、この状態からボード組立体20が上昇する
ところ42がころ当て板47から離間するので、引張りばね
45の引張り力でレバー41が回動し、紙ガイド38が起立す
る。なお、紙ガイド38は倒伏姿勢においてその水平面が
上板21dと同一平面がこれよりもわずかに低くなるよう
に設定されている。さらに紙ガイド38の下端部には、こ
ろ48が枢着されており、第９図に倒伏姿勢の紙ガイドの
側面図を示すように、紙ガイド38が倒伏するところ48
が、上板21d上の積載紙49の前端を持ち上げて紙49の取
出しを容易にするように構成されている。50はボード21
の側板21bから蝶番51を介して折畳み自在に垂下された
カバーであつて、ボード21の上昇時には垂下して下端を
機枠４側のマグネツト52で吸着されており、第４図に示
すボード21の下降時には、機枠４に当接しながら折畳ま
れるように構成されている。53,54は落下積載される紙4
9の天地方向両端に位置してボード21の両端から立設さ
れた一対の紙ガイドであり、また、55は水平状の紙当て
軸56に枢着されて積載紙49の紙端を揃える紙当てであ
る。さらに56は紙49の積載量を制御するパイルコントロ
ーラである。

次に紙サイズにしたがつて操作される紙ガイド移動装
置について説明する。前記上板21dの裏面から垂下され
た４個のブラケツト25には、方形状の支持板60が水平状
に支持されていて、これに一体形成された軸受61には、
垂直状のギア軸62が回動自在に軸支されており、このギ
ア軸62は、ハンドル支持板63と、カラー64とで軸方向へ
の移動を規制されている。一方、支持板60にボルト止め
されて垂下された一対の軸受板65には、水平状のギア軸
66が、ベベルギア67とスプロケツト68とで軸方向への移
動を規制されて回動自在に軸支されている。そして、ベ
ベルギア67とギア軸62上のベベルギア69とが噛合つてお
り、スプロケツト68と、前記ねじ軸28上のスプロケツト
70との間にはチエーン71が張架されている。第８図の72
は上記ギア装置上方の開口21eを開閉自在に閉塞する蓋
体であつて、前記４個のブラケツト25上に上板21dと同
一平面をなして載置されており、孔73に指を入れて開放
するように構成されている。そして、前記ハンドル支持
板63には、把持部が回動自在なハンドル74が、ピン75で
起立倒伏自在に枢着されており、蓋体72を開放したの
ち、ハンドル74を起立させてギア軸62を回動操作するこ
とにより、ベベルギア67,69とチエーン71とを介してね
じ軸28,30が回動し、紙ガイド38,36が互に反対方向へ進
退し、紙サイズに対応するように構成されている。ハン
ドル74の非使用時には図示のように倒伏させてボード21
内に収納される。

以上のように構成された排紙積載装置の動作を、凹版
印刷機のサンプリング動作を例にとつて説明する。印刷
作業中、印刷後の紙は排紙チエーンで搬送されて図示し
ない第１排紙積載装置へ落下積載される。第１排紙積載
装置への積載紙が所定枚数に達すると、排紙カムが切替
つて搬送紙は第２排紙積載装置へ落下積載される。この
あと交互に積載して他方へ積載中に積載紙を機外へ取出
すことにより、排紙積載作業が連続して行なわれる。

このような排紙動作中、サンプリングを行なう場合に
は、押ボタン操作等で排紙カムがサンプリング側に切替
えられ、搬送される紙は、図示のサンプリング用のボー
ド21上方で排紙チエーンの爪のくわえから解放され、紙
ガイド36,38,53,54に案内されながら落下してボード21
の上板21d上に積載される。この積載紙49が所定枚数に
達すると、再び排紙カムが正規の排紙積載装置側に切替
えられるので、上板21d上の積載紙49を機外に取出す。
すなわち、油圧シリンダ14への送油によりピストンロツ
ド15を第１図の状態から後退させると、旋回駆動軸11が
第１図の反時計方向に回動するので、ボード組立体20と
リンク17,18とが４節リンク運動し、ボード組立体20
は、下降するとともに、第４図に示すようにフレーム１
の開口から突出する。また、ボード21の下降によりころ
42がころ受け板47に当接してレバー41を引張りばね45の
引張り力に抗して第４図の時計方向回動させるので、タ
ーンバツクル44とレバー43とを介して紙ガイド軸34を回
動させ、紙ガイド38が水平姿勢に倒伏する。このとき、
第９図に示すようにころ48が積載紙49の前端部を持ち上
げる。これによつて、紙49の前端と上板21dとの間には
すき間ができるので、このすき間へ指を突つ込み紙49を
把持して機外へ取出す。取出したのちは油圧シリンダ14
に送油してピストンロツド15を前進させると、前記と逆
動作でボード組立体20が上昇するとともに、ころ42がこ
ろ受け板47から離れ、レバー41が引張りばね45の引張り
力により第４図の反時計方向に回動するので紙ガイド38
が起立する。

紙サイズが変つた場合には、蓋体72を開いてハンドル
74を起立させ、これを把持してギア軸62を回動操作する
と、ベベルギア67,69とチエーン71とを介してねじ軸28,
30が回動し、右ねじと左ねじとのねじ作用により紙ガイ
ド38と紙ガイド36とが互に逆方向に移動して紙サイズに
対応する。ハンドル74は、これを倒伏させて蓋体72を閉
めることによりボード21内に収納されるので、紙の積載
に支障がない。

なお、紙ガイド移動装置以外の構成は本実施例の構成
に限定するものではない。また、本実施例では、本考案
を凹版印刷機のサンプリング用に適用した例を示した
が、凹版印刷機の正規な紙を積載する排紙積載装置にも
適用することができるし、凹版印刷機に限らずその他の
枚葉印刷機にも同様に実施することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなように、本考案によれば枚
葉印刷機の排紙積載装置において、紙積載ボードはフレ
ームの開口側から突出するように移動自在とされている
ので、積載紙の取出し時に機台内に手を差し入れること
なく行うことができて安全性が向上するとともに、操作
ハンドルが積載ボード内に収納されているので、積載紙
の取出しが容易に行える。また、積載紙の幅方向両側の
紙ガイドのうち一方の紙ガイドをねじ軸で支持し、他方
の紙ガイドを前記ねじ軸と同期して回転するねじ軸で支
持して前記両ねじ軸の同期回転により前記両方の紙ガイ
ドが互いに左右逆方向へ移動するように形成し、ねじ軸
を操作する操作ハンドルを設けたことにより、作業者は
機台の操作側に位置し、操作ハンドルを回動操作するだ
けで両側の紙ガイドを同時に移動調節することができる
ので、操作性が向上する。さらに、操作ハンドルを紙積
載ボードの突出する側に一体的に取付けて、操作ハンド
ル操作時に紙積載ボードをフレームの開口側から突出さ
せるとともに、操作ハンドルを紙積載ボードの紙を積載
する面から外に突出する位置に移動自在としたことによ
り、操作ハンドル操作時に機台内に手を差し入れること
がないので、操作性と安全性が向上する。また、ねじ軸
を紙積載ボード内に収納したことにより、紙積載ボード
の上方には、排紙チェーンのくわえから解放された紙の
積載に障害となる部材が存在しないので、紙の積載を円
滑に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第９図は本考案に係る排紙積載装置を凹版
印刷機のサンプリング用に実施した例を示し、第１図は
その反印刷ユニツト側から見た側面図、第２図は同じく
平面図、第３図は紙を取出すときの状態で示す第１図の
Ａ視拡大正面図、第４図は第３図のＢ視側面図、第５図
は第１図のＣ視拡大正面図、第６図は第１図のＤ視拡大
正面図、第７図は第１図のＥ視拡大正面図、第８図は第
２図のFF拡大断面図、第９図は倒伏状態で示す紙ガイド
の側面図である。 20……ボード組立体、21……ボード、21d……上板、25
……ブラケツト、28,30……ねじ軸、34……紙ガイド
軸、36,38……紙ガイド、49……積載紙、61……軸受、6
2……ギア軸、63……ハンドル支持板、65……軸受板、6
6……ギア軸、67,69……ベベルギア、68,70……スプロ
ケツト、71……チエーン。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】積載紙の幅方向両側の紙ガイドのうち一方
   の紙ガイドをねじ軸で支持し、他方の紙ガイドを前記ね
   じ軸と同期して回転するねじ軸で支持して前記両ねじ軸
   の同期回転により前記両方の紙ガイドが互いに左右逆方
   向へ移動するように形成し、前記両ねじ軸を紙積載ボー
   ド内に収納するとともに、紙積載ボード内に収納される
   位置と紙積載ボードの紙を積載する面から外に突出する
   位置とに移動自在で、紙積載ボード外に突出する位置で
   前記ねじ軸を回動操作する操作ハンドルを設け、かつ前
   記紙積載ボードはフレームの開口側から突出するように
   移動自在とされるとともに、前記操作ハンドルを前記紙
   積載ボードの突出する側に一体的に取付けたことを特徴
   とする枚葉印刷機の排紙積載装置。