JP2514631B2 - B細胞分化因子をコ―ドする遺伝子 - Google Patents

B細胞分化因子をコ―ドする遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の利用分野] 本発明は、B細胞分化因子に関する。さらに詳しく
は、マウスのT細胞株が産生するB細胞分化因子および
該因子をコードするDNA配列に関する。
〔従来の技術〕
B細胞分化因子(TRF:T cell Replacing Factorとも
呼ばれる)は、血液中のT細胞系列から産生されB細胞
に直接作用し、これを抗体産生細胞に分化・誘導するポ
リペプチドからなる因子である。
抗体は、生体に侵入する細菌、ウイルスあるいは癌細
胞などの生体異物と反応し、これらを不活性化したり排
除したりする機能をもっている。B細胞分化因子(以下
TRFと略す)は、特定抗原(生体異物)に特異的なB細
胞クローン即ち特定抗原に感作されたB細胞クローンを
抗体産生細胞に誘導して、該抗原に対する抗体を産生さ
せることから、TRFは、種々の感染症および癌の治療の
面から有用な物質である。即ち、TRFは、この因子の生
体内での過少によってひきおこされると考えられる自己
免疫疾患や免疫不全症等の診断、治療のみならず種々の
感染症や癌の治療に利用できることが期待される。
TRFに関してはこれまでいくつかの研究がなされてい
る。例えば、TRF産生細胞として知られているT細胞ハ
イブリドーマB151K12株の培養液からTRF活性を有する物
質の精製が試みられ、温度および酸性pHで比較的安定
な、単量体の分子量が18,000乃至19,000の糖蛋白質であ
ろうと推定されている〔Takatsu,K.et.al.,J.Immunol.1
34,382,1985,Harada,N.et.al.,J.Immunol.134,3944,198
5および特開昭60-237022など〕。しかしながら、培養液
中のTRF含量は少なく、多段の精製過程(硫安沈澱、陰
イオン交換クロマトグラフィー、ゲル過、HPLC、スラ
ブ電気泳動、逆相HPLC、レクチンアフィニティーカラム
クロマトグラフィーなど)を経て分取できる物質は極微
量であるため、その構造(アミノ酸配列)も物理化学的
性質を明確にされるには至っていない。また、TRFの生
産に関与する遺伝子(DNA配列)も知られていない。な
お、上述先行技術の精製TRFは、BCGF(B cell Growth F
actor:B細胞増殖因子)IIの活性も有することが示され
ている。また、複数のTRFの存在も示唆されている。
このように、従来B細胞を分化・誘導する因子(TR
F)の構造は明らかでなく、それを大量に生産して実用
に供することは不可能であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
即ち、本発明は、TRF高生産細胞からTRFmRNAを単離
し、TRF生産を支配するTRF遺伝子(即ちDNA配列)を明
らかにすると共に、TRF分子の構造(アミノ酸配列)を
明らかにすることにより、組換えDNA技術でTRFの大量生
産および医薬等への応用の可能性を提供しようとするも
のである。
[問題点を解決するための具体的手段] 本発明者らは、既にSideras,P.らによって樹立されて
いるIgG1誘導因子BCDFγ産生細胞であるT細胞ライン2.
19(Eur.J.Immunol.,15,586〜593,1985)が、従来用い
られているT細胞ハイブリドーマB151K12株よりもTRFを
約100倍量生産することを見出した。そこでこのT細胞
ライン2.19を用いて上記の問題点を解決すべく鋭意研究
の結果本発明を完成するに至った。
本発明のDNAを調製するには、まずT細胞ライン2.19
からmRNA画分を常法により調製し、 poly(A)+RNAを用いて既に開発されている方法(Nom
a,Y.et.al.Nature319,640〜646,1986)に従いcDNAライ
ブラリーを作製する。このライブラリーから得られる各
cDNAクローンのプラスミドDNAを制限酵素Sal Iで直線化
した後、in vitroの系でSP6 RNAポリメラーゼで転写さ
せてmRNAを得る。このようにして作製されたmRNAをアフ
リカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞(oocyte)に注
射して培養し、培養上清に分泌されてくるmRNAからの翻
訳産物(蛋白質)のTRF活性およびBCGFII活性の有無を
測定する 〔Gronowicz,E.et.al.,Eur.J.Immunol.6,588〜590,1976
およびTakatsu,K.et.al.,J.Immunol.125,2646〜2653,19
80)。尚、ここで述べるTRF活性およびBCGFII活性は、
各々下記の活性を有することによって定義される。
A)TRF活性: 1)マウス慢性B白血病細胞(BCL1)をIgM抗体産生細
胞に分化させる活性、 2)抗原(DNP-KLH)感作させたマウス脾臓内B細胞を
抗原(DNP−オボアルブミン)で刺激し、特異的抗体
(抗DNP-IgG)産生細胞に分化させる活性、または 3)in vivoで活性化したB細胞ブラストのIgM合成誘導
活性。
B)BCGFII活性: 1)BCL1細胞の分裂促進、または 2)デキストラン硫酸刺激休止B細胞の分裂促進。
上記の活性測定法の内、特にA)‐1)およびB)‐
1)の活性を指標にして、in vitroで転写されるmRNAの
TRF活性およびBCGFII活性の測定を行ない、TRFのcDNAを
有するクローンを前記cDNAライブラリーから選択するの
が便利である。次に選択されたクローン(pSP6K-mTRF2
3)のプラスミドDNAに挿入されているcDNA断片の塩基配
列は公知の方法(後記実施例に記載するジデオキシ法お
よびユニディレクショナルディリーション法)により決
定し(第1図参照)、意味のあるオープンリーディング
フレーム(ポリベプチドをコードする塩基配列)を探し
TRFのアミノ酸配列を定めることができる。この際、選
択されたクローンpSP6K-mTRF23の挿入DNA領域には、133
個と62個のアミノ酸からなるポリプペチドをコードする
二種のオープンリーディングフレームが見出されるが、
後者(第1図中544番目から729番目の塩基配列に相当)
のポリペプチドは、分子量が約6,500であって、この
値は2.19細胞から産生されるTRFの単量体分子量(約18,
000)に比べたとえ糖鎖が付与されているとしても小さ
すぎること、およびこのオープンリーディングフレー
ム中に存在するACC I切断部位を当該制限酵素で切断し
て作製されたクローンから調製されるmRNAが、アフリカ
ツメガエルの卵母細胞でTRF産生能を失わないことか
ら、TRFポリペプチドではない。従って、2.19細胞がそ
の生体内でまず産生するTRFは、133個のアミノ酸からな
るポリペプチドであると決定される(第1図参照)。
尚、このポリペプチドのN末端にあるMet(メチオニ
ン)は、翻訳後修飾過程(post translational modific
ation process)で、フォルミル化やアセチル化される
ことがあり、またMetが取り除かれたりすることもあ
る。
このように決定されるポリペブチドのN末端領域に
は、分泌蛋白質に特有のリーダー配列(第1図中、N末
端から約20番目までのアミノ酸配列に相当する疎水性の
強いペプチド領域)が存在している。このことは2.19細
胞培養上清にTRFが分泌される事実と合致する。通常、
リーダー配列は、生体内でプロセシング(シグナルペプ
チダーゼによる切断など)を受け、その領域が取り除か
れた成熟ポリペプチドになることが知られている。これ
まで知られているリーダー配列の切断部位〔一般にアラ
ニン(Ala)よグリシン(Gly)などのアミノ酸のC末端
側;Watson,M.E.E.,Nucl.Acid.Res.12,5145〜5164,1984
参照〕から、本発明で用いた2.19細胞が分泌するTRF活
性(或はBCGFII活性)をもつ約18,000の分子量の蛋白質
(糖蛋白質)は、第1図に示すアミノ酸配列中の各々19
番目、21番目或いは22番目から133番目までのポリペプ
チドを含む分子であると考えられる。このことは、TRF
が糖蛋白質であることから考え、これらのポリペプチド
の分子量(およさ12,300〜12,700)の点からも妥当であ
る。即ち、このポリペプチドから計算される分子量(約
12,300)は、オープンリーディングフレーム(第1図中
44番目から442番目までの塩基配列)に対応するアミノ
酸配列中に存在する3ヶ所のN−グリコシル化可能部位
(第1図中の下線を引いたアミノ酸配列)から考え矛盾
はない。尚、上記のようなプロセシングを受けて生じた
ポリペプチドのN末端のアミナ酸残基は、さらにアセチ
ル化されたり、またそれがGlu(グルタミン酸)の場合
はピロル化されたりすることがある。
さらに、生体内で産成されるポリペプチドは、そのC
末端が生体内でのプロセシングの過程で欠失されること
があることが知られており、第1図で示したポリペプチ
ドのC末端のアミノ酸あるいはペプチドの一部が欠失し
ていることもあると考えられる。
これらのホリペプチドは、第1図に示すDNA、特に翻
訳終止コドン(TGA)を含む1〜133までのアミノ酸配列
に対応する塩基配列、あるいはこれと実質的に同等な塩
基配列を有するDNAを適当な発現ベクターに挿入し、こ
れを適当な微生物や動物宿主細胞に導入(形質転換)し
て、その形質転換体を培養することにより、これまでの
細胞培養に比べ効率的且つ大量に生産することができ
る。
以下、実施例でもって本発明をさらに詳しく説明す
る。
[実施例] (1)TRFmRNAの調製 TRF産生細胞としては、T細胞ライン2.19を用いた。
本細胞ラインはSideras,P.らによって既に樹立されてい
るものである〔Sideras,P.et.al.Eur,J.Immunol.,15,58
6〜593,1985〕。
まず、ConA(コンカナバリンA)で活性化した2.19T
細胞からNoma,Y.らの方法〔Nature,319,640〜646,198
6〕に従いpoly(A)+RNA(mRNA画分)を抽出し、5〜2
2%の濃度勾配を用いた蔗糖密度勾配遠心法(36,000rp
m、15時間)によりpoly(A)+RNA抽出液を16の画分に
分画分取した。次に、各分画の適当量をアフリカツメガ
エル(Xenopus)の卵母細胞(oocyte)に注射し、20℃
で36時間培養後その培養液についてTRF活性およびBCGFI
I活性を測定した。
TRF活性の測定は、卵母細胞培養上清サンプルを、1.5
×105個のBCL1細胞を含む0.2mlのRITC培地(血清フリー
で5mg/mlの牛血清アルブミン、50μMの2−メルカプト
エタノール、抗生物質を含む)で培養した培地に加え、
2日後、Gronowicz,E.らのプロテインAプラーク測定法
〔Eur.J.Immunol.6,588〜590,1976〕により、IgM分泌産
生細胞数を測定することにより行った。一方、BCGFII活
性の測定は、上記BCL1細胞の増殖度を2日培養の最後の
6時間に3Hチミジンを加えて上記BCL1細胞に取り込まれ
3Hチミジン量で測定することにより行った。
その結果、第2図に示す如く、BCGFII活性(図中の黒
棒)は、9Sおよび16SのmRNA画分にみられ、TRF活性(図
中の白棒)は、16SのmRNA画分のみにみられた。尚、同
図中、Pは、TRF産生株の1つであるT細胞ハイブリド
ーマB151K12株の培養上清を50%の濃度で上記BCL1培養
培地に加えたポジティブコントロールを示し、Nは、mR
NA画分の代りにリン酸バッファーを卵母細胞に注入して
培養したネガティブコントロールを各々示す。
9S mRNAの分子サイズはインターロイキン(IL)‐4
のmRNAサイズに相当すること〔Noma,Y.et.al.Nature,31
9,640〜646,1986〕、および9SmRNA画分にはBCL1増殖促
進活性はあるが、BCL1細胞のIgM分泌産生細胞への分化
活性がみられないことから、本発明者らは、2.19T細胞
の16S mRNA画分にTRF mRNAが存在すると判断し、次にcD
NAライブラリーの作製を試みた。
(2)cDNAライブラリー調製とTRFcDNAクローンの選択 ConAで活性化した2.19T細胞の全poly(A)+RNAのcDN
Aライブラリーは、SP6プロモーターを含むプラスミドを
用いたNoma,Y.らの方法 〔Nature,319,640〜649,1986〕に準じて調製し、約5×
104個のcDNAクローン(pSP6KcDNAライブラリー)を得
た。
次に、これらのクローンのプラスミドDNAの混合物
を、Sac IとSal Iで各々消化してプラスミドを直線化さ
せた後、試験管内(in vitro)でSP6RNAポリメラーゼを
用いてmRNAを合成させた。このように調製したmRNA溶液
をアフリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞(oocyt
e)に注射し、20℃で36時間培養後培養液中に分泌され
た生成物を集め、実施例(1)で示した測定法によりTR
F活性およびBCGFII活性を測定した。その結果、Sal Iで
消化したDNA断片から調製したmRNAには両活性が観察さ
れたが、Sac Iで消化したDNA断片からのmRNAにはいずれ
の活性も認められなかった。
次に、上記2.19T細胞ラインのmRNAから調製されたpSP
6KcDNAライブラリーを18のプールに分け(1プール約3,
000クローン)、各々について上記の方法に従いTRF活性
およびBCGFII活性を測定した。その結果、1つのプール
(No.17)のみが両活性を示した。そこで、このプール
をさらにサブグループに分け、同様な方法でTRFおよびB
CGFII活性を測定し、60個のクローンからなるポジティ
ブな活性を持つ一つのグループを得た。続いて、これら
のクローンのプラスミドDNAに挿入されたDNA断片(cDN
A)が、1Kb以上でその塩基配列中Sac I切断部位がありS
al I切断部位がないことを確かめ、上記60クローンから
7クローン(クローンNo.16,18,23,27,42,51および53)
を得た。これら7クローンのTRF活性(IgMプラーク形成
細胞数)およびBCGFII活性(3Hチミジン取込み量)につ
いては第1表に示した。これらの7クローンの内、No.2
3のクローンが最も強い活性を示したのでこのクローン
のプラスミドをpSP6K-mTRF23(第3図参照)と名け以後
の解析を行った。尚、このプラスミドによって形質転換
された大腸菌HB101/pSP6K-mTRF23は、Escherichia coli
SBM 285と命名し、微工研にFERM P-8828の受託番号を
得て寄託されている。
(3)cDNA塩基配列の解析とTRFポリペプチドpSP6K-mTR
F23に挿入されたcDNAは、一旦pUC18プラスミドのBamHI
サイトにサブクローニングし、ジデオキシ法〔Sanger,
F.et.al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,5463〜5469,197
7〕およびユニディレクショナル ディリーション法〔u
nidirectional deletion法、Yanisch-Perron,C.etal.,G
ene33,103〜119,1985〕とを組合わせ、その塩基配列を
決定した。塩基配列決定のストラテジーを第4図に示し
た。その結果、第1図に示すようにpolyAテール領域を
除く1533の塩基対からなる配列を得た。
この塩基配列を詳細に解析した結果、133個のアミノ
酸残基(第1図中、44番目から442番目までの塩基配
列)と62個のアミノ酸残基(第1図中、544番目から729
番目の塩基配列)からなる2つのオープンリーディング
フレームが見出されたが、(i)TRFポリペプチド(糖
蛋白質)は、2.19T細胞ラインおよび当該mRNAが注射さ
れた卵母細胞から分泌産生され、その単量体(SDSポリ
アクリルアミドゲル電気泳動による解析)は、約18,000
の分子量を有すること、(ii)62個のアミノ酸残基から
なるオープンリーディングフレーム中に存在するAcc I
切断部位(第1図中624〜629の塩基配列)を当該酵素で
切断して直線化したDNAからのmRNAが卵母細胞においてT
RFおよびBCGF産生能があること(iii)62個のアミノ散
残基からなるポリペプチドの分子量(約6,500)は、TRF
単量体の推定分子量約18,000に比べ、たとえ糖鎖が付加
されたとしても(当該配列中1個のN−グリコシル化の
シグナル配列あり)、小さ過ぎることなどから、2.19T
細胞ラインでまず産生されるTRFまたはBCGFII活性を有
するポリペプチド(TRFポリペプチドと略す)は、第1
図に示す133個のアミノ酸配列からなると判断された。
但し、このポリペプチドのN末端にあるMet(メチオニ
ン)は、翻訳終修飾過程(post translational modific
ation process)により、フォルミル化されたりアセチ
ル化されたり或いはMet残基が取り除かれたりすること
が、これまで報告されている生体内ポリペプチドの修飾
過程から考えられる。
第1図に示す133個のアミノ酸残基からなるポリペプ
チドのN末端には、20個前後のアミノ酸残基からなる疎
水性の強いペプチドが存在している。この配列(リーダ
ー配列)は、分泌蛋白質がもつ特有のものであり、蛋白
質が細胞内から分泌される際、この配列が除去されるこ
とが知られている。一般にアラニン(Ala)やグリシン
(Gly)などのアミノ酸残基のC末端が切断されること
が多いこと〔Watson,M.E.E.,Nucl.Acid.Res.12,5145〜5
164,1984)、またリーダー配列は通常20個前後のペプチ
ドであることなどから、本発明におけるTRFまたはBCGFI
I活性を有するポリペプチドは、第1図中に示すアミノ
酸配列中の19番目、21番目或いは22番目から133番目ま
でのポリペプチドを含む分子であると考えられる。これ
らのポリペプチドの分子量(およそ12,300〜12,700)
は、TRFの単量体が分子量約18,000の糖蛋白であること
とほぼ一致する。
また、上記のようにリーダー配列が除去されて生じた
ポリペプチドのN末端のアミノ酸は、さらに生体内でア
セチル化されたり、またそれがグルタミン酸(Glu)の
場合はピロル化されたりすることがあることは、これま
で生体内から見出されているペプチドの構造からみて当
然考えられる。
(4)pSP6K-mTRF23プラスミドのTRF活性 pSP6K-mTRF23プラスミドDNAからSP6RNAポリメラーゼ
によって転写されたmRNAが、注入され、培養された卵母
細胞の培養上清のTRF活性(BCL1細胞のIgM分泌産生細胞
への分化活性)とBCGFII活性(BCL1細胞への3Hチミジン
の取込み量)は第1表に示した。
さらに、Takatsu,K.ら〔J.Immunol.125,2646〜2653,1
980〕の方法に従い、上記卵母細胞生産物(γTRFと略
す)の抗DNP-IgG抗体産生応答反応の促進効果について
調べた。まずBALB/cマウスをDNP-キイホールリンペット
ヘモシアニン〔Keyhole limpet hemocyanin;KLH)で感
作し、6〜8週間後、脾臓細胞を集め抗Thy1.2抗体と補
体処理によりB細胞をエンリッチし、γTRFの抗DNP-IgG
プラーク形成細胞促進能を調べた。その結果、γTRFは
抗原(DNP−オボアルブミン:DNP-OA)存在下、DNP感作
されたB細胞を刺激し、明らかに抗DNP-IgG産生細胞へ
分化させる活性を示した(第2表)。さらにデータは示
さないが、γTRFは、in vivoで活性化されたB細胞プラ
ストのIgM合成誘導活性をも示した。尚、IL-1,IL-2,IL-
3およびBSF-1の活性はいずれも示さなかった。これらの
結果から、本発明においてpSP6K-mTRF23にクローン化さ
れたcDNA(第1図参照)がTRFポリペプチドの産生を支
配していることが確認できた。
尚、pSP6K-mTRF23クローンはBCL1細胞のIgMプラーク
形成細胞促進活性とBCL1増殖促進活性とを常に有してい
ること(第1表参照)から、TRFとBCGFIIは同じ分子で
あることが示唆された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、pSP6K-mTRF23に挿入されたcDNAの塩基配列と
TRFポリペプチド領域のアミノ酸配列を示す図であり、 第2図は、mRNA画分のTRF活性(プラーク形成細胞:PF
C)とBCGFII活性(3Hチミジンの取込み)を示すグラフ
であり、 第3図(A)は、pSP6K-mTRF23クローンのプラスミドの
概略図であり、第3図(B)は第3図(A)のインサー
トcDNA周辺の概略図であり、 第4図はpSP6K-mTRF23に挿入されたcDNAの塩基配列決定
のストラテジーを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−237022(JP,A) J.Immunol.,Vol.134, No.1(1985)P.382−389 J.Immunol.,Vol.134, No.6(1985)P.3944−3951

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式II: 〔式中、XはH(水素原子)、fMet(フォルミルメチオ
    ニン)、AcMet(アセチルメチオニン)またはMet(メチ
    オニン)を表わす。〕で表わされるアミノ酸配列、また
    はそのN末端から18番のAlaまで、20番のAlaまで、また
    は21番のMetまでが欠失したアミノ酸配列を有するポリ
    ペプチドからなるB細胞分化活性因子をコードするDN
    A。
  2. 【請求項2】次式I: 〔式中、STPは翻訳終止コドンを表わす。〕で表わされ
    る塩基配列またはその5′末端が54番のCまで、60番の
    Cまで若しくは63番のGまで欠失した塩基配列を有する
    B細胞分化活性因子をコードする、特許請求の範囲第1
    項記載のDNA。
  3. 【請求項3】次式II: 〔式中、XはH(水素原子)、fMet(フォルミルメチオ
    ニン)、AcMet(アセチルメチオニン)またはMet(メチ
    オニン)を表わす。〕で表わされるアミノ酸配列、また
    はそのN末端から18番のAlaまで、20番のAlaまで、また
    は21番のMetまでが欠失したアミノ酸配列を有するポリ
    ペプチドからなるB細胞分化活性因子をコードするDNA
    を含むプラスミド。
  4. 【請求項4】次式I: 〔式中、STPは翻訳終止コドンを表わす。〕で表わされ
    る塩基配列またはその5′末端が54番のCまで、60番の
    Cまで若しくは63番のGまで欠失した塩基配列を有する
    B細胞分化活性因子をコードするDNAを含む、特許請求
    の範囲第3項記載のプラスミド。
  5. 【請求項5】pSP6K-mTRF23で表わされる特許請求の範囲
    第4項記載のプラスミド。
  6. 【請求項6】次式II: 〔式中、XはH(水素原子)、fMet(フォルミルメチオ
    ニン)、AcMet(アセチルメチオニン)またはMet(メチ
    オニン)を表わす。〕で表わされるアミノ酸配列、また
    はそのN末端から18番のAlaまで、20番のAlaまで、また
    は21番のMetまでが欠失したアミノ酸配列を有するポリ
    ペプチドからなるB細胞分化活性因子をコードするDNA
    を含むプラスミドが導入された形質転換細胞。
  7. 【請求項7】次式I: 〔式中、STPは翻訳終止コドンを表わす。〕で表わされ
    る塩基配列またはその5′末端が54番のCまで、60番の
    Cまで若しくは63番のGまで欠失した塩基配列を有する
    B細胞分化活性因子をコードするDNAを含むプラスミド
    が導入された、特許請求の範囲第6項記載の形質転換細
    胞。
  8. 【請求項8】プラスミドがpSP6K-mTRF23である特許請求
    の範囲第7項記載の形質転換細胞。
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