JP2514385B2 - グリセリンの回収方法 - Google Patents

グリセリンの回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグリセリンの回収方法に関する。
さらに詳しくは、グリセリン水溶液を濃縮して得た粗
製グリセリンに多価カルボン酸を加え蒸留することによ
り、加熱安定性にすぐれ、医薬品、香粧品の製造に用い
ることのできるグリセリンを回収する方法に関する。
〔従来の技術〕
グリセリンは油脂、脂質などの形で動植物界に広く分
布しており、油脂を加水分解する際に副生される甘水、
あるいは油脂からセッケンを製造する際に副生するセッ
ケン廃水、油脂をエステル交換する際に副生する廃水か
ら回収することができる。
例えば、セッケン廃水からグリセリンを回収する場
合、セッケン廃水に酸を加え中和し、次いで凝集剤を加
え、凝集し濾過等を行い不純物を除去する精製工程、精
製したセッケン廃水を濃縮して粗製グリセリンを得る濃
縮工程、粗製グリセリンを蒸留してグリセリンを得る蒸
留工程、さらに必要に応じ蒸留したグリセリンに活性炭
及び白土を加え脱色する脱色工程を経てグリセリンを得
ることができる。
しかしながらこの様にして得られるグリセリンは若干
の不純物を含み、加熱すると着色するため医薬品、香粧
品等に用いることができない。耐熱性を低下させる不純
物としては、グリセリンモノエステル、イオン性物質等
が考えられるが一般的に行われる精製工程、濃縮蒸留工
程、脱色工程では除去できない。
この様な不純物を除去し高純度のグリセリンを得る方
法としては、蒸留したグリセリンをイオン交換樹脂で処
理し精製する方法が知られている(油化学28 117(197
9),特開昭58-144333)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、イオン交換樹脂を用いてグリセリンを
精製する方法は、蒸留したグセリンを再度40〜60重量%
濃度の水溶液とし、それをイオン交換樹脂に通し再び水
を蒸発するもので、従って工程数が多く、そのため収率
が低下し、さらに用いたイオン交換樹脂の再生を必要と
し、その上再生液や蒸留廃水の処分に処理費用がかかる
等の多くの問題点があり、経済効果が悪かった。
本発明は上記の問題に着目しなされたもので、グリセ
リン水溶液からグリセリンを回収する方法において、イ
オン交換樹脂を用いた方法に比較して、極めて簡単な方
法で、加熱着色性の極めて少い、香粧品や医薬品に用い
ることのできる耐熱性にすぐれたグリセリンを容易に回
収することのできる方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した
結果、多価カルボン酸を用いることにより、工程数を増
やすことなく簡単にグリセリン水溶液から耐熱性の良い
グリセリンを回収することができることを見出し本発明
に至った。
即ち本発明は、グリセリン水溶液を濃縮し、蒸留して
グリセリンを回収する方法において、グリセリン水溶液
を濃縮して得た粗製グリセリンに対し多価カルボン酸を
0.0005重量%以上加え、蒸留するグリセリンの回収方法
である。
本発明に用いるグリセリン水溶液には、グリセリンを
5〜50重量%含む水溶液で、セッケン製造廃水から常法
により脂肪酸、塩類を除去したグリセリン水溶液、ある
いは油脂を加水分解して得られる甘水、又は油脂をエス
テル交換した際に副生する廃水から脂肪酸を除去したグ
リセリン水溶液等が挙げられる。また粗製グリセリンは
上記グリセリン水溶液をグリセリン濃度が80〜95重量%
に濃縮し、必要に応じ塩類を分離した溶液を言う。
例えばセッケン製造廃水から粗製グリセリンを得るに
は、セッケン廃水を中和し、硫酸アルミニウム、ポリ塩
化アルミニウム、硫酸第2鉄等を加え、セッケン廃水中
のセッケンその他不純物を不溶化して濾別し、次に濾液
を弱アルカリ性にし濾別することにより過剰に加えたア
ルミニウム、鉄を除去してグリセリン水溶液を得ること
ができ、さらにこれを濃縮し析出する無機塩を分離して
粗製グリセリンを得ることができる。また油脂を加水分
解して得られる甘水から粗製グリセリンを得るには、甘
水を消石灰で中和処理した後濾過して甘水中の脂肪酸を
不溶化除去し、次いで中和し凝集剤を加えて濾過して過
剰に加えた消石灰を濾別してグリセリン水溶液を得るこ
とができ、さらにこれを濃縮して粗製グリセリンを得る
ことができる。グリセリン水溶液の濃縮は一般に知られ
ている蒸発装置により行うことができ、例えばロスコ蒸
発缶、強制循環缶、多重効用蒸発缶等を用いた濃縮が挙
げられる。
本発明のグリセリンの回収方法は、常法により得られ
る上記の様な粗製グリセリンに対し多価カルボン酸を加
え蒸留する。多価カルボン酸の添加量は粗製グリセリン
に対し、0.0005重量%以上、好ましくは0.001〜0.01重
量%の添加量で耐熱性にすぐれた精製グリセリンが得ら
れる。多価カルボン酸の添加量が0.0005重量%に満たな
いと加熱により着色する耐熱性の低いグリセリンが得ら
れ、また1重量%以上加えても過剰に加えることによる
効果が期待できず、逆に精製グリセリン中に多価カルボ
ン酸が混入する恐れがあり好ましくない。
本発明に用いる多価カルボン酸としてはコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マール酸、イタコン酸、トリメリット酸、クエン酸、リ
ンゴ酸、アスパラギン酸、アコニット酸、グルタミン酸
等が挙げられる。粗製グリセリンに多価カルボン酸を加
える方法としては、多価カルボン酸の粉末を粗製グリセ
リンに添加する方法、多価カルボン酸を粗製グリセリン
の一部に分散し、この分散液を残部の粗製グリセリンに
添加する方法、溶解するに必要な最小量の水に多価カル
ボン酸を溶解し粗製グリセリンに添加する方法等が挙げ
られ、いずれの方法でも良い。
多価カルボン酸を加えた粗製グリセリンを蒸留しグリ
セリンを得るには、10〜20mmHgの減圧下、150〜170℃で
公知の蒸留装置を用いて行うことができる。蒸留装置と
しては例えば水蒸気蒸留装置、精留式蒸留装置、薄膜式
蒸留装置等が挙げられる。
上記の様にして得られるグリセリンは加熱により着色
する成分を含まないが、それ以外の不純物により着色し
ている場合、蒸留したグリセリンに脱色処理を行うこと
が好ましい。脱色処理としては、活性炭や活性白土を用
いた処理等が挙げられ、例えばグリセリンに対し活性
炭、活性白土等を0.05〜5重量%添加し、液温70〜90℃
で1〜2時間撹拌した後、活性炭、活性白土等を濾別し
て脱色したグリセリンを得ることができる。
以上の様にして得られるグリセリンは不純物が少な
く、耐熱性の良いものであり、医薬品、香粧品、歯みが
き、食品、その他工業用の用途に用いることができる。
以下実施例により本発明を説明する。
〔実施例〕
・粗製グリセリンの製造 常法に従い脱酸、脱色処理を行った精製牛脂と精製ヤ
シ油を重量比にて80:20に混合した混合油1000kgに24%N
aOH水溶液620kgを加え、95〜100℃で10時間ケン化反応
を行った後、食塩50kgを添加し塩析を行ってセッケン廃
液を得た。得られたセッケン廃液に0.1%塩酸水溶液を
加えPH10に調整し、さらに硫酸アルミニウムを0.17%加
えてPH4.2に調整して撹拌後濾過し、ついで濾液にソー
ダ灰を加えPH8.5〜9.0に中和した後濾過して精製グリセ
リン水溶液(グリセリン濃度12%)を得た。
次に精製グリセリン水溶液を60mmHgの減圧下120〜130
℃で濃縮し、析出した塩を分離して粗製グリセリン(グ
リセリン濃度90%、水分2%、不揮発性残分8%)100k
gを得た。
実施例1〜7 粗製グリセリンに表−1に示す所定量の多価カルボン
酸を添加し、10〜20mmHgの減圧下150〜180℃で蒸留し、
蒸留して得たグリセリンに活性炭(シラサギA、武田薬
品工業(株)社製)を3%加え、110℃で30分間撹拌し
た後、活性炭を濾別して精製グセリンを得た。
得られた精製グリセリンの耐熱性、色相、臭気を測定
しその結果を表−1(実施例1〜7)に示す。
比較例1 粗製グリセリンを10〜20mmHgの減圧下150〜180℃で蒸
留し、得られた蒸留グリセリンに活性炭(シラサギA、
武田薬品工業(株)社製)3%を加え、110℃で30分間
撹拌し、濾過して精製グリセリンを得た。得られた精製
グリセリンの性状を実施例と同様に測定し、その結果を
表−1(比較例1)に示す。
比較例2 比較例1で得られた、精製グリセリンに純水を加え50
%濃度の水溶液とし、この水溶液をイオン交換樹脂(ア
ンバーライトIRA-900とアンバ ーライトIR-120Bとを2:1に混合した樹脂)100mlを充填
した30mmφ×300mmのカラムに、液温30〜35℃、通液速
度200ml/hrで通液した。得られたイオン交換樹脂処理水
溶液を20mmHgの減圧下、110〜130℃で水分を蒸発し濃縮
して精製グリセリンを得た。
得られた精製グリセリンの性状を実施例と同様に測定
し、その結果を表−1(比較例2)に示す。
以上の結果、粗製グリセリンに多価カルボン酸を添加
して蒸留することにより、色相にすぐれ、かつ加熱して
も着色のない精製グリセリンが得られ、それは従来の蒸
留したグリセリンをイオン交換樹脂に通して精製したも
のに比較して、同等又はそれ以上の耐熱性を有してお
り、イオン交換樹脂を使用する工程を必要とせずにすぐ
れた性状の精製グリセリンを得ることができたのであ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は、グリセリン水溶液から
グリセリンを回収する方法において、グリセリン水溶液
を濃縮して得た精製グリセリンに多価カルボン酸を加え
蒸留することによりグリセリンを回収する方法であり、
イオン交換樹脂で処理したと同程度に耐熱性を有するグ
リセリンが得られ、イオン交換樹脂処理に必要な装置、
あるいはそれを用いる複雑な工程を省くことができ、簡
単な操作で安価にグリセリンを回収することができる等
の効果を発揮する。
フロントページの続き (72)発明者 富岡 正夫 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨ シ油脂株式会社内 (72)発明者 唐沢 英敏 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨ シ油脂株式会社内 (72)発明者 半澤 芳雄 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨ シ油脂株式会社内 (72)発明者 阿部 恵三 東京都葛飾区堀切4丁目66番1号 ミヨ シ油脂株式会社内 審査官 船岡 嘉彦

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリセリン水溶液を濃縮し、蒸留してグリ
    セリンを回収する方法において、グリセリン水溶液を濃
    縮して得た粗製グリセリンに対し多価カルボン酸を0.00
    05重量%以上加え、蒸留することを特徴とするグリセリ
    ンの回収方法。
JP29377087A 1987-11-20 1987-11-20 グリセリンの回収方法 Expired - Lifetime JP2514385B2 (ja)

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