JP2514204B2 - 車両の油圧式変速装置 - Google Patents

車両の油圧式変速装置

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JP2514204B2 JP13419187A JP13419187A JP2514204B2 JP 2514204 B2 JP2514204 B2 JP 2514204B2 JP 13419187 A JP13419187 A JP 13419187A JP 13419187 A JP13419187 A JP 13419187A JP 2514204 B2 JP2514204 B2 JP 2514204B2
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淳敬 川合
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の油圧式変速装置に関する。
(従来の技術) 例えば芝刈り機、耕耘機等の各種車両においてオイル
ポンプ、オイルモータ、減速機構等からなる油圧式変速
装置により、エンジンや電動機等の動力源の動力を変速
して駆動輪を回転するようにしたものは、特公昭50−33
283号公報や実開昭60−89454号公報で知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、特公昭50−33283号公報では、減速機
構を収容するリダクションケースとは別にケースを設
け、このケース内にオイルポンプ、オイルモータを収容
しているため、部品点数が増加し、油圧式変速装置が大
型化する不具合がある。
また、実開昭60−89454号公報ではオイルポンプとオ
イルモータ間を閉鎖回路で接続しており、そのため、駆
動輪をフリーの状態とし、車両の取り廻し性等を向上す
るには、オイルポンプ手前にクラッチを設けなければな
らず、油圧式変速装置が大型化する不具合がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本
発明の目的は、部品点数の増加を抑制し、コンパクトな
構造で車両の取り廻し性等を向上できる油圧式変速装置
を提供するにある。
(問題点を解決するための手段) 前記目的を達成するため本発明の構成は、 減速機構19を収容したリダクションケース21を設け、 オイルポンプ15と、該オイルポンプ15の動力で駆動さ
れるオイルモータ17を夫々前記リダクションケース21に
取着し、 前記オイルポンプ15とオイルモータ15の少なくとも一
方を可変容量形とし、 前記減速機構19とオイルポンプ15とオイルモータ17に
より動力源の動力を変速して駆動輪5の車軸33側に伝達
する油圧式変速装置13を構成し、 前記オイルポンプ15とオイルモータ17間を接続する油
路をリダクションケース21の壁部に形成し、 オイルポンプ15の吐出ポート53とオイルモータ17のイ
ンレットポート77間を接続する油路をオイルタンク側に
連通、遮断する切換弁121を、オイルポンプ15とオイル
モータ17が取着されたリダクションケース21の壁面37,3
9とほぼ直交する壁面129から挿入してリダクションケー
ス21の壁部内に組み込み、 前記切換弁121に接続し該切換弁121を作動する作動部
材127をリダクションケース21の前記壁面129上に取付け
るようにした、 ことを特徴とする。
(作用) リダクションケース21を利用してオイルポンプ15、オ
イルモータ17を配設するようにしたので、部品点数の増
加を抑制し、油圧式変速装置13のコンパクト化を図るこ
とができる。
また、切換弁121の作動により後輪5をフリーの状態
にでき、切換弁121を、オイルポンプ15とオイルモータ1
7が取着されたリダクションケース21の壁面37,39とほぼ
直交する壁面129から装入してリダクションケース21の
壁部内に組み込んだので、クラッチ等を要せず、コンパ
クト化を図りつつ車両の取り廻し性等を向上できる。ま
た、リダクションケース21の壁部の冷却効果により切換
弁121の耐久性を高め、切換弁121のランド121B,121C幅
を大きく確保してオイル漏れを可及的に防止することが
できる。
また、切換弁121を作動する作動部材127を、前記壁面
129上に取付け、リダクションケース21の壁面を有効に
利用してオイルポンプ15、オイルモータ17、作動部材12
7を配設したので、油圧式変速装置13を大型化すること
なくコンパクトな構造で車両の取り廻し性等を向上でき
る。
(実施例) 以下、本発明の好適一実施例を添付図面に従って説明
する。
第1図は芝刈り機の側面図、第2図は油圧式変速装置
の左側面図、第3図は同・右側面図、第4図は同・展開
図を示す。
1は走行型の動力式芝刈り機、3は前輪、5は後輪、
7はハンドルで、エンジン9は前後輪3,5間に配設し、
エンジン動力により芝刈り用カッター11を回転駆動し、
またエンジン動力により油圧式変速装置13を介して左右
の後輪5を駆動する。
油圧式変速装置13は左右の後輪5間に配設する。
油圧式変速装置13はエンジン動力により駆動されるオ
イルポンプ15と、オイルポンプ15により駆動されるオイ
ルモータ17と、減速機構19と、リダクションケース21等
を備える。
リダクションケース21は右側方に開放状のケース本体
23と、ケース本体23の右側部に取着された蓋体25で構成
し、リダクション室27には径の小さなギヤ29と径の大き
なギヤ31からなる減速機構19を収容する。
リダクション室27にはオイルを注入し、リダクション
ケース21はオイルタンクを兼ねる。
後輪5の車軸33はリダクションケース21の下部にシー
ル材35を介して横設し、車軸33には前記ギヤ31を取着す
る。
オイルポンプ15はリダクションケース21の上部の前面
37に取着し、オイルモータ17はリダクションケース21上
部の左側面39に取着する。
実施例ではオイルポンプ15として斜板式可変容量アキ
シャルピストンポンプを用い、オイルモータ17として斜
板式固定容量アキシャルピストンモータを用いた。
オイルポンプ15はポンプケース41と、ポンプケース41
内に配設された駆動軸43と、ポンプケース41に傾斜動自
在に組み込まれた斜板45と、駆動軸43と一体に回動する
シリンダブロック47と、シリンダブロック47に組み込ま
れ斜板45のスラスト軸受46上で回転しつつ往復銅する複
数のピストン49と、吸込ポート51と吐出ポート53が形成
された弁板55等を備える。
駆動軸43の前端はポンプケース41の前方に突出させ、
該部分にユニバーサルジョイント57を介してエンジン側
の出力軸59を連結する。
斜板45の傾斜角はピン61を支点とするレバー63の揺動
により設定し、レバー63の揺動はハンドル7側に設けた
変速レバー65の操作により行う。実施例では前進、ニュ
ートラル、後進に切り換え可能であり、第1図中66はス
ロットルレバーを示す。
オイルモータ17はモータケース67と、モータケース67
内に配設された出力軸69と、モータケース67に組み込ま
れスラスト軸受により構成された斜板71と、出力軸69と
一体に回動するシリンダブロック73と、シリンダブロッ
ク73に組み込まれ斜板71上で回転しつつ往復動する複数
のピストン75と、インレットポート77とアウトレットポ
ート79が形成された弁板81を備える。
出力軸69の右端はリダクション室27に突出させ、該部
分に前記ギヤ29を取着する。
次に、第5図乃至第8図を参照してオイルポンプ15と
オイルモータ17の油路について説明する。
第5図は第2図のV矢視から視たリダクションケース
の図、第6図は第5図のVI矢視図、第7図は第5図のVI
I−VII線断面図、第8図は油圧回路図を示す。
まず、オイルポンプ15にオイルを供給する吸込路83
は、下端がリダクション室27に開口84しリダクションケ
ース21の左側壁85内で上方に延出する油路87と、油路87
に接続し左側方に延出する油路89と、油路89の左端に接
続し、上下方向に延出する油路91と、油路91の上端に接
続し前後方向に延出する油路93と、油路93の前端に接続
し右側方に延出して吸込ポート51に接続する油路95で構
成する。
前記開口84にはオイルフィルタ97を取着し、図中99は
遮蔽板を示す。
オイルポンプ15の吐出ポート53とオイルモータ17のイ
ンレットポート77を接続する油路101は、吐出ポート53
に接続し左側方に延出する油路103と、油路103の左端に
接続し下方に延出する油路105と、油路105に接続し後方
に延出してインレットポート77に接続する油路107で構
成する。
オイルモータ17のアウトレットポート79とオイルポン
プ15の吸込ポート51を接続する油路109は、アウトレッ
トポート79に接続して上方に延出する油路111と、この
油路111に接続する前記油路93と油路95により構成し、
オイルポンプ15とオイルモータ17間は閉鎖回路で接続す
る。
吸込路83を構成する前記油路91は下端を前記油路107
に接続し、油路91の上下に夫々チェック弁113,115を配
設する。
また左壁部85の後部には上下方向に延出して前記油路
93,107に接続する油路117と、油路117に接続しリダクシ
ョンケース21内に開口する油路119を形成する。
前記油路117には切換弁121を装入する。
切換弁121はハンドル7側に設けたニュートラルレバ
ー123にワイヤ125、アーム127を介して接続し、アーム1
27はリダクションケース21の上面129の左側にブラケッ
ト131を介して配設する。
実施例では前記切換弁121は軸部121Aと二つの大径部1
21B,121Cからなるスプール弁で、上方の大径部121Bの周
面と軸部121Aの周面間を接続する油路121Dが形成されて
いる。そして、ニュートラルレバー123をハンドル7側
に揺動させた状態で第10図に示すように大径部121B,121
Cを介して油路93,107,119相互間を遮断し、ニュートラ
ルレバー123をハンドル7から離した状態で、第9図に
示すように、油路121D及び軸部121Aを介して油路93,10
7,119相互間を連通するように構成し、アーム127はスプ
リング133により油路93,107,119相互間を連通する方向
に付勢する。実施例ではこのアーム127が切換弁121の作
動部材を構成している。
次に油圧式変速装置13作動について説明する。
エンジン側の出力軸59によりオイルポンプ15の駆動軸
43が回動する。
前進時には、駆動軸43の回動によりシリンダブロック
47が回動して各ピストン49を往復動させ、オイルをオイ
ルフィルタ97、油路87,89,91、チェック弁113、油路93,
95を経て吸込ポート51から吸込み、吐出ポート53、油路
103,105,107を経てオイルモータ17のインレットポート7
7に供給する。そして、オイルモータ17の各ピストン75
を往復動させてシリンダブロック73を回動し、シリンダ
ブロック73の回動により出力軸69を回動し、エンジンの
動力は減速機構19を経て車軸33に伝達される。オイルは
アウトレットポート79から油路111,93,95を経てオイル
ポンプ15の吸込ポート51に循環される。この流れを第8
図に実線矢印で示す。
変速は変速レバー65により斜板45の傾斜角を変化させ
て行い、ニュートラル時には斜板45は駆動軸43に対して
垂直となり、ピストン49は往復動せず、オイルは循環し
ない。
後進時には、斜板45の傾斜角は前進時の傾斜角とは逆
向きになり、オイルを油路87,89,91、チェック弁115、
油路107,105,103を経て吐出ポート53から吸込み、吸込
ポート51、油路95,93,111を経てオイルモータ17のアウ
トレットポート79に供給する。
そして、オイルモータ17の各ピストン75を往復動させ
て前進時とは逆向きにシリンダブロック73、出力軸69を
回動し、車軸33を逆転させる。オイルはインレットポー
ト77から油路107,105,103を経てオイルポンプ15の吐出
ポート53に循環される。この流れを第8図に点線矢印で
示す。
そして前進、後進時において、ニュートラルレバー12
3をハンドル7から離間する方向に揺動させれば、切換
弁121の作動によりオイルはオイルモータ17に供給され
ず、オイルモータ17は停止し、車軸33はフリーの状態と
なる。
以上において、減速機構19を収容するリダクションケ
ース21を利用し、このリダクションケース21にオイルポ
ンプ15、オイルモータ17を取着したので、部品点数の増
加を抑制し、油圧式変速装置13のコンパクト化を図るこ
とができる。
また、切換弁121の作動により後輪5をフリーの状態
にでき、切換弁121を、オイルポンプ15とオイルモータ1
7が取着されたリダクションケース21の壁面37,39とほぼ
直交する壁面129から装入してリダクションケース21の
壁部内に組み込んだので、クラッチ等を要せず、コンパ
クト化を図りつつ車両の取り廻し性等を向上できる。ま
た、リダクションケース21の壁部の冷却効果により切換
弁121の耐久性を高め、切換弁121のランド幅(大径部12
1B,121Cの長さ)を大きく確保してオイル漏れを可及的
に防止することができる。
また、切換弁121を作動するアーム127を、前記壁面12
9に取付け、リダクションケース21の壁面を有効に利用
してオイルポンプ15、オイルモータ17、アーム127を配
設したので、油圧式変速装置13を大型化することなくコ
ンパクトな構造で車両の取り廻し性等を向上できる。ま
た、リダクションケース21にオイルポンプ15、オイルモ
ータ17、アーム127を予め組み付けることができるの
で、組付作業性を高めることができる。
また、オイルモータ17の出力軸69と後輪5の車軸33間
に減速機構19を配設するようにしたので、オイルポンプ
15、オイルモータ17は低トルク高速度回転用、即ち小型
のもので足り、これら油圧機器をコンパクト化できる。
また、リダクションケース21の外面にオイルポンプ1
5、オイルモータ17を取着したので、オイルポンプ15、
オイルモータ17の冷却性に優れる。
尚、実施例においては、オイルポンプ15としてアキシ
ャルピストンポンプを用い、オイルモータ17としてアキ
シャルピストンモータを用いた場合について説明した
が、オイルポンプ15、オイルモータ17の形式は実施例の
ものに限らず、他の形式のものを用いてもよく、またオ
イルポンプ15、オイルモータ17の少なくとも一方に可変
容量形のものを用いればよい。
また、切換弁121の構造はスプール弁に限らず任意
で、例えばロータリ弁等で構成してもよい。
また、ニュートラルレバー123の作動時にはオイルポ
ンプ15とオイルモータ17間を接続する油路93,107を切換
弁121により共にリダクションケース21内に連通するよ
うにしてもよく、或いは油路93と107を連通するように
してもよい。
また、実施例ではオイルモータ17の出力軸69と後輪5
の車軸33間に減速機構19を配設した場合について説明し
たが、減速機構19はオイルポンプ15とエンジン側の出力
軸59間に配設して油圧式変速装置13を構成しもよい。
また、実施例では油路にチェック弁113,115を設けて
前進と後進を行わせるようにしたが、これらのチェック
弁113,115を設けず前進のみを行う回路で構成してもよ
い。
また、オイルポンプ15とオイルモータ17を接続する油
路は閉塞回路でも開放回路でもよい。
(発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、部品
点数の増加を抑制し、コンパクトな構造で車両の取り廻
し性等を向上できる油圧式変速装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は芝刈り機の側面図、第2図は油圧式変速装置の
左側面図、第3図は同・右側面図、第4図は同・展開
図、第5図は第2図のV矢視から視たリダクションケー
スの図、第6図は第5図のVI矢視図、第7図は第5図の
VII−VII線断面図、第8図は回路図、第9図及び第10図
は切換弁の作動状態を示す断面図である。 尚図面中、5は後輪、7はエンジン、13は油圧式変速装
置、15はオイルポンプ、17はオイルモータ、19は減速機
構、21はリダクションケース、33は車軸、113,115はチ
ェック弁、121は切換弁である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪を備え、エンジンや電動機の動力源
    が搭載された車両において、 減速機構を収容したリダクションケースを設け、 オイルポンプと、該オイルポンプの動力で駆動されるオ
    イルモータを夫々前記リダクションケースに取着し、 前記オイルポンプとオイルモータの少なくとも一方を可
    変容量形とし、 前記減速機構とオイルポンプとオイルモータにより動力
    源の動力を変速して駆動輪の車軸側に伝達する油圧式変
    速装置を構成し、 前記オイルポンプとオイルモータ間を接続する油路をリ
    ダクションケースの壁部に形成し、 オイルポンプの吐出ポートとオイルモータのインレット
    ポート間を接続する油路をオイルタンク側に連通、遮断
    する切換弁を、オイルポンプとオイルモータが取着され
    たリダクションケースの壁面とほぼ直交する壁面129か
    ら挿入してリダクションケースの壁部内に組込み、 前記切換弁に接続し該切換弁を作動する作動部材をリダ
    クションケースの前記壁面129上に取付けるようにした
    ことを特徴とする車両の油圧式変速装置。
JP13419187A 1987-05-29 1987-05-29 車両の油圧式変速装置 Expired - Lifetime JP2514204B2 (ja)

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