JP2513728Y2 - 貼替え容易な壁紙用紙 - Google Patents

貼替え容易な壁紙用紙

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JP2513728Y2
JP2513728Y2 JP1993044980U JP4498093U JP2513728Y2 JP 2513728 Y2 JP2513728 Y2 JP 2513728Y2 JP 1993044980 U JP1993044980 U JP 1993044980U JP 4498093 U JP4498093 U JP 4498093U JP 2513728 Y2 JP2513728 Y2 JP 2513728Y2
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孝二 城田
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那須製紙株式会社
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【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は京壁風の凹凸模様を有
し、かつ貼替えの際、下地の補修を必要としない壁紙用
紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、壁紙には坪量80〜200g/m
の2層抄き和紙が用紙として多く用いられている。こ
れは任意の色彩を有するが、特に日本間の感覚に合致す
る白色や土質色系統のものが好まれている。これに各種
の模様を印刷し、さらにエンボシングによる凹凸模様を
組合せて、いわゆる京壁風の壁紙が志向されている。こ
のエンボシングは壁紙の強度や腰の強さなど貼付けに必
要な特性を損ないやすい欠点があったので、本考案者は
エンボシングによらずに凹凸模様を形成する手段とし
て、3層抄きとし、かつその中層をたとえば鋸屑を分散
させた紙層とし、その上に低坪量の表層を抄き重ねるこ
とにより解決した(実願昭61−125577号参
照)。
【0003】壁紙は通常ベニヤ板,アスベスト,石膏ボ
ードなどの下地に貼られているが、剥がすときに下地が
むけたり小穴が生じたりするので、これらを補修した後
でなければ貼替えができないという問題点を有してい
た。補修の手間を省く方法として抄合せた上の紙層を剥
がして下の紙層を下地に残しておくことが考えられる。
しかし前記実願昭61−125577号に開示した三層
抄き壁紙用紙(以下従来技術という)は、図4の説明図
に示したように中層2から剥がそうとすると、この層に
分散されている鋸屑4の一部がパルプ繊維とともに裏層
3にむしり取られるため平らな裏層を下地に残すことは
不可能であった。このように壁紙全部を剥がす場合、
上の紙層だけを剥がす場合、いずれの場合にも補修の
手間がかかるのが現状であった。本考案は従来技術の有
するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は貼替えの際、下地補修を必要としない三層抄き
壁紙用紙を提供することにある。
【0004】本考案者はたとえば特定量の熱水溶解性繊
維状PVAバインダーを中層の紙料に追加混合すること
により、前記、の場合とは異なって、図3の説明図
に示したように糊料の滲透層7の上から剥き取ることが
でき、下地6に残された紙層イが平らな面を有すること
を見出し本考案に至った。
【0005】本考案は、表面に凹凸模様を有する三層抄
き壁紙用紙において、パルプ繊維を主体とする坪量8〜
25g/mの表層と、パルプ繊維と異形かつ異色材料
とこれらを結合した接着剤とを主体とする中層と、パル
プ繊維を主体とする裏層とから成り、前記表層および裏
層が事実上中層に接着されていることを特徴とする貼替
え容易な壁紙用紙である。
【0006】異形かつ異色材料(以下、異形、異色材料
という)は用紙の表面に凹凸模様を形成させるために用
いる材料で、パルプ繊維(たとえば木材パルプ、模造故
紙などでは径5〜20μm、長さ1〜5mm)に比し大
きさが著しく大きく、色彩が異なるものをいう。該材料
としては藁屑(稲、麦)、藺草屑、ちがや屑、鋸屑、籾
殻、木毛、などの草木本屑を例示できるが、糸屑のよう
に凹凸模様が形成できる程度の大きさがあって、抄紙可
能であるものはすべて使用でき、その形状、大きさに制
限はない。特に藁屑や鋸屑は入手しやすく前記和壁の土
質の風合いを出すのに好適な材料である。 本考案者は
好適に使用できた乾燥状態の稲藁粉砕屑についてランダ
ムに試料を採取し、その大きさを測定したところ長さ7
〜14mm、直径約330μmであった。また、異形、
異色材料は通常粗原料から挾雑物が除かれたもので蒸
解、蒸煮などの処理は特別の場合を除き必要ではない。
しかし凹凸模様を強調するために該材料を着色する場合
には、該材料の状態により予め乾燥処理をすることが好
ましい場合もある。なお、雲母、金箔のような平面的な
材料を異形、異色材料と併用することは自由である。異
形、異色材料は通常、中層用紙料(接着剤を除く)中5
〜30重量%の範囲で用いられる。
【0007】接着剤としては紙料中に混合して定着でき
るものであれば天然、合成の別を問わないが、接着用
合成繊維 ポリアクリル酸ソーダのような水溶性接着
剤アクリロニトリル−ブタジェンラテックス(特開昭
60−9995号)などが知られている。これらのうち
抄紙しやすいのは接着用合成繊維であって、熱水溶解性
を利用したものと熱融着性を利用したものがある。
【0008】熱水溶解性を利用したものとしてはPVA
繊維状バインダーを例示できる。これは抄紙機の乾燥工
程の前、中期即ち湿紙水分約40〜70%のところで溶
解、接着(以下、溶着という)するもので溶解温度が6
0℃前後のものと70℃前後のものが知られている。
【0009】熱融着性を利用したものは、乾燥工程の終
期に紙匹温度がその融点以上に達したときに融着するも
ので、ポリエチレン系合成パルプSWP▲R▼UL41
0(融点約94℃、三井石油化学(株)製)、ポリエチ
レン系樹脂と高融点合成繊維との複合繊維やビニヨン
(Vinyon、商標、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重
合体、融点約76℃)などを例示できる。なお前記合成
パルプなどのように融点の高いものを用いる場合には熱
風乾燥、赤外線乾燥その他紙匹の昇温に有効な処理を併
用することにより融着させることができる。
【0010】接着用合成繊維は中層のパルプ繊維に対し
て3〜20重量%の範囲で用いることができる。3重量
%以下では本考案の目的を達成し難く、20重量%以上
では結束が生じやすく、また地合もとりにくくなる。好
ましい範囲は5〜10重量%である。
【0011】表層の坪量は8〜25g/mの低坪量と
して異形、異色材料の剥離、脱落を防ぐとともに凹凸模
様が形成されるように構成する。また壁紙を貼替える際
にその中層から剥がしやすくするため、中層の坪量を裏
層の坪量と同等以上にすることが好ましい。各層に用い
るパルプ繊維の種類には制限はなく、通常NBKP、L
BKP、模造故紙などが用いられる。
【0012】
【作用】前記乾燥工程において、接着用合成繊維は中層
の各紙料どうしを接着し引張強度を高める。さらにこの
接着用合成繊維の一部は中層に接している表層および裏
層面のパルプ繊維ともその交叉点で接着の役目をはた
す。その結果、糊料の浸透層から上の紙層が剥がしやす
くなる。
【0013】本考案では前記のように層間に格別な接着
剤層を設けることなく層間接着されたことを事実上の接
着という。
【0014】以下の実施例においては接着剤の代表例と
して抄紙しやすく、かつ溶解温度が低いPVA繊維状バ
インダーを用いる場合について述べるが、前記熱融着性
合成繊維についても同様に実施できるものである。
【0015】
【実施例1】坪量110.7g/mの本考案壁紙用紙
と比較例として坪量118.8g/mの従来の壁紙用
紙を3層抄きヤンキーマシンで抄造した。以下%は重量
%である。各層の坪量は本考案、比較例ともほぼ同じ比
率で配分した。(表1.1欄参照)。
【0016】
【表1】
【0017】中層の紙料配合(接着用合成繊維を除く)
は両例ともBKP、模造故紙などのパルプ繊維75%、
鋸屑25%に揃えた。本考案では熱水溶解性PVA繊維
状バインダー(以下PVAバインダーという)としてビ
ニロンVPB107−2(商標、繊維長4mm、繊度
1.5デニール、溶解温度約60℃、(株)クラレ製)
を中層のパルプ繊維あたり5%混合した。表層、裏層の
紙料配合や各層のサイズ剤、定着剤、紙力増強剤の添加
なども両例とも同じようにした。次いで前記各紙料を抄
合わせヤンキードライヤー表面温度105〜108℃で
乾燥した後リールに巻取った。両例とも表面が土壁色で
鋸屑による不規則な凹凸模様が示されており、密度も同
等なので(表1.1欄)いずれが本考案のものか外観か
らは判別しにくいものであった。両例のその他の特性値
も表1.1欄に示した。なお、表1の各項目の測定はJ
ISP8110〜8132に準拠した。両例の相違点は
PVAバインダーを使用した本考案品の方が縦裂断長に
おいて4割位強くなっていることである。
【0018】両例の壁紙用紙を幅10cm、長さ20c
mの短冊状に切り、これをベニヤ板に市販の壁紙用糊料
を用いて貼付けたものを3枚づつ作成した。乾燥後中層
から剥がし、それぞれについて特性値を測定し、その平
均値を表1.2欄に併記した。この結果によれば、本考
案の場合に中層から剥がした紙層の坪量は95.2g/
で、これは表層と中層の合計坪量よりも31.7g
/m多い。このことは裏層47.2g/mのかなり
の部分が中層に伴われて剥がされたことを意味する。従
って下地に残された紙層の坪量は15.5g/mとな
り(3欄)、実質的に糊料の滲透層が残されたと観察さ
れ、その面は滑らかであった。図3は本考案の壁紙用紙
の試料をベニヤ板6に貼付け中層2から剥がした観察結
果を説明する要部断面図である。7が糊料の滲透層、イ
が下地に残された紙層、ロが中層に伴われて剥がされた
紙層3の一部であって鋸屑4をおおっている。このよう
な結果が得られた原因はPVAバインダーを用いたた
めに裏層が事実上中層に接着されたこと、裏層がパル
プ繊維主体の均一な搦合い構造であること、剥がした
紙層の引張強度、厚さ、伸びともに大きい(2欄)こと
等によって糊料の滲透層を境にして剥がされたものと考
えられる。このように本考案は貼替えの際、下地補修を
必要としないものであった。
【0019】次に比較例においては中層から剥がした紙
層の坪量は2欄に記載したように60.3g/mで、
これは表層と中層の合計坪量よりも8.3g/m
い。このことは中層から8.3g/mが裏層にはがし
とられ下地に残されたことを意味する(図4.イ)。従
って下地に残された紙層の坪量は裏層の坪量より多く5
8.5g/mとなった(3欄)。図4のハに示したよ
うに下地の紙面の状態は毛羽立った紙層に鋸屑が無数に
散在し紙むけも発生していた。比較例では中層に分散さ
れた鋸屑の存在により、その裏面強度が弱いことがこの
ような粗面の紙層を下地に残した原因と考えられた。剥
がした紙層2の裏面も図4に示したように毛羽立ってい
るため裂断長が本考案の場合の1/2にすぎず、伸びも
著しく小さいので(2欄)剥がし作業の際の切断トラブ
ルが大きいと考えられた。
【0020】
【考案の効果】本考案は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載した効果を奏する。 中層に分散した接着剤は中層の紙料同志を接着するだ
けでなく、事実上表層および裏層をも接着するので中層
から剥がす際、異形異色材料が裏層にとられることがな
い。 糊料の滲透層を境にして剥がすことができ滑らかな下
地を残すことができる。 剥がす紙層の厚さ、引張強度、伸びが大きいため、剥
がしやすく、また紙層が切断することなく順調に作業す
ることができる。 接着剤は中層に使用されるので乾燥工程においてド
ライヤー汚れを起す恐れがなく製造がしやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一例を示した平面部分図である。
【図2】図1の模式断面図である。
【図3】本考案の効果を示した説明図である。
【図4】従来の壁紙用紙の問題点を示した説明図であ
る。
【符号の説明】
A 本考案の壁紙用紙 B 凹凸模様 1 表層 2 中層 3 裏層 4 異形、異色材料 5 接着用合成繊維 6 下地 7 糊料の滲透層 イ 下地に残された紙層 ロ 裏層から剥がれた紙層 ハ 中層から剥がれた紙層

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸模様を有する三層抄き壁紙用
    紙において、パルプ繊維を主体とする坪量8〜25g/
    の表層と、パルプ繊維と異形かつ異色材料とこれら
    を結合した接着用合成繊維とを主体とする中層と、パル
    プ繊維を主体とする裏層とから成り、前記表層および裏
    層が事実上中層に接着されていることを特徴とする貼替
    え容易な壁紙用紙。
  2. 【請求項2】 異形かつ異色材料が草木本屑である請求
    項1記載の貼替え容易な壁紙用紙。
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