JP2513635Y2 - 倍力装置 - Google Patents
倍力装置Info
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- JP2513635Y2 JP2513635Y2 JP40301390U JP40301390U JP2513635Y2 JP 2513635 Y2 JP2513635 Y2 JP 2513635Y2 JP 40301390 U JP40301390 U JP 40301390U JP 40301390 U JP40301390 U JP 40301390U JP 2513635 Y2 JP2513635 Y2 JP 2513635Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve plunger
- reaction
- booster
- reaction disc
- valve
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- Braking Systems And Boosters (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本考案は、倍力装置におけるリア
クションディスクの改良に関する。
クションディスクの改良に関する。
【従来の技術】従来、倍力装置として、シェル内に摺動
自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに摺動
自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プランジャと、上
記バルブボディに基部を摺動自在に嵌合して上記弁プラ
ンジャに対向させた出力軸と、この出力軸の基部と弁プ
ランジャとの間に介在されて、出力軸に作用する出力の
反力を弁プランジャを介して入力軸に伝達するリアクシ
ョンディスクとを備え、上記入力軸が前進されない非作
動状態で上記リアクションディスクと弁プランジャとの
間に間隙を形成するものは知られている。そして、入力
軸が前進される倍力装置の作動時には、上記リアクショ
ンディスクが軸方向に圧縮されることで、該リアクショ
ンディスクの軸部が弁プランジャにむけて膨出して、リ
アクションディスクと弁プランジャとが当接し、それに
よって出力軸から所定のサーボ比の出力が得られるよう
になっている。また、上記弁プランジャとリアクション
ディスクとが当接した時点では出力が急激に上昇するよ
うになり、その急激な出力上昇は一般にジャンピングと
称されている。
自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに摺動
自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プランジャと、上
記バルブボディに基部を摺動自在に嵌合して上記弁プラ
ンジャに対向させた出力軸と、この出力軸の基部と弁プ
ランジャとの間に介在されて、出力軸に作用する出力の
反力を弁プランジャを介して入力軸に伝達するリアクシ
ョンディスクとを備え、上記入力軸が前進されない非作
動状態で上記リアクションディスクと弁プランジャとの
間に間隙を形成するものは知られている。そして、入力
軸が前進される倍力装置の作動時には、上記リアクショ
ンディスクが軸方向に圧縮されることで、該リアクショ
ンディスクの軸部が弁プランジャにむけて膨出して、リ
アクションディスクと弁プランジャとが当接し、それに
よって出力軸から所定のサーボ比の出力が得られるよう
になっている。また、上記弁プランジャとリアクション
ディスクとが当接した時点では出力が急激に上昇するよ
うになり、その急激な出力上昇は一般にジャンピングと
称されている。
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のリアクションディスクは、弾性体としてのゴムだけ
で製造していたので、上述のように倍力装置が作動され
ている膨張した状態から倍力装置が非作動状態に切り換
わると、上記リアクションディスクはゴムの復元力だけ
で元の形状に復帰し、それによって、非作動状態のリア
クションディスクと弁プランジャとの間に上記間隙を維
持する様にしていた。しかしながら、入力軸の踏み込み
が繰り返し頻繁に行われて、倍力装置の作動状態と非作
動状態とが短時間で繰り返されるような状況では、ゴム
だけから製造していた従来のリアクションディスクで
は、その復元力が低下するようになる。そのため、繰り
返し倍力装置を作動させた後の各非作動状態のリアクシ
ョンディスクと弁プランジャとの間隙にばらつきが生じ
て、その後に倍力装置が作動された時のジャンピング量
のばらつきが大きくなっていた。また、新品の倍力装置
におけるリアクションディスクと長期間使用した後の倍
力装置におけるリアクションディスクとでは、ゴムの変
質等によってリアクションディスクの膨張率が異なって
くるので、この場合にも、倍力装置の作動時におけるジ
ャンピング量のばらつきが大きくなっていた。そして、
このようなジャンピング量のばらつきは、ブレーキ反力
のばらつきとして運転者に伝達されるようになるので、
運転者の良好なブレーキフィーリングが阻害される結果
となっていた。さらに、従来では、ブレーキペダルの踏
み込み時とブレーキペダルの解放時との入力の差である
ヒステリシスを大きくすることで、運転者に良好なブレ
ーキフィーリングを付与することが出来ることは知られ
ており、リアクションディスクに用いるゴムの硬度を高
くすることで、大きなヒステリシスを確保しようとする
考え方があった。しかしながら、大きなヒステリシスを
確保するためにリアクションディスクのゴムの硬度を高
くすると、倍力装置が低温下で使用された場合にリアク
ションディスクの硬度が常温時よりも高くなるので、常
温時の場合に比較して低温時のジャンピング量が大きく
なり、それによって、運転者のブレーキフィーリングが
阻害されるという欠点がある。したがって、本考案の目
的は、ジャンピング量のばらつきを減少させることと、
ゴムの硬度を高くすることなく大きなヒステリシスを確
保することである。
来のリアクションディスクは、弾性体としてのゴムだけ
で製造していたので、上述のように倍力装置が作動され
ている膨張した状態から倍力装置が非作動状態に切り換
わると、上記リアクションディスクはゴムの復元力だけ
で元の形状に復帰し、それによって、非作動状態のリア
クションディスクと弁プランジャとの間に上記間隙を維
持する様にしていた。しかしながら、入力軸の踏み込み
が繰り返し頻繁に行われて、倍力装置の作動状態と非作
動状態とが短時間で繰り返されるような状況では、ゴム
だけから製造していた従来のリアクションディスクで
は、その復元力が低下するようになる。そのため、繰り
返し倍力装置を作動させた後の各非作動状態のリアクシ
ョンディスクと弁プランジャとの間隙にばらつきが生じ
て、その後に倍力装置が作動された時のジャンピング量
のばらつきが大きくなっていた。また、新品の倍力装置
におけるリアクションディスクと長期間使用した後の倍
力装置におけるリアクションディスクとでは、ゴムの変
質等によってリアクションディスクの膨張率が異なって
くるので、この場合にも、倍力装置の作動時におけるジ
ャンピング量のばらつきが大きくなっていた。そして、
このようなジャンピング量のばらつきは、ブレーキ反力
のばらつきとして運転者に伝達されるようになるので、
運転者の良好なブレーキフィーリングが阻害される結果
となっていた。さらに、従来では、ブレーキペダルの踏
み込み時とブレーキペダルの解放時との入力の差である
ヒステリシスを大きくすることで、運転者に良好なブレ
ーキフィーリングを付与することが出来ることは知られ
ており、リアクションディスクに用いるゴムの硬度を高
くすることで、大きなヒステリシスを確保しようとする
考え方があった。しかしながら、大きなヒステリシスを
確保するためにリアクションディスクのゴムの硬度を高
くすると、倍力装置が低温下で使用された場合にリアク
ションディスクの硬度が常温時よりも高くなるので、常
温時の場合に比較して低温時のジャンピング量が大きく
なり、それによって、運転者のブレーキフィーリングが
阻害されるという欠点がある。したがって、本考案の目
的は、ジャンピング量のばらつきを減少させることと、
ゴムの硬度を高くすることなく大きなヒステリシスを確
保することである。
【課題を解決するための手段】すなわち、本考案は、シ
ェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブ
ボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プラ
ンジャと、上記バルブボディに基部を摺動自在に嵌合し
て上記弁プランジャに対向させた出力軸と、この出力軸
の基部と弁プランジャとの間に介在されて、出力軸に作
用する出力の反力を弁プランジャを介して入力軸に伝達
するリアクションディスクとを備え、上記入力軸が前進
されない非作動状態で上記リアクションディスクと弁プ
ランジャとの間に間隙を形成した倍力装置において、上
記リアクションディスク内の上記弁プランジャと当接す
る当接面若しくはその近傍に、軸方向と交差する方向に
繊維状材料を埋設するように構成したものである。
ェル内に摺動自在に設けたバルブボディと、このバルブ
ボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と連動する弁プラ
ンジャと、上記バルブボディに基部を摺動自在に嵌合し
て上記弁プランジャに対向させた出力軸と、この出力軸
の基部と弁プランジャとの間に介在されて、出力軸に作
用する出力の反力を弁プランジャを介して入力軸に伝達
するリアクションディスクとを備え、上記入力軸が前進
されない非作動状態で上記リアクションディスクと弁プ
ランジャとの間に間隙を形成した倍力装置において、上
記リアクションディスク内の上記弁プランジャと当接す
る当接面若しくはその近傍に、軸方向と交差する方向に
繊維状材料を埋設するように構成したものである。
【作用】このような構成によれば、入力軸が前進される
倍力装置の作動時に、リアクションディスクが軸方向に
圧縮されて弾性変形する際には、上記繊維状材料によっ
てリアクションディスクの弾性変形に抵抗が掛けられる
ようになり、その後で弾性変形したリアクションディス
の当接面が弁プランジャと当接するようになる。また、
一方、上記作動状態から入力軸が後退される非作動状態
に切り換えられる時には、上記繊維状材料が収縮しよう
とする復元性によって、膨出して弁プランジャに当接し
ていたリアクションディスクの当接面は、弾性変形前の
元の状態に迅速に復帰するようになる。そのため、倍力
装置の作動状態と非作動状態とが短時間のうちに繰り返
し行われる場合であっても、一旦、非作動状態となった
時の上記リアクションディスクと弁プランジャとの間隙
のばらつきを少なくすることができるので、従来のゴム
だけの復元性に頼っていたリアクションディスクに比較
すると、上述した状況におけるジョンピングのばらつき
を減少させることができる。また、倍力装置が作動状態
から非作動状態に切り換えられたときには、上記繊維状
材料の復元性によってリアクションディスクが元の非作
動状態に迅速に復帰するので、ゴムからなるリアクショ
ンディスクの硬度を高くすることなくヒステリシスを大
きくすることが出来る。そのため、上述したリアクショ
ンディスクのゴムの硬度を高くしてヒステリシスを大き
くする場合のように、低温時のジャンピング量が常温時
のジャンピング量に比較して極端に大きくなるようなこ
とがない。したがって、従来に比較して倍力装置のジャ
ンピングのばらつきを減少させることができるととも
に、リアクションディスクに用いるゴムの硬度を高くす
ることなく大きなヒステリシスを確保することができ
る。
倍力装置の作動時に、リアクションディスクが軸方向に
圧縮されて弾性変形する際には、上記繊維状材料によっ
てリアクションディスクの弾性変形に抵抗が掛けられる
ようになり、その後で弾性変形したリアクションディス
の当接面が弁プランジャと当接するようになる。また、
一方、上記作動状態から入力軸が後退される非作動状態
に切り換えられる時には、上記繊維状材料が収縮しよう
とする復元性によって、膨出して弁プランジャに当接し
ていたリアクションディスクの当接面は、弾性変形前の
元の状態に迅速に復帰するようになる。そのため、倍力
装置の作動状態と非作動状態とが短時間のうちに繰り返
し行われる場合であっても、一旦、非作動状態となった
時の上記リアクションディスクと弁プランジャとの間隙
のばらつきを少なくすることができるので、従来のゴム
だけの復元性に頼っていたリアクションディスクに比較
すると、上述した状況におけるジョンピングのばらつき
を減少させることができる。また、倍力装置が作動状態
から非作動状態に切り換えられたときには、上記繊維状
材料の復元性によってリアクションディスクが元の非作
動状態に迅速に復帰するので、ゴムからなるリアクショ
ンディスクの硬度を高くすることなくヒステリシスを大
きくすることが出来る。そのため、上述したリアクショ
ンディスクのゴムの硬度を高くしてヒステリシスを大き
くする場合のように、低温時のジャンピング量が常温時
のジャンピング量に比較して極端に大きくなるようなこ
とがない。したがって、従来に比較して倍力装置のジャ
ンピングのばらつきを減少させることができるととも
に、リアクションディスクに用いるゴムの硬度を高くす
ることなく大きなヒステリシスを確保することができ
る。
【実施例】以下、図示実施例について本考案を説明する
と、図1は基本的に従来公知の構成からなる負圧式ブレ
ーキ倍力装置のシェル内の要部を示したものである。こ
の図1において、1は図示しないシェル内に摺動自在に
設けられたバルブボディであり、このバルブボディ1の
軸部には段付孔1Aを穿設している。段付孔1Aにおけ
るリヤ側の小径部1aには、弁機構を構成する弁プラン
ジャ2を摺動自在に嵌合してあり、この弁プランジャ2
における図示しない右方の端部に入力軸を連結するよう
にしている。上記バルブボディ1における段付孔1Aの
段部全体はフロント側にむけて伸長させた環状突起1b
としてあり、その環状突起1bに出力軸3の基部に形成
した凹陥部3aを摺動自在に嵌合させている。また、該
出力軸3の凹陥部3a内にはゴム製で円盤状のリアクシ
ョンディスク4を収納し、該リアクションディスク4の
右方端面4aの外周側は、上記バルブボディ1の環状突
起1bの端面に当接させるようにしている。したがっ
て、上記リアクションディスク4は、出力軸3の凹陥部
3aと環状突起1bの端面とによって挟持されており、
図1に示したブレーキ倍力装置の非作動状態において
は、リアクションディスク4の右方端面4aと上記弁プ
ランジャ2の端面との間には所要の間隙が形成されてい
る。上述した構成およびそれに基づく作動は、従来公知
の負圧式ブレーキ倍力装置のものと変わるところはな
く、図示非作動状態からブレーキペダルが踏み込まれて
入力軸が前進されると、上記リアクションディスク4が
バルブボディの環状突起1bによって軸方向に圧縮され
るようになる。圧縮されたリアクションディク4は、そ
の右方端面4aの軸部が右方にむけて膨出することで上
記間隙が解消された後、上記弁プランジャ2と当接する
ようになり、その際には、出力軸3から所定のサーボ比
の出力を得ることができる。また、それと同時に出力軸
3に作用する出力の反力は、リアクションディスク4と
弁プランジャ2とを介して図示しない右方側の入力軸に
伝達される。上記リアクションディスク4と弁プランジ
ャ2とが当接した際には出力が急激に上昇し、その急激
な出力上昇は一般にジャンピングと称されているところ
である。しかして、本実施例では、上述したゴム製のリ
アクションディスク4内に、上記弁プランジャ2と当接
する右方の端面4aに近接した位置に、軸方向と交差す
る方向に伸縮性を備えた合成繊維5を埋設するようにし
ている。すなわち、図2に示すように、本実施例では、
多数の直線状の合成繊維5をリアクションディスク4の
半径方向にむけて格子状に配置して埋設するようにして
いる。このように、本実施例のリアクションディスク4
は伸縮性を備えた合成繊維5を埋設しているので、倍力
装置が非作動状態から作動状態に切り換えられて上記リ
アクションディスク4が弾性変形される際には、上記合
成繊維5によってリアクションディスク4の弾性変形に
抵抗が掛けられた後、膨出したリアクションディスク4
の右方の端面4aが弁プランジャ2と当接するようにな
る。また、一方、上記作動状態から入力軸が後退される
非作動状態に切り換わる時には、上記合成繊維5が収縮
しようとする復元性によって、上記弁プランジャ2に当
接していたリアクションディスク4の端面4aは、弾性
変形前の元の状態に迅速に復帰するようになる。そのた
め、ブレーキ倍力装置の作動状態と非作動状態とが短時
間のうちに繰り返し切り換えられる場合であっても、一
旦、非作動状態となった時の上記リアクションディスク
4と弁プランジャ2との間隙のばらつきを少なくするこ
とができる。したがって、従来のゴムだけからなるリア
クションディスクに比較すると、上述した状況における
ジャンピングのばらつきを減少させることができる。ま
た、ブレーキ倍力装置が作動状態から非作動状態に切り
換えられたときには、上記合成繊維5の復元性によって
リアクションディスク4が元の非作動状態に迅速に復帰
するので、リアクションディスク4全体の硬度を高くす
ることなくヒステリシスを大きくすることが出来る。そ
のために、リアクションディスク4のゴムの硬度を高く
してヒステリシスを大きくしようとする場合のように、
低温時のジャンピング量が常温時のジャンピング量に比
較して極端に大きくなるようなことはない。さらに、ブ
レーキ倍力装置を長期間使用して、リアクションディス
ク4のゴムが変質したような場合であっても、上記合成
繊維5によってリアクションディス4が非作動状態に迅
速に復帰することができるので、ゴムだけからなる従来
のリアクションディスク4に比較すると、ブレーキ倍力
装置を長期間使用した後でも、ジャンピングのばらつき
は小さなものとなる。図3は、本考案の第2実施例を示
したものであり、この第2実施例では、リアクションデ
ィスク104に合成繊維105を埋設するに当たって、
該リアクションディスク104の軸心から放射状に配置
するようにしたものである。このような第2実施例の構
成のリアクションディスク104であっても上述した第
1実施例の場合と同様の作用効果を得ることができる。
この第2実施例では、上記第1実施例と対応する部材に
100を加算した部材番号を付している。上述した合成
繊維5、105としては、例えば、ナイロン、レーヨ
ン、テトロン(???社の商品名)、ケブラー(デュポ
ン社の登録商標)等が適当である。なお、上述した実施
例では、合成繊維5をリアクションディスク4内に完全
に埋設するようにしているが、リアクションディスク4
の右方側の端面4aにおける弁プランジャ2と対向する
位置に合成繊維5が露出するように該合成繊維5をリア
クションディスク4に埋設しても良い。また、上記実施
例においては、リアクションディスク4,104に合成
繊維5,105を埋設するようにしているが、合成繊維
の代わりに繊維状とした鋼材を用いても良い。
と、図1は基本的に従来公知の構成からなる負圧式ブレ
ーキ倍力装置のシェル内の要部を示したものである。こ
の図1において、1は図示しないシェル内に摺動自在に
設けられたバルブボディであり、このバルブボディ1の
軸部には段付孔1Aを穿設している。段付孔1Aにおけ
るリヤ側の小径部1aには、弁機構を構成する弁プラン
ジャ2を摺動自在に嵌合してあり、この弁プランジャ2
における図示しない右方の端部に入力軸を連結するよう
にしている。上記バルブボディ1における段付孔1Aの
段部全体はフロント側にむけて伸長させた環状突起1b
としてあり、その環状突起1bに出力軸3の基部に形成
した凹陥部3aを摺動自在に嵌合させている。また、該
出力軸3の凹陥部3a内にはゴム製で円盤状のリアクシ
ョンディスク4を収納し、該リアクションディスク4の
右方端面4aの外周側は、上記バルブボディ1の環状突
起1bの端面に当接させるようにしている。したがっ
て、上記リアクションディスク4は、出力軸3の凹陥部
3aと環状突起1bの端面とによって挟持されており、
図1に示したブレーキ倍力装置の非作動状態において
は、リアクションディスク4の右方端面4aと上記弁プ
ランジャ2の端面との間には所要の間隙が形成されてい
る。上述した構成およびそれに基づく作動は、従来公知
の負圧式ブレーキ倍力装置のものと変わるところはな
く、図示非作動状態からブレーキペダルが踏み込まれて
入力軸が前進されると、上記リアクションディスク4が
バルブボディの環状突起1bによって軸方向に圧縮され
るようになる。圧縮されたリアクションディク4は、そ
の右方端面4aの軸部が右方にむけて膨出することで上
記間隙が解消された後、上記弁プランジャ2と当接する
ようになり、その際には、出力軸3から所定のサーボ比
の出力を得ることができる。また、それと同時に出力軸
3に作用する出力の反力は、リアクションディスク4と
弁プランジャ2とを介して図示しない右方側の入力軸に
伝達される。上記リアクションディスク4と弁プランジ
ャ2とが当接した際には出力が急激に上昇し、その急激
な出力上昇は一般にジャンピングと称されているところ
である。しかして、本実施例では、上述したゴム製のリ
アクションディスク4内に、上記弁プランジャ2と当接
する右方の端面4aに近接した位置に、軸方向と交差す
る方向に伸縮性を備えた合成繊維5を埋設するようにし
ている。すなわち、図2に示すように、本実施例では、
多数の直線状の合成繊維5をリアクションディスク4の
半径方向にむけて格子状に配置して埋設するようにして
いる。このように、本実施例のリアクションディスク4
は伸縮性を備えた合成繊維5を埋設しているので、倍力
装置が非作動状態から作動状態に切り換えられて上記リ
アクションディスク4が弾性変形される際には、上記合
成繊維5によってリアクションディスク4の弾性変形に
抵抗が掛けられた後、膨出したリアクションディスク4
の右方の端面4aが弁プランジャ2と当接するようにな
る。また、一方、上記作動状態から入力軸が後退される
非作動状態に切り換わる時には、上記合成繊維5が収縮
しようとする復元性によって、上記弁プランジャ2に当
接していたリアクションディスク4の端面4aは、弾性
変形前の元の状態に迅速に復帰するようになる。そのた
め、ブレーキ倍力装置の作動状態と非作動状態とが短時
間のうちに繰り返し切り換えられる場合であっても、一
旦、非作動状態となった時の上記リアクションディスク
4と弁プランジャ2との間隙のばらつきを少なくするこ
とができる。したがって、従来のゴムだけからなるリア
クションディスクに比較すると、上述した状況における
ジャンピングのばらつきを減少させることができる。ま
た、ブレーキ倍力装置が作動状態から非作動状態に切り
換えられたときには、上記合成繊維5の復元性によって
リアクションディスク4が元の非作動状態に迅速に復帰
するので、リアクションディスク4全体の硬度を高くす
ることなくヒステリシスを大きくすることが出来る。そ
のために、リアクションディスク4のゴムの硬度を高く
してヒステリシスを大きくしようとする場合のように、
低温時のジャンピング量が常温時のジャンピング量に比
較して極端に大きくなるようなことはない。さらに、ブ
レーキ倍力装置を長期間使用して、リアクションディス
ク4のゴムが変質したような場合であっても、上記合成
繊維5によってリアクションディス4が非作動状態に迅
速に復帰することができるので、ゴムだけからなる従来
のリアクションディスク4に比較すると、ブレーキ倍力
装置を長期間使用した後でも、ジャンピングのばらつき
は小さなものとなる。図3は、本考案の第2実施例を示
したものであり、この第2実施例では、リアクションデ
ィスク104に合成繊維105を埋設するに当たって、
該リアクションディスク104の軸心から放射状に配置
するようにしたものである。このような第2実施例の構
成のリアクションディスク104であっても上述した第
1実施例の場合と同様の作用効果を得ることができる。
この第2実施例では、上記第1実施例と対応する部材に
100を加算した部材番号を付している。上述した合成
繊維5、105としては、例えば、ナイロン、レーヨ
ン、テトロン(???社の商品名)、ケブラー(デュポ
ン社の登録商標)等が適当である。なお、上述した実施
例では、合成繊維5をリアクションディスク4内に完全
に埋設するようにしているが、リアクションディスク4
の右方側の端面4aにおける弁プランジャ2と対向する
位置に合成繊維5が露出するように該合成繊維5をリア
クションディスク4に埋設しても良い。また、上記実施
例においては、リアクションディスク4,104に合成
繊維5,105を埋設するようにしているが、合成繊維
の代わりに繊維状とした鋼材を用いても良い。
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、従来に
比較して倍力装置におけるジャンピングのばらつきを減
少させることができるとともに、リアクションディスク
に用いるゴムの硬度を高くすることなく大きなヒステリ
シスを確保することができるという効果が得られる。
比較して倍力装置におけるジャンピングのばらつきを減
少させることができるとともに、リアクションディスク
に用いるゴムの硬度を高くすることなく大きなヒステリ
シスを確保することができるという効果が得られる。
【図1】本考案の一実施例を示す断面図
【図2】図1のII−II線に沿う断面図
【図3】図2に対応する本考案の他の実施例を示す断面
図
図
1 バルブボディ 2 弁プランジャ 3 出力軸 4,104 リアクションディスク 5,105 合成繊維(繊維状材料)
Claims (1)
- 【請求項1】シェル内に摺動自在に設けたバルブボディ
と、このバルブボディに摺動自在に嵌合されて入力軸と
連動する弁プランジャと、上記バルブボディに基部を摺
動自在に嵌合して上記弁プランジャに対向させた出力軸
と、この出力軸の基部と弁プランジャとの間に介在され
て、出力軸に作用する出力の反力を弁プランジャを介し
て入力軸に伝達するリアクションディスクとを備え、上
記入力軸が前進されない非作動状態で上記リアクション
ディスクと弁プランジャとの間に間隙を形成した倍力装
置において、 上記リアクションディスク内の上記弁プランジャと当接
する当接面若しくはその近傍に、軸方向と交差する方向
に繊維状材料を埋設したことを特徴とする倍力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40301390U JP2513635Y2 (ja) | 1990-12-10 | 1990-12-10 | 倍力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP40301390U JP2513635Y2 (ja) | 1990-12-10 | 1990-12-10 | 倍力装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0487566U JPH0487566U (ja) | 1992-07-29 |
JP2513635Y2 true JP2513635Y2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=31880855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP40301390U Expired - Fee Related JP2513635Y2 (ja) | 1990-12-10 | 1990-12-10 | 倍力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2513635Y2 (ja) |
-
1990
- 1990-12-10 JP JP40301390U patent/JP2513635Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0487566U (ja) | 1992-07-29 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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