JP3856266B2 - 気圧式倍力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のブレーキペダルに対する踏力を倍力してマスタシリンダへと伝えるのに好適に用いられる気圧式倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のブレーキ系統には、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間にブースタ装置としての気圧式倍力装置が設けられている。
【0003】
そこで、図7ないし図11を参照してこの種の従来技術による気圧式倍力装置を、タンデム型の気圧式倍力装置を例に挙げて説明する。
【0004】
図において、1は気圧式倍力装置のケーシングで、該ケーシング1はフロントシェル2、リアシェル3及び中間シェル4から構成され、これらは外周側で互いに気密状態で固着されている。そして、フロントシェル2には前壁2Aの中央部にマスタシリンダ(図示せず)の一部を収納するための段付凹部2Bが形成されている。
【0005】
また、リアシェル3には車両(図示せず)への取付面となる後壁3Aから軸方向外向きに後方筒部3Bが突設されている。一方、中間シェル4には後述のバルブボディ7を挿通させるための孔部4Aが、その中央部に形成されている。
【0006】
5,6はケーシング1内に設けられたダイヤフラム等からなるパワーピストンで、該パワーピストン5は外周側がフロントシェル2と中間シェル4との間に固着され、フロントシェル2と中間シェル4との間に形成される前室を第1の負圧室(定圧室)Aと第1の変圧室Bとに画成している。また、パワーピストン6は外周側がフロントシェル2とリアシェル3との間に中間シェル4を介して固着され、中間シェル4とリアシェル3との間に形成される後室を第2の負圧室(定圧室)Cと第2の変圧室Dとに画成している。
【0007】
7はリアシェル3の後方筒部3B、中間シェル4の孔部4Aに挿通され、ケーシング1内を軸方向変位可能に設けられたバルブボディで、該バルブボディ7は大径部7A側がケーシング1内でパワーピストン5,6の内周側に固着され、小径筒部7B側がリアシェル3の後方筒部3Bからケーシング1の外部に延出されている。そして、バルブボディ7はパワーピストン5,6の変位に連動してケーシング1内を軸方向に変位する構成となっている。また、バルブボディ7の大径部7Aには互いに離間して連通路8,9が形成され、連通路9は変圧室B,D間を常時連通させるものである。
【0008】
一方、連通路8は負圧室A,C間を常時連通させるものであると共に、小径筒部7B側に向けて軸方向にも延び、後述のポペット弁体14等と共に変圧室B,Dを負圧室A,Cに連通,遮断させるための弁機構を構成するものである。そして、このためにバルブボディ7の小径筒部7Bには、図8に示す如く連通路8の開口端側に位置して環状の弁座部7Cが形成され、該弁座部7Cにはポペット弁体14が離着座する構成となっている。また、バルブボディ7には大径部7Aの内周側に位置して後述の出力軸22側へと軸方向に突出する筒状突出部7Dが一体形成されている。
【0009】
さらに、バルブボディ7には弁座部7Cの位置から筒状突出部7Dに向けて軸方向に延びる貫通穴としての段付穴10が形成され、該段付穴10内には後述のプランジャ19が摺動可能に挿嵌されている。また、バルブボディ7には小径筒部7Bの基端側に位置して径方向に延びるキー挿入穴11と他の連通路12とが形成され、キー挿入穴11内には後述のストップキー20が挿入されている。そして、連通路12は段付穴10内の大径部側を変圧室D内に常時連通させると共に、連通路9を介して変圧室Bにも常時連通する構成となっている。
【0010】
13は一端側がリアシェル3の後方筒部3Bから外部に突出し、他端側がバルブボディ7の小径筒部7B内に挿入して設けられた入力軸で、該入力軸13は突出端側が車両のブレーキペダル(図示せず)に連結され、ブレーキ操作時には図7中の矢示E1 方向に押動操作される。また、入力軸13の先端(他端)側には図8に示すように球形部13Aが一体形成され、該球形部13Aは後述のプランジャ19にカシメ等の手段を用いて連結されている。
【0011】
14はバルブボディ7の小径筒部7B内に設けられたポペット弁体で、該ポペット弁体14は弾性材料によって略筒状に形成され、その一端側は後述の戻しばね16等を介して小径筒部7Bの内周壁に固着されている。そして、ポペット弁体14の他端側は弱ばね15により、図8に示すようにバルブボディ7の弁座部7Cに向けて常時付勢され、ポペット弁体14は後述するプランジャ19の当接部19Aとバルブボディ7の弁座部7Cとに離着座する構成となっている。
【0012】
16はバルブボディ7の小径筒部7Bと入力軸13との間に配設された戻しばねで、該戻しばね16はバルブボディ7に対して入力軸13を図7中の矢示E2 方向に向けて常時付勢し、押動操作の解除時にはバルブボディ7がケーシング1内を図7に示す初期位置(後述のストップキー20により規制された位置)に戻るまで、バルブボディ7に対して入力軸13を矢示E2 方向に押圧する。これにより、入力軸13への操作解除時に戻しばね16は、図11に示すようにポペット弁体14をバルブボディ7の弁座部7Cから離座させるようになっている。
【0013】
17はバルブボディ7の小径筒部7B内に図7に示す如く装着されたフィルタで、該フィルタ17はケーシング1の外部から小径筒部7B内に導入される外部作動気体としての空気を清浄化し、ケーシング1内にダスト等が侵入するのを防止するものである。
【0014】
18は小径筒部7Bの突出端側を保護するためのブーツを示し、該ブーツ18は弾性材料により蛇腹状の筒体として形成され、その一端側は小径筒部7Bの先端面側に固着されている。また、ブーツ18の他端側はリアシェル3の後方筒部3B先端側に取付られ、図8に示すようにリアシェル3の後方筒部3B内を摺動するバルブボディ7の小径筒部7B外周面をダスト等から保護する構成となっている。
【0015】
19はバルブボディ7の段付穴10内に摺動可能に挿嵌されたプランジャで、該プランジャ19の一端側は段付筒状に形成され、小径筒部7B内ヘと突出している。そして、プランジャ19の突出端側には入力軸13が固着され、プランジャ19は入力軸13と一体に図7中の矢示E1 ,E2 方向に変位する構成となっている。
【0016】
ここで、プランジャ19の突出端側には図8に示すように、バルブボディ7の弁座部7Cよりも小径に形成された環状弁座としての当接部19Aが一体に設けられ、該当接部19Aはポペット弁体14に離着座することにより小径筒部7B内の大気圧を連通路12側に導入,遮断するものである。そして、プランジャ19の当接部19Aはバルブボディ7の弁座部7C及びポペット弁体14と共に弁機構を構成し、小径筒部7B内の大気圧に対する変圧室B,Dの連通,遮断を制御すると共に、負圧室A,Cに対する変圧室B,Dの連通,遮断を後述の如く制御する。
【0017】
また、プランジャ19の他端側は、図8に示す如く段付穴10の小径部側に挿嵌された受圧凸部19Bとなり、該受圧凸部19Bの先端面と後述のリアクションディスク25との間には予め決められた一定寸法の隙間Sが形成されている。さらに、プランジャ19の外周側にはキー挿入穴11と対応する位置に環状溝19Cが形成され、該環状溝19Cにはストップキー20が係合状態で取付けられている。
【0018】
20はプランジャ19の戻り位置を規制するストップキーで、該ストップキー20は略長方形状の平板として形成され、バルブボディ7のキー挿入穴11を介してプランジャ19の環状溝19Cに遊嵌状態で係合されている。そして、ストップキー20の端部はバルブボディ7から径方向に一定寸法だけ突出し、リアシェル3側のストッパ部材21に当接することにより、入力軸13に対する押動操作解除時のバルブボディ7及びプランジャ19の戻り位置を図8に示すように規制する構成となっている。
【0019】
22は入力軸13の押動操作力を倍力した状態で外部に出力するための出力軸で、該出力軸22は一端側に大径のフランジ部22Aが設けられ、該フランジ部22Aはリアクションディスク25を介してバルブボディ7の筒状突出部7Dに嵌合されている。そして、入力軸13への押動操作時に出力軸22は図7中の矢示F1 方向に大きな出力(図9参照)をもって押動されるものである。また、出力軸22の他端側はフロントシェル2の段付凹部2B等を介して外部へと突出し、前記マスタシリンダのピストン(図示せず)を軸方向に押圧する構成となっている。
【0020】
23はバルブボディ7の筒状突出部7D側に設けられたばね受で、該ばね受23は出力軸22のフランジ部22Aを介して筒状突出部7Dの外周側に取付けられ、戻しばね24と共にフランジ部22Aの抜止めを行う構成となっている。また、戻しばね24はばね受23とフロントシェル2の段付凹部2Bとの間に配設され、バルブボディ7を図7中の矢示F2 方向に常時付勢するものである。
【0021】
25はバルブボディ7の筒状突出部7Dと出力軸22のフランジ部22Aとの間に配設されたリアクション部材としてのリアクションディスクで、該リアクションディスク25は弾性樹脂材料からなる円板として形成され、後述の如く負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差により図7中の矢示F1 方向でバルブボディ7に発生する推力を出力軸22に伝達する。
【0022】
ここで、リアクションディスク25はこのときに図10に示すように弾性変形し、その一部がプランジャ19の受圧凸部19Bに当接する位置まで段付穴10内に向けて寸法S1 分だけ膨出する。そして、この状態でリアクションディスク25は出力軸22からの反力をフランジ部22Aを介して受承すると共に、反力の一部を受圧凸部19Bを介して入力軸13側に伝え、ブレーキペダル側に踏み応えを発生させるものである。
【0023】
26はフロントシェル2に設けられた負圧導入管で、該負圧導入管26は、例えば図7に示すようにL字状に屈曲したパイプ等からなり、エンジンの吸気マニホールドに逆止弁(いずれも図示せず)等を介して接続されている。そして、負圧導入管26は前記エンジンの作動時に吸気マニホールド内で発生した負圧を負圧室A,C内へと導くことにより、これらの負圧室A,C内を大気圧よりも低い圧力に保持するものである。
【0024】
27は前記マスタシリンダをフロントシェル2に固定するための固定ボルト、さらに、28,28,…はリアシェル3の後壁3Aに固着された取付ボルトで、該各取付ボルト28はリアシェル3を含めてケーシング1全体を車両のエンジンルーム内壁等に取付けるものである。
【0025】
このように構成された従来技術による気圧式倍力装置では、まず、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作すると、これにより入力軸13が矢示E1 方向に押動され、プランジャ19も図8に示す隙間Sにおいて入力軸13と一体に変位する。そして、プランジャ19の変位により環状の当接部19Aが、バルブボディ7の弁座部7Cとの当接によって追従を規制されたポペット弁体14から離座すると、バルブボディ7の小径筒部7B内から連通路12,9を介して変圧室B,D内に大気圧が導入され、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間に圧力差が発生する。
【0026】
即ち、図9に示す特性線30の如く、入力軸13への入力(押動操作力)が入力値fa に達した段階でプランジャ19の当接部19Aがポペット弁体14から離座し、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間に圧力差が発生することによってバルブボディ7が前進し、このときの推力がリアクションディスク25を介して出力軸22に伝達され、所謂ジャンプインが生じ、出力軸22からの出力は出力値Fa まで急上昇する。そして、その後は入力軸13への入力(ペダル踏力)が増大するに応じて出力も一定の倍力比で増大することになる。
【0027】
また、入力軸13への踏力が入力値fa を越えた状態では、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差に応じてバルブボディ7がパワーピストン5,6と共に矢示F1 方向に変位し、ポペット弁体14は弁座部7Cに着座した状態でバルブボディ7と共に同方向に変位する。そして、この間にプランジャ19の当接部19Aはポペット弁体14に対する離着座を繰返す。
【0028】
また、入力軸13への踏力を任意の値に保持した状態では、図10に示すように入力軸13に対する矢示E1 方向の入力とリアクションディスク25を介した矢示F2 方向の反力とが釣合った(均衡)状態を保つことにより、プランジャ19の当接部19Aはポペット弁体14に対して着座することになる。
【0029】
さらに、ペダル(入力軸13)を大きく踏込むことにより、図9に示す最大負荷点入力値fb まで入力が増大したときには、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差が最大となり、これ以上に入力軸13を踏込み操作しても圧力差による倍力作用は発揮できなくなる。そして、出力軸22は出力値Fb 以上の領域では入力軸13と実質的に一体となって軸方向に変位し、フランジ部22A側がフロントシェル2の段付凹部2Bに当接した段階でストロークエンドに達する。
【0030】
一方、ブレーキ操作を解除したときには、入力軸13が戻しばね16により矢示E2 方向に押戻され、これに伴ってプランジャ19も同方向に引張られる。このため、プランジャ19の当接部19Aは図11に示すようにポペット弁体14に着座し、変圧室B,Dを大気に対して遮断することになる。また、このときにプランジャ19は当接部19Aを介してポペット弁体14を弱ばね15に抗して矢示E2 方向に押圧し、バルブボディ7の弁座部7Cからポペット弁体14を強制的に離座させる。
【0031】
この結果、負圧室A,Cと変圧室B,Dとが連通路8,12等を介して互いに連通することになり、負圧室A,C内の負圧が変圧室B,D側に導入されることにより負圧室A,Cと変圧室B,Dとがブレーキ操作解除前の圧力差よりも低い圧力差になる。そして、出力軸22はバルブボディ7と共に戻しばね24により矢示F2 方向に押戻され、最終的にはストップキー20の突出端側が図8に示す如くストッパ部材21に当接することになる。
【0032】
そして、ストップキー20がストッパ部材21に当接した状態で、プランジャ19の最終戻り位置が規制され、パワーピストン5,6、バルブボディ7、入力軸13及び出力軸22等が図7に示す初期位置に復帰する。また、ポペット弁体14は、このときにバルブボディ7の弁座部7Cとプランジャ19の当接部19Aとに着座し、変圧室B,Dを負圧室A,Cと同様の負圧状態に保ったまま次なるブレーキ操作に備えることになる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、ブレーキ操作時に図9中の特性線30に沿って入力軸13への踏力(入力)に対して倍力した出力を出力軸22から取出すことができる。しかし、ブレーキ操作の解除時には、入力に対する出力が前記ブレーキ操作時の場合よりも大きな値となり、図9中に示す特性線31のように入力に対して出力が低下していく特性となる。
【0034】
このため、入力軸13と出力軸22との間の入出力特性には、ブレーキ操作時(ペダルの踏込み時及び踏込み保持時)とその解除時(ペダルの踏戻し時)との間で、同じ入力の大きさに対して出力の大きさがブレーキ解除時により大きくなるといったヒステリシスが発生し、ブレーキの解除遅れが起きる等の問題が生じている。
【0035】
即ち、このヒステリシス特性は図10、図11に示すようにリアクションディスク25の挙動に起因するものである。図10に示すブレーキ操作の均衡状態では、出力軸22からの反力をフランジ部22Aを介して受承するリアクションディスク25が、弾性変形してプランジャ19の受圧凸部19Bに当接する位置まで段付穴10内に向けて寸法S1 分だけ膨出し、反力の一部を受圧凸部19Bを介して入力軸13側に伝えている。
【0036】
しかし、この均衡状態からブレーキ操作を解除したときには、プランジャ19が入力軸13と一体に戻しばね16によって矢示E2 方向に押戻され、プランジャ19は、図11に示すようにバルブボディ7の弁座部7Cからポペット弁体14を離座させる。そして、この間に亘りリアクションディスク25は出力軸22側から矢示F2 方向の戻し力を受承し続けるので、図11に示すようにリアクションディスク25の膨出量は、上記均衡状態に対して寸法S2 (S2 >S1 )まで増大することになる。
【0037】
このため、ブレーキ操作時とブレーキ操作の解除時とでは、図9中の特性線30,31の如く入出力特性がヒステリシスをもつことになり、ブレーキ操作の解除時にはブレーキペダルに粘り感等が残って、ブレーキの解除遅れが生じ易くなり、ブレーキフィーリングが悪くなる虞れがある。
【0038】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は入出力特性にヒステリシスが発生するのを抑え、入力軸に対する押動解除時の応答性を高めることができ、例えばブレーキの解除動作を早期に行うことができると共に、ブレーキフィーリングを向上できるようにした気圧式倍力装置を提供することを目的としている。
【0039】
また、本発明の他の目的は、入力に対する出力の倍力比を複数段で切換えることができ、例えば緊急のブレーキ操作時にも十分に大きなブレーキ力を出力として発生できると共に、入出力特性に発生し易いヒステリシスを小さく抑えることができるようにした気圧式倍力装置を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、ケーシングと、外周側が該ケーシングに固着され、該ケーシング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、該パワーピストンの内周側に固着され、前記ケーシング内における該パワーピストンの変位に連動して軸方向に変位可能となったバルブボディと、一端側が前記ケーシングの一側外部に突出し、他端側が該バルブボディに挿入して設けられた入力軸と、外部作動気体に対する前記変圧室の連通,遮断及び前記定圧室に対する前記変圧室の連通,遮断を、前記バルブボディ内に設けられたポペット弁体と協働して行うために前記バルブボディ内に設けられ、該入力軸の押動操作により前記バルブボディに対して相対変位するプランジャと、一端側が前記バルブボディに嵌合され、他端側が前記ケーシングの他側より外部に突出した出力軸と、該出力軸の一端側と前記バルブボディとの間に介在され、前記入力軸の押動操作時に前記変圧室と定圧室との間の圧力差によって前記バルブボディに発生する推力を該出力軸に伝達すると共に、該出力軸からの反力の一部を前記プランジャに伝えるリアクション部材とからなる気圧式倍力装置に適用される。
【0041】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記プランジャは、前記入力軸の他端側が一体的に取付けられ、前記ポペット弁体を作動させる入力軸側部材と、該入力軸側部材に対し相対変位可能に設けられ、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接する第1の出力軸側部材と、前記入力軸側部材及び第1の出力軸側部材に対して相対変位可能に該第1の出力軸側部材に外装され、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接し、外周側には前記バルブボディに対する係止部が設けられた第2の出力軸側部材と、前記第1の出力軸側部材と入力軸側部材との間に配設され、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには、前記第1の出力軸側部材と入力軸側部材との間に自由長状態で介在された第1のスプリング部材と、前記第2の出力軸側部材と入力軸側部材との間に前記第1のスプリング部材と並列に配設され、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには、前記第2の出力軸側部材と入力軸側部材との間に自由長状態で介在された第2のスプリング部材とから構成し、前記バルブボディには、前記入力軸の押動により前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達され前記第1の出力軸側部材が入力軸側部材に対して相対変位しているときに、その途中で前記第2の出力軸側部材の係止部に当接し、前記第2の出力軸側部材がバルブボディに対して相対変位するのを規制する段部を設けたことにある。
【0042】
このように構成することにより、例えばブレーキ操作を行うために入力軸を押動すると、入力軸側部材が入力軸と一体に変位してポペット弁体を作動させ、変圧室と定圧室との間に圧力差が発生する。そして、バルブボディは圧力差によって出力軸側に押動され、出力軸に第1の倍力比をもった出力を発生させる。このときに、出力軸からの反力がリアクション部材を通じて第1,第2の出力軸側部材に伝わることにより、該第1,第2の出力軸側部材が入力軸側部材に向けて相対変位し、第1,第2のスプリング部材を反力に対応した撓み量で弾性変形させると共に、入力軸にも入力軸側部材等を介して反力が伝えられる。
【0043】
さらに、この状態で入力軸への押動操作力を大きくし、これに応じて出力軸からの反力が増大することにより、第2の出力軸側部材に設けた係止部がバルブボディの段部に当接したときには、該バルブボディに対する第2の出力軸側部材の相対変位が規制されるので、出力軸からの反力は第1の出力軸側部材、第1のスプリング部材及び入力軸側部材を通じて入力軸へと伝えられることになり、入力に対する出力の関係を前記第1の倍力比よりも大きい第2の倍力比をもった入出力特性とすることができる。
【0044】
一方、ブレーキ操作を解除するために入力軸への押動を開放したときには、入力軸側部材が入力軸と共にブレーキ操作時とは逆向きに戻され、バルブボディに対してポペット弁体を相対変位させることにより、前記変圧室を定圧室に連通させて両者の圧力差を漸次減少させる。そして、入力の低下に対応して出力も漸次低下されるが、出力軸が初期位置に復帰するまでは第1,第2のスプリング部材が弾性変形状態にあり、第1,第2の出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧し続ける。
【0045】
これによって、第1,第2のスプリング部材は自由長状態に復帰するまで、第1,第2の出力軸側部材をリアクション部材に向けて付勢できるから、該リアクション部材がこれらの出力軸側部材と共に入力軸側部材に向けて後退するように相対変位するのを抑制でき、入出力特性がブレーキ操作時とブレーキ操作の解除時とで異なる特性になるのを防止できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による気圧式倍力装置を図1ないし図6に従って詳細に説明する。なお、実施の形態では前述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0047】
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、41は本実施の形態で採用したバルブボディで、該バルブボディ41は従来技術で述べたバルブボディ7とほぼ同様に大径部41A、小径筒部41B、弁座部41C、筒状突出部41D等によって構成されると共に、連通路8,9,12及びキー挿入穴11が形成されている。
【0048】
しかし、該バルブボディ41では、弁座部41Cから筒状突出部41Dに向けて軸方向に穿設された段付穴42が異なる形状を有し、該段付穴42の端部側に位置して筒状突出部41Dの内周側には、図2に示すように後述の段付スリーブ49に対する軸受筒となったカラー43が着脱可能に嵌合されている。また、バルブボディ41にはカラー43よりも段付穴42の奥所側に環状の段部41Eが形成され、該段部41Eとカラー43との間には、段付スリーブ49が段付穴42内で軸方向に相対変位可能に配設されている。
【0049】
44はバルブボディ41の段付穴42内に設けられたプランジャで、該プランジャ44は従来技術で述べたプランジャ19とは異なり、図2に示すように後述の可動弁座45、反力ピストン46、段付スリーブ49、内側スプリング50及び外側スプリング49等によって構成されている。
【0050】
45はバルブボディ41の段付穴42内に摺動可能に挿嵌され、プランジャ44の一部を構成する入力軸側部材としての可動弁座を示し、該可動弁座45は一端側が段付筒状に形成され、バルブボディ41の小径筒部41B内ヘと突出している。そして、可動弁座45の突出端側には入力軸13の球形部13Aがカシメ等の手段で固定され、これにより可動弁座45は入力軸13と一体となって図1中の矢示E1 ,E2 方向に変位する構成となっている。
【0051】
ここで、可動弁座45の突出端側には図2に示すように、バルブボディ41の弁座部41Cよりも小径に形成された環状弁座としての当接部45Aが一体に設けられ、該当接部45Aはポペット弁体14に離着座することにより、小径筒部41B内の大気圧を連通路12側に導入させたり、遮断したりする。
【0052】
そして、可動弁座45の当接部45Aは、バルブボディ41の弁座部41C及びポペット弁体14と共に弁機構を構成し、小径筒部41B内の大気圧に対する変圧室B,Dの連通,遮断を制御すると共に、負圧室A,Cに対する変圧室B,Dの連通,遮断を後述の如く制御する。
【0053】
また、可動弁座45の他端側には筒形突部45Bが一体形成され、その内周側は円形の凹部45Cとなっている。そして、可動弁座45の凹部45C内には、図2に示す如く後述する反力ピストン46の軸部46B先端側が隙間S11をもって挿入されている。さらに、可動弁座45の中間部外周側にはキー挿入穴11と対応する位置に環状溝45Dが形成され、該環状溝45Dには従来技術と同様にストップキー20が係合状態で取付けられている。
【0054】
46はバルブボディ41の段付穴42内に段付スリーブ49等を介して挿入され、可動弁座45に対して相対変位可能となった第1の出力軸側部材としての反力ピストンを示している。該反力ピストン46は基端側が段付スリーブ49の内周側に摺動可能に挿嵌され、その外周側には環状の鍔部46Aが一体形成されている。そして、反力ピストン46は基端側端面がリアクションディスク25と軸方向で対面し、ブレーキ操作が完全に解除された状態ではリアクションディスク25との間に、予め決められた寸法の隙間Sが図2に示す如く形成される。
【0055】
一方、ブレーキ操作時には、従来技術でも述べたように出力軸22からの反力で、リアクションディスク25が図3に示す如く弾性変形することにより、反力ピストン46は基端側がリアクションディスク25に当接する。そして、反力ピストン46は、このときの反力を内側スプリング50等を介して可動弁座45側に伝えることになる。
【0056】
また、反力ピストン46には、バルブボディ41の段付穴42内を可動弁座45の凹部45Cに向けて軸方向に延びる軸部46Bが一体形成され、該軸部46Bの先端側は凹部45C内に挿入されている。そして、反力ピストン46の軸部46B先端は、入力軸13を後述の最大負荷点入力fb1以上まで強く押動したときに、リアクションディスク25からの反力によって可動弁座45の凹部45C内へと底面に当接する位置まで押込まれ、このときに反力ピストン46は可動弁座45の筒形突部45Bとの間でスプリング50,51の最大撓み量を規制するものである。
【0057】
47は反力ピストン46の軸部46B先端側に着脱可能に取付けられた抜止め部材としての止め輪、48は該止め輪47により軸部46Bの先端側外周に抜止め状態に保持されたばね受で、該ばね受48は環状のプレート等から形成され、その内周側には反力ピストン46の軸部46B先端側が摺動可能に挿嵌されている。そして、ばね受48は可動弁座45の筒形突部45Bとスプリング50,51との間に配設され、スプリング50,51が撓み変形したときのばね力を、可動弁座45に出力軸22からの反力として伝える。
【0058】
49は反力ピストン46の基端側外周に位置してバルブボディ41の段付穴42内に相対変位可能に挿入された第2の出力軸側部材としての段付スリーブで、該段付スリーブ49は反力ピストン46の基端側に外装され、カラー43の内周側に摺動可能に挿嵌された短尺の筒状体として形成されている。そして、段付スリーブ49の外周側には径方向外向きに突出する環状のフランジ部49Aが一体に形成され、該フランジ部49Aはバルブボディ41の段部41Eに当接する係止部を構成している。
【0059】
ここで、段付スリーブ49のフランジ部49Aは、ブレーキ操作の途中までは図2に示す如くクリアランスC1 をもってバルブボディ41の段部41Eから離間し、入力軸13側の操作力が図5に示す入力値fc1に達したときにクリアランスC1 が零(C1 =0)となって、フランジ部49Aがバルブボディ41の段部41Eに当接することにより、バルブボディ41に対する段付スリーブ49の相対変位が規制されることになる。
【0060】
また、段付スリーブ49の内周側には、反力ピストン46の抜止めを行う環状の段差部49Bが形成され、常時は該段差部49Bと反力ピストン46の鍔部46Aとの間に、図2に示す如くクリアランスC2 が確保されている。そして、段付スリーブ49は内周側のクリアランスC2 が外周側のクリアランスC1 よりも大きくなるように形成され、図5に示す入力値fc1でクリアランスC1 が零になった場合でも、クリアランスC2 が零になることはない(C2 >0)。
【0061】
50はバルブボディ41の段付穴42内に位置して反力ピストン46とばね受48との間に配設された第1のスプリング部材としての内側スプリングで、該内側スプリング50は反力ピストン46の軸部46B周囲に挿通されたコイルばね等からなり、図2に示す如く反力ピストン46が出力軸22からの反力を受承するまで(リアクションディスク25と反力ピストン46との間に隙間Sが形成されているとき)は、反力ピストン46とばね受48との間に自由長状態で配設されるものである。
【0062】
即ち、ブレーキ操作を行う前の段階で可動弁座45等が図1、図2に示す初期位置に復帰している状態では、反力ピストン46とばね受48との間に内側スプリング50は自由長状態で介在(介装)され、このときに内側スプリング50はばね力を可動弁座45と反力ピストン46とのいずれにも与えることはない。そして、ブレーキ操作により、入力軸13を図1、図2に示す初期状態作動状態から矢示E1 方向に押動し、所謂ジャンプイン後の均衡状態に達した段階では、図3に示すように出力軸22からの反力によりリアクションディスク25は弾性変形し、反力の一部が反力ピストン46に伝達される。
【0063】
このため、内側スプリング50は反力ピストン46側からの反力により可動弁座45側のばね受48との間で撓み変形され、反力に対応したばね力をもって可動弁座45と反力ピストン46とを互いに逆向きに付勢し、ジャンプイン後の均衡状態を保つ。そして、内側スプリング50は反力ピストン46からの反力が増大するに応じて漸次圧縮変形され、軸部46Bの先端が可動弁座45の凹部45Cに当接するまで圧縮変形される構成となっている。
【0064】
また、ブレーキ操作を解除したときにも、可動弁座45等が初期位置に復帰するまでの間(出力軸22からの反力がリアクションディスク25に伝達されている間)は、内側スプリング50が図4に示すように撓み変形を続ける。これにより、内側スプリング50は反力ピストン46を図4中の矢示F1 方向に付勢し続けることになり、反力ピストン46の端面に向けたリアクションディスク25の膨出量を実質的に一定の大きさ(図4中に示す寸法Sa )に保持し、後述のヒステリシス防止作用を行うものである。
【0065】
51はバルブボディ41の段付穴42内に位置して段付スリーブ49のフランジ部49Aとばね受48との間に配設された第2のスプリング部材としての外側スプリングで、該外側スプリング51は内側スプリング50と同様にコイルばね等によって構成されているものの、該外側スプリング51は内側スプリング50よりもコイル径が大きく、自由長状態での全長も一定寸法だけ長く形成されている。また、外側スプリング51は、段付スリーブ49とばね受48との間に内側スプリング50と並列に配設されている。そして、外側スプリング51は、図2に示す如く段付スリーブ49が出力軸22からの反力を受承するまで、段付スリーブ49とばね受48との間に自由長状態で配設されるものである。
【0066】
即ち、ブレーキ操作を行う前の段階で可動弁座45等が図1、図2に示す初期位置に復帰している状態では、段付スリーブ49とばね受48との間に外側スプリング51は自由長状態で介在(介装)され、可動弁座45と段付スリーブ49とのいずれにもばね力を作用させることはない。そして、ブレーキ操作により、入力軸13を図1、図2に示す初期状態作動状態)から矢示E1 方向に押動し、所謂ジャンプイン後の均衡状態に達した段階では、図3に示すように出力軸22からの反力によりリアクションディスク25は弾性変形し、反力の一部が段付スリーブ49に伝達される。
【0067】
このため、外側スプリング51は段付スリーブ49側からの反力により可動弁座45側のばね受48との間で撓み変形され、反力に対応したばね力をもって可動弁座45と段付スリーブ49とを互いに逆向きに付勢する。そして、外側スプリング51は段付スリーブ49からの反力が増大するに応じて漸次圧縮変形され、例えば段付スリーブ49のフランジ部49Aがバルブボディ41の段部41Eに当接するまで圧縮変形される構成となっている。
【0068】
また、ブレーキ操作を解除したときには、外側スプリング51も内側スプリング50と同様に、可動弁座45等が初期位置に復帰するまで図4に示すように撓み変形を続ける。これにより、外側スプリング51は段付スリーブ49を図4中の矢示F1 方向に付勢し続けることになり、段付スリーブ49の端面側に向けたリアクションディスク25の膨出量を実質的に一定の大きさ(寸法Sb )に保持し、後述のヒステリシス防止作用を行うものである。
【0069】
さらに、外側スプリング51と内側スプリング50とは、段付スリーブ49が段差部49Bにより反力ピストン46の鍔部46Aに対して抜止めされ、ばね受48が止め輪47により反力ピストン46の軸部46B先端側に抜止め状態に保持されることにより、反力ピストン46に対してばね受48及び段付スリーブ49と共にサブアッシー化され、後述の如く組付け作業時に単一のユニットとして取扱われる構成となっている。
【0070】
本実施の形態による気圧式倍力装置は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動については従来技術によるものと格別差異はない。
【0071】
然るに、本実施の形態によれば、バルブボディ41の段付穴42内に位置して入力軸13と出力軸22側のリアクションディスク25との間に配設したプランジャ44を、入力軸13の球形部13Aに固着されポペット弁体14に離着座することにより該ポペット弁体14を作動させる可動弁座45と、該可動弁座45とリアクションディスク25との間に相対変位可能に配設されリアクションディスク25からの反力を受承する反力ピストン46と、該反力ピストン46の基端側外周とカラー43との間に摺動可能に挿嵌されリアクションディスク25からの反力を受承する段付スリーブ49と、反力ピストン46、段付スリーブ49と可動弁座45との間にばね受48を介して配設され常時は自由長状態におかれた内側スプリング50、外側スプリング51とから構成したので、下記のような作用効果を得ることができる。
【0072】
即ち、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作したときには、入力軸13が可動弁座45と共に矢示E1 方向に押動されることにより、可動弁座45の当接部45Aがポペット弁体14を開弁させ、変圧室B,D内に大気圧が導入される。これにより、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間に圧力差が発生し、出力軸22はパワーピストン5,6及びバルブボディ41を介して矢示F1 方向の出力を発生させる。
【0073】
また、このとき、リアクションディスク25は出力軸22からの反力により弾性変形するから、リアクションディスク25は反力ピストン46と段付スリーブ49の基端側端面に当接する位置までカラー43(段付穴42)内に向けて図3中の寸法Sa ,Sb 分だけ膨出する。
【0074】
これにより、内側スプリング50は反力ピストン46と可動弁座45との間で出力軸22(リアクションディスク25)から反力ピストン46に、図3中に示す受圧面積Ap をもって伝達される反力で弾性的に撓み変形され、反力ピストン46をリアクションディスク25側に向けて前記反力に対応したばね力で押圧することになる。
【0075】
また、外側スプリング51はリアクションディスク25から段付スリーブ49に、図3中の受圧面積(As −Ap )をもって伝達される反力により弾性的に撓み変形され、段付スリーブ49をリアクションディスク25側へと前記反力に対応したばね力で押圧することになる。
【0076】
このとき、図5に示す特性線52の如く、入力軸13への入力(押動操作力)が入力値fa1に達した段階で所謂ジャンプインが動的に発生することにより、出力軸22からの出力は出力値Fa1まで急上昇する。そして、その後は入力軸13への入力(ペダル踏力)が増大するに応じて出力も第1の倍力比KA で特性線部52Aの如く増大することになる。
【0077】
この場合、入力に対する出力の第1の倍力比KA は、出力軸22に対するリアクションディスク25の受圧面積Ao と、反力ピストン46の受圧面積Ap 及び段付スリーブ49の受圧面積(As −Ap )とから、
【0078】
【数1】
Figure 0003856266
なる受圧面積比として求められる。
【0079】
また、反力ピストン46と段付スリーブ49とは、リアクションディスク25と可動弁座45との間に、内側スプリング50と外側スプリング51とを介して相対変位可能に設けられているから、リアクションディスク25の膨出量を寸法Sa として、例えば図10に示す従来技術で述べた膨出量S1 に比較してより大きい膨出量(Sa >S1 )に設定することができ、前記ジャンプイン時の出力値Fa1を図9に例示した従来技術の出力値Fa に比較して増大できると共に、倍力比KA 自体も大きく設定することができる。
【0080】
次に、入力軸13の踏込操作力をさらに増大させ、図5に示す入力値fc1まで入力が増大したときには、段付スリーブ49のフランジ部49Aがバルブボディ41の段部41Eに当接して、図3に示すクリアランスC1 が零(C1 =0)となり、バルブボディ41に対する段付スリーブ49の相対変位が規制される。なお、このときにも反力ピストン46の鍔部46Aと段付スリーブ49の段差部49Bとの間のクリアランスC2 が、図3に示す如く零になることはなく(C2 >0)、反力ピストン46の軸部46B先端と可動弁座45の凹部45Cとの間にも隙間S12(S11>S12>0)が確保される。
【0081】
そして、この段階ではバルブボディ41に対する段付スリーブ49の相対変位が規制され、反力ピストン46のみがバルブボディ41に対して相対変位可能となっているから、リアクションディスク25からの反力は反力ピストン46により図3中の受圧面積Ap をもって伝達され、この反力により内側スプリング50が弾性的に撓み変形されると共に、可動弁座45側にはこの反力に対応した力が伝えられることになる。
【0082】
このため、図5に示す特性線52の如く、入力軸13への入力(押動操作力)が入力値fc1に達した段階では、入力の増大に応じて出力軸22からの出力が、第2の倍力比KB (KB >KA )で特性線部52Bに沿って、出力値Fc1以上の大きさに上昇する。この場合、入力に対する出力の第2の倍力比KB は、出力軸22に対するリアクションディスク25の受圧面積Ao と反力ピストン46の受圧面積Ap とから、
【0083】
【数2】
Figure 0003856266
なる受圧面積比として求められる。
【0084】
また、入力軸13をさらに大きく踏込むことにより、反力ピストン46の鍔部46Aと段付スリーブ49の段差部49Bとの間のクリアランスC2 が零(C2 =0)となり、反力ピストン46の軸部46B先端と可動弁座45の凹部45Cとの間の隙間S12も零(S12=0)となる。そして、入力が図5に示す最大負荷点入力fb1まで増大し、全負荷点Kp に達したときには、負圧室A,Cと変圧室B,Dとの間の圧力差が最大となる。
【0085】
そして、この段階では入力軸13をこれ以上踏込み操作しても、圧力差による倍力作用は発揮できなくなり、出力軸22は出力値Fb1以上の領域では入力軸13と実質的に一体となって軸方向に変位する。そして、入力軸13と出力軸22は、フランジ部22A側が図1に示すフロントシェル2の段付凹部2Bに当接した段階でストロークエンドに達する。
【0086】
一方、ブレーキ操作を解除したときには、入力軸13が戻しばね16により矢示E2 方向に押戻されることにより、可動弁座45が当接部45Aを介してポペット弁体14を弱ばね15に抗して矢示E2 方向に押圧し、図4に示す如くバルブボディ41の弁座部41Cからポペット弁体14を強制的に離座させる。
【0087】
このとき、反力ピストン46の軸部46B先端と可動弁座45の凹部45Cとの間の隙間S13は、ポペット弁体14が図4に示す隙間S14をもってバルブボディ7の弁座部7Cから離座することにより、図3に示した隙間S12よりも隙間S14分だけ増加する。これにより、可動弁座45の凹部45Cと軸部46Bの先端との間には、図4に示す隙間S13(S13=S12+S14)が確保される。
【0088】
そして、ポペット弁体14がバルブボディ41の弁座部41Cから離座することにより、負圧室A,Cは変圧室B,Dと連通路8,12等を介して連通するから、負圧室A,C内の負圧が変圧室B,Dに導入され、負圧室A,Cと変圧室B,Dとが大気圧よりも低い圧力で実質的に同圧となる。
【0089】
これによって、出力軸22はバルブボディ41と共に戻しばね24により矢示F2 方向に押戻され、その出力は図5に示す出力値Fb1以下の領域を特性線52の特性線部52B,52Bに沿って減少してゆく。そして、この間に亘ってもリアクションディスク25は出力軸22からの反力を矢示F2 方向の戻し力として受け、図4に示す如くリアクションディスク25はカラー43(段付穴42)内へと膨出するような挙動を続ける。
【0090】
しかし、可動弁座45と反力ピストン46、段付スリーブ49との間に配設した内側スプリング50、外側スプリング51は撓み変形状態にあり、反力ピストン46と段付スリーブ49とをリアクションディスク25側に向けて前記反力に対応した弾性復元力(ばね力)で押圧し続けるから、リアクションディスク25の膨出量が寸法Sa (Sb )以上に大きくなるのを抑え、リアクションディスク25が反力ピストン46、段付スリーブ49と共に可動弁座45側に向けて後退するように相対変位するのを規制できる。
【0091】
このため、ブレーキ操作の解除時にもブレーキ操作時とほぼ同様に、図5に示す特性線52に沿った入出力特性を得ることができ、従来技術のようにブレーキ操作時と解除時とで入出力特性にヒステリシスが発生するのを防止できる。そして、ブレーキ操作の解除時に従来技術のようにブレーキペダルに粘り感が残ったりすることがなくなり、ブレーキの解除遅れが生じる等の問題を解消することができる。
【0092】
従って、本実施の形態によれば、図5に示す特性線52の如く入出力特性にヒステリシスが発生するのを防止でき、ブレーキ操作の解除時に出力軸22を早期に初期位置に復帰させ、ブレーキ解除動作を速やかに行うことができると共に、操作解除時の応答性を高めることができ、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
【0093】
また、通常のブレーキ操作時にあっては、入力軸13への押動力(入力)を入力値fa1〜fc1の範囲内とすることにより、図5に示す特性線部52Aに沿って第1の倍力比KA をもった入出力特性が得られ、通常の踏み力で出力(マスタシリンダからのブレーキ力)が過大になるのを防止できる。
【0094】
そして、緊急ブレーキの操作時等にあっては、入力軸13への入力を図5に示す入力値fc1以上まで増大させることにより、特性線部52Bに沿って第2の倍力比KB をもった入出力特性を得ることができ、このときの第2の倍力比KB を前記第1の倍力比KA よりも大きくすることができる。これにより、車両の運転者は緊急制動時にブレーキペダルを過剰に強く踏込む必要がなくなり、十分な制動力を確保することができる。
【0095】
一方、段付スリーブ49を段差部49Bにより反力ピストン46の鍔部46Aに対して抜止めし、ばね受48を止め輪47により反力ピストン46の軸部46B先端側に抜止めすることにより、内側スプリング50と外側スプリング51とを反力ピストン46の外周側にサブアッシー化した状態に保持する構成としている。このため、組付け作業の途中等でスプリング50,51等が反力ピストン46の外周側から脱落するのを防止でき、これらの取扱いを簡略化し、組立時の作業性を向上させることができる。
【0096】
そして、プランジャ44の反力ピストン46をばね受48、段付スリーブ49、内側スプリング50及び外側スプリング51と共にサブアッシー化し、これらを単一のユニット体として組立てる構成としている。このため、バルブボディ41の段付穴42内にプランジャ44を組付けるときには、図2中の矢示E1 方向から可動弁座45を段付穴42内に挿入し、逆に矢示F2 方向から反力ピストン46のユニット体を段付穴42内に挿入することにより、段付穴42内でプランジャ44を簡単に組立てることができる。
【0097】
また、バルブボディ41の段付穴42内に反力ピストン46のユニットを挿入した後には、カラー43を段付穴42内に筒状突出部41D側から嵌合させることにより、ユニット体の抜止めを容易に行うことができ、これによっても組立時の作業性を向上できる。
【0098】
さらに、予め内径が異なる複数種類のカラー43を用意すると共に、これらのカラー43に対応させて反力ピストン46のユニット体も複数種類用意しておくことにより、受圧面積Ap ,As の異なる複数種類のプランジャ44を容易に製作でき、気圧式倍力装置の他の構成部品を同じにしても、倍力比の変更等に簡単に対処することができる。
【0099】
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、図6に示す特性線61のように入力に対する出力の倍力比を3段階で変化させる構成としたことにある。
【0100】
ここで、特性線部61A,61Bの範囲では、前記第1の実施の形態で述べた特性線部52A,52Bと同様に倍力比KA ,KB をもった入出力特性を得ることができる。しかし、本実施の形態では、入出力特性が図6に示すように全負荷点Kp に達する前に、反力ピストン46の鍔部46Aを段付スリーブ49の段差部49Bに当接させ、入力軸13側の入力が入力値fd1に到達したときに、図3等に例示したクリアランスC2 が零(C2 =0)となるように設定している。
【0101】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、特に本実施の形態では、入力が入力値fd1に達したときに、特性線部61Cに沿って出力を出力値Fd1からFd2(全負荷点Kp )まで急激に上昇させることができ、入力に対する出力の倍力比を3段階で変化させることが可能となる。
【0102】
なお、前記第1の実施の形態では、反力ピストン46の基端側外周に鍔部46Aを設け、段付スリーブ49の内周側には段差部49Bを設けるものとして述べたが、本発明はこれに限らず、例えば鍔部46Aと段差部49Bとの少なくとも一方を廃止し、反力ピストン46と段付スリーブ49との抜止め機能をなくす構成としてもよい。
【0103】
また、前記各実施の形態では、第1,第2の負圧室A,Cと変圧室B,Dとを有するタンデム型の気圧式倍力装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばシングル型の気圧式倍力装置に適用してもよいものである。
【0104】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1に記載の発明によれば、プランジャの入力軸側部材と第1,第2の出力軸側部材との間に、ブレーキの非作動時に自由長状態におかれる第1,第2のスプリング部材を並列に配設し、第2の出力軸側部材の外周部に形成した係止部をバルブボディの段部に当接させることにより、入力軸の押動時に前記第1の出力軸側部材が入力軸側部材に対して相対変位している途中で、第2の出力軸側部材がバルブボディに対して相対変位するのを規制する構成としているから、例えば入力軸を押動操作したときに第1,第2のスプリング部材を弾性変形させ、押動操作の解除時には第1,第2のスプリング部材により第1,第2の出力軸側部材をリアクション部材に向けて押圧でき、該リアクション部材が入力軸側部材に向けて後退するように相対変位するのを抑えることができる。従って、入出力特性にヒステリシスが発生するのを防止でき、入力軸に対する押動解除時の応答性を高めることができると共に、例えばブレーキの解除動作を速やかに行うことができ、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
【0105】
また、入力軸を押動操作したときには、第1,第2の出力軸側部材をバルブボディ内で相対変位させ、最初に第1の倍力比をもった入出力特性を得ることができ、この間に第1,第2のスプリング部材を弾性的に圧縮変形できる。そして、第2の出力軸側部材の係止部がバルブボディの段部に当接して、バルブボディに対する第2の出力軸側部材の相対変位を規制した段階では、前記第1の倍力比よりも大きい第2の倍力比をもった入出力特性を得ることができる。これにより、入力に対する出力の倍力比を複数段で切換えることができ、例えば緊急のブレーキ操作時にも十分に大きなブレーキ力を出力として発生させ、ブレーキの操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。
【図2】プランジャ等を示す図1中の要部拡大図である。
【図3】ブレーキ操作時におけるプランジャの動きを示す図2と同様の拡大図である。
【図4】ブレーキ操作の解除時におけるプランジャの動きを示す図2と同様の拡大図である。
【図5】第1の実施の形態による気圧式倍力装置の入出力特性を示す特性線図である。
【図6】第2の実施の形態による気圧式倍力装置の入出力特性を示す特性線図である。
【図7】従来技術による気圧式倍力装置を示す縦断面図である。
【図8】プランジャ等を示す図7中の要部拡大図である。
【図9】従来技術による気圧式倍力装置の入出力特性を示す特性線図である。
【図10】ブレーキ操作時におけるプランジャの動きを示す図8と同様の拡大図である。
【図11】ブレーキ操作の解除時におけるプランジャの動きを示す図8と同様の拡大図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 フロントシェル
3 リアシェル
4 中間シェル
5,6 パワーピストン
8,9,12 連通路
13 入力軸
14 ポペット弁体
22 出力軸
25 リアクションディスク(リアクション部材)
41 バルブボデー
41A 大径部
41B 小径筒部
41C 弁座部
41E 段部
42 段付穴
43 カラー
44 プランジャ
45 可動弁座(入力軸側部材)
46 反力ピストン(第1の出力軸側部材)
48 ばね受
49 段付スリーブ(第2の出力軸側部材)
49A フランジ部(係止部)
49B 段差部
50 内側スプリング(第1のスプリング部材)
51 外側スプリング(第2のスプリング部材)
A,C 負圧室(定圧室)
B,D 変圧室
KA ,KB 倍力比

Claims (1)

  1. ケーシングと、外周側が該ケーシングに固着され、該ケーシング内を定圧室と変圧室とに画成するパワーピストンと、該パワーピストンの内周側に固着され、前記ケーシング内における該パワーピストンの変位に連動して軸方向に変位可能となったバルブボディと、一端側が前記ケーシングの一側外部に突出し、他端側が該バルブボディに挿入して設けられた入力軸と、外部作動気体に対する前記変圧室の連通,遮断及び前記定圧室に対する前記変圧室の連通,遮断を、前記バルブボディ内に設けられたポペット弁体と協働して行うために前記バルブボディ内に設けられ、該入力軸の押動操作により前記バルブボディに対して相対変位するプランジャと、一端側が前記バルブボディに嵌合され、他端側が前記ケーシングの他側より外部に突出した出力軸と、該出力軸の一端側と前記バルブボディとの間に介在され、前記入力軸の押動操作時に前記変圧室と定圧室との間の圧力差によって前記バルブボディに発生する推力を該出力軸に伝達すると共に、該出力軸からの反力の一部を前記プランジャに伝えるリアクション部材とからなる気圧式倍力装置において、
    前記プランジャは、
    前記入力軸の他端側が一体的に取付けられ、前記ポペット弁体を作動させる入力軸側部材と、
    該入力軸側部材に対して相対変位可能に設けられ、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接する第1の出力軸側部材と、
    前記入力軸側部材及び第1の出力軸側部材に対して相対変位可能に該第1の出力軸側部材に外装され、前記入力軸の押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されているときには該リアクション部材が当接し、外周側には前記バルブボディに対する係止部が設けられた第2の出力軸側部材と、
    前記第1の出力軸側部材と入力軸側部材との間に配設され、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには、前記第1の出力軸側部材と入力軸側部材との間に自由長状態で介在された第1のスプリング部材と、
    前記第2の出力軸側部材と入力軸側部材との間に前記第1のスプリング部材と並列に配設され、前記入力軸の非押動時に前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達されていないときには、前記第2の出力軸側部材と入力軸側部材との間に自由長状態で介在された第2のスプリング部材とから構成し、
    前記バルブボディには、前記入力軸の押動により前記出力軸からの反力が前記リアクション部材に伝達され前記第1の出力軸側部材が入力軸側部材に対して相対変位しているときに、その途中で前記第2の出力軸側部材の係止部に当接し、前記第2の出力軸側部材がバルブボディに対して相対変位するのを規制する段部を設けたことを特徴とする気圧式倍力装置。
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