JP2513505B2 - 画像形成装置の給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、静電写真複写機やプリンタ等の画像形成装
置の給紙装置に関し、詳しくは、給紙カセットを上下複
数段の給紙部に対して給紙ローラの回転軸線方向に挿抜
自在に装填するようにした画像形成装置の給紙装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

例えば静電写真複写機において、原稿と当該原稿の画
像が複写される用紙の光軸ズレ（給紙方向に直交する方
向での原稿と用紙の巾中心のズレであり、より厳密には
画像形成部に対する用紙の巾中心のズレである。）を調
節するのに従来は、コンタクトガラスの端部に設けられ
る原稿載置基準板を、コンタクトガラスに載置される原
稿の巾方向に位置変更自在に設けて、原稿の載置位置を
変更することで、原稿と用紙の光軸合わせを行わせてい
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところが、給紙ローラの回転軸線方向に給紙カセット
を挿抜するようにした上下複数段の給紙部を備える給紙
装置を対象にした場合、上下複数段の給紙部毎において
給紙カセットの装填位置が僅かに違ったり、あるいは、
給紙経路の長さや給紙形態が異なることや組み立て時の
誤差などの起因して、各段に装填される給紙カセットの
用紙毎で光軸のずれを生じ、上記した原稿の載置位置調
節の手段では、複数段の給紙部における用紙に対する光
軸合わせを達成することができないものであった。

本発明は、上記の実情に鑑みて成されたものであっ
て、上下複数段における給紙カセット内の用紙と原稿と
の光軸合わせを、極めて簡単かつ適正に達成できる給紙
装置の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明は、冒頭に記載し
た画像形成装置の給紙装置において、前記給紙部に装填
された給紙カセットの挿入方向下流部両側と上流部両側
の４点を、転動コロと当該転動コロに対する被支持部材
による転動支持構造を介して支持し、当該転動支持構造
の少なくとも一組を給紙カセットの装填下において当該
給紙カセットの挿抜方向移動を抑止させるように構成す
ると共に、当該少なくとも一組の転動支持構造の装置本
体側に設けられる被支持部材または転動コロを給紙カセ
ットの挿抜方向に位置変更固定自在に構成した点に特徴
を有する。

〔作用〕

上記の特徴構成によれば、上記少なくとも一組の転動
支持構造における装置本体側の被支持部材または転動コ
ロを給紙カセットの挿抜方向に位置変更させることで、
当該位置変更させた給紙部における給紙カセット内の用
紙の光軸が変更設定される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例の図面に基づいて説明する。

第１図は静電写真複写機を一例とした画像形成装置を
示し、給紙デスク１に画像形成装置本体２を搭載して成
る。

前記給紙デスク１は、夫々が給紙ローラ３を有する上
下複数段の給紙部４を移動ラック５の内部に設けると共
に、各給紙部４からの給紙路６を合流させてその合流給
紙路７の排紙口８を移動ラック５の上部一側に開設して
成る。

前記画像形成装置本体２は、前記給紙デスク１への搭
載下において当該給紙デスク１の排紙口８に連なる給紙
路９を本体ケース10の下部一側に設け、この本体ケース
10に感光体11を横架すると共に、当該感光体11のまわり
に、帯電装置12、現像装置13、転写装置14、用紙分離装
置15、及び、クリーニング装置16を配設し、かつ、前記
給紙路９から転写装置14にわたって給紙搬送路17を配設
すると共に、転写・分離後の用紙を定着装置18に給紙す
る排紙搬送路19と、定着後の用紙を排紙トレイ20に排紙
する排紙ローラ21を設け、更に、前記本体ケース10の上
部空間に光学系移動式の露光装置22を配設して成る。

第２図乃至第５図に示すように、前記給紙デスク１の
複数段の各給紙部４には、前記給紙ローラ３の回転軸線
方向Ｐに挿抜自在に給紙カセット23が装填されるように
構成されている。

この給紙カセット23は、カセット挿入方向の軸線まわ
りで揺動自在な乗載板24をカセットケース本体25の内部
に設けると共に、この乗載板24の給紙方向上流部と側部
に夫々紙端規正板26を設け、かつ、前記乗載板24上に積
層収納される用紙ｔの給紙方向下流部両隅を押さえる用
紙分離爪27と、前記乗載板24を用紙分離爪27側に持ち上
げ付勢する付勢手段28を設け、更に、前記乗載板24に
は、用紙が消費し尽くされたときに紙無し検出センサー
29が落ち込む開口ａを形成して成るもので、当該給紙カ
セット23の給紙部４に対する挿入方向下流部両側には転
動コロ30が枢着され、かつ、挿入方向上流部両側には後
方斜め下方に傾斜するカム構造の被支持部材31が設けら
れている。

一方、前記給紙ローラ３は、長手中間部が小径に形成
されたローラ本体3aの両側にゴム製のコロ部材3bを設け
て成るもので、前記ローラ本体3aの一端側には係止凹部
ｂが形成されている。

かゝる給紙ローラ３を支持する給紙ローラ軸32は、前
記給紙ローラ３の係止凹部ｂを係入して当該給紙ローラ
３を一体化保持するスプリングピンｃと、前記給紙ロー
ラ３の抜け止め具ｄを備え、前記本体ケース10側の一対
の支持部材33,34に設けられた筒状の軸受35,36に対して
回転ならびに軸線方向の移動が自在に軸支されている。

さて、第２図乃至第５図において、図中の37は前記給
紙カセット23の転動コロ30を案内支持するリブ付きのコ
の字状ガイド部材で、給紙方向に所定間隔を隔てて給紙
部４に立設されたブラケット部材38にビスｅを介して取
り付けられている。

このガイド部材27のカセット挿入方向下流部には、前
記給紙カセット23の装填移動に伴って当該給紙カセット
23の転動コロ30を斜め上方に持ち上げ移動させる被支持
部材39が設けられ、かつ、カセット挿入方向上流部に垂
下連設された舌片には、給紙カセット23の給紙方向両側
下面ならびに前記被支持部材39の転動支持する転動コロ
40が設けられ、前記給紙カセット23側の転動コロ30とガ
イド部材37側の被支持部材39、及び、給紙カセット23側
の被支持部材31とガイド部材37側の転動コロ40により、
前記給紙部４への挿入終端近くで給紙カセット23を４点
支持の状態で斜め上方に持ち上げ移動させる転動支持構
造41が構成されている。

そして、給紙方向の一方で且つカセット挿入方向前後
における二組の転動支持構造41において、前記給紙カセ
ット23を給紙部４の所定位置に装填させた状態で当該給
紙カセット23が挿抜方向に移動することを抑止させるよ
うに、前記被支持部材31,39に転動コロ40,30の嵌まり込
み凹部ｒを形成してある。

尚、上記の転動支持構造41による給紙カセット23の持
ち上げ初期までのカセット挿抜範囲において、当該給紙
カセット23内の用紙ｔが前記給紙ローラ３ならびにセン
サー29に当接しないように、前記ガイド部材37の高さ位
置が設定されている。

42は前記一対の支持部材33,34にわたって前記給紙ロ
ーラ３の上部側に設けられた板状部材であって、前記給
紙ローラ３の回転軸線方向に延びる長孔ｆが形成されて
いる。

43は前記長孔ｆに沿って移動自在なビスｇが当該長孔
ｆを通して螺着された被動部材であって、カセット挿入
方向両側の下方への折曲部分43a,43bには、夫々給紙ロ
ーラ軸32を下方から係入する係入部ｈが形成され、か
つ、この折曲部分43a,43bの両外面部に当接させる状態
で受座i,iが給紙ローラ軸32に取り付けられ、もって、
前記給紙ローラ３を一体に保持した給紙ローラ軸32と被
動部材43が一体的に、前記長孔ｆの範囲内で回転軸線方
向Ｐに移動自在に構成されている。

そして、この被動部材43のカセット挿入方向下流部側
の折曲部分43aは、前記転動支持構造41の作用で前記給
紙カセット23が斜め上方に移動するときを含み前記用紙
上面センサー29が当接する前に、当該給紙カセット23の
挿入方向下流部側に当接するように長さ設定が成され、
かつ、給紙カセット23の挿入方向下流部側が当該折曲部
分43aに当接した状態で、カセット挿入方向Ｐの用紙巾
中心と給紙ローラ３の長手中心とがほゞ一致するように
構成されている。

44は前記一体化された給紙ローラ軸32と給紙ローラ３
を被動部材43を介してカセット抜き出し方向に付勢移動
させ、これらを初期位置に復帰させる位置復帰手段であ
って、当該位置復帰手段44によって前記ビスｇが長孔ｆ
の端部に付勢当接された状態が、後述するところの給紙
ローラ軸32ならびに給紙ローラ３の初期位置である。

45はソリ形状の紙押えガイドで、前記給紙ローラ３の
中間部と両側に対応させて前記被動部材43に設けられて
いる。

尚、第４図において、G₁は入力ギヤで、前記給紙ロー
ラ軸32の一方の軸端を軸受35から突出させて当該軸部分
32aを所謂Ｄカットし、この軸部分32aに前記入力ギヤG₁
が相対摺動のみ自在に設けられている。

G₂は前記入力ギヤG₁に対する出力ギヤで、このギヤG₂
の上部側に前記入力ギヤG₁を噛合させてある。46はクラ
ッチ、47は駆動側入力手段で、これらは支持部材33に連
設されたブラケット48の支軸49に軸支されている。そし
て、前記軸部分32aの上方への逃げ出しを許容する状態
で、前記ブラケット48の一部が入力ギヤG₁の一方の端面
部に対応位置し、かつ、前記クラッチ46の一部が入力ギ
ヤG₁の他方の端面部に対応位置するように構成されてい
る。

即ち、前記給紙ローラ軸32が軸線方向に往復移動して
も、前記入力ギヤG₁は殆ど位置不変の状態にあって、当
該給紙ローラ軸32が常にギヤ伝動下に置かれるように構
成されているのである。

上記の構成によれば、前記給紙部４への給紙カセット
23の装填に際して、第３図に示すように、前記給紙カセ
ット23の転動コロ30を前記ガイド部材37上に位置させる
と共に、当該給紙カセット23の両側下面部をガイド部材
37側の転動コロ40で支持させ、この４点支持の状態で給
紙カセット23を給紙部４に押し込むのであるが、当該給
紙カセット23の挿入方向下流部側が被動部材43の折曲部
分43aに当接するまでは、当該給紙カセット23内の用紙
ｔは給紙ローラ３ならびにセンサー29の下方を移動す
る。

給紙カセット23の挿入方向下流部側が前記折曲部分43
aに当接した後は、当該折曲部分43aに対して相対回転自
在に一体化されている給紙ローラ軸32と給紙ローラ３
が、前記給紙カセット23と一体になってカセット挿入方
向Ｐに移動すると共に、前記転動支持構造41の作用で給
紙カセット23が斜め上方に持ち上げられ、第４図乃至第
６図に示すように、当該給紙カセット23内の用紙上面が
センサー29に当接し且つ給紙ローラ３に押圧される。

そして、図示しないが、前記給紙カセット23の用紙が
消費し尽くされると、用紙による開口ａの閉塞が解かれ
て当該開口ａにセンサー29が落ち込み、図外の紙無し報
知ランプ等が作動される。

前記給紙部４からの給紙カセット23の抜き出しは給紙
カセット装填動作と逆の動作で行われるのであり、即
ち、給紙カセット23の抜き出しに伴って、当該給紙カセ
ット23が斜め下方に移動すると共に、前記位置復帰手段
44の作用で前記給紙ローラ３と給紙ローラ軸32および被
動部材43が、前記給紙カセット23と一体になって初期位
置にまで移動し、かつ、その間に用紙上面が給紙ローラ
３とセンサー29から間する。あるいは、前記紙無し状態
であれば、前記乗載板24が給紙ローラ３とセンサー29か
ら離間する。

上記の構成において、前記給紙方向の一方で且つカセ
ット挿入方向前後における二組の転動支持構造41を構成
するガイド部材37側の転動コロ30と被支持部材31を、給
紙カセット23の挿抜方向に位置変更固定自在に構成して
ある。

詳しくは、第２図および第７図に示すように、上記ガ
イド部材37の縦板部37aに、給紙方向Ｑの長孔ｊを給紙
方向Ｑに所定間隔を隔てて形成すると共に、当該長孔ｊ
に相対応させて前記ブラケット38にネジ孔ｍを螺設し、
かつ、前記長孔ｊを通してネジ孔ｍにビスｎを螺合させ
てあって、前記給紙カセット23側の転動コロ30に対する
落ち込み凹部ｒが形成された被支持部材39と、給紙カセ
ット23側の被支持部材31の凹部ｒを落ち込ませる転動コ
ロ40を、一体にして給紙方向Ｑに位置変更固定自在に構
成してあり、而して、上記のガイド部材37を給紙方向Ｑ
に位置変更させることで、給紙部４への給紙カセット23
の装填位置が変更されるのであり、換言すれば、画像形
成装置本体２のコンタクトガラス50上の原稿Ｇに対する
用紙ｔの光軸ズレの調節が成されるのである。

この光軸ずれの調節は、各給紙部４毎において一方の
ガイド部材37を位置変更固定させることで全て行われ
る。

尚、実施例では、前記一方のガイド部材37に対応する
二組の転動支持構造41の被支持部材31,39に凹部ｒを設
けているが、この凹部ｒによる給紙カセット23の挿抜方
向移動を抑止させる構成を、４点支持する転動支持構造
41の少なくとも一組にだけ設けて、その転動支持構造41
の内の装置本体側の部材（実施例ではガイド部材37に設
けた被支持部材39と転動コロ40である。）を位置変更固
定させる構成にして実施可能である。

また、実施例では、給紙カセット23内の用紙上面を給
紙ローラ３の下方を通過させて後に、カム構造によって
用紙上面を給紙ローラ３に押圧させる構成としている
が、給紙カセット23を給紙部４に装填させて後に給紙ロ
ーラ３を用紙上面に押圧させる構成の画像形成装置や、
用紙上面を給紙ローラ３の下方を通過させて後に、給紙
カセット23内の乗載板24を持ち上げ付勢されるようにし
た画像形成装置（例えば実開昭63−21630号公報参照）
などを対象にして実施可能であり、この場合、例えば第
８図に示すように、ガイド部材37としてこれのカセット
案内面をストレートの構成にして、それのカセット挿入
方向奥部に凹部ｒを設け、このガイド部材37をカセット
挿入方向に位置変更固定自在にする構成をとることがで
きる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明による画像形成装置の給紙
装置は、上下複数段の給紙部に対する給紙カセットの装
填位置を夫々変更固定自在と成したことで、給紙カセッ
ト内の用紙の画像形成部に対する光軸のズレ調節を上下
複数段の給紙部毎で達成できるようになり、簡単かつ合
理的な改良技術によって本発明の目的を達成できるに至
った。

【図面の簡単な説明】

第１図は画像形成装置の概略縦断側面図、第２図は給紙
装置を分解して給紙カセットと共に示す斜視図、第３図
は給紙カセットの挿入途中の状態を示す説明図、第４図
は給紙カセット持ち上げの説明図、第５図は用紙上面を
給紙ローラに押圧させた状態の断面図、第６図は給紙部
への給紙カセットの装填状態を示す説明図、第７図は一
部を拡大図示し且つ原稿と用紙の光軸合わせの状態を展
開図示した断面図、第８図は別実施例のガイド部材を示
す側面図である。 ３……給紙ローラ、４……給紙部、23……給紙カセッ
ト、32……給紙ローラ軸、30,40……転動コロ、31,39…
…被支持部材、41……転動支持構造。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給紙カセットを上下複数段の給紙部に対し
   て給紙ローラの回転軸線方向に挿抜自在に装填するよう
   にした画像形成装置の給紙装置において、前記給紙部に
   装填された給紙カセットの挿入方向下流部両側と上流部
   両側の４点を、転動コロと当該転動コロに対する被支持
   部材による転動支持構造を介して支持し、当該転動支持
   構造の少なくとも一組を給紙カセットの装填下において
   当該給紙カセットの挿抜方向移動を抑止させるように構
   成すると共に、当該少なくとも一組の転動支持構造の装
   置本体側に設けられる被支持部材または転動コロを給紙
   カセットの挿抜方向に位置変更固定自在に構成してある
   ことを特徴とする画像形成装置の給紙装置。