JP2512817B2 - 芳香族ポリアミド - Google Patents

芳香族ポリアミド

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高耐熱性の溶融成形可能な新規な芳香族ポ
リアミドに関する。
〔従来の技術〕 従来より、芳香族ジアミンまたは芳香族ジイソシアネ
ートと、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とを反応
させて得られる芳香族ポリアミドは、種々の優れた物性
や良好な耐熱性のため、今後も耐熱性が要求される分野
に広く用いられることが期待されている。
しかしながら、従来開発されてきた芳香剤ポリアミド
は、優れた機械特性、耐熱性を有したものが多くあるも
のの、いずれも成形加工性に乏しく、また吸水率が高い
という欠点を有していた。
例えば、式(II) で表されるような基本骨格からなる芳香族ポリアミド
(デュポン社製品;商標Kevlar)は、難燃性、耐熱性や
高張力・高弾性率等の優れた特性を有している。しか
し、この芳香族ポリアミドは明瞭なガラス転移温度を有
せず、熱分解温度が430℃程度であり、加工温度と熱分
解温度が近接しているので、成形材料として用いるには
加工が難しいという欠点があった。そのため、湿式紡糸
法による繊維、またはパルプ等の分野に利用されている
に過ぎない。また、給水率が4.5%と高く、電気・電子
部品用基材として用いるには寸法安定性、絶縁性、ハン
ダ耐熱性等の点に悪影響を与えることは明白である。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、芳香族ポリアミドが本来有する優れ
た耐熱性に加え、優れた加工性と低吸水性の芳香族ポリ
アミドを提供するこである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の課題を達成するため鋭意検討
し、その結果、所望の性能を有する新規な芳香族ポリア
ミドを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、式(I) (式中、2個のカルボニル基はベンゼン核の互いにオル
ト位、メタ位またはパラ位に置換し、nは1〜1,000の
整数である)で表される新規な芳香族ポリアミドであ
る。
本発明の芳香族ポリアミドは、ジアミン成分として、
式(III) で表されるジアミン、すなわち、1,4−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベ
ンゼンおよび/または1,3−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)−α,α−ジメチルベンゼン]ベンゼンを用
い、これとベンゼンジカルボン酸またはその誘導体と重
合させて得られる。
すなわち、本発明の芳香族ポリアミドは、1,4−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベ
ンジル]ベンゼンおよび/または1,3−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベ
ンゼンをジアミン成分として用いることを特徴とし、本
来、芳香族ポリアミドの有する耐熱性に加え、優れた加
工性を併せもつ、熱可塑性の芳香族ポリアミドである。
この芳香族ポリアミドは、優れた耐熱性に加え熱可塑
性であるために、押出成形、射出成形が可能であり、宇
宙・航空機用基材、電気・電子部品用基材として、さら
にまた溶融紡糸法による強強度の耐熱性繊維の原料など
として多目的用途に活用が期待できる極めて有用な芳香
族ポリアミドである。
本発明の芳香族ポリアミドを製造する方法は特に限定
が無く、従来公知の方法が採用できる。
例えば、つぎのような方法で得られる。この方法で使
用される芳香族ジアミンは、1,4−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼ
ンまたは1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−
α,α−ジメチルベンジル]ベンゼンであり、これらは
単独でも混合して使用してもよい。
また、使用されるベンゼンカルボン酸としては、フタ
ル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸等が挙げられ、
また、ベンゼンジカルボン酸の誘導体としては、フタロ
イルジクロリド、フタロイルジブロミド、イソフタロイ
ルイルジクロリド、イソフタロイルジブロミド、テレフ
タロイルジクロリド、テレフタロイルジブロミド等のベ
ンゼンジカルボニルジハロゲニド、無水フタル酸のよう
な酸無水物、または、ジメチルフタラート、ジエチルフ
タラート、ジメチルイソフタラート、ジエチルイソフタ
ラート、ジメチルテレフタラート、ジエチルテレフタラ
ートなどのジアルキルベンゼンジカルボキシラート等が
挙げられる。
これらベンゼンジカルボン酸類またはその誘導体類
は、それぞれ単独または2種以上混合して使用できる。
上記のジアミン成分とベンゼンジカルボン酸またはそ
の誘導体は溶媒中で重合させる。
使用される溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラタクム、ジメ
チルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホ
スホルアミド、イソキノリン、2,4−ルチジン、ピリジ
ン、γ−ピコリン、β−ピコリン、α−ピコリン、2,6
−ルチジン、キノリン、トリエチルアミン、トリブチル
アミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、メチルエチルケトン、アセトン、
シクロヘキサノン、アセトフェノン、テトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、
フェノール、クレゾール酸、o−クレゾール、m−クレ
ーゾル、p−クロルフェノール、o−クロルフェノー
ル、水等が挙げられる。
また、これらの溶媒は、反応原料モノマーの種類およ
び重合手法により、単独または2種以上混合して使用し
ても差し支えない。
反応原料のモノマーとしてベンゼンジカルボニルジハ
ロゲニド類を用いる場合、通常、脱ハロゲン化水素剤が
併用される。
使用される脱ハロゲン化水素剤としては、トリエチル
アミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N
−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジ
ン、γ−ピコリン、β−ピコリン、α−ピコリン、2,4
−ルチジン、2,6−ルチジン、キノリン、イソキノリ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、酸化カルシウム、酸化リチウム、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド等が挙げられる。
また、反応原料モノマーとしてベンゼンジカルボン酸
類を用いる場合は、通常、縮合剤が用いられる。
使用される縮合剤としは、無水硫酸、塩化チオニル、
亜硫酸エステル、塩化ピクリル、五酸化リン、亜リン酸
エステル−ヒリジン系縮合剤、トリフェニルホスフィン
−ヘキサクロロエタン系縮合剤、プロピルリン酸無水物
−N−メチル−2−ピロリドン系縮合剤等が挙げられ
る。
反応温度は、通常150℃以下、好ましくは30℃以下で
ある。反応圧力は特に限定されずに常圧で十分実施でき
る。
反応時間は、反応原料モノマーの種類、重合手法、溶
媒の種類、脱ハロゲン化水素剤の種類、縮合剤の種類お
よび反応温度により異なるが、通常、式(I)で表され
る芳香族ポリアミドの生成が完了するに十分な時間、反
応させる。通常、10分〜24時間で十分である。
このような反応により式(I) (式中、2個のカルボニル基はベンゼン核の互いにオル
ト位、メタ位またはパラ位に置換し、nは1〜1,000の
整数である)で表される繰り返し構造単位を有する芳香
族ポリアミドが得られる。
また、従来、ポリアミド合成法として公知の低温溶液
重縮合法、界面重縮合法、直接重縮合法、等のどの手法
によっても、本発明の芳香族ポリアミドを得ることがで
きる。
なお、本発明の芳香族ポリアミドは、反応原料モノマ
ーとして、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼンおよび/または
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−
ジメチルベンジル]ベンゼンとベンゼンジカルボン酸ま
たはベンゼンジカルボニルクロリドのようなベンゼンジ
カルボン酸誘導体を用いるところに特徴を有するもので
ある。
しかしながら、芳香族ポリアミドの熱安定性および成
形性を向上するために、一価のアミンもしくは一価の酸
または酸誘導体を用いてポリマー分子の末端をキャップ
したものであっても何ら差し支えない。
このような芳香族ポリアミドを得るには、ジアミン成
分の一部を芳香族、脂肪族または脂環式モノアミンで、
またベンゼンカルボン酸またはベンゼンジカルボン酸誘
導体の一部を芳香族、脂肪族または脂環式モノカルボン
酸またはモノカルボニルクロリドのようなモノカルボン
酸誘導体で置き換えて製造する。
一部代替して用いられるモノアミンとしては、例え
ば、アニリン、トルイジン類、クロロアニリン類、アミ
ノフェノール類、ナフチルアミン類、アミノビフェニル
類、アミノフエニルフェニルエーテル類、アルキルアミ
ン類、シクロヘキシルアミン類等が挙げられる。また、
モノカルボン酸としては、安息香酸、ナフタレンカルボ
ン酸類、ベンゾフェノンカルボン酸類、ジフェニルエー
テルカルボン酸類、プロピオン酸、シクロヘキサンカル
ボン酸等が挙げられる。また、モノカルボン酸誘導体と
しては、ベンゾイルクロリド、ナフタレンカルボニルク
ロリド、ベンゾフェニルカルボニルクロリド類、ジフェ
ニルエーテルカルボニルクロリド類、プロピオニルクロ
リド、シクロヘキサンカルボニルクロリド等が挙げられ
る。
本発明の芳香族ポリアミドは溶融成形に供することが
可能である。
この場合、通常の樹脂組成物に使用するような充填剤
などを、発明の目的を損なわない程度で用いてもよい。
すなわち、グラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、
二硫化モリブデン、フッ素樹脂等の耐磨耗性向上材、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊
維、カーボンウイスカー、アスベスト、金属繊維、セラ
ミック繊維等の補強材、三酸化アンチモン、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上材、クレー、マ
イカーなどの電気的特性向上材、アスベスト、シリカ、
グラファイトなどの耐トラックキング向上材、硫酸バリ
ウム、シリカ、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向上
剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉等の熱伝導度
向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ
藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸
化物、着色料等である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例および比較例により、本発明の
芳香族ポリアミドの製造例および得られた芳香族ポリア
ミドの物性と性能を、詳細に説明する。
なお、例中で各種物性の測定はつぎの方法によった。
対数粘度:ポリアミド粉末0.05gをN−メチル−2−ピ
ロリドン100mlに溶解させた後、35℃において測定し
た。
ガラス転移温度(Tg):DSC(島津DT−40シリーズ、DSC
−41M)により測定。
5%重量減少温度:空気中でDTA−TG(島津DT−40シリ
ーズ、DTG−40M)により測定。
溶融粘度:島津高化式フローテスターCFT500Aによる荷
重100kgで測定。
実施例1 撹拌機、窒素導入管を備えた容器に窒素雰囲気下にお
いて1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,
α−ジメチルベンジル]ベンゼン26.43g(0.050モル)
とN−メチル−2−ピロリドン296gを装入し溶解させた
後、トリエチルアミン10.12g(0.10モル)を添加し、5
℃に冷却した。その後、撹拌を強めテレフタル酸クロリ
ド10.15g(0.050モル)を一括装入し、室温で3時間撹
拌を続けた。かくして得られた粘稠なポリマー液を激し
く撹拌しているメタノール中に排出して白色粉末を析出
させた。
この白色粉末を濾別後、メタノールで洗浄し、180℃
で12時間減圧乾燥して、32.81g(収率99.6%)のポリア
ミド粉末を得た。
このポリアミド粉末の対数粘度は2.04dl/g、ガラス転
移温度は238.0℃、5%重量減少温度は480.8℃であっ
た。
得られたポリアミド粉末の元素分析の結果はつぎの通
りである。
C H N O 計算値(%) 80.22 5.81 4.25 9.71 実測値(%) 80.0 5.9 4.2 9.9 また、得られたポリアミド粉末の赤外吸収スペクトル
図を第1図に示す。
このスペクトル図では、アミドの特性吸収帯である16
60cm-1付近と1510cm-1付近に顕著な吸収が認められた。
さらに得られたポリアミド粉末をN−メチル−2−ピ
ロリドンに溶解した後、ガラス板上にキャストし、150
℃で1時間、250℃で2時間加熱して無色透明のポリア
ミドフイルムを得た。このポリアミドフイルムの引張強
度は1320kg/cm2、引張伸び率は、31%であった。測定法
はともにASTM D−882に拠る。
またこのフイルムの吸水率は0.72%であった。測定法
はASTM D−750−63に拠る。
実施例2 実施例1におけるテレフタル酸クロリドをイソフタル
酸クロリドに代えて以外は実施例1と同様に行い、対数
粘度1.32dl/gのポリアミド粉末31.89g(収率96.8%)を
得た。
このポリアミド粉末のガラス転移温度は230.6℃、5
%重量減少温度は482.3℃であった。得られたポリアミ
ド粉末の元素分析の結果はつぎの通りである。
C H N O 計算値(%) 80.22 5.81 4.25 9.71 実測値(%) 80.1 6.0 4.1 9.8 また、得られたポリアミド粉末の赤外吸収スペクトル
図を第2図に示す。
このスペクトル図では、アミドの特性吸収帯である16
60cm-1付近と1500cm-1付近に顕著な吸収が認められた。
さらに得られたポリアミド粉末を用いて、実施例1と
同様の方法で無色透明のポリアミドフイルムを得た。こ
のポリアミドフイルムの引張強度は、1280kg/cm2、引張
伸び率は40%、吸水率は0.65%であった。
実施例3 実施例1におけるテレフタル酸クロリド10.15g(0.05
0モル)を、テレフタル酸クロリド5.08g(0.025モル)
とイソフタル酸クロリド5.08g(0.025モル)に代えた以
外は実施例1と同様に行い、対数粘度1.61dl/gのポリア
ミド粉末31.98g(収率97.1%)を得た。
このポリアミド粉末のガラス転移温度は233.2℃空、
空気中での5%重量減少温度は480.5℃であった。
得られたポリアミド粉末を用いて、実施例1と同様の
方法で無色透明のポリアミドフイルムを得た。このポリ
アミドフイルムの引張強度は、1290kg/cm2、引張伸び率
は40%、吸水率は0.75%であった。
実施例4 実施例1における1,4−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼンを1,3
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメ
チルベンジル]ベンゼンに代えた以外は実施例1と同様
に行い、対数粘度1.55dl/gのポリアミド粉末、32.71gを
得た。
このポリアミド粉末のガラス転移温度は200.1℃、5
%重量減少温度は480.0℃であった。
得られたポリアミド粉末の元素分析の結果はつぎの通
りである。
C H N O 計算値(%) 80.22 5.81 4.25 9.71 実測値(%) 80.2 5.9 4.2 9.7 また、得られたポリアミド粉末の赤外吸収スペクトル
図を第3図に示す。このスペクトル図では、アミドの特
性吸収帯である1660cm-1付近と1510cm-1付近の顕著な吸
収が認められた。
さらに得られたポリアミド粉末を用いて、実施例1と
同様の方法で無色透明のポリアミドフイルムを得た。こ
のポリアミドフイルムの引張強度は、1270kg/cm2、引張
伸び率は37%、吸収率は0.77%であった。
実施例5 実施例4におけるテレフタル酸クロリドをイソフタル
酸クロリドに代えた以外は実施例4と同様に行い、対数
粘度1.04dl/gのポリアミド粉末31.98g(収率97.1%)を
得た。
このポリアミド粉末のガラス転移温度は198.2℃、5
%重量減少温度は497.9℃であった。
得られたポリアミド粉末の元素分析の結果はつぎの通
りである。
C H N O 計算値(%) 80.22 5.81 4.25 9.71 実測値(%) 80.3 5.8 4.0 9.9 また、得られたポリアミド粉末の赤外吸収スペクトル
図、第4図を示す。このスペクトル図では、アミドの特
性吸収帯である1660cm-1付近と1500cm-1付近に顕著な吸
収が認められた。
さらに得られたポリアミド粉末を用いて、実施例1と
同様の方法で無色透明のポリアミドフイルムを得た。こ
のポリアミドフイルムの引張強度は、1140kg/cm2、引張
伸び率は45%、吸収率は0.81%であった。
実施例6 実施例4におけるテレフタル酸クロリド10.15g/(0.0
50モル)を、テレフタル酸クロリド5.08g(0.025モル)
とイソフタル酸クロリド5.08g(0.025モル)に代えた以
外は実施例4と同様に行い、対数粘度1.23dl/gのポリア
ミド粉末32.08g(収率97.4%)を得た。
このポリアミド粉末のガラス転移温度は199.0℃、5
%重量減少温度は485.3℃であった。
得られたポリアミド粉末を用いて、実施例1と同様の
方法で無色透明のポリアミドフイルムを得た。このポリ
アミドフイルムの引張強度は、1180kg/cm2、引張伸び率
は38%、吸水率は0.80%であった。
実施例7 撹拌機、窒素導入管を備えた容器に窒素雰囲気下にお
いて1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,
α−ジメチルベンジル]ベンゼン10.57g(0.020モル)
とN−メチル−2−ピロリドン75.3gを装入し溶解させ
た後、トリエチルアミン4.05g(0.040モル)を添加し、
5℃に冷却した。その後、撹拌を強めテレフタル酸クロ
リド3.78g(0.019モル)を一括装入し、室温で2時間撹
拌を続けた。
その後、ベンゾイルクロリド0.590g(0.0042モル)を
装入し、室温で2時間撹拌を続けた。得られたポリマー
液を激しく撹拌しているメタノール中に排出して白色粉
末を析出させた。この白色粉末を濾別後、メタノールで
洗浄し、180℃で12時間減圧乾燥して、13.10g(収率98.
6%)のポリアミド粉末を得た。このポリアミド粉末の
対数粘度は、0.51dl/gであった。得られたポリアミド溶
液の溶融粘度を測定したところ、350℃において8000ポ
イズであった。また得られたストランドは淡黄色透明で
可撓性に富み、非常に強靭であった。
また、このポリアミド粉末を340℃、150kg/cm2で15分
間圧縮成形して得た成形物の熱変形温度を測定したとこ
ろ、220℃であった。測定法はASTM D−648、荷重18.6kg
/cm2による。
比較例1 撹拌機、窒素導入管を備えた容器に窒素雰囲気下にお
いてp−フエニレンジアミン2.16g(0.02モル)とN−
メチル−2−ピロリドン56.2gを装入し溶解させた後、
トリエチルアミン4.05g(0.040モル)を添加し、−15℃
に冷却した。その後、撹拌を強めテレフタル酸ジクロリ
ド3.80g(0.0187モル)を一括装入し、0℃で1.5時間撹
拌した。その後、ベンゾイルクロリド0.548g(0.0039モ
ル)を装入し、0℃で2時間、さらに、室温で1時間撹
拌を続けた。得られたポリマー溶液濾過し、激しく撹拌
しているメタノール中に排出して白色粉末を析出させ
た。この白色粉末を濾別後、メタノールで洗浄し、180
℃で12時間減圧乾燥して、4.4g(収率97.7%)のポリア
ミド粉末を得た。このポリアミド粉末のガラス転移温度
を測定したところ、明瞭な値を示さなかった。
また、370℃および400℃で溶融粘度を測定したが、い
ずれの温度においても溶融流動しなかった。
〔発明の効果〕
本発明は、芳香族ポリアミドが本来有する優れた耐熱
性に加え、優れた加工性を有し、低吸水性の全く新規な
芳香族ポリアミドを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図および第4図は本発明のポリア
ミド粉末の赤外吸収スペクトル図の例である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、2個のカルボニル基はベンゼン核の互いにオル
    ト位、メタ位またはパラ位に置換し、nは1〜1,000の
    整数である)で表される芳香族ポリアミド。
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