JP2512507B2 - 釣り竿嵌合部分の固着防止を行なう凹凸面の成形方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は釣り竿の嵌合部分における竿杆相互の固着防
止を行なう凹凸面の成形方法に関する。

（従来の技術とその問題点） 釣り竿，玉網等の振り出し竿における竿杆相互の嵌合
部の固着防止としては、大径の竿杆内に嵌合される小径
の竿杆の嵌合部外周面に、長手方向或いは周方向に溝を
形成し、嵌合部における接触面積を減少させることによ
り対処している。

しかしながら、竿杆に縦溝，周溝を形成することは竿
成形基材の強化繊維を切断することになり、釣り竿，玉
網における竿杆の強度低下の原因となっているのが現状
である。又、長期間使用することにより、嵌合部に形成
した溝の縁が摩耗し、接触面積が増加して、固着防止の
効果が低下するといった問題点を有する。

（発明の目的） 本発明は上述した如き事情に鑑み、竿成形基材の強化
繊維を切断することなく嵌合部に凹凸面を成形する方法
を提供することにある。

（発明の構成） 上記目的を達成するために、本発明が講じた技術的手
段は、釣竿成形用マンドレルの先部外周面に、竿成形基
材と非接着性を有したテープ状の平板に孔を開けた凹凸
形成板を螺旋状又はリング状に巻き付けるか、又はマン
ドレルの軸芯と平行に貼り付け、その上に竿成形基材を
巻き付け、焼成硬化後、マンドレルを引き抜き、凹凸形
成板を除去することを特徴とする。

上記のテープ状をなした凹凸形成板としては、竿成形
基材に対し非接着性を有するもの、即ち焼成硬化後にお
いて成形竿杆の内側面から容易に剥離するものであれば
よく、例えばテフロンフイルム、非接着性を有する織布
等、何れでも良く、そうした凹凸成形板に開設する孔の
形状は円形，角形，楕円等、どのような形状でもよいも
のである。又、凹凸形成板の巻回は竿杆相互の嵌合部と
なる長さ方向の範囲内に適宜ピッチの螺旋状、或いは長
さ方向に間隔をおいた数個のリング状に巻き付けるか、
又はマンドレルの外周面に周方向に所定間隔をおいて軸
芯と平行に貼付する形態の何れでも良いものである。

（作 用） 上記構成によれば、釣竿成形用マンドレルに螺旋状又
はリング状に巻き付けた凹凸形成板、又は釣竿成形用マ
ンドレルの軸芯と平行に貼り付けた凹凸形成板の上に巻
着された竿成形基材はローリング機に掛けて押圧巻き締
められることにより凹凸形成板の孔部分に押し込まれ、
それを焼成硬化させた後、マンドレルを脱芯し、更に凹
凸形成板を成形竿杆の内面より剥離除去することによ
り、竿杆の内周面に凹凸形成板と逆の凹凸が形成され
る。即ち、竿杆の内周面に凹凸形成板の部分が凹部とし
て形成され、形成板の孔部分が竿杆内面と面一の高さの
凸部として形成される。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、
図中、１は釣竿成形用マンドレル、２は炭素繊維に合成
樹脂を含浸した竿成形基材、３は竿成形基材２に対して
非接着性を有したテフロンフイルムに適宜形状の孔４を
開穿したテープ状の凹凸形成板である。

次に、その成形工程を説明すると、先づ釣竿成形用マ
ンドレル１の先部、即ち竿杆における嵌合部となる部分
にテープ状の凹凸形成板３を適宜ピッチで螺旋状に巻回
し、その上に竿成形基材２を所定厚さとなるよう数回巻
き付けると共に、ローリング機に掛けて押圧巻き締め
し、セロファンテープで巻き締めた後、130〜150℃で焼
成し、硬化させる。（第２図及び第３図参照） 硬化完了後、釣竿成形用マンドレル１を引き抜いて竿
杆５を得る。（第４図参照） 次に、竿杆５の内側周面に配置された凹凸形成板３を
剥離除去することにより、竿杆５の内周面に凹凸形成板
３と逆の凹凸面６が形成される。即ち、凹凸形成板３に
おける孔４の部分に竿成形基材２の巻き締め工程で押し
込まれた基材２が硬化して竿杆５内面と面一の凸部6aと
なり、凹凸形成板３それ自体の部分は凹部6bとして現出
される（第４図及び第５図参照）。

第６図はマンドレル１に巻回するテープ状の凹凸形成
板３が該マンドレル１の軸芯と直交させてリング状に巻
回したもので、そのリングは複数個とする。第８図はテ
ープ状の凹凸形成板３をマンドレル１の外周面に軸芯と
平行ならしめて放射状に貼着形成したもので、この場合
は凹凸面６が竿杆５の内側面に軸方向に並んだ形で形成
される。

尚、凹凸形成板３と竿成形基剤２との剥離性を高める
ときは、凹凸形成板３の外表面に離型剤を塗布して竿成
形基剤２を巻回する。

（発明の効果） 本発明の成形方法は以上の如き構成としたので、竿杆
の成形基材の強化繊維を切断することなく、竿杆の内面
に凹凸面を容易に形成することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図乃至第４図は成形
工程を示す斜視図及び断面図、第５図は第４図の（５）
−（５）線に沿える断面図、第６図及び第８図は凹凸形
成板の巻き形態の他の例を示す正面図、第７図及び第９
図は（７）−（７）線，（９）−（９）線に沿える断面
図である。 図中、1:釣竿成形用マンドレル、2:竿成形基材 3:テープ状の凹凸形成板、4:孔

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】釣竿成形用マンドレルの先部外周面に、竿
   成形基材と非接着性を有したテープ状の平板に孔を開け
   た凹凸形成板を螺旋状又はリング状に巻き付けるか、又
   は周方向に所定間隔をおいて軸芯と平行に貼り付け、そ
   の上に竿成形基材を巻き付け、焼成硬化後、マンドレル
   を引き抜き、凹凸形成板を除去することにより竿杆の内
   側面に凹凸形成板の孔と同形の凸部を形成することを特
   徴とする釣り竿嵌合部分の固着防止を行なう凹凸面の成
   形方法。