JPH08322434A - 中通し竿およびその製造方法 - Google Patents

中通し竿およびその製造方法

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JPH08322434A
JPH08322434A JP13830295A JP13830295A JPH08322434A JP H08322434 A JPH08322434 A JP H08322434A JP 13830295 A JP13830295 A JP 13830295A JP 13830295 A JP13830295 A JP 13830295A JP H08322434 A JPH08322434 A JP H08322434A
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JP
Japan
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rod
prepreg sheet
fishing rod
core metal
water
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JP13830295A
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English (en)
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分の表面張力により、釣り竿の内部にライ
ンが付着するのを防止するとともに、摺動抵抗の減少を
図ることができるようにする。 【構成】 釣り竿11の内部には突起部1が複数個形成
されている。この突起部1の表面には弗素固体潤滑粉が
露出している。この釣り竿11の内部をラインが移動す
る際、水分の表面張力により釣り竿の内部にラインが付
着するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中通し竿およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、釣り竿を中空部材で形成し、こ
の釣り竿内にラインを通すようにした中通し竿が広く知
られている。
【0003】このような中通し竿にあっては、耐磨耗性
の高い材料で形成された案内リングを釣り竿内面に形成
したことにより、ラインの竿管内面での滑りを良くし、
ラインおよび竿管内面の磨耗を防止するといったものが
提案されている(特開平4−341133号)。
【0004】しかしながら、リールに巻かれたラインに
は巻癖がついており、軽いルアーまたは錘りでキャステ
ィングするような場合には、この巻癖によって、案内リ
ングにラインが接触せず、内面処理されていない竿管内
部にラインが接触し、所望のキャスティングができず、
飛距離が伸びないといった問題点がある。また、案内リ
ング周辺にラインの摺動によりごみが溜まったり、塩分
が付着して摺動抵抗となるといった問題点がある。
【0005】そのため、従来、竿管内面に撥水性を有
し、かつ摩擦抵抗の少ない弗素樹脂、シリコン樹脂等で
形成された被膜層を有するものが提案されている(実開
平6−41469号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な中通し竿にあっては、水中からのラインによって持ち
込まれる水分が竿内に付着し、表面張力によって、ライ
ンを内面に張付かせ、抵抗となって、使用しずらいとい
った問題点があった。また、釣り竿の内周面に形成され
た被膜層は弗素樹脂またはシリコン樹脂をシート状また
はテープ状にして、釣り竿内面に捲回するか、あるいは
エポキシ樹脂等に弗素微粒子等を混合して塗布するとい
った方法により形成されている。かかる方法では、竿管
内面が平滑となるため、表面張力を防止することはでき
ず、軽いルアーまたは錘りでキャスティングするような
場合に、表面張力により、ラインの摺動抵抗が生じ、竿
管部分にラインが接触し、所望のキャスティングを行な
うことができないといった問題点がある。
【0007】本発明は上述のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、水分の表面張力により、釣り竿内部の
ラインが付着するのを防止するとともに、摺動抵抗の減
少を図ることのできる中通し竿およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空竿管の内
部に釣糸を挿通し、竿先より釣糸を引き出して使用する
中通し竿において、竿管内周面に固体潤滑粉が露出した
凹凸面が形成されていること;芯金の外周に凹部形成体
を装着する工程と、プリプレグシートの少なくとも内層
1層分の固体潤滑粉を付着させる工程と、上記芯金の外
周にプリプレグシートを捲回する工程と、このプリプレ
グシートと上記凹部形成体とを加熱焼成して管状体を成
形する工程と、この管状体から上記芯金を引抜く工程
と、上記管状体から上記凹部形成体を除去する工程とを
包含すること;芯金の外周に凹部形成体を装着する工程
と、この芯金の外周に固体潤滑粉を付着させる工程と、
上記芯金の外周にプリプレグシートを捲回する工程と、
このプリプレグシートと上記凹部形成体とを加熱焼成し
て管状体を成形する工程と、この管状体から上記芯金を
引抜く工程と、上記管状体から上記凹部形成体を除去す
る工程とを包含すること;プリプレグシートの少なくと
も内層1層分の固体潤滑粉を付着させる工程と、このプ
リプレグシートに凹部形成体を接着させる工程と、上記
芯金の外周にプリプレグシートを捲回する工程と、この
プリプレグシートと上記凹部形成体とを加熱焼成して管
状体を成形する工程と、この管状体から上記芯金を引抜
く工程と、上記管状体から上記凹部形成体を除去する工
程とを包含すること;凹部形成体は水溶性樹脂材料で形
成されていることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1記載の中通し竿にあっては、竿管内に
挿通されたラインが固体潤滑粉が露出した凸面に当接し
た状態で竿内を移動するため、竿管内の周面に付着する
こともない。
【0010】請求項2記載の中通し竿にあっては、芯金
の外周に凹部形成体を装着する。また、プリプレグシー
トの少なくとも内層に1層分の固体潤滑粉を付着させ
る。さらに、芯金の外周にプリプレグシートを捲回し、
加熱焼成して管状体を成形する。そして、この管状体か
ら上記芯金を引抜き、さらに、管状体から凹部形成体を
除去する。
【0011】請求項3記載の中通し竿にあっては、芯金
の外周に凹部形成体と固体潤滑粉を装着する。その後、
芯金の外周にプリプレグシートを捲回し、このプリプレ
グシートと凹部形成体とを加熱焼成して管状体を成形す
る。管状体から上記芯金を引抜き、さらに、管状体から
凹部形成体を除去する。
【0012】請求項4記載の中通し竿にあっては、プリ
プレグシートの少なくとも内層に1層分の固体潤滑粉を
付着させる。プリプレグシートに凹部形成体を接着さ
せ、芯金の外周にプリプレグシートを捲回する。プリプ
レグシートと凹部形成体とを加熱焼成して管状体を成形
し、管状体から芯金を引抜き、さらに、管状体から凹部
形成体を除去する。
【0013】
【実施例】以下、添附図面を参照して本発明における中
通し竿の実施例について説明する。
【0014】図1は本発明における中通し竿の第一実施
例を示す図である。このように釣り竿11の内部には突
起部1が複数個形成されている。そして、この突起部1
の表面には弗素固体潤滑粉が露出している。
【0015】図2は本発明における中通し竿の第二実施
例を示す図である。このように釣り竿11の内部には断
面半円形状の螺旋状の溝2が形成されている。そして、
この溝2の表面には弗素固体潤滑粉が露出している。
【0016】図3は本発明における中通し竿の第三実施
例を示す図である。このように釣り竿11の内部には断
面四角形状の螺旋状の溝3が形成されている。そして、
この溝3の表面には弗素固体潤滑粉が露出している。
【0017】図4は本発明における中通し竿の第四実施
例を示す図である。このように釣り竿11の内部には断
面四角形状のリング状の溝4が形成されている。そし
て、この溝4の表面には弗素固体潤滑粉が露出してい
る。
【0018】図5は本発明における中通し竿の第五実施
例を示す図である。このように釣り竿11の内部には円
柱形状の突起部5が複数個形成されている。そして、こ
の突起部5は弗素固体潤滑粉で形成されている。
【0019】図6は本発明における中通し竿の第六実施
例を示す図である。このように釣り竿11の内部には四
角柱形状の突起部6が複数個形成されている。そして、
この突起部6は弗素固体潤滑粉で形成されている。
【0020】以下に、中通し竿の製造方法の第一実施例
について説明する。図7において、炭素繊維にエポキシ
樹脂を含浸し、半硬化させたプリプレグ(東レ製 30
52−12)と、極薄ガラスクロス(日東紡製 WE0
3)にエポキシ樹脂を含浸させ、半硬化させたプリプレ
グとを貼り合わせ、所望の大きさに裁断する。このプリ
プレグシート21を50℃〜70℃に加熱し、エポキシ
樹脂を軟化させ、極薄ガラスクロスの側に水溶性樹脂粒
体22(粒径50〜60μm)と、弗素固体潤滑粉23
(平均粒径35μm)を付着させる。このとき、水溶性
樹脂粒体22と、弗素固体潤滑粉23との比率は4〜
6:4〜6で付着させても良いし、粒径の大きい順に付
着させるようにしても良い。
【0021】そして、芯金20に離型剤を塗布し(図7
(A))、さらにその外周にプリプレグシート21に含
まれるエポキシ樹脂と同一の樹脂を塗布し、乾燥させ
る。この外周に上記プリプレグシート21をアイロンで
加熱し接着し、加圧しながら捲回する。さらに、この外
周に巻締テープ24(ポリエステルフィルム 厚さ25
μm、幅15mm)を張力5kg重、ピッチ2mmで捲
回する(図7(C))。これを焼成炉に入れ、130
℃、2時間加熱し、硬化させる。その後、芯金20を引
抜き(図7(D))、素管25から巻締テープ24を除
去し、さらに60〜80℃の温水中に2時間浸漬する
(図7(E))。これにより、水溶性樹脂粒体22が溶
出し、図1に示すように素管25の内周面には弗素固体
潤滑粉23で形成された50〜60μmの突起部1が形
成される。
【0022】以下に、中通し竿の製造方法の第二実施例
について説明する。離型剤を塗布した芯金へ水溶性樹脂
からなるモノフィラメント(直径100μm)をピッチ
1mmで捲回する。この外周にプリプレグシートに含ま
れるエポキシ樹脂と同一の樹脂を塗布し、乾燥させる。
炭素繊維にエポキシ樹脂を含浸し、半硬化させたプリプ
レグ(東レ製 3052−12)と、極薄ガラスクロス
(日東紡製 WE03)にエポキシ樹脂を含浸させ、半
硬化させたプリプレグとを貼り合わせ、所望の大きさに
裁断したプリプレグシートに最内層1層分の弗素固体潤
滑粉(平均粒径35μm)を付着させる。このプリプレ
グシートを芯金にアイロンで加熱、接着する。さらに、
この外周に巻締テープ(ポリエステルフィルム厚さ25
μm、幅15mm)を張力5kg重、ピッチ2mmで捲
回する。これを焼成炉に入れ、130℃、2時間加熱
し、硬化させる。その後、芯金を引抜き、素管から巻締
テープを除去し、さらに60〜80℃の温水中に2時間
浸漬する。これにより、モノフィラメントが溶出し、図
2に示すように素管内周面には弗素固体潤滑粉が露出し
た螺旋状の溝2が形成される。
【0023】以下に、中通し竿の製造方法の第三実施例
について説明する。離型剤を塗布した芯金へ水溶性フィ
ルム(厚さ100μm、幅2mm)をピッチ4mmで捲
回する。この外周にプリプレグシートに含まれるエポキ
シ樹脂と同一の樹脂を塗布し、乾燥させる。炭素繊維に
エポキシ樹脂を含浸し、半硬化させたプリプレグ(東レ
製 3052−12)と、極薄ガラスクロス(日東紡製
WE03)にエポキシ樹脂を含浸させ、半硬化させた
プリプレグとを貼り合わせ、所望の大きさに裁断したプ
リプレグシートに最内層1層分の弗素固体潤滑粉(平均
粒径35μm)を付着させる。このプリプレグシートを
芯金にアイロンで加熱、接着する。さらに、この外周に
巻締テープ(ポリエステルフィルム 厚さ25μm、幅
15mm)を張力5kg重、ピッチ2mmで捲回する。
これを焼成炉に入れ、130℃、2時間加熱し、硬化さ
せる。その後、芯金を引抜き、素管から巻締テープを除
去し、さらに60〜80℃の温水中に2時間浸漬する。
これにより、水溶性フィルムが溶出し、図3に示すよう
に素管内周面には弗素固体潤滑粉が露出した螺旋状の溝
3(深さ100μm、幅2mm)が形成される。
【0024】なお、上述の第三実施例に示した水溶性フ
ィルムの代わりに、エポキシ樹脂が付着されていない弗
素樹脂、又はポリエチレン樹脂、又はポリプロピレン樹
脂で形成されたモノフィラメント(直径 200μm)
を使用するようにしても良い。この場合に使用するモノ
フィラメントは、水溶性を有しないため、素管からこの
モノフィラメントを引き出すことにより螺旋溝を形成す
ることができる。さらに、モノフィラメントまたは水溶
性フィルムに代えて、断面半円形状の水溶性樹脂性の紐
体を平面部が芯金に密着するように捲回することによ
り、素管に断面半円形状の螺旋溝を形成するようにして
もよい。この場合には特に断面円形状の場合と比較し
て、温水中での溶出が早く、離型も容易に行なうことが
できた。また、断面半円形状の離型性を有する弗素樹
脂、又はポリエチレン樹脂、又はポリプロピレン樹脂で
形成された紐体を平面部が芯金に密着するように捲回
し、素管からこの樹脂性の紐体を引き出すことにより断
面半円形状の螺旋溝を形成することができる。
【0025】以下に、中通し竿の製造方法の第四実施例
について説明する。プリプレグ(東レ製 3052−1
2)に水溶性フィルム(厚さ100μm、幅2mm)を
ピッチ4mmで最内層1層分の長さ貼付ける。そして、
このプリプレグを50〜70℃で加熱し、プリプレグ中
のエポキシ樹脂を軟化させ、弗素固体潤滑粉(平均粒径
35μm)を付着させる。
【0026】さらに、離型剤を塗布した芯金の外周にプ
リプレグシートに含まれるエポキシ樹脂と同一の樹脂を
塗布し、乾燥させる。そして、この芯金の外周に上記プ
リプレグシートを芯金にアイロンで加熱、接着させ、加
圧しながら捲回する。この外周に巻締テープ(ポリエス
テルフィルム 厚さ25μm、幅15mm)を張力5k
g重、ピッチ2mmで捲回する。これを焼成炉に入れ、
130℃、2時間加熱し、硬化させる。その後、芯金を
引抜き、素管から巻締テープを除去し、さらに60〜8
0℃の温水中に2時間浸漬する。これにより、水溶性フ
ィルムが溶出し、図4に示すように素管内周面には弗素
固体潤滑粉が露出したリング状の溝4(深さ100μ
m、幅2mm)が形成される。
【0027】以下に、中通し竿の製造方法の第五実施例
について説明する。芯金に離型剤を塗布した後、低温硬
化タイプのエポキシ樹脂を薄く塗布し、即時に水溶性樹
脂粒体および弗素固体潤滑粉を付着させ、90℃、20
〜30分加熱し、硬化させる。さらに、この外周にプリ
プレグに含まれる樹脂と同一のエポキシ樹脂を塗布し、
乾燥させた後、プリプレグをアイロンで加熱、接着さ
せ、加圧しながら捲回する。この外周に巻締テープ(ポ
リエステルフィルム 厚さ25μm、幅15mm)を張
力5kg重、ピッチ2mmで捲回する。これを焼成炉に
入れ、130℃、2時間加熱し、硬化させる。その後、
芯金を引抜き、素管から巻締テープを除去し、さらに6
0〜80℃の温水中に2時間浸漬する。これにより、水
溶性樹脂粒体が溶出し、素管内周面に弗素固体潤滑粉を
露出させることができる。
【0028】本実施例では、特に芯金の外周に低温硬化
タイプのエポキシ樹脂を薄く塗布することにより、芯金
に直接、水溶性樹脂粒体および弗素固体潤滑粉を付着さ
せることができるので、水溶性樹脂粒体の溶出を確実
に、しかも早く行なうことができるといった作用効果を
有する。
【0029】以下に、中通し竿の製造方法の第六実施例
について説明する。芯金に水溶性樹脂のテープを粗ピッ
チで捲回し、その外周に低温硬化タイプのエポキシ樹脂
を薄く塗布し、即時に弗素固体潤滑粉を付着させ、90
℃、20〜30分加熱し、硬化させる。さらに、この外
周にプリプレグに含まれる樹脂と同一のエポキシ樹脂を
塗布し、乾燥させた後、プリプレグをアイロンで加熱、
接着させ、加圧しながら捲回する。この外周に巻締テー
プ(ポリエステルフィルム厚さ25μm、幅15mm)
を張力5kg重、ピッチ2mmで捲回する。これを焼成
炉に入れ、130℃、2時間加熱し、硬化させる。その
後、芯金を引抜き、素管から巻締テープを除去し、さら
に60〜80℃の温水中に2時間浸漬する。これによ
り、水溶性樹脂が溶出し、素管内周面に弗素固体潤滑粉
が露出した螺旋状の溝が形成される。
【0030】なお、本実施例において、水溶性樹脂のテ
ープの代わりに水溶性樹脂のモノフィラメント、断面半
円形状の紐体であっても良い。さらには、弗素樹脂、ポ
リエチレン樹脂、又はポリプロピレン樹脂で形成された
テープ、モノフィラメント、または断面半円形状の紐体
を使用するようにしても良い。この場合には水溶性を有
しないため、テープ等を引抜くようにする。
【0031】以下に、中通し竿の製造方法の第七実施例
について説明する。プリプレグを加熱、軟化させたもの
に最内層1層分の弗素固体潤滑粉を付着させたプリプレ
グシートを成形する。また、芯金に水溶性樹脂のテープ
に複数個の孔を形成したものを粗ピッチで捲回し、接着
剤を塗布する。そして、この外周に上記プリプレグシー
トを捲回し、さらに、その外周に巻締テープを捲回す
る。これを焼成炉に入れ、加熱、硬化させる。その後、
芯金を引抜き、素管から巻締テープを除去し、さらに温
水中に浸漬する。これにより、複数個の孔が形成された
水溶性樹脂のテープが溶出し、図5に示すような、素管
内周面に弗素固体潤滑粉が露出した円柱状の突起部5が
形成される。
【0032】なお、本実施例において、水溶性樹脂のテ
ープの代わりに、弗素フィルムのスリットテープを使用
するようにしても良い。このとき、弗素フィルムは水溶
性を有しないため、弗素フィルムを引抜くようにする。
【0033】以下に、中通し竿の製造方法の第八実施例
について説明する。プリプレグを加熱、軟化させたもの
に最内層1層分の弗素固体潤滑粉を付着させたプリプレ
グシートを成形する。また、芯金に水溶性樹脂のモノフ
ィラメントで形成したネットをテープ状にしたものを粗
ピッチで捲回し、接着剤を塗布する。そして、この外周
に上記プリプレグシートを捲回し、さらに、その外周に
巻締テープを捲回する。これを焼成炉に入れ、加熱、硬
化させる。その後、芯金を引抜き、素管から巻締テープ
を除去し、さらに温水中に浸漬する。これにより、水溶
性樹脂のネットが溶出し、図6に示すような、素管内周
面に弗素固体潤滑粉が露出した突起部6が形成される。
【0034】なお、本実施例において、水溶性樹脂のモ
ノフィラメントで形成したネットをテープ状にしたもの
の代わりに、弗素モノフィラメントネットのスリットテ
ープを使用するようにしても良い。このとき、弗素モノ
フィラメントネットのスリットテープは水溶性を有しな
いため、弗素モノフィラメントネットのスリットテープ
を引抜くようにする。
【0035】以下に、中通し竿の製造方法の第九実施例
について説明する。プリプレグを加熱、軟化させたもの
に最内層1層分の弗素固体潤滑粉を付着させたプリプレ
グシートを成形する。また、芯金に水溶性樹脂フィルム
をエンボス状に成形し、凹凸を設けたフィルムをテープ
状にしたものを粗ピッチで捲回し、接着剤を塗布する。
そして、この外周に上記プリプレグシートを捲回し、さ
らに、その外周に巻締テープを捲回する。これを焼成炉
に入れ、加熱、硬化させる。その後、芯金を引抜き、素
管から巻締テープを除去し、さらに温水中に浸漬する。
これにより、水溶性樹脂フィルムをテープ状にしたもの
が溶出し、素管内周面に弗素固体潤滑粉が露出したエン
ボス状の凹凸部が形成される。
【0036】以下に、中通し竿の製造方法の第十実施例
について説明する。芯金に水溶性樹脂フィルムをエンボ
ス状に成形し、凹凸を設けたフィルムをテープ状にした
ものを粗ピッチで捲回し、接着剤を塗布する。この外周
に低温硬化タイプのエポキシ樹脂を薄く塗布し、即時に
弗素固体潤滑粉を付着させ、加熱、硬化させる。さら
に、この外周にプリプレグに含まれる樹脂と同一のエポ
キシ樹脂を塗布し、乾燥させた後、プリプレグを捲回す
る。この外周に巻締テープを捲回する。これを焼成炉に
入れ、加熱、硬化させる。その後、芯金を引抜き、素管
から巻締テープを除去し、さらに温水中に浸漬する。こ
れにより、水溶性樹脂フィルムをテープ状にしたものが
溶出し、素管内周面に弗素固体潤滑粉が露出したエンボ
ス状の凹凸部が形成される。
【0037】なお、上述第九実施例および第十実施例に
おいて、水溶性樹脂フィルムの代わりに、弗素樹脂フィ
ルムを使用するようにしても良い。このとき、弗素樹脂
フィルムは水溶性を有しないため、弗素樹脂フィルムを
引抜くようにする。
【0038】また、水溶性樹脂のモノフィラメントの撚
糸を芯金に捲回するようにしても良く、さらには、プリ
プレグに水溶性樹脂のモノフィラメントの撚糸を接着す
るようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したことによ
り、水分の表面張力により、釣り竿内部のラインが付着
するのを防止することができる。また、ラインが釣り竿
内移動の際の、摺動抵抗の減少を図ることができる等の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における中通し竿の第一実施例を示す図
である。
【図2】本発明における中通し竿の第二実施例を示す図
である。
【図3】本発明における中通し竿の第三実施例を示す図
である。
【図4】本発明における中通し竿の第四実施例を示す図
である。
【図5】本発明における中通し竿の第五実施例を示す図
である。
【図6】本発明における中通し竿の第六実施例を示す図
である。
【図7】本発明における中通し竿の製造方法を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 …突起部(凹凸部) 2 …溝(凹凸部) 3 …溝(凹凸部) 4 …溝(凹凸部) 5 …突起部(凹凸部) 6 …突起部(凹凸部) 11…釣り竿(中通し竿)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空竿管の内部に釣糸を挿通し、竿先よ
    り釣糸を引き出して使用する中通し竿において、竿管内
    周面に固体潤滑粉が露出した凹凸面が形成されているこ
    とを特徴とする中通し竿。
  2. 【請求項2】 芯金の外周に凹部形成体を装着する工程
    と、プリプレグシートの少なくとも内層1層分の固体潤
    滑粉を付着させる工程と、上記芯金の外周にプリプレグ
    シートを捲回する工程と、このプリプレグシートと上記
    凹部形成体とを加熱焼成して管状体を成形する工程と、
    この管状体から上記芯金を引抜く工程と、上記管状体か
    ら上記凹部形成体を除去する工程とを包含することを特
    徴とする中通し竿の製造方法。
  3. 【請求項3】 芯金の外周に凹部形成体を装着する工程
    と、この芯金の外周に固体潤滑粉を付着させる工程と、
    上記芯金の外周にプリプレグシートを捲回する工程と、
    このプリプレグシートと上記凹部形成体とを加熱焼成し
    て管状体を成形する工程と、この管状体から上記芯金を
    引抜く工程と、上記管状体から上記凹部形成体を除去す
    る工程とを包含することを特徴とする中通し竿の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 プリプレグシートの少なくとも内層1層
    分に固体潤滑粉を付着させる工程と、このプリプレグシ
    ートに凹部形成体を接着させる工程と、上記芯金の外周
    にプリプレグシートを捲回する工程と、このプリプレグ
    シートと上記凹部形成体とを加熱焼成して管状体を成形
    する工程と、この管状体から上記芯金を引抜く工程と、
    上記管状体から上記凹部形成体を除去する工程とを包含
    することを特徴とする中通し竿の製造方法。
  5. 【請求項5】 凹部形成体は水溶性樹脂材料で形成され
    ていることを特徴とする請求項2乃至請求項4記載の中
    通し竿の製造方法。
JP13830295A 1995-06-05 1995-06-05 中通し竿およびその製造方法 Pending JPH08322434A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11169027A (ja) * 1997-12-10 1999-06-29 Shimano Inc 釣竿及びその製造方法
KR200461211Y1 (ko) * 2006-12-29 2012-06-28 주식회사 바낙스 고착방지 요철이 형성된 낚싯대

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JPH11169027A (ja) * 1997-12-10 1999-06-29 Shimano Inc 釣竿及びその製造方法
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