JP2512304B2 - 新規なグリセリン誘導体及び血圧降下剤 - Google Patents

新規なグリセリン誘導体及び血圧降下剤

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JP2512304B2
JP2512304B2 JP6994387A JP6994387A JP2512304B2 JP 2512304 B2 JP2512304 B2 JP 2512304B2 JP 6994387 A JP6994387 A JP 6994387A JP 6994387 A JP6994387 A JP 6994387A JP 2512304 B2 JP2512304 B2 JP 2512304B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の産業上の利用分野] 本発明は、新規なグリセリン誘導体、およびそのグリ
セリン誘導体を含有する血圧降下剤に関する。
[発明の背景] 近年において、血小板活性化因子[Platelet Activat
ing Factor、以下PAFと略す]に関する研究が進めら
れ、その種々の生理学的作用が明らかになってきた。
すなわちPAFは生体内機能として、アレルギー、炎
症、血小板凝集に関与しており、そして一方では、強力
な血圧降下作用を有することが判明している。[ネイチ
ャー、285巻、193(1980):European Journal of Pharm
acology,65,185−192(1980)] 従って、PAFの血小板凝集作用などの好ましくない作
用を低減させながら、その血圧降下作用を利用すること
を目的とした研究が行なわれてきた。
PAFとして機能するものとしては、グリセリン誘導体
が知られており、そのようなグリセリン誘導体について
も、各種の改良研究が行なわれている。
[発明の要旨] 本発明は、優れた血圧降下作用を示す一方、血小板凝
集作用などの好ましくない作用が低減された新規なグリ
セリン誘導体、およびその製造方法を提供することを目
的とする。
また、本発明は、上記の新規なグリセリン誘導体を利
用した血圧降下剤を提供することも、その目的とする。
本発明の新規なグリセリン誘導体は、 一般式(I): [式中、R1は炭素数10〜22の直鎖または分岐鎖アルキル
基を示し、R2は炭素数2〜6の直鎖アシル基を示し、
R3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素もしくは炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖アルキル基を示す、Yは、環を構
成する炭素原子のいずれかで酸素原子に連結している、
環に含まれる窒素原子に炭素数3以下のアルキル基が置
換されていてもよいアゾニアビシクロ[2.2.2]オクチ
ル環又はアゾニアビシクロ[3.2.1]オクチル環の四級
基を示す。] で表わされる化合物である。
上記の本発明の新規なグリセリン誘導体は、一般式
(II): [式中、R1、R3、R4、R5、そしてYは、それぞれ上記一
般式(I)に関して記載した意味を有する。] で表わされる化合物を、R2で表わされる炭素数2〜6の
直鎖アシル基を含むアシル化剤によりアシル化すること
により容易に製造することができる。
[発明の効果] 本発明の新規なグリセリン誘導体は、優れた血圧降下
作用を示す一方、血小板凝集作用などの好ましくない作
用が低減されているため、血圧降下剤として有用性が高
い。また、本発明のグリセリン誘導体は抗腫瘍作用も示
す。
[発明の詳細な記述] 一般式(I)において、R1は、デシル、ウンデシル、
ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、
ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシ
ル、アイコシル、ヘナイコシル、ドコシルのような炭素
数10〜22の直鎖または分岐鎖アルキル基を示す。R1は、
特に、炭素数12〜20の直鎖または分岐鎖アルキル基であ
ることが好ましい。
R2は、アセチル、プロピオニル、ブチリル、及びバレ
リルのような炭素数2〜6の直鎖アシル基を示す。
Yは前述のように、環に含まれる窒素原子に炭素数3
以下のアルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル)が置換されていてもよいアゾニアビ
シクロ[2.2.2]オクチル環又はアゾニアビシクロ[3.
2.1]オクチル環の四級基である。以下に、そのような
アゾニアビシクロ[2.2.2]オクチル環およびアゾ ニ
アビシクロ[3.2.1]オクチル環の例を挙げる。
2−アゾニアビシクロ[2,2,2]−5−オクチル、 2−アゾニアビシクロ[2,2,2]−6−オクチル 3−アゾニアビシクロ[3,2,1]−6−オクチル 3−アゾニアビシクロ[3,2,1]−8−オクチル 8−アゾニアビシクロ[3,2,1]−2−オクチル 8−アゾニアビシクロ[3,2,1]−3−オクチル 8−アゾニアビシクロ[3,2,1]−6−オクチル 1−アゾニアビシクロ[3,2,1]−3−オクチル 1−アゾニアビシクロ[3,2,1]−4−オクチル 1−アゾニアビシクロ[3,2,1]−6−オクチル 1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−オクチル 1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−4−オクチル 1−アゾニアビシクロ[3,3,0]−4−オクチル 1−アゾニアビシクロ[4,2,0]−7−オクチル R3、R4およびR5はそれぞれ独立に水素、あるいはメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなどの炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を表わす。中でも、
R3、R4およびR5の全てが水素であるとか、あるいはR3
炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基で、R4
R5とが共に水素であるか、またはR5が炭素数1〜6の直
鎖または分岐鎖のアルキル基で、R3とR4とが共に水素で
あることが好ましい。
次に本発明の化合物の具体例を挙げる。
(1)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,
1]−3−オクチル・ホスフェート (2)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,
1]−2−オクチル・ホスフェート (3)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]
−3−オクチル・ホスフェート (4)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[3,2,1]
−3−オクチル・ホスフェート (5)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]
−4−オクチル・ホスフェート (6)2−アセチルオキシ−3−ヘプタデシルオキシプ
ロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,
1]−3−オクチル・ホスフェート (7)2−アセチルオキシ−3−オクタデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]
−3−オクチル・ホスフェート (8)2−アセチルオキシ−3−ノナデシルオキシプロ
ピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,1]
−3−オクチル・ホスフェート (9)3−ヘキサデシルオキシ−2−プロピオニルオキ
シプロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ
[3,2,1]−3−オクチル・ホスフェート (10)2−ベンゾイルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ
プロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,
2,1]−3−オクチル・ホスフェート (11)3−ヘキサデシルオキシ−2−プロピオニルオキ
シプロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,
2]−3−オクチル・ホスフェート (12)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,1]
−3−オクチル・ホスフェート (13)2−アセチルオキシ−3−オクタデシルオキシブ
チル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,1]
−3−オクチル・ホスフェート (14)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
1−メチルプロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビ
シクロ[3,2,1]−3−オクチル・ホスフェート (15)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
2−メチルプロピル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビ
シクロ[3,2,1]−3−オクチル・ホスフェート (16)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
1−メチルブチル・8,8−ジメチル−8−アゾニアビシ
クロ[3,2,1]−3−オクチル・ホスフェート (17)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
1−(1−メチルエチル)プロピル・8,8−ジメチル−
8−アゾニアビシクロ[3,2,1]−3−オクチル・ホス
フェート (18)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチル・ホスフェート (19)2−アセチルオキシ−3−オクタデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチル・ホスフェート (20)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]
−3−オクチル・ホスフェート (21)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
2−メチルプロピル・1−メチル−1−アゾニアビシク
ロ[2,2,2]−3−オクチル・ホスフェート (22)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
1−メチルブチル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ
[2,2,2]−3−オクチル・ホスフェート (23)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−
1−(1−メチルエチル)プロピル・1−メチル−1−
アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−オクチル・ホスフェ
ート なお、本発明の一般式(I)で示される化合物は、不
斉炭素によって生じる各々の異性体及びそれらの混合物
も含むものである。
本発明の一般式(I)で示される化合物は、次の方法
により製造することができる。すなわち、 一般式(II): [式中、R1、R3、R4、R5、そしてYは、それぞれ上記一
般式(I)に関して記載した意味を有する。] で表わされる化合物を、適当な有機溶媒中、必要により
塩基の存在下で、R2で表わされる炭素数1〜6の直鎖ア
シル基を含むアシル化剤を利用してアシル化することに
より達成することができる。アシル化剤としては通常、
酸無水物(R2−O−R2)または塩化アシル(R2Cl)が使
用される。
塩基としてはピリジン、トリエチルアミンなど通常の
塩基が使用され、必要により4−ジメチルアミノピリジ
ンのような触媒を使用することもできる。有機溶媒とし
ては、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、四
塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類等が使用される
が、用いるアシル化剤または塩基をそのまま溶媒として
使用することもできる。反応温度及び時間については特
に限定はないが、通常0℃から用いる溶媒の沸点まで、
30分から24時間が好ましい。
反応終了後、溶媒を留去し、必要ならばシリカゲルク
ロマトグラフィーにより精製して、目的化合物の純品を
得ることができる。
なお上記の出発物質(II)は、新規化合物であり、下
記の方法に準じて製造することができる。
[上記の各式で、Phはフェニル基を示し、Aは塩素、臭
素、ヨウ素、トシルイオンなどのアニオンを示し、R1
R3、R4およびR5、そしてYは前記と同じ] 出発原料の一般式(III)の化合物で、R1がヘキサデ
シルで、R3、R4およびR5が水素であるものは公知[アー
ノルド(D.Arnold)ら、リッビッヒス・アナレーン・デ
ル・ケミー(Liebigs Ann.Chem.)、709巻、234〜239頁
(1967年)」であり、その他の化合物も同様に合成する
ことができる。
リン酸化としては、たとえばオキシ塩化リンのような
リン酸化剤を反応させたのち、化合物(V)と反応させ
るか、あるいは加水分解した後、たとえばアセトニトリ
ルのようなリン酸の活性化剤共存下、化合物(V)と反
応させる方法があげられる。反応終了後、イオン交換樹
脂または炭酸銀、酢酸銀のような銀塩で処理することに
より化合物(VI)が得られる。さらに化合物(VI)のベ
ンジル基を接触還元法(たとえば水素雰囲気下、パラジ
ウム炭素、パラジウム黒、二酸化白金のような水素化触
媒存在下で行なう。)にて除去すれば、化合物(II)が
得られる。これらの方法は、全て公知であり、溶媒、反
応温度、時間などは適宜変換して行なうことができる。
以上、本発明化合物(I)の代表的な製造方法を記し
たが、これらの方法以外の公知の反応を応用することに
よっても製造することができる。
以上、本発明化合物(I)の代表的な製造方法を記し
たが、これらの方法以外の公知の反応を応用することに
よっても製造することができる。たとえば、一般式
(X): [R1、R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ前記と同一の意
味を有する。] で表わされる化合物を、塩基の存在下にオキシ塩化リン
および一般式(V): HO−Y・A ……(V) [ただし、YそしてAは前記と同一の意味を示す。] で表わされる塩と反応させる方法によっても、容易に製
造することができる。
上記の製造法は、たとえば、下記に示す方法により実
施される。
[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5、そしてPhおよびY
は、それぞれ前記と同一の意味を有する。] この方法はリン酸化する前にアシル化する方法であ
り、化合物(X)において、R1がヘキサデシル、R2がア
セチルで、R3、R4およびR5が水素であり、sn体のものは
公知[例えば、シンセシス(Synthesis),1982年、399
〜402頁]であり、その他の化合物も同様に合成するこ
とができる。リン酸化以降は、本発明の製造法に関して
前記した方法と、用いる反応試剤は全く同一であり、反
応条件、溶媒などは適宜応用することができる。
次に、本発明のグリセリン誘導体(I)の血圧降下作
用及び血小板凝集作用の薬理実験結果を示す。
[血圧降下作用:静脈内投与] (試験方法) ペントバルビタールナトリウム50mg/kgを腹腔内投与
して麻酔したウィスター系雄性ラット(平均体重420g)
を背位に固定し、左大腿動脈より血圧を測定した。試験
対象の薬物は、ウシ血清アルブミンを0.25%含有する生
理食塩液に溶解し、この溶液を右大腿静脈より投与し
た。
(試験結果) 得られた数値に基づいて作成した用量反応曲線より、
平均血圧を50mmHg下降させるに必要な用量(MABP50)を
求めた。
(A)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]
−3−オクチル・ホスフェート(後記実施例1) MABP50=5ng/kg (B)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・endo−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ
[3,2,1]−3−オクチル・ホスフェート(実施例2) MABP50=120ng/kg (C)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチル・ホスフェート(実施例3) MABP50=99ng/kg [血圧降下作用:経口投与] (試験方法) エーテル麻酔下に、雄性自然発症高血圧ラット(平均
体重359g)を背位に固定して、左大腿動脈にカニュレー
ションし、血圧を測定した。試験対象の薬物は、蒸留水
に溶解し、この溶液を強制経口投与した。
(試験結果) (試験薬物) (C)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチル・ホスフェート(実施例3) [血小板凝集作用] (試験方法) 雄性日本白色種家兎をペントバルビタール麻酔し、頚
動脈より採取した血液(3.13%クエン酸Naを1/10容含
む)より常法にしたがってPlatelet Rich Plasma(PR
P)およびPlatelet Poor Plasma(PPP)を調製し実験に
用いた。
なお、血小板数はPRPをPPPで希釈して約30万/mm3とし
た。
血小板凝集の測定は、Platelet Aggregation Tracer
PAT−4A(二光バイオサイエンス)を用いて行なった。P
RP190μ中に最終濃度2×10-10〜2×10-4Mになるよ
うに被検薬液10μを添加し、凝集曲線を記録した。
被検薬液の調製には、牛血清アルブミンを0.25%含有
する生理食塩液を用いた。
(結果) 凝集曲線より求めたEC50値を以下に示す。
(A)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]
−3−オクチル・ホスフェート(後記実施例1) EC50=7.6×10-10M (B)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプ
ロピル・endo−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ
[3,2,1]−3−オクチル・ホスフェート(実施例2) EC50=2.3×10-9M (C)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチル・ホスフェート(実施例3) EC50=5.2×10-9M 以上の試験結果から明らかなように、本発明のグリセ
リン誘導体は優れた血圧降下作用を示し、一方、問題と
なる血小板凝集作用は低いレベルにある。
本発明のグリセリン誘導体は、たとえば錠剤、顆粒
剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤のよ
うな剤形で、通常有効成分とし、経口剤の場合1回当り
10μg/kg〜0.5mg/kgとするのが好ましく、症状に応じて
1〜4回投与するのが好都合である。なお、投与量は対
象患者の状態、投与方法に応じて適宜増減される。
上記の各種製剤は通常用いられる担体もしくは賦形剤
を含むものである。
次に、本発明のグリセリン誘導体の製造法および調剤
例を実施例により説明する。なお、ホスフェートとして
示された化合物は分子内塩の形態にある。参考例は、本
発明のグリセリン誘導体の製造に利用される原料の製造
例を示す。
[参考例1] 1−メチル−3−ヒドロキシ−1−アゾニアビシクロ
[2,2,2]オクタン・p−トルエンスルホネート 3−キヌクリジノール1.27gをアセトン10mlに溶解
し、これにp−トルエンスルホン酸メチル1.86gを滴下
する。室温で撹拌、更に加熱還流し冷却後、析出した結
晶を濾過乾燥し、目的物2.81gを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 1.5〜3.8(m,11H), 2.34(s,3H), 2.94(s,3H), 4.0〜4.2(m,1H), 7.1〜7.7(m,4H) IR(KBr)cm-1; 3350,2950,1460,1320,1220,1180,1120,1030,1005,820,6
80,560 [参考例2] 2−ベンジルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプロピル
・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−
オクチル・ホスフェート 窒素雰囲気下、オキシ塩化リン0.1ml、トリエチルア
ミン0.3mlを、アルミナを通したクロロホルム3mlに溶解
し、しばらく室温で撹拌する。これに氷冷下2−ベンジ
ルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−1−プロパノール
406mgのクロロホルム(前述に同じ)3ml溶液を滴下す
る。滴下後1時間室温にて撹拌し、これに参考例1で得
た四級塩500mgの乾燥ピリジン8mlを加える。室温で一夜
撹拌後、重曹500mg、水1mlを加えて減圧下溶媒を留去す
る。次にトルエン−塩化メチレン混合溶媒(v/v=1/1)
15mlを加え、不溶物を濾別し、母液を減圧下濃縮して得
られる残渣をテトラヒドロフラン−水混合溶媒(v/v=9
5/5)に溶解し、アンバーライトMB−3のイオン交換樹
脂カラムを通す。テトラヒドロフラン−水混合溶媒(前
述に同じ)で溶出し、減圧下溶媒を留去して得られる残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール:水=70:30:5)にて精製して目的物190
mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.28(s,26H), 1.3〜4.6(m,24H), 4.66(s,2H), 7.1〜7.4(m,5H) IR(KBr)cm-1; 3380,2900,2830,1460,1220,1110,1080,1070,1040,1015,
995,950,900,840,815,740,690,590,515 [参考例3] 3−ヘキサデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル・1
−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−オク
チル・ホスフェート 参考例2で得たベンジルエーテル体170mgをエタノー
ル20mlに溶解し、5%パラジウム−炭素30mgを加え、水
素気流下室温で一夜撹拌する。反応液より触媒を濾別
し、母液を減圧下濃縮して目的物140mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.28(s,26H), 1.3〜4.7(m,24H) IR(KBr)cm-1; 3400,2900,2830,1460,1220,1110,950,900,820,710,510 [参考例4] endo−8,8−ジメチル−3−ヒドロキシ−8−アゾニア
ビシクロ[3,2,1]オクタン・p−トルエンスルホネー
ト 3−トロパノール2.82g、p−トルエンスルホン酸メ
チル3.72gより参考例1と同様にして目的物5.71gを得
た。1 H NMR(CMSO−d6)δ; 1.5〜2.5(m,11H) 2.29(s,3H), 2.99(s,3H), 3.03(s,3H), 3.4〜4.0(m,3H), 4.96(d,1H), 6.9〜7.5(m,4H) IR(KBr)cm-1; 3380,3035,3000,2950,2920,1465,1450,1325,1310,1245,
1220,1190,1170,1130,1085,1060,1040,1115,950,940,81
5 [参考例5] 2−ベンジルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプロピル
・endo−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,
1]−3−オクチル・ホスフェート 2−ベンジルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−1−
プロパノール407mg、参考例4で得た四級塩491mg、オキ
シ塩化リン0.12ml、トリエチルアミン0.35ml、アルミナ
カラム処理のクロロホルム6ml、乾燥ピリジン10mlよ
り、参考例2と同様にして、目的物132mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.89(t,3H), 1.28(s,26H), 1.3〜4.6(m,26H), 4.69(s,2H), 7.0〜7.4(m,5H) IR(KBr)cm-1; 3400,2920,2845,1460,1445,1215,1090,1070,1055,1040,
1000,970 [参考例6] 3−ヘキサデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル・en
do−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,1]−
3−オクチル・ホスフェート 参考例5にて得たベンジルエーテル体105mg、10%パ
ラジウム−炭素15mg、エタノール10mlより、参考例3と
同様にして目的物89mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.28(S,26H), 1.3〜4.6(m,26H) IR(KBr)cm-1; 3400,2910,2840,1460,1450,1220,1090,1075,1055,1040,
1005,970 [参考例7] 2−ベンジルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブチル・
1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−オ
クチル・ホスフェート 2−ベンジルオキシ−3−ヘキサデシルオキシ−1−
ブタノール1178mg、参考例1で得た四級塩1316mg、オキ
シ塩化リン0.34ml、トリエチルアミン0.98ml、アルミナ
カラム処理したクロロホルム15.8ml、乾燥ピリジン28ml
より参考例2と同様にして目的物1216mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.17(d,3H), 1.28(S,26H), 1.3〜4.7(m,23H), 4.72(s,2H), 7.1〜7.55(m,5H) IR(KBr)cm-1; 3400,2920,2850,1465,1450,1220,1120,1110,1090,1070,
1050,1040,1020,950 [参考例8] 3−ヘキサデシルオキシ−2−ヒドロキシブチル・1−
メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−オクチ
ル・ホスフェート 参考例7で得たベンジルエーテル体1199mg、10%パラ
ジウム−炭素120mg、メタノール80mlより、参考例3と
同様にして目的物945mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.17(d,3H), 1.28(S,26H), 1.3〜4.7(m,23H) IR(KBr)cm-1; 3400,2910,2840,1465,1245,1225,1120,1105,1090,1070,
1050,1010,950 [実施例1] 2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプロピル
・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−
オクチル・ホスフェート 参考例3で得たヒドロキシ体130mgおよび無水酢酸650
mgをクロロホルム13mlに溶解し、トリエチルアミン260m
gを加え、一夜加熱還流する。溶媒を減圧下留去して得
られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール:水=70:30:5)にて精製し、
目的物80mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.89(t,3H), 1.28(s,26H), 1.3〜2.5(m,7H), 2.04(s,3H), 2.8〜4.8(m,16H), 4.9〜5.2(m,1H) IR(KBr)cm-1; 3425,2910,2850,1730,1460,1370,1240,1120,1070,1015,
955,900,820,600,520 [実施例2] 2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプロピル
・endo−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3,2,
1]−3−オクチル・ホスフェート 参考例6で得たヒドロキシ体78mg、無水酢酸373mg、
トリエチルアミン148mg、クロロホルム7mlより、実施例
1と同様にして目的物55mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.28(s,26H), 1.3〜1.7(m,2H), 2.05(s,3H), 2.1〜2.8(m,8H), 3.0〜4.6(m,15H), 4.9〜5.2(m,1H) IR(KBr)cm-1; 3420,2925,2850,1735,1465,1455,1380,1240,1095,1080,
1040,1005,975 [実施例3] 2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブチル・
1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3−オ
クチル・ホスフェート 参考例8で得たヒドロキシ体876mg、無水酢酸4186m
g、トリエチルアミン1660mg、クロロホルム80mlより実
施例1と同様にして目的物804mgを得た。1 H NMR(CD3OD)δ; 0.90(t,3H), 1.15(d,3H), 1.29(s,26H), 1.3〜2.6(m,7H), 2.07(s,3H), 2.9〜4.7(m,15H), 4.9〜5.2(m,1H) IR(KBr)cm-1; 3400,2920,2850,1730,1465,1375,1240,1120,1105,1090,
1080,1050,1020 [実施例4]錠剤 (1)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチルホスフェート 1.0g (2)乳糖 27.0g (3)結晶セルロース 20.0g (4)トウモロコシ澱粉 5.0g (5)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0g (6)ヒドロキシプロピルセルロース 1.6g (7)ステアリン酸マグネシウム 0.4g 1000錠60 g 上記(1)〜(6)の各成分を常法により顆粒化した
後(7)を加え混合し、一錠(60mg)中(1)を1mg含
有する錠剤を得た。
[実施例5]注射剤 2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシプロピ
ル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−3
−オクチル・ホスフェート1.0mgおよびマンニット100g
を計量し、注射用蒸留水にて10に溶解し、無菌ろ過
後、5mlバイアル瓶に0.5mlずつ分注し、常法により凍結
乾燥を行ない、乾燥後密栓し、注射剤用凍結乾燥剤を得
た。
[実施例6]軟カプセル剤 (1)2−アセチルオキシ−3−ヘキサデシルオキシブ
チル・1−メチル−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]−
3−オクチルホスフェート 0.1g (2)ポリエチレングリコール400 169.9g (3)ポリビニルピロリドン 5.0g (4)グリセリン 75.0g 1000カプセル250 g 上記(1)〜(4)の各成分を均一に溶解し、内容液
としたのち、常法によりゼラチンシートで被包し、1カ
プセル中(1)を100μg含有する軟カプセル剤を得
た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: [式中、R1は炭素数10〜22の直鎖または分岐鎖アルキル
    基を示し、R2は炭素数2〜6の直鎖アシル基を示し、
    R3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素もしくは炭素数1〜
    6の直鎖または分岐鎖アルキル基を示す、Yは、環を構
    成する炭素原子のいずれかで酸素原子に連結している、
    環に含まれる窒素原子に炭素数3以下のアルキル基が置
    換されていてもよいアゾニアビシクロ[2.2.2]オクチ
    ル環又はアゾニアビシクロ[3.2.1]オクチル環の四級
    基を示す。] で表わされるグリセリン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式: [式中、R1は炭素数10〜22の直鎖または分岐鎖アルキル
    基を示し、R2は炭素数2〜6の直鎖アシル基を示し、
    R3、R4及びR5はそれぞれ独立に水素もしくは炭素数1〜
    6の直鎖または分岐鎖アルキル基を示す、Yは、環を構
    成する炭素原子のいずれかで酸素原子に連結している、
    環に含まれる窒素原子に炭素数3以下のアルキル基が置
    換されていてもよいアゾニアビシクロ[2.2.2]オクチ
    ル環又はアゾニアビシクロ[3.2.1]オクチル環の四級
    基を示す。] で表わされるグリセリン誘導体を含有する血圧降下剤。
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