JP2512096Y2

JP2512096Y2 - オイル中の気泡の除去装置

Info

Publication number: JP2512096Y2
Application number: JP1990123624U
Authority: JP
Inventors: 宏佐々木
Original assignee: 株式会社土屋製作所
Priority date: 1990-11-27
Filing date: 1990-11-27
Publication date: 1996-09-25
Anticipated expiration: 2005-11-27
Also published as: JPH0481606U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は車両などの潤滑用のオイルに含まれている
気泡を除去するための装置の改良に関する。

（従来の技術）車両などのエンジンにおいては、シリンダ壁面、クラ
ンク軸の軸受や連接棒の結合部、カム軸の支持部、動弁
機構および変速機構の摺動部や歯車などの潤滑部にオイ
ルパン中のオイルをポンプにより汲み上げて給油するよ
うにしているが、その際、オイルをポンプで循環させる
過程で空気が入り易く、オイル中に空気が入り込むと摺
動部から異常音を発生したり、摩擦や焼付きが生じてし
まう。

そのため、最近では給油回路中に第２図のような気泡
の除去装置が用いられている。

すなわち、密閉箱形容器１′の一側中央部にはオイル
ポンプＰに連なる入口通路２′が設けられる一方、他側
には、下部に開口し潤滑部Ｌに連なる第１の出口通路
３′が設けられると共に天井部に開口しオイルパンＴに
連なる第２の出口通路４′が設けられ、容器内底部には
第１出口通路３′の基端上部から底壁中央部に向って傾
いた区分壁５′が設けられており、オイルポンプＰによ
りオイルパンＴから汲み上げて、入口通路２′を通じ容
器１′内に流入させ、流れをゆるやかにしてオイル中に
入り込んでいる気泡を上昇させて上側部分に集め、気泡
の少ない下方部分のオイルを区分壁５′の下側から第１
出口通路３′を通じて潤滑部に供給し、上方部分に集っ
た気泡とオイル粒子は第２出口通路４′を通じてオイル
パンＴに戻すようにしている。その際、気泡は大気中に
散逸する。

（考案が解決しようとする課題）ところで、上記従来の気泡除去装置では、気泡を流出
させる第２出口通路に抑制手段がないために、気泡と共
にかなりのオイルが出ていくことになり、それだけ潤滑
部に送られるオイルの割合が少なくなってエンジンの作
動に支障を招いてしまう。これを補うべく、容量の大き
なポンプを用いたり、増速手段を用いて流量を多くすれ
ばよいが、それに伴って気泡の発生も多くなって左程の
効果は期待できず、また、設備も大掛かりになってセッ
トスペースの点でも問題がある。

そこで、この考案は、気泡と共に流出するオイルを簡
単な手段により抑制して、ポンプ手段を変えずにエンジ
ンの潤滑部へのオイルの供給を増加させることのできる
気泡除去装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）上記目的のもとにこの考案は、オイル中の気泡除去装
置として、一側にオイルポンプに連なる入口通路を備
え、他側の下部にはエンジンの潤滑部に連なる第１の出
口通路を設けた密閉容器の天井部に、オイルパンに連な
り基端部内に弁座を形成した第２の出口通路を連設し、
かつ天井部には第２出口通路の基端部に整列して容器内
に伸びる孔明きかご状のガイド筒を垂設し、ガイド筒内
には下端にフロートを取付けた弁体を配設したことを特
徴としている。

（作用）使用当初には、弁体は下降位置にあって、第２出口通
路は開かれており、ポンプの作動により容器内の上部に
溜ったオイル混じりの気泡は第２出口通路を通ってオイ
ルパン側に流れ、気泡の少ないオイルは下側の第１の出
口通路から潤滑部側に流れていく。

その過程で、第２出口通路側に比べ第１出口通路側で
は潤滑部での抵抗によりオイルが流れ難いので、容器内
の油面が次第に上昇してフロートともども弁体を押上
げ、第２出口通路を遮断する。

そこで、容器中には空気が溜り、これが第１の出口通
路からのオイルの流出を促進することになり、油面が下
がると共に弁体が下降して第２出口通路を開く。ポンプ
の稼動中、この操作が繰り返される。

（実施例）第１図はこの考案の実施例を示すものであり、１は密
閉箱形の容器であって、その一側には中央部にオイルポ
ンプＰに連なる入口通路２が設けられ、他側には下部に
開口しエンジンの潤滑部に連なる第１の出口通路３が設
けられ、容器１内の底部には第１出口通路３の基端上部
から底壁の中央部に向って傾いた区分壁５が設けられて
いる。

そして、容器１の天井壁には中央部に開口しオイルパ
ンＴに連なる第２の出口通路４が設けられ、この第２の
出口通路４の取付け基端部内には弁座4aが形成されてお
り、また、容器１の天井壁には第２出口通路４の基端部
に整列し容器１内のほぼ半分高さ位置におよぶ孔明きか
ご状のガイド筒７が垂設されていて、そのガイド筒７の
内部には下端にフロート6aを取付けた棒状の弁体６が配
設されている。

かくて、オイルポンプＰの非作動時には、フロート付
きの弁体６は図示実線のようにガイド筒７の底壁上に起
立していて、第２出口通路４は開かれている。

この状態で、オイルポンプＰが始動し、オイルパンＴ
中のオイルを汲み上げ、入口通路２を通じて容器１内に
流入させれば、流路が拡張するためオイルの流れがゆる
やかになり、循環の過程でオイル中に入り込んだ空気が
気泡になって上昇して容器１内の上部に溜り、オイルの
一部を伴ってガイド筒７を通り抜け、第２出口通路４を
通じオイルパンＴ側に流れ、一方、気泡の少ない下方の
オイルは区分壁５の下側を流れ、第１出口通路３を通っ
てエンジンの潤滑部Ｌ側に送られる。

この際、第２出口通路４を通ってオイルパンＴ側に向
う流れに比べ、第１出口通路３を経て潤滑部側に向う流
れは各摺動部のすき間を通らなければならず、左程円滑
でないため、容器１内のオイル混じりの気泡が第２出口
通路４から出ていくにつれて、容器１内の油面が次第に
上昇し、ガイド筒７内の棒状弁体６をフロート6aともど
も浮上させる。

かくて、弁体６が点線位置に上昇することにより、第
２出口通路４の基端部内の弁座4aに当接して通路を閉じ
る。

すると、上部からのオイル混じりの気泡の流出が止ま
ることになり、容器１内の上部には空気が溜り、これが
下側の第１出口通路３からのオイルの流出を促進するこ
とになって、油面が下がり、フロート6aともども弁体６
が再び実線状態に下降して、第２出口通路４が開かれ、
容器１内のオイル混じりの空気が流出することになる。

オイルポンプＰが作動している間、上記の動作が繰り
返されオイルパン側への戻るオイルの流れが抑制され
る。

（考案の効果）以上のようにこの考案では、オイルパンからオイルパ
ンによりオイルを汲み上げエンジンの潤滑部に送る過程
で、オイル中に入り込む気泡を除去する装置として、密
閉容器の天井部に、オイルパンに連なり基端部内に弁座
を形成した第２の出口通路を連設し、かつ天井部には第
２出口通路の基端部に整列して容器内に伸びる孔明きか
ご状のガイド筒を垂設し、ガイド筒内には下端にフロー
トを取付けた弁体を配設してたので、オイルポンプの作
動中に第２出口通路を通ってオイルパン側に流れる気泡
連行のオイルの流出を自動的かつ適切に抑制して、第１
の出口通路を通ってエンジンの潤滑部側に流れるオイル
の割合を増加させることができ、エンジンの運転に支障
をもたらす恐れなく、弁体とフロートが一体をなしてい
て、フロート支持用のリンクや支柱などを用いる必要が
なく、構成が甚だ簡単で弁体の動作も迅速かつ円滑であ
り、そして、大がかりな増速手段や高価な電気的手段を
必要とせず、気泡の発生も助長することなく潤滑部へ向
うオイルの量をふやすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る気泡除去装置の一部切断系統
図。第２図は従来装置の一部切断系統図。図中１……容器、２……入口通路３……第１出口通路、４……第２出口通路 4a……弁座、５……区分壁６……弁体、6a……フロート７……ガイド筒

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】一側にオイルポンプに連なる入口通路を備
え、他側の下部にはエンジンの潤滑部に連なる第１の出
口通路を設けた密閉容器の天井部に、オイルパンに連な
り基端部内に弁座を形成した第２の出口通路を連設し、
かつ天井部には第２出口通路の基端部に整列して容器内
に伸びる孔明きかご状のガイド筒を垂設し、ガイド筒内
には下端にフロートを取付けた弁体を配設してなるオイ
ル中の気泡の除去装置。