JP2512072B2 - 空気調和機の冷凍サイクル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は空気調和機の冷凍サイクルに関するものであ
る。

従来の技術 従来の冷凍サイクルは第３図に示すような構成となっ
ている。すなわち室外機側11に圧縮機1,凝縮器2,キャピ
ラリーチューブ３を順次連結し、二方弁または三方弁４
により室内機の熱交換器５に続接し、さらに二方弁また
は三方弁６を介して圧縮機１にもどるように接続する冷
凍サイクルにおいて、バイパス用のDPR7が、バイパス用
のキャピラリーチューブ８とともに、前記凝縮器２の出
口より、圧縮機１の吸込側配管９に接続されている。こ
れらの冷凍サイクルにおいて、特に過負荷条件におい
て、負荷電流がグレーカ容量を越える場合があり、この
対策として、前記のバイパス用のDPR7を動作させて、高
圧側より低圧側へ直接冷媒をバイパスさせて、圧縮負荷
を低減させることにより負荷電流を低減させるものであ
る。

これを第４図により説明する。高圧側圧力21が、DPR7
の設定圧力P₁を越えると、DPR7が開きはじめる開度22の
線となる。しかし負荷電流I23はしばらくの間は上昇を
読け、ピーク24を越えた後に低減方向へ向かうものであ
った。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、特に過負荷条件の場合は
圧縮負荷が大となり、特に起動時においてはある設定圧
力を越えてからDPR7が開き始めるので、負荷電流のピー
ク値24ができ、このピーク値24がブレーカ容量を越え
て、ブレーカを遮断してしまう場合がある。

本発明はこうした課題を解消するもので、起動時に電
流値のピークをおさえ、ブレーカ容量を越えないように
することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は圧縮機、凝縮器、
キャピラリーチューブ、室内側熱交換器、吸込側配管を
順次連設した冷凍サイクルにおいて、凝縮器の出口側と
圧縮機の吸込側配管との間にキャピラリーチューブおよ
び室内側熱交換器バイパス用の電磁弁とバイパス用キャ
ピラリチューブを直列に接続することでバイパスを形成
し、前記電磁弁を運転当初には開として、圧縮機起動時
の負荷電流のピーク値を低下するように構成したことを
特徴とする空気調和機の冷凍サイクルとしたものであ
る。

作用 この構成により、バイパス用の電磁弁を起動時に開と
することにより、一部の冷媒を起動時に高圧側から低圧
側へバイパスさせることができるため、圧縮機の起動時
の負荷を小さくすることができ、負荷電流を起動時より
低くすることとなる。

実施例 以下本発明の一実施例を、第１図および第２図にもと
づいて説明する。第１図に示すように、室外機側41に圧
縮機31,凝縮器32,キャピラリーチューブ33を順次連設
し、二方弁または三方弁34により室内機の熱交換器35に
接続し、さらに二方弁または三方弁36を介して圧縮機31
の吸込側配管39に接続して冷凍サイクルを構成してい
る。前記凝縮器32の出口側と圧縮機31の吸込側配管39間
にはバイパス用の電磁弁37が、バイパス用のキャピラリ
ーチューブ38と直列にして接続されている。また負荷電
流検出用CT（図示せず）が制御回路上に組み込まれてお
り、このCTにて検出した負荷電流の大小にて、前記バイ
パス用の電磁弁37を開閉できるような制御回路となって
いる。

上記構成において、起動時に圧縮機31への通電ととも
にバイパス用の電磁弁37を開とさせる。このため起動時
に高圧側から低圧側へ一部の冷媒がバイパスすることと
なる。

すなわち、冷媒は凝縮器32を出た後に、キャピラリー
チューブ33より熱交換器35を通って圧縮機31に戻る回路
と、バイパス用電磁弁37とバイパス用キャピラリーチュ
ーブ38を経て圧縮機31に戻る回路のように、２つの回路
を流れるようになる。このバイパス用電磁弁37を流れる
回路は熱交換器35を経由せず直接圧縮機31にもどるた
め、圧縮機31の負荷が大幅に低減するために、DPR7のみ
の回路の場合の電流61に比較して起動時の電流が低下す
る。すなわちピーク電流61は低減されるために、ブレー
カ容量を越えることがなくなるため、ブレーカを遮断す
ることはなくなる。

また第２図に示すごとく、バイパス用電磁弁37は、負
荷電流が設定値I₂ 60に下ると電磁弁37は第２図に示す
閉の線54となり閉となる。さらに閉となって後に負荷電
流が設定値I₁ 62を上まわると、再びバイパス用電磁弁3
7は開となり55、以下この繰返しを行なうこととなり、
起動後の負荷電流も低減されることとなる。このように
して起動後もブレーカ容量を越えることがなくなり、ブ
レーカを遮断することはなくなる。

また、圧縮機31のすべての起動時にバイパス用電磁弁
37が開くため、負荷が少ないときすなわち負荷電流が低
いときにも起動時開となる。この場合には、起動時のバ
イパス弁電磁弁37の開の時間を限定しておいて、所定時
間t₁の点56以内に、負荷電流が設定値I₂をつねに下まわ
っていれば、バイパス用電磁弁37を閉とする。この後
は、前記の電流設定による開閉をくりかえす様にするた
め、負荷が少ない場合は、バイパス用電磁弁37が起動時
以外は開となることはない。

発明の効果 前記実施例の説明により明らかなように、本発明は凝
縮器の出口側と圧縮機吸込側配管との間に電磁弁を設
け、電磁弁を起動時より開とするようにしたから、起動
時の負荷を迅速に低減することができ、起動時の負荷電
流のピークを下げることができ、したがってブレーカの
遮断を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の空気調和機の冷凍サイクル
図、第２図は同空気調和機の冷凍サイクルの実施例の説
明に付する電流および電磁弁の制御特性図、第３図は従
来例の空気調和機の冷凍サイクル図、第４図は同従来例
の空気調和機の冷凍サイクルの説明に付する高圧,DPRの
開度，負荷電流の特性図である。 32……凝縮器、37……電磁弁、38……バイパス用キャピ
ラリーチューブ、39……圧縮機吸込側配管。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブ、
   室内側熱交換器、吸込側配管を順次連設した冷凍サイク
   ルにおいて、凝縮器の出口側と圧縮機の吸込側配管との
   間にキャピラリーチューブおよび室内側熱交換器バイパ
   ス用の電磁弁とバイパス用キャピラリチューブを直列に
   接続することでバイパスを形成し、前記電磁弁を運転当
   初には開として、圧縮機起動時の負荷電流のピーク値を
   低下するように構成したことを特徴とする空気調和機の
   冷凍サイクル。