JP2511318Y2 - エレベ―タ―の昇降路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エレベーターの昇降路に関し、特に、LSI
製造用清浄室に隣接して設けられたエレベーターの昇降
路に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のエレベーター昇降路は、エレベーター
の作動時に、昇降路天部および昇降路底部に、かごの上
下移動による空気の圧縮が起る。従来技術では、この対
策として、かごの外径に対し、昇降路の容積を十分確保
するか、または、圧縮された空気が屋外や、エレベータ
ー機械室に流れ出るような建屋構造をとっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述した従来のエレベーター昇降路は、人員の乗り降
りによる扉開放時に、かごの上下移動により圧縮された
空気で、昇降路より排出しきれなかった一部が、清浄室
に流れ込み、この空気流入に伴なって昇降路中の塵埃も
共に清浄室に流入し、清浄室の清浄度を低下させるとい
う欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題に対し本考案のエレベーターの昇降路には、
この昇降路内を上下移動するエレベーターのかごにより
圧縮される空気を、圧縮される前に外部に排出させるた
めの排風機を設けている。

〔実施例〕

つぎに本考案を実施例により説明する。

第１図は本考案の第１の実施例の構成断面図である。
第１図において、２階建の建屋の１・２階は清浄室８と
なっており、その１・２階の間の人・物の移動のため、
清浄室８に隣接して、昇降路1,駆動源２により駆動され
て昇降路１内を上下移動するかご３をもつエレベーター
が設けられている。なお、昇降路１の天部および底部に
は排風機４と５が、また、昇降路１の上下の中間部に、
かご３の上下移動を検知するセンサー６が設けられてい
る。

このような清浄室に隣接して設けられたエレベーター
では、エレベーターが起動し、かご３が１階から２階へ
昇降路１内を移動した場合、センサー６によりかご３の
上方向への移動が検知され、この検知信号により天部の
排風機４が作動する。そのため、かご３の移動により昇
降路天部で圧縮される空気は排風機４により外部へ排出
されるので、昇降路１から清浄室８への空気の流れ込み
が起らず、したがって空気流入による清浄室８の塵埃の
増加が防止される。また、かご３が２階から１階に移動
する場合は同様にして底部の排風機５が作動し、昇降路
１から１階の清浄室８への空気流入、それに伴なう塵埃
流入が防止される。

第２図は本考案の第２実施例の構成断面図である。第
２図では第１図に比べ、昇降路途中のセンサーを省略し
て、これをエレベーター乗場およびかごに設けたエレベ
ーター作動スイッチに代行させる。すなわち、各階のエ
レベーター乗場およびかご内に設けられている作動スイ
ッチ７によるエレベーター起動と連動し、かご３の上方
向移動時には天部の排風機４が、下方向移動時に底部の
排風機５がそれぞれ作動し、かご３の移動により圧縮さ
れる空気を屋外に強制排出し、清浄室８への空気・塵埃
の流入を防止する。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、清浄室に隣接したエレ
ベーターの昇降路の天部および底部に排風機、及び排風
機の起動および停止機構を設けることにより、エレベー
ターの昇降路内のかごの移動による空気圧縮をなくし、
昇降路から清浄室への空気の流入を防止できる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本考案の第１実施例およ
び第２実施例の構成断面図である。 １……昇降路、２……駆動源、３……かご、４……天部
排風機、５……底部排風機、６……センサー、７……作
動スイッチ、８……清浄室。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】清浄室に隣接して設けられたエレベーター
   の昇降路において、この昇降路を上下するかごにより圧
   縮される空気を外部に排出するための排風機であって、
   前記かごの上方向への移動を検知して作動する天部の排
   風機および前記かごの下方向への移動を検知して作動す
   る底部の排風機が設けられていることを特徴とするエレ
   ベーターの昇降路。