JP2510850Y2 - 高温の蒸気用の減圧弁 - Google Patents

高温の蒸気用の減圧弁

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JP2510850Y2 JP7470890U JP7470890U JP2510850Y2 JP 2510850 Y2 JP2510850 Y2 JP 2510850Y2 JP 7470890 U JP7470890 U JP 7470890U JP 7470890 U JP7470890 U JP 7470890U JP 2510850 Y2 JP2510850 Y2 JP 2510850Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は二次側の流体圧力を所望の設定圧力に保つ減
圧弁に関し、特に蒸気用減圧弁に関する。
〈従来の技術〉 減圧弁としては直動式とパイロット式のものがあり、
後者のパイロット式減圧弁を第2図に基づいて説明す
る。本体2で入口4,弁口6,出口8を形成し、入口4は一
次側の高圧流体源に出口8は二次側低圧域に接続する。
主弁10を弁口6の入口側端にコイルばね12で弾性的に付
勢して配置し、主弁軸10aを本体2のホルダー14に摺動
自在に挿入する。
ピストン16をシリンダ18内に摺動自在に配置し、ピス
トン棒16bを弁口6を通して主弁10の中央突起棒に当接
せしめる。ピストン16の下面とピストン棒16bとをほぼ
半球面で接続し、両面を連通するオリフィス16cを開口
する。入口4とピストン16の上部空間、即ちピストン室
16aを連通する一次圧通路20に付勢ばね22により閉弁方
向に付勢されたパイロット弁24を配置する。ダイヤフラ
ム26をその外周縁をフランジ28,30の間に挟んで取り付
け、ダイヤフラム26の下方空間は二次圧検出通路32を通
して出口8に連通する。パイロット弁24の弁棒34の頭部
端面はダイヤフラム26の中央下面に当接する。ダイヤフ
ラム26の上面にばね座36を介して、圧力設定用のコイル
ばね38を当接せしめ、調節ねじ40をスプリングケース42
にねじ結合して取り付ける。
調節ねじ40を左右に回すと、圧力設定ばね38のダイヤ
フラム26を押し下げる弾性力が変る。この圧力設定ばね
38の弾性力を基準値として、ダイヤフラム26はその下面
に作用する二次側圧力に応じて湾曲し、弁棒34を変位せ
しめてパイロット弁24を開閉せしめる。この結果、一次
側流体圧力がピストン室16aに導入され、ピストン16が
駆動されて主弁10が変位せしめられ、入口4の流体が弁
口6を通って出口8に流れる。これは二次側の流体圧力
が低下すると弁口6が開き、上昇すると閉じる様に自動
的に作動する。
〈考案が解決しようとする課題〉 上記減圧弁に於て微圧設定をしている時、つまり圧力
設定ばねの弾性力が小さい時、通気初期の立ち上がり時
に蒸気が流れないという現象が起こる。これはダイヤフ
ラム自体が熱膨脹及び収縮により中央部分の変位量が変
化するためにパイロット弁を操作する変位力が変るから
である。しかも設定圧力が微圧のために圧力設定ばねの
ダイヤフラムへの弾性力は僅かである。つまり通常運転
時にはダイヤフラムは高温のために熱膨脹してその温度
に応じた撓んだ状態でパイロット弁を操作しているが、
運転が終了してダイヤフラムの温度が低下すれば収縮し
てその撓み量が小さくなるために同じ圧力設定ばねの付
勢力でもパイロット弁を開弁させることができないから
である。設定圧力が大きな場合には圧力設定ばねの大き
な弾性力によりパイロット弁を開弁させるので初期に於
ても通気を行うことができる。
従って本考案の技術的課題は、微圧設定時に於ける通
気初期の立ち上がり時に蒸気が流れることができる減圧
弁を提供することである。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決する為に講じた本考案の技術的手段
は、ダイヤフラムの上面に圧力設定ばねの弾性力を作用
せしめ、その下面に二次側圧力を作用せしめ、両力の釣
り合いによる変位力で弁口を開閉して流体の通過量を制
御することにより二次側圧力を所望値に減じる減圧弁に
於て、一次側流域とダイヤフラムの下方空間を連通する
通路を設け、その通路を温度応動部材の操作力により通
気初期に減圧弁が低温の時には開弁し、減圧弁が昇温す
れば閉弁する弁体を設けた高温の蒸気用の減圧弁にあ
る。
上記弁口は直動式減圧弁では主弁口であり、パイロッ
ト式減圧弁であればパイロット弁口であり、どちらのも
のにも適用できるものである。
〈作用〉 通気初期減圧弁自体が低温の時には温度応動部材は収
縮して弁体が一次側流域とダイヤフラムの下方の空間を
連通する通路を開成せしめ、一次側の高温の蒸気をダイ
ヤフラムの下方空間へ導入する。蒸気が導入すればダイ
ヤフラムは熱膨脹を起こし、その変位力が圧力設定ばね
の弾性力と共に弁口を開弁せしめ蒸気を二次側へ流出せ
しめる。
減圧弁が昇温すれば温度応動部材は膨脹して一次側流
域とダイヤフラムの下方の空間を連通する通路を閉成せ
しめ、二次側への蒸気の流出を止める。
〈実施例〉 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する
(第1図参照)。以下の実施例は第2図に示した従来の
減圧弁のダイヤフラム部を改良したもので、第2図に対
応する部位には同じ参照番号を付して、減圧弁としての
詳細な説明は省略する。
入口4とピストン16の上部空間、即ちピストン室16a
を連通する一次圧通路20に於て、パイロット弁24より一
次側の通路からダイヤフラム26の下方空間、つまりダイ
ヤフラム室50を連通する連通路60を形成する。連通路60
内にバイメタル58と弁体56を収容し、中央に弁口54を有
する弁座部材52を前記弁体56に当接するようにダイヤフ
ラム室50側から螺合固定する。温度応動部材としてバイ
メタルを用いたが他に形状記憶合金でもよい。尚、参照
番号62はスクリーン、64はプラグである。
作用は以下の通りであり、設定圧力は微圧設定状態と
する。通気初期減圧弁自体が低温の時にはバイメタル58
は収縮して弁体56は弁口54を開弁せしめ、一次側の高温
蒸気をダイヤフラム室50へ導入する。ダイヤフラム室50
に蒸気が導入すればダイヤフラム26は熱膨脹を起こし、
その変位力は圧力設定ばね38の小さな弾性力と共に弁棒
34を操作せしめパイロット弁24を開弁せしめ蒸気をピス
トン室16aへ流出せしめる。
パイロット弁24が開弁して通常の運転が行われ減圧弁
が昇温すればバイメタル58は膨脹して弁口54を閉弁し二
次側への蒸気の流出を止める。
〈考案の効果〉 本考案によれば、微圧設定時のように圧力設定ばねの
弾性力が小さい場合でも、通気初期の立ち上がり時にも
速やかに蒸気を通すことができ、作業時間を短縮するこ
とができる。また、従来であれば通気初期に強制的に圧
力設定ばねの弾性力を強く操作してパイロット弁を開弁
せしめ、立ち上がれば元の状態に戻していたが、本考案
に寄ればその手間を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例の要部断面図、第2図は従来の
減圧弁の断面図である。 2:本体、4:入口 8:出口、16:ピストン 24:パイロット弁、26:ダイヤフラム 50:ダイヤフラム室、52:弁座部材 56:弁体、60:連通路

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイヤフラムの上面に圧力設定ばねの弾性
    力を作用せしめ、その下面に二次側圧力を作用せしめ、
    両力の釣り合いによる変位力で弁口を開閉して流体の通
    過量を制御することにより二次側圧力を所望値に減じる
    減圧弁に於て、一次側流域とダイヤフラムの下方空間を
    連通する通路を設け、その通路を温度応動部材の操作力
    により通気初期に減圧弁が低温の時には開弁し、減圧弁
    が昇温すれば閉弁する弁体を設けたことを特徴とする高
    温の蒸気用の減圧弁。
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