JP2510587B2

JP2510587B2 - 田植機

Info

Publication number: JP2510587B2
Application number: JP62135605A
Authority: JP
Inventors: 久平大内; 真山下; 辰二松浦
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-05-29
Filing date: 1987-05-29
Publication date: 1996-06-26
Anticipated expiration: 2011-06-26
Also published as: JPS63296615A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、苗の植付作業の高速化を図った田植機の苗
植付装置に関する。

〔従来の技術〕

近年、田植作業全体の作業能率の向上を図るべく植付
けの高速化の要望が高まってきており、その高速化を具
体化した構造の一例が特開昭61-5712号公報に開示され
ている。この開示されている構成では、植付ミッション
ケースの横軸芯周りに回転駆動される植付ケース両端に
２組の植付爪を備えて、１条の植付けを２組の植付爪で
行う構成であり、植付速度を従来の２倍近くにまで引き
上げることが可能となっており、植付ケース回転中での
両植付爪の植付ケースに対する姿勢は、植付ケースに内
装された楕円ギヤ又は偏芯ギヤの複数段のギヤ咬合いに
よって決定されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

１組の植付爪で１条の植付けを行う既存の機種におい
ては、植付爪の通過軌跡は上下方向の直線往復運動に略
近いものとなるのであるが、前述のように回転する植付
ケースの両端に植付爪を備えた型式では植付爪の通過軌
跡は円に近い楕円状となってしまう。従って、植付爪が
泥面に突出し苗を植付けて泥面から出て行くまでの軌跡
が前に長くなってしまい、植付爪による泥掻きの現象が
生じて、植付け後に苗倒れが生じるおそれがある。

そこで、公報に開示されている構造では植付爪の姿勢
を決定する各ギヤを楕円ギヤ又は偏芯ギヤに構成して植
付爪の通過軌跡が上下方向に細長い楕円状となるように
して、泥掻き長を短くするようにしているのであるが、
この通過軌跡はある一定の株間、つまり、ある一定の機
体の走行速度に対して設定されているものである為、株
間を変更すべく機体の走行速度を変更したりすると、当
初の設定が崩れて植付爪による泥掻き長が再び長くなっ
てしまう場合が生じてしまうのである。

ここで本発明は前述の問題に着目して複数の植付爪で
１条の植付けを行う型式の田植機において、走行速度の
変更に伴う泥掻き長の増大を防止するとともに、耐久性
の良いものを提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の特徴は、横軸芯周りに回転駆動される植付ケ
ースに、複数個の植付爪を前記横軸芯と同方向の軸芯周
りに回動自在に枢支すると共に、前記植付ケース内に、
この植付ケースの回動に伴い各植付爪が苗のせ台の苗取
出し口より順時、苗を取出して圃場に植付けて行くよう
に、前記植付ケースの各回転位相における前記植付爪の
植付ケースに対する姿勢を決定する姿勢維持用のギア群
を設けてある田植機において、前記姿勢維持用のギア群
に並列する状態で、前記植付ケースの各回転位相におけ
る植付爪の植付ケースに対する姿勢を変更する姿勢変更
用のギア群を設け、これら姿勢維持用のギア群と姿勢変
更用のギア群の中間の伝動ギアを一体的にシフト可能に
構成して、姿勢維持用のギア群と姿勢変更用のギア群の
伝動を択一的に咬合可能に構成した点にあり、その作用
及び効果は次のとおりである。

〔作用〕

姿勢変更用のギア群を備えれば、機体の走行速度を変
更して植付爪の泥掻き長が長くなったとしても、例え
ば、植付爪が泥内に突入して苗を泥内に押し出してから
直ちに、爪先を泥内から抜くように植付爪を揺動させた
りすることによって、植付爪による泥掻き長を短くする
ことが可能となるのである。

〔発明の効果〕

以上のように植付苗の株間、つまり機体の走行速度を
変更したとしても植付爪の泥掻き長の増大を抑えること
ができるようになり、植付後の苗倒れ等の現象少なくす
ることができるようになった。

また、姿勢変更用のギア群を選択したときには、他方
の姿勢維持用のギア群の伝動を断つのであるが、伝動を
断つに当たって、その他方の姿勢維持用のギア群の中間
の伝動ギアをシフトさせて伝動を断ってしまうものであ
るから、例えば、姿勢維持用のギア群の中間の伝動ギア
と姿勢変更用のギア群の中間の伝動ギアの間に、両中間
伝動ギアの側面に択一的に咬合可能なクラッチスリーブ
を設ける場合のように、他方の姿勢維持用のギア群の伝
動を断っても、その姿勢維持用のギア群を空運転させて
おく場合のように、ギアの咬合連動によるギアの早期の
摩耗が抑制され、ギアの耐久性が向上する。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明す
る。

第２図及び第１図に示すように植付ミッション（１）
後端の横軸芯（P₁）周りに植付ケース（２）が回転駆動
自在に支持されると共に、前記植付ケース（２）両端に
２組の植付爪（3A），（3B）が備えられており、植付ケ
ース（２）の回転伴い２組の植付爪（3A），（3B）が苗
のせ台（４）の苗取出し口（4a）より交互に苗を切取り
圃場に植付けて行くように構成されている。前記植付ミ
ッション（１）下部には整地兼姿勢維持用のフロート
（５）が設けられ、これら苗植付装置が四連リンク機構
（６）を介して走行機体（Ａ）が昇降自在に連結されて
乗用型田植機が構成されている。

次に前記植付ケース（２）の構造について詳述する
と、第１図に示すように、植付ミッション（１）から左
右の駆動軸（11）が突出して植付ケース（２）がこの駆
動軸（11）に固定されると共に、前記駆動軸（11）には
植付ミッション（１）に固定された円筒状の固定軸（1
3）が外嵌され、前記植付ケース（２）内に挿入されて
おり、植付ケース（２）内で前記固定軸（13）に第１ギ
ヤ（14a）が固定されている。

一方、植付ケース（２）の両端には植付爪（3A），
（3B）が揺動自在に軸支されており、この円筒状の揺動
軸（15）の第１ギヤ（15a）がギヤ対（16）の第１ギヤ
（16a）を介して前記第１ギヤ（14a）と咬合している。
そして各ギヤ（14a），（15a），（16a）は非円形ギヤ
に構成されており、駆動軸（11）によって植付ケース
（２）が回転駆動されると、両植付爪（3A），（3B）は
前述のギヤ咬合作用によって第２図に示すような姿勢で
苗取出し口（4a）を通過し苗を取出し圃場に植付けて行
くのである。以上のように、各ギヤ（14a），（15a），
（16a）のギヤ咬合構造によって植付ケース（２）に対
する植付爪（3A），（3B）の姿勢を決定する姿勢維持用
のギア群が構成されているのである。

さらに詳述すると、前記揺動軸（15）内には植付ケー
ス（２）に対して固定されたカム軸（12）が挿通されて
おり、植付爪（3A），（3B）内において植付爪（3A），
（3B）の押出し部（3a），（3b）を出退操作するカム機
構（17）が構成されている。このカム機構（17）により
植付爪（3A），（3B）が苗取出し口（4a）を通過すると
きには前記押出し部（3a），（3b）が退入して苗を挟持
し、植付爪（3A），（3B）が圃場内に突入したときには
押出し部（3a），（3b）が突出して苗を圃場内に押し出
すのである。

次に、植付ケース（２）の各回転位相における植付爪
（3A），（3B）の植付ケース（２）に対する姿勢を変更
する姿勢変更用のギア群について述べると、第１図に示
すように前記ギヤ対（16）は第１ギヤ（16a）と歯数の
異なる非円形の第２ギヤ（16b）を備えており、さらに
ギヤ対（16）は支持軸（７）に対して摺動自在に取付け
られている。これに対し、固定軸（13）に第１ギヤ（14
a）と歯数が異なり非円形の第２ギヤ（14b）が固定され
ると共に、揺動軸（15）にも第１ギヤ（15a）と歯数が
異なり非円形の第２ギヤ（15b）が設けられている。

そして、外部から操作可能な操作部（８）によってギ
ヤ対（16）を摺動操作して、ギヤ対（16）の第１ギヤ
（16a）を揺動軸（15）及び固定軸（13）の第１ギヤ（1
4a），（15a）から離間させると共に、ギヤ対（16）の
第２ギヤ（16b）を揺動軸（15）及び固定軸（11）の第
２ギヤ（14b），（15b）に咬合せることによって、植付
ケース（２）の各回転位相における植付爪（3A），（3
B）の植付ケース（２）に対する姿勢、つまり、植付爪
（3A），（3B）の通過軌跡を変更操作することができる
のである。

尚、図示はしていないが他方の植付爪（3B）側にも以
上説明した機構が内装されており、同様に通過軌跡の変
更操作を行うのである。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする
為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構
造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る田植機の実施例を示し、第１図は植
付ケース付近の横断平面図、第２図は乗用型田植機の全
体側面図である。（２）……植付ケース、（3A），（3B）……植付爪、
（４）……苗のせ台、（4a）……苗取出し口、（14
a），（15a），（16a）……姿勢維持用のギア群、（14
b），（15b），（16b）……姿勢変更用のギア群、
（P₁）……横軸芯。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】横軸芯（P₁）周りに回転駆動される植付ケ
ース（２）に、複数個の植付爪（3A），（3B）を前記横
軸芯（P₁）と同方向の軸芯周りに回動自在に枢支すると
共に、前記植付ケース（２）内に、この植付ケース
（２）の回動に伴い各植付爪（3A），（3B）が苗のせ台
（４）の苗取出し口（4a）より順時、苗を取出して圃場
に植付けて行くように、前記植付ケース（２）の各回転
位相における前記植付爪（3A），（3B）の植付ケース
（２）に対する姿勢を決定する姿勢維持用のギア群（14
a），（15a），（16a）を設けてある田植機において、
前記姿勢維持用のギア群（14a），（15a），（16a）に
並列する状態で、前記植付ケース（２）の各回転位相に
おける植付爪（3A），（3B）の植付ケース（２）に対す
る姿勢を変更する姿勢変更用のギア群（14b），（15
b），（16b）を設け、これら姿勢維持用のギア群（14
a），（15a），（16a）と姿勢変更用のギア群（14b），
（15b），（16b）の中間の伝動ギア（16a），（16b）を
一体的にシフト可能に構成して、姿勢維持用のギア群
（14a），（15a），（16a）と姿勢変更用のギア群（14
b），（15b），（16b）の伝動を択一的に咬合可能に構
成してある田植機。