JP2510570Y2 - ロ―ル状写真感光材料の集合包装体 - Google Patents

ロ―ル状写真感光材料の集合包装体

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JP2510570Y2 JP1989103775U JP10377589U JP2510570Y2 JP 2510570 Y2 JP2510570 Y2 JP 2510570Y2 JP 1989103775 U JP1989103775 U JP 1989103775U JP 10377589 U JP10377589 U JP 10377589U JP 2510570 Y2 JP2510570 Y2 JP 2510570Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ロール状写真感光材料の集合体の包装体に
関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、映画用のロール状写真感光材料は、第29図に
示すように、ポリスチレン樹脂製の巻芯4に写真感光材
料が巻回されてロール状写真感光材料3となし、このロ
ール状写真感光材料3の端末を粘着テープ又はシール23
でとめている。
従来、上記ロール状写真感光材料3を包装するには、
第30図に示すように、ロール状写真感光材料3を包装袋
41に入れた後,開口部をテープ42で密封し、この包装体
を金属缶43に入れ、嵌合部を防湿・遮光のため遮光性粘
着テープ44で封緘する。そして、この金属缶43を3缶程
度段ボール箱40に積重して収納し、接着剤又は粘着テー
プで封緘してロール状写真感光材料3の集合包装体が完
成していた。
また、他の包装体として、第31図に示すように、ロー
ル状写真感光材料3を物理強度の大きい個装袋45に入れ
た後,開口部をテープ46で密封し、この個装袋45を20個
程度外箱47上蓋48及び下蓋49からなる段ボール製の外装
箱に収納していた(「包装技術」昭和58年12号第44頁〜
第47頁参照)。
〔考案が解決しようとする課題〕
従来の金属缶43を用いる包装体は、非情にコストが高
くなり、かつ集合包装体とす工程が複雑な上、現像所で
開封してロール状写真感光材料3を1巻づつ取り出すの
が煩雑であった。また、直径40cm以上の金属缶を作るこ
とは高価な大型プレス機を用いても技術的に困難で、大
きな直径のロール状写真感光材料3を包装することがで
きなかった。さらに金属缶は、嵩が大きく使用後の廃棄
処理にも問題があった。
また、物理強度の大きい積層フィルムを用いた大型の
個装袋45による包装体は、廃棄物も少なく、包装材料の
コストダウンも図られているが、依然としてロール状写
真感光材料3を1巻づつ個装袋45に収納しなければなら
ず、また現像所で1巻づつ個装袋から取り出さなければ
ならず煩雑であった。特に、大きな直径のかつ大量のロ
ール状写真感光材料3を取り扱う大手現像所では作業性
が悪く問題であり、ロール状写真感光材料3の取り出し
性を良くする包装体が望まれていた。
本考案は以上の問題点を解決し、ロール状写真感光材
料の包装作業及び取り出し作業が簡単で、輸送中でも荷
崩れの発生がなく、かつコストが安いロール状写真感光
材料の集合包装体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は上記目的を達成するためになされたもので、
パレットに固定された中心近辺に凹部を有するほぼ円板
形状の載置台と、該載置台に載置されるロール状写真感
光材料の集合体と、該集合体に挿通され下端を載置台
で、上端を保護シートと鍔付きキャップの蓋付き円筒部
で固定した支柱と、該集合体を該載置台と結束すること
により遮光的に密封被包する遮光袋とを具備することを
特徴として構成されている。
この包装体として写真感光材料に直接又は空間はある
が遮断包材がない状態で用いられる各包材はゴミの発生
防止、写真感光材料に対して悪影響を与える物質をほと
んど含まないようにでき、物理強度が優れており、安価
である点等を考慮するとプラスチック製とするのが最も
好ましい。
遮光性と作業性を優れたものにする本考案で重要な役
割をする載置台は、ロール状写真感光材料の集合体を遮
光的に且つ輸送中でも荷崩れが発生しないように中央近
辺の凹部で支柱を固定し遮光的に載置するもので、遮光
性とパレットとのずれが防止できれば単一の成形品であ
っても、遮光台と耐圧部材を組み合わせたものであって
もよい。遮光台と耐圧部材を組み合わせた場合は、遮光
台で遮光性を確保できれば、耐圧部材は遮光性が不要
で、且つ一般に用いられている木材、段ボール等の写真
感光材料にかぶりや感光度の増減を発生させる安価な包
装材料を使用することができるので安価に提供できる。
この遮光台は遮光性を有し、かつ所定の防湿性及び物
理強度を有すれば、各種材料を用いて各種方法で作成で
きる。例えば、ゴミの発生防止や複雑な形状のものでも
成形可能な遮光物質を0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜
3重量%含む各種熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、好ましい
代表例としてはポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、ハイイ
ンパクトポリスチレン樹脂、プロピレン、エチレン共重
合体樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、合成ゴム又はエラ
ストマー樹脂を混練したポリオレフィン樹脂等がある。
さらに前記樹脂や各種熱可塑性樹脂の1種以上をブレン
ドした熱可塑性樹脂等がある。
耐圧部材は、ロール状写真感光材料の集合体の圧力に
耐え得るだけの物理強度を有すれば、各種材料、たとえ
写真感光材料に悪影響を与える材料であっても使用でき
る。各種形状に加工でき、軽量で安価であり、強度が大
きく、廃棄処理も容易で、且つ入手しやすいので木製や
紙製の材料が特に好ましい。
遮光台の外面は、作業者が手を切ったり、写真感光材
料を傷付けたり、遮光袋に破れやピンホールを開けたり
することを防止するために、角がない曲面状に形成する
のが好ましい。必要によっては第25図のように外側にカ
ールさせることが好ましい。
遮光台は、遮光袋をセーフライト下でバンドや紐等で
結束する際、結束位置を容易に確認でき、かつバンドや
紐等が輸送中に落下しないので、下部の径が大きい略階
段状に形成することが好ましい。
遮光皿又は遮光台の高さ又は深さは成形しやすさ包装
作業のしやすさ、価格等の点から10〜100mmの範囲が好
ましく、遮光皿又は遮光台に用いる遮光シートの厚さは
真空成形法では0.2〜5mmの範囲、射出成形法では0.7〜5
mmの範囲が価格と品質と成形性のバランスの点から好ま
しい。
支柱は、ロール状写真感光材料の巻芯に挿通され、下
端を載置台の中央近辺の凹部で、上端を鍔付きキャップ
で固定されることにより包装体が載置台から移動した
り、ロール状写真感光材料がずれて荷崩れするのを防止
するためのものである。従って、この支柱は、塩化ビニ
ル樹脂管、ポリプロピレン樹脂管、ポリエチレン樹脂管
等のプラスチックパイプ、金属パイプ、紙管、各種プラ
スチック棒、金属棒、木製棒等ロール状写真感光材料を
固定できるものであればよく、またその断面形状も円
形、多角形等種々の形状に形成できる。この支柱はロー
ル状写真感光材料を巻芯部が重なり合うように載置台に
載置後、巻芯の空間部(穴)を通して上部より挿通して
下端を載置台に固定する方式でも、また、支柱は遮光台
の凹部に単に遊嵌しているだけであってもよい。上端は
輸送中の振動により固定部が破損したり、載置台の凹部
からはずれて載置台からずれるのを防止するために鍔付
きキャップで固定される。この鍔付きキャップと遮光台
にもうける凹部は支柱が挿通できる以上の大きさで深さ
は3〜100mm、好ましくは5〜50mmである。
遮光材、好ましい具体的形状としての遮光袋は、ロー
ル状写真感光材料を被包して密封し、遮光性を確保する
ためのものである。この遮光袋は、遮光性を確保できれ
ば種々の遮光フィルムを用いることができる。例えば、
遮光性L−LDPE樹脂インフレーションフィルム、遮光性
ポリオレフィン樹脂インフレーションフィルム、多層共
押出し遮光性熱可塑性樹脂フィルム、積層フィルム等が
あり、エチレン共重合体樹脂フィルム又はエチレン共重
合体を含むポリオレフィン樹脂フィルムを有する積層フ
ィルムが安価で、ヒートシール適性が良好で、物理強度
が優れているので好ましい。特に、外層を光反射性遮光
性物質を含む熱可塑性樹脂フィルム、内層を光吸収性遮
光性物質を含む熱可塑性樹脂フィルムとした遮光性多層
共押出しインフレーションフィルムが好ましい。又外層
を軟化点の高い遮光性熱可塑性樹脂フィルム、内層を遮
光性熱可塑性樹脂フィルムとした遮光性多層共押出しイ
ンフレーションフィルムが好ましい。
遮光袋で密封するには、遮光袋の開口端部を遮光台に
気密に接着しても、また、開口端部を結束して行っても
よい。また、遮光台に直接固着してもよいし、固着用の
他の部材を介して固着してもよい。この固着は、紐やバ
ンドやゴム輪等による結束でも、接着剤、粘着剤、粘着
テープ、熱溶融接着等によってもよい。本考案では袋の
形状でなくシート状の遮光性フィルム遮光性分子配向
(延伸を含む)フィルム、遮光性無延伸フィルム、遮光
性積層フィルム、遮光性ストレッチフィルム、遮光性シ
ュリンクフィルム等を含む。を包装体に巻きつけ、上、
下を密封する包装体としてもよい。
固着用の部材としては、例えば遮光台の側面に対応す
る部位に遮光袋結束用の凹溝又は凸条が形成された遮光
台(遮光皿)がある。この皿の凹溝又は凸条は、幅が0.
3〜10cm、好ましくは0.5〜5cm、深さが0.1〜5cm、好ま
しくは0.3〜2cmであり、高さが1〜10cm、好ましくは2
〜6cmであり、その形状は多角形、円形、楕円等各種形
状に形成できる。さらに、凹溝又は凸条を2以上形成し
てもよい。
この遮光台(遮光皿)は、プラスチック、金属、ファ
イバードラム、段ボール等各種材料で形成される。
ロール状写真感光材料は、例えば映画用ポジティブフ
ィルム、カラー印画紙、マイクロフィルム、写植印画
紙、写真フィルム、COMフィルム等の他、感熱紙、感熱
フィルム、感光性樹脂フィルム、熱現像型感熱材料等も
含まれる。また、磁気材料、感圧紙、修飾用リボン等に
も適用することができる。また、このロール状写真感光
材料の巻芯はプラスチック、金属、紙等で製造される。
ロール状写真感光材料間には写真感光材料の品質確保
のため、及び/又は一巻ごと集合包装体から分離し処理
機に搬送するための略中央に支柱を挿通するための穴を
有するプラスチックシート、発泡シート、不織布、積層
フィルム等の本考案でセパレートシートと呼んでいる緩
衝シートを設けることが好ましい。この緩衝シートに
は、滑剤、帯電防止剤、遮光性物質、界面活性剤、導電
性物質のいずれか1つ以上を混練した各種プラスチック
樹脂シートを用いるのが写真感光材料のスタチックマー
ク発生防止、静電気によるゴミ吸着防止等の点で好まし
い。また、スタチック防止、滑性向上等のために各種形
状(例えば、東京ベアロン(株)発行の「ベアロンシ
ボ」等に記載の絹目、砂目、縄目、格子目、梨地目、微
粒面)のエンボス加工を施すことが好ましい。
〔作用〕
本考案のロール状写真感光材料の集合包装体では、遮
光台が遮光性を確保しつつロール状写真感光材料の集合
体を載置し、パレットと固定した載置台と支柱の下端を
固定する載置台の中央近辺の凹部と、支柱の上端を固定
する鍔付きキャップにより集合包装体が載置台から移動
するのを防止し、支柱がロール状写真感光材料の荷くず
れを防止し、セパレートシートが写真感光材料の品質を
確保し、一巻づつ集合包装体から分離可能にしている。
そして遮光袋がロール状写真感光材料を密封して防湿
性、ガスバリヤー性、遮光性を確保する。また、載置台
の遮光皿又は遮光台は遮光性を確保し、パレットと固定
した耐圧部材は集合包装体の移動を防止し、ロール状写
真感光材料の集合体を載置できるだけの強度を付与す
る。
〔実施例〕
本考案によるロール状写真感光材料の集合包装体の一
実施例を第1図に基づいて説明する。
第1図はロール状写真感光材料の集合包装体の断面図
である。
この図において、符号0は載置台で耐圧部材1と遮光
皿7とからなっている。符号1は耐圧部材で、比較的硬
質の材料で中央近辺に支柱を遊嵌状に固定するための凹
部51をもうけた円形状に形成されている。この耐圧部材
1の中央近辺の凹部51には、円柱状に形成された支柱2
が遊嵌され、この支柱2にロール状写真感光材料3の巻
芯4が嵌め込まれ複数巻積重されている。これらの積重
されたロール状写真感光材料3…3間にはロール状写真
感光材料3より僅かに径の長い厚さ1.2mmの遮光性ポリ
プロピレン樹脂シートからなるセパレートシート5が配
設されており、また最上部に位置するロール状写真感光
材料3の上面には、2枚の保護シート6、6′が被せら
れている。耐圧部材1の中央近辺の凹部51により支柱2
の下端を固定し、2枚の保護シート6、6′の間にはさ
むことにより固定された支柱2の上端を固定するため
の、鍔付きキャップ52により集合包装体が載置台0から
移動するのを防止している。
前記耐圧部材1の下面には、遮光皿7が固着されてお
り、この遮光皿7は耐圧部材1の全側面に沿って上方へ
折曲されるとともに凹溝8が形成されている。そして、
これらの上方から防湿遮光袋9が被せられ、遮光皿7の
凹溝8にバンド10で結束されている。なお、符号13は遮
光袋9のシール部である。
以上のような包装体を作成するには、耐圧部材1と支
柱2と遮光皿7が一体に固着されているものでも、又は
遮光皿7は一体に固着されない状態でロール状写真感光
材料3を支柱2に遊嵌して耐圧部材1に載置し、そして
最上部に保護シート6を被せた後、遮光袋9を被包し凹
溝8においてバンド10で結束する。なお支柱2はロール
状写真感光材料3を複数巻積重後巻芯の空間部を通して
上部より挿通して遮光台に固定しても耐圧部材の凹部51
に単に遊嵌しているだけであってもよい。さらに遮光皿
のみで耐圧部材を用いない形態でもよい。
ロール状写真感光材料3を取り出す場合は、バンド10
を外して遮光袋9を取り去り、ロール状写真感光材料3
を一巻づつ取り出す。
第2図は集合包装体のパレット11と載置台0を固定し
た実施例の断面図である。この実施例は、第1図に示し
た包装体をパレット11に載置し、かつ円筒体12で被包し
たものである。
第3図は集合包装体の他の実施例の断面図である。こ
の実施例は、第1図に示した包装体において、防湿遮光
袋9の内側に円筒体12を配置したものである。円筒状の
代わりに直方体を用いてもよい。
次に、第2の発明によるロール状写真感光材料の集合
包装体の一実施例を第4図から第7図に基づいて説明す
る。
第4図は集合包装体の一部切除した正面図、第5図は
同上斜視図、第6図は同上作成経過を示す斜視図、第7
図は集合包装体の最終的な包装形態を示す斜視図であ
る。
第4図及び第5図において、符号14は載置台で、この
載置台14はパレットに固定(釘30で固定)された耐圧部
材15と、耐圧部材15に被嵌された遮光台16とからなって
いる。
この遮光台16は、ABS樹脂又はポリプロピレン樹脂で
一体成形されたもので、ロール状写真感光材料3が載置
される天面部17と、この天面部17周囲から下方へ延びた
側面部、18とからなっている。そして、天面部17の中央
には固定支柱用の凹部19が形成され、また側面部18は略
中央にバンド用凹部20が形成されるとともに、外方へ突
出した段部21が形成されている。
遮光台16の天面部17の上面には、ロール状写真感光材
料3が複数巻積重され、その巻芯4には塩化ビニル樹脂
からなる棒状の支柱22が挿通され、この支柱22の下端部
は遮光台16の支柱用凹部19に遊嵌している。これら積重
されたロール状写真感光材料3…3間には、ロール状写
真感光材料3より僅かに径の長い表面にエンボス加工し
た帯電防止剤入りの厚さ1.2mmのポリプロピレン樹脂製
のセパレートシート5が配設され、最上部に位置するロ
ール状写真感光材料3の上面には保護シート6′と鍔付
きキャップ固定シート6が被せられている。また、支柱
22の上部には鍔付きキャップ23が被せられている。この
保護シート6′と鍔付きキャップ23は遮光性確保の点で
遮光性を有するようにすることが好ましい。
そして、このようなロール状写真感光材料3の集合体
には遮光袋9が被せられ、側面部18のバンド用凹部20に
おいて、幅10mmのポリプロピレン樹脂よりなるバンド10
で結束されている。
以上のような包装体を作製するには、第5図及び第6
図に示すように、まず、パレット25に載置台14を載置し
た後、ロール状写真感光材料3をその巻芯4が支柱用固
定凹部19と略一致するようにセパレートシート5を介し
て順次積重し、保護シート6′を被せる。
次に、支柱22を上方より巻芯4に挿通しその下端部を
支柱用固定凹部19に遊嵌させ、その後鍔付きキャップ23
を被せる。最後に鍔付きキャップ固定シート6を被せる
ことによりパレットと写真感光材料が一体化され、輸送
中に振動や衝撃が加わっても荷崩れやズレ等の発生がな
くなる。
そして、遮光袋9を被せバンド用凹部20でバンド10で
結束し、第5図に示すようにロール状写真感光材料の集
合包装体が完成する。
この集合包装体は、第7図に示すように、胴部26と蓋
部27とからなる外装箱28を被せられ、外装バンド29でパ
レット25に固定され、この状態で輸送される。
第8図は本考案の構成要件となる鍔付きキャップ52、
23の拡大斜視図である。鍔付きキャップ52、23は蓋付き
円筒部53と鍔部54とから構成されている。
第9図から第25図は、遮光台16の寸法・形状を変更し
た例の部分断面図である。
第26図から第28図は、本考案の集合包装体の防湿遮光
袋9に用いる好ましい単一層フィルム及び積層フィルム
の層構成を示す部分断面図である。
第26図に示すフィルムは遮光性の単一層のエチレン・
αオレフィン共重合体系樹脂フィルム32aである。
第27−1図は遮光性エチレン・αオレフィン共重合体
系樹脂フィルム32aと遮光性HDPE−L−LDPE系樹脂フィ
ルム33aよりなる遮光性二層共押出しフィルム1aであ
る。
第27−2図は第27−1図の遮光性2層共押出しフィル
ム1aの遮光性エチレン・αオレフィン共重合体系樹脂フ
ィルム32a・32a同志をブロッキング疑似接着部Bにより
積層した遮光性積層フィルムIIaである。
第28図はアルミニウム蒸着膜35を加工した二軸延伸熱
可塑性樹脂フィルム34からなるアルミニウム蒸着二軸延
伸熱可塑性樹脂フィルム36の両面に接着剤層38を介して
第27−1図の遮光性二層押出しフィルム1aとフレキシブ
ルシート(紙、セロハン、不織布、プラスチックフィル
ム等)37を積層した積層フィルムである。
但しaは遮光性物質を含むことを示す。
次に、本考案品I、II、III及び従来品I、II、の特
性を比較した実験結果について説明する。
本考案品I 本考案品Iは第1図に示す構成の包装体である。
遮光台1は厚さ0.8cmの塩ビシート、支柱2は直径2.5
cmで高さ75cmの塩ビ棒を用いた。遮光皿7は厚さ1.5mm
のカーボンブラック0.5重量%入りのプロピレン−エチ
レンブロック共重合体樹脂シートを用い、真空成形方法
により作成した凹溝8は幅1cm、深さ5mmである。この遮
光皿を接着剤でパレット11と結合し輸送中でも移動しな
いようにした。
防湿遮光袋9はカーボンブラック3重量%、エチレン
と4メチルペンテン−1共重合体であるL−LDPE樹脂
(三井石油化学製ウルトゼックス2020L)95重量%と高
密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学ハイゼックス3300
F)2重量%からなる厚さ120μmの単一層の遮光性イン
フレーションフィルムを用いた円筒状の袋である。保護
シート6′は厚さ1.2mmの両面にエンボス加工したファ
ーネスカーボンブラック0.5重量%入りのPP樹脂シート
を用いた。セパレートシート5は、低発塵性のカーボン
ブラックを0.5重量%含む、厚さ1.2mmのポリプロピレン
樹脂シートを用いた。
鍔付きキャップ52はファーネスカーボンブラック0.6
重量%入りの厚さ1.2mmのプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体樹脂にエチレン・4メチルペンテン−1共重
合体樹脂を20重量%添加した遮光性PP樹脂シートを用い
真空成形したものを用いた。鍔付きキャップ固定シート
6は厚さ2525mmのホモポリプロピレン樹脂シートを用い
た。
ロール状写真感光材料3は、巾35mm、長さ12000フィ
ートの映画用ポジディブフィルムである。
従来品I 従来品Iは第30図に示す構成の包装体である。
ロール状写真感光材料3は、巾35mm、長さ2000フィー
トの映画用ポジティブフィルムを用いた。包装袋41とし
ては厚さ90μmの高圧法分枝状低密度ポリエチレン樹脂
97重量%とカーボンブラック3重量%からなる遮光性イ
ンフレーションフィルムを用い、底部をヒートシールで
密封し、製品を挿入後開口部を折りたたんだ後綿粘着テ
ープで密封し、この包装袋を身、蓋、嵌合形式の厚さ30
0μmのZnメッキ鋼板を用いた金属缶43に入れ粘着テー
プ44としての白色のビニール粘着テープで封緘した。こ
の金属缶43を3缶段ボール箱40に収納した包装体であ
る。
従来品II 従来品IIは第31図に示す構成の包装体である。
ロール状写真感光材料3は、巾35mm、長さ6000フィー
トの映画用のポジティブフィルムを用いた。個装袋45と
しては、カーボンブラックを4.5重量%含む厚さ45μm
の斜め一軸分子配向HDPE樹脂フィルムを厚さ1mm、発泡
倍率30倍の発泡ポリエチレン樹脂シートの両側の分子配
向軸が90度に交差するように厚さ15μmのLDPE樹脂溶融
押出し接着層を介して積層した積層フィルムを用いた。
この個数袋に密封したロール状写真感光材料を20個積層
した外装段ボール箱入りの包装体である。
結果を第1表に示す。
評価は下記による。
◎……非常に優れている。
○……優れている。
●……可(実用限度内) ▲……問題あり(改良必要) ×……実用不可 本考案品II 本考案IIは、第4図に示す構成の包装体である。
ロール状写真感光材料3は、内径25mmのハイインパク
トポリスチレン樹脂製の巻芯に35mm×12,000フィート巻
の映画用のポジティブフィルムを巻き取ったロール状映
画用フィルムを用いた。
遮光台16は、外径870mm、内径865mm、開口部の内径87
7mmでカーボンブラック含有量が0.5重量%であるABS樹
脂からなる厚さ1.5mmの遮光シートを用いて真空成形方
式により作成した。
耐圧部材15は、板厚8mmのベニヤ合板を用いて、直系8
60mmの円板に加工し、巾20mm×高さ70mm×長さ840mmの
本製角材を前記円板に十文字にクギで取りつけたものを
用いる。この耐圧部材を5寸釘30でパレット25と固定し
た。
支柱22は、外径が23.5mmの塩化ビニル樹脂棒を用い
た。
セパレートシート5は、厚さ1.2mm、直径875mm、中央
部の穴の径が25mmで、両面に梨地エンボス加工したカー
ボンブラックを0.8重量%含むポリプロピレン樹脂シー
トを用いた。
遮光袋9は、外層と内層とからなる折り径が1390mmの
二層共押出しインフレーションフィルムの上部を巾10mm
でヒートシールした袋を用いた。この外層はMIが2.1g/1
0分、密度が0.920g/cm3のエチレン・4メチルペンテン
−1共重合体樹脂を92.25重量%、MIが2.4g/10分、密度
が0.926g/cm3のLDPE樹脂を4.5重量%、合成シリカを0.1
重量%、脂肪酸アミドを0.05重量%、フェノール系酸化
防止剤を0.1重量%、そしてファネスカーボンブラック
を3.0重量%含む厚さ55μmの遮光性L−LDPE系樹脂フ
ィルム層とした。内層は、MIが2.1g/10分、密度が0.920
g/cm3のエチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂
(L−LDPE樹脂)を77.17重量%、MIが1.1g/10分、密度
が0.954g/cm3のHDPE樹脂を15重量%、MIが2.4g/10分、
密度が0.926g/cm3のLDPE樹脂を4.5重量%、合成シリカ
を0.08重量%、脂肪酸アミドを0.05重量%、アルキルア
ミン系ノニオン界面活性剤を0.1重量%、フェノール系
酸化防止剤を0.1重量%、そしてファーネスカーボンブ
ラックを3.0重量%含む厚さ55μmの遮光性HDPE−L−L
DPE系樹脂フィルム層とした。
この二層共押出しチューブフィルムの一方をヒートシ
ールにより密封した遮光袋9で内側を密封した包装体の
上からさらに上、下とも開口したチューブフィルムを上
からかぶせ(一方が密封されていると空気抜けが出来な
いため作業性が悪化)した後上方で結束して二重防湿遮
光包装袋の形状にした。
密封バンド10は、巾10mmのポリプロピレン樹脂バンド
を用いた。鍔付きキャップ23、保護シート6′、鍔付き
キャップ固定シート6は本考案品Iと同じものを用い
た。
本考案品IIでは、従来品IIに比較して材料費が60%以
上、コンテナ輸送費が30%以上節減でき、加工、包装作
業員を半減でき、さらに現像処理作業員を1/3に減少で
きた。
〔考案の効果〕
本考案は以上のようにロール状写真感光材料を個別に
袋に収納するのではなくロール状写真感光材料の集合体
を一体として1枚又は2枚の遮光袋に収納することによ
り、包装材料及び包装作業工程数を大巾に減少できるの
で、大巾にコストダウンすることができ、またロール状
写真感光材料の取出し性が非常によい。
〔実施態様〕
本考案の技術的範囲内にて下記の実施態様が実用的で
ある。
(1)請求項第1項に記載の載置台が、パレットと固定
された耐圧部材と該耐圧部材を被覆する遮光台とを組み
合わせた中心近辺に凹部を有することを特徴とするロー
ル状写真感光材料の集合包装体。
(2)ロール状写真感光材料の集合体がロール状写真感
光材料の直径より大きく且つ中央近辺に支柱を挿通させ
る穴を有するセパレートシートと該セパレートシートに
載置される中央に支柱を挿通させる穴を有する巻芯に巻
かれたロール状写真感光材料を複数組み合わせてなるこ
とを特徴とする請求項第1項に記載のロール状写真感光
材料の集合包装体。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案によるロール状写真感光材料の集合包装
体の一実施例の断面図、第2図及び第3図は同上他の実
施例の断面図、第4図は第2の発明によロール状写真感
光材料の集合包装体の一部切除した正面図、第5図は同
上斜視図、第6図は作製工程を示す斜視図、第7図は最
終的な包装状態を示す斜視図、第8図は、鍔付キャップ
の拡大斜視図、第9図から25図は遮光台の代表的部分断
面図、第26図から第28図は同上遮光袋に用いる単一層フ
ィルム及び積層フィルムの層構成を示す部分断面図、第
29図はロール状写真感光材料の斜視図、第30図及び第31
図は従来の集合包装体の製造過程を示す図である。 0、14…載置台、2、22…支柱 3…ロール状写真感光材料 7…遮光皿、16…遮光台 1、15…耐圧部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平6−58509(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心近辺に凹部を有するほぼ円板形状の載
    置台と、該載置台に載置されるロール状写真感光材料の
    集合体と、該集合体に挿通され、下端を該載置台で、上
    端を保護シートと鍔付きキャップの蓋付き円筒部で固定
    した支柱と、該集合体を該載置台と結束することにより
    遮光的に密封被包する遮光袋とを具備することを特徴と
    するロール状写真感光材料の集合包装体。
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