JP2510369B2 - ジフェニルメタン誘導体類、その製造方法およびそれを含有するヨ―ドチロニン類を結合する蛋白からヨ―ドチロニン類を置換するための試薬 - Google Patents

ジフェニルメタン誘導体類、その製造方法およびそれを含有するヨ―ドチロニン類を結合する蛋白からヨ―ドチロニン類を置換するための試薬

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JP2510369B2 JP4012825A JP1282592A JP2510369B2 JP 2510369 B2 JP2510369 B2 JP 2510369B2 JP 4012825 A JP4012825 A JP 4012825A JP 1282592 A JP1282592 A JP 1282592A JP 2510369 B2 JP2510369 B2 JP 2510369B2
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    • G01N33/74Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving hormones or other non-cytokine intercellular protein regulatory factors such as growth factors, including receptors to hormones and growth factors
    • G01N33/78Thyroid gland hormones, e.g. T3, T4, TBH, TBG or their receptors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジフェニルメタン誘導体
類、その製造方法およびそれを含有するヨードチロニン
類を結合する蛋白からヨードチロニン類を置換するため
の試薬に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本発
明は一般式I:
【化6】 [式中、R1およびR2は同一または異なっており、水素
またはヒドロキシ、R3は水素またはアルコキシ、R4
水素、SO3Hまたは対応する酸の塩、R5はSO3Hま
たは対応する酸の塩、R6はアルコキシを表す]で示さ
れるジフェニルメタン誘導体類および該化合物の製造方
法に関する。
【0003】本発明は、特に免疫学的方法によって、特
に、蛋白結合ヨードチロニンを置換および放出する物質
の添加ならびに該試料中の全ヨードチロニンの測定によ
る液体試料中のヨードチロニン結合蛋白の存在下におけ
るヨードチロニンの測定方法において、特に、ヨードチ
ロニン類を結合する蛋白からヨードチロニン類を置換す
るための該化合物の使用に関する。さらに、本発明は対
応するヨードチロニン測定用試薬中の本発明化合物の使
用に関する。
【0004】本発明の範囲内のヨードチロニン類は、特
に、臨床学的診断において関心のあるものである。この
ようなヨードチロニン類は、特に、3,5,3',5'−テ
トラヨードチロニン(チロキシン;T4)、3,5,3'−
トリヨードチロニン(T3)、3,3',5'−トリヨードチ
ロニンおよび3,3'−ジヨードチロニンである。血液中
または血漿もしくは血清のような血液から誘導した試料
中のT4および/またはT3の濃度の定量測定は甲状腺
機能の試験において非常に重要な役割を果す。血液、血
漿または血清中に存在するヨードチロニンの大部分は蛋
白に結合している。このようなヨードチロニン結合蛋白
の例としてはチロキシン結合プレアルブミンおよびとり
わけ「チロキシン−結合グロブリン」(TBG)が挙げら
れる。
【0005】血液試料中のヨードチロニンの全含有量を
測定するために、次いで、遊離形態で存在するヨードチ
ロニンを測定することができるために、個々の担体蛋白
から蛋白結合ヨードチロニンを分離することが多くの方
法で必要である。蛋白結合ヨードチロニンを放出するた
めに、蛋白の上の個々の結合部位からヨードチロニンを
置換し、かつそれ自体を蛋白に結合するいわゆる「置換
試薬」を添加するのが慣例である。このような置換試薬
は、例えば欧州特許出願番号第0078477号および
第0133464号から公知である。
【0006】欧州特許出願第0078477号は一般式
1−Y−Z2(Z1およびZ2はハロゲン、アルキルおよ
び/またはアルコキシによって置換され得るフェニル基
を表し、これらのフェニル環はカルボン酸またはスルホ
ン酸残基を担持しており、Yは酸素、イミン、硫黄、メ
チレンまたはカルボニルであり得る)を有する置換効果
を有する物質を開示している。しかしながら、塩素によ
って置換されているフェニル酢酸誘導体類が好ましい。
【0007】欧州特許出願第0133464号には、ヨ
ードチロニンを結合する蛋白からヨードチロニンを置換
するのに非常に好都合であるとして2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびこの
酸の塩が開示されている。
【0008】予め蛋白に結合されたヨードチロニンの放
出の後に、試料中の遊離ヨードチロニンを測定する。通
常、このために免疫学的方法が使用される。このような
免疫学的方法では、ヨードチロニンはその各々の抗体に
結合される。抗体に結合しているヨードチロニンの程
度、すなわち、どのくらいのヨードチロニンが抗体に結
合されていたかは、試験されるべき試料のヨードチロニ
ン含有量の定量測定をさせるマーカーを含有する免疫学
的試験薬によって測定される。可能なマーカーは、ある
反応を触媒化し、このような酵素反応の程度によって試
験されるべき試料中にどのくらいのヨードチロニンが存
在するかを示す酵素である。
【0009】試料中のヨードチロニンの全含有量を確実
に測定するために、置換試薬は免疫化学反応、すなわち
特定抗体とヨードチロニンとの反応または酵素マーカー
の活性のいずれにも影響を及ぼさないことが必要であ
る。しかしながら、個々の担体蛋白からヨードチロニン
を置換するための公知の物質は、置換活性の欠如を示す
か、またはヨードチロニン−抗体反応または置換効果を
有する濃度の酵素マーカーの活性を弱めることによって
ヨードチロニンの免疫学的測定を妨害する。
【0010】本発明の目的は、個々の結合蛋白からでき
る限り多くのヨードチロニンを置換し、さらにヨードチ
ロニンについての免疫学的試験反応、特に酵素−免疫ア
ッセイを弱めない化合物を提供することである。
【0011】この目的は本特許請求の範囲で特徴付けら
れるような本発明によって達成される。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は一般式I:
【化7】 [式中、R1およびR2は同一または異なっており、水素
またはヒドロキシ、R3は水素またはアルコキシ、R4
水素、SO3Hまたは対応する酸の塩、R5はSO3Hま
たは対応する酸の塩、R6はアルコキシを表す]で示さ
れる化合物を提供するものである。
【0013】一般式Iで示される化合物の定義中、アル
コキシ基は、特に1〜6個の炭素原子を有するものであ
る。特に好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルコ
キシ基である。特にメトキシ基が好ましい。
【0014】R4基およびR5基について可能な意味とし
て挙げられる酸残基のうちの1つの塩は、特に、アルカ
リ塩、アルカリ土類塩およびアンモニウム塩を含むと解
される。アルカリ塩はリチウム塩、ナトリウム塩、カリ
ウム塩、ルビジウム塩およびセシウム塩と解され、好ま
しくはリチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩であ
り、とりわけナトリウム塩およびカリウム塩が好まし
く、特にナトリウム塩が好ましい。アルカリ土類塩はベ
リリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロン
チウム塩またはバリウム塩である。好ましくはマグネシ
ウム塩およびカルシウム塩であり、特にカルシウム塩が
好ましい。アンモニウム塩として非置換アンモニウムイ
オン、NH4 +の塩が使用され得る。しかしながら、アン
モニウムイオンが1〜4個のアルキル、アリール基また
はアラルキル基によって置換されるこれらのアンモニウ
ム塩を使用するのも可能である。この場合、「アルキ
ル」は1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有す
る直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を表す。例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基ま
たはtert−ブチル基が挙げられる。アンモニウムイオン
の置換基として好ましいアルキル基はメチル、エチルお
よびn−プロピルである。「アリール」は炭素芳香族基
またはヘテロ芳香族基を表し、好ましくは6〜10個の
環原子を有するものを表し、特に、さらにアルキル、ア
ルコキシまたは/およびハロゲンによって置換され得る
フェニルまたはナフチル基を表す。この場合、ハロゲン
はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の基を表し得る。好
ましくはフッ素および塩素である。「アルキル」および
「アルコキシ」は前記の意味を有する。置換アンモニウ
ムイオンにおける特に好ましいアリール基はフェニル基
である。「アラルキル」基は上記定義のアルキル基が上
記で挙げられたアリール基によって置換される基を表
す。好ましくはベンジル基である。一般式Iで示される
本発明の化合物の特に好ましい塩は前記の意味を有する
アルカリ塩である。
【0015】一般式Iで示される好ましい化合物は可能
な酸の基R4またはR5の少なくとも1つがスルホン酸基
または該酸の塩であるものである。
【0016】本発明の目的はR1が水素またはヒドロキ
シ、R2、R3およびR4が水素、R5がSO3Hまたは対
応する塩、R6がアルコキシである一般式Iで示される
化合物、およびR1が水素またはヒドロキシ、R2がヒド
ロキシ、R3がアルコキシ、R4がSO3Hまたは対応す
る塩、R5がSO3Hまたは対応する塩、R6がアルコキ
シである一般式Iで示される化合物によって特によく達
成される。
【0017】好ましい化合物として記載されている化合
物のうちR1が水素を表すものが最も好都合に使用され
得る。このようなジフェニルメタン誘導体類の特に好適
な例としては、特に、2−ヒドロキシ−4−メトキシジ
フェニルメタン−5−スルホン酸および対応する塩、な
らびに2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシジフ
ェニルメタン−5,5'−ジスルホン酸およびその対応す
る塩が挙げられる。特に、後者の酸およびその塩、特に
ジナトリウム塩は、本発明において特に好適である。
【0018】本発明の化合物は新規である。固有の特徴
は水および緩衝溶液のような水性媒質に容易に溶解し、
ヨードチロニン類を結合している蛋白から、特にTBG
から、ヨードチロニン類、特にチロキシンを容易に置換
し得ることである。これらの化合物の特徴は非常に良好
な置換効果を有するが、一方、免疫学的試験反応におけ
る障害に関するそれらの可能性が公知の従来技術と比較
して実質的に減少することである。これは、特に、ヨー
ドチロニン−抗体結合反応の段階での免疫学的反応およ
び酵素マーカーと対応する基質との酵素反応に関する。
【0019】本発明は本発明の化合物の製造方法にも関
する。一般式Iで示される化合物は一般式II:
【化8】 [式中、R2は水素またはヒドロキシ、R3は水素または
アルコキシ、R4は水素、SO3Hまたは対応する酸の
塩、R5はSO3Hまたは対応する酸の塩、R6はアルコ
キシを表す]で示される化合物を還元することによって
製造するのが好ましい。
【0020】この場合、各基は一般式Iで示される化合
物についての定義と同一の意味を有する。
【0021】適切な還元条件の選択は一般式Iで示され
る化合物中のR1の意味を規定するのに使用され得る。
かくして、酸性条件下で一般式IIで示されるケトンがシ
アノホウ水素化ナトリウムと反応すると、R1が水素を
表す一般式Iで示される化合物が得られる。このような
反応はpH2〜4で水性媒質中で行うのが好ましい。
【0022】パラジウム−炭素の存在下で一般式IIで示
されるケトンを水素で水素添加しても同一の結果が得ら
れる。これは水素雰囲気中で数時間撹拌しつつ行うのが
好ましい。
【0023】しかしながら、酸化白金(IV)の存在下で一
般式IIで示されるケトンを水素で水素添加すると、R1
がヒドロキシを表す一般式Iで示される化合物が得られ
る。これについては水素雰囲気中で数時間撹拌するのも
好ましい。
【0024】本発明の製造方法は、好ましくは10〜4
0℃の温度で、特に好ましくは室温で行う。
【0025】さらに、本発明は、特にヨードチロニン結
合蛋白の存在下でのヨードチロニンの測定方法および測
定用試薬において、ヨードチロニンを結合する蛋白から
ヨードチロニンを置換するための一般式Iで示される化
合物の使用にも関する。
【0026】蛋白結合ヨードチロニンを置換および放出
する物質の添加ならびに試料中の全ヨードチロニンの測
定によって液体試料中のヨードチロニン結合蛋白の存在
下でヨードチロニンを測定する本発明の方法は置換物質
として一般式Iで示される化合物を該試料に添加するこ
とを特徴とする。ヨードチロニンを結合する蛋白からヨ
ードチロニンを置換するのに必要な濃度は、もちろん、
試料中の結合蛋白の量に依存する。実際、ヒト試料、特
に血液、血漿または血清について、本発明の一般式Iで
示される物質の濃度が少なくとも6ミリモル/リットル
に調節されると、試験されるべき試料中のヨードチロニ
ン、特にT4が試料中のヨードチロニン結合蛋白から、
特に「チロキシン結合グロブリン」(TBG)から、ほと
んど完全に置換されることが判明した。8〜30ミリモ
ル/リットルの濃度が特に好ましいのが判明した。この
濃度範囲の下限は試料中の個々の結合蛋白からヨードチ
ロニンをほとんど完全に置換するのに必要な濃度であ
る。該濃度範囲の上限は経済的な考慮によってほとんど
決定される。必要以上に多量の置換試薬を使用してもさ
らなる置換効果は生じない。実際、好ましいとして記載
された濃度範囲が invivo で生じるヨードチロニン濃度
の測定に最適であることが判明した。しかしながら、こ
れらの濃度とは別に、個々のケースにおいて一般式Iで
示される物質の最適濃度を決定するのは当業者の判断し
だいである。
【0027】試料中の全ヨードチロニン含有量を測定す
るため、上記置換反応の後に該試料中のヨードチロニン
についての試験を行う。これは公知の方法に従って行わ
れ得る。通常の免疫学的定量方法が使用される。これに
関連して、免疫学的定量方法またはイムノアッセイは抗
原またはハプテンと抗体との間の相互関係に基づいてい
る方法と解される。抗体は全抗体(ポリクローナルまた
はモノクローナル抗体)または同様の活性を有するフラ
グメント、例えばFabの形態で使用され得る。
【0028】イムノアッセイを行うため、使用される抗
体または定量されるべき物質に類似の化合物を検出可能
な形態で標識しなければならない。一般式Iで示される
本発明化合物は、酵素をマーカーとして使用するような
方法における使用のために特に好適である。このような
定量方法は酵素−イムノアッセイとして公知である(例
えば、エム・エルレリッヒ(M.Oellerich)、ジャーナ
ル・オブ・クリニカル・ケミストリー・アンド・クリニ
カル・バイオケミストリー(J.Clin.Chem.Clin.Bi
ochem.)、22、895−904(1984)参照)。ヨ
ードチロニンを結合する蛋白からヨードチロニンを置換
するのに必要な本発明の化合物の濃度はヨードチロニン
の個々の抗体への結合または酵素−イムノアッセイに使
用される酵素の活性を実質的に妨害しないので、本発明
の化合物の規定によって酵素−イムノアッセイによる全
ヨードチロニンの特に有益な定量方法が得られる。
【0029】酵素−イムノアッセイで使用されるマーカ
ーは、特にペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ
またはβ−D−ガラクトシダーゼである。ヨードチロニ
ンを結合する蛋白からのヨードチロニンの置換のための
本発明の一般式Iを有する化合物の使用は、特に、酵素
−イムノアッセイにおける酵素マーカーとしてβ−D−
ガラクトシダーゼを使用する場合に好都合であることが
判明した。
【0030】IEMA法、いわゆる「免疫−酵素測定ア
ッセイ(immuno-enzymometric assays)」に基づく本発明
の酵素−イムノアッセイが特に好ましい。この方法で
は、酵素標識抗体は試験されるべき試料に過剰に添加さ
れる。この抗体に試験されるべき試料中の遊離ヨードチ
ロニンが結合する。次いで、固相上に固定したヨードチ
ロニンを過剰に添加し、結果として遊離抗体を固相上に
固定するさらなる段階で過剰の遊離標識抗体を分離す
る。次いで、固相を液相から分離する。試験される試料
中の定量されるべきヨードチロニンの量は適当な酵素基
質によってアッセイされ得る液相中または固相上に存在
する酵素活性に基づいて測定される。
【0031】本発明は液体試料中のヨードチロニン結合
蛋白の存在下でヨードチロニンを測定する本発明の方法
を行うための試薬にも関する。このような試薬はヨード
チロニンを結合する蛋白からヨードチロニンを置換する
のに適している物質、および試料中のヨードチロニンの
量の尺度を表す遊離非結合ヨードチロニンによるシグナ
ルを生じる薬物を含有しなければならない。このような
本発明の試薬は置換物質として一般式Iで示される化合
物を含有することを特徴とする。原則的には、遊離非結
合ヨードチロニンの測定用試薬として、該目的に適して
いる試薬を使用し得る。これらの物質はイムノアッセ
イ、特に酵素−イムノアッセイに必要である本発明の試
薬中での遊離非結合ヨードチロニンの測定用薬物の成分
として使用されるのが好ましい。本発明の特に好ましい
IEMA試験を行うため、該試薬は酵素標識抗体、担体
上に固定されたヨードチロニンおよび酵素変換が試料中
のヨードチロニンの量の尺度である色素形成または変色
を導く酵素マーカーに対する適当な基質を含有しなけれ
ばならない。
【0032】本発明の試薬は本発明の一般式Iで示され
る物質による置換反応および遊離非結合ヨードチロニン
の測定が行われ得るpHに試験されるべき試料中のpHを
設定する緩衝物質を含有するのが好ましい。このため、
pH値を6〜8に設定する緩衝物質を使用するのが特に
好ましい。
【0033】本発明の試薬はヨードチロニンを結合する
蛋白からヨードチロニンを置換する物質を、遊離非結合
ヨードチロニンによって試験されるべき試料中のヨード
チロニンの量の尺度であるシグナルを生じる試薬と一緒
に混合物状態で含有し得る。しかしながら、置換物質お
よび測定反応を行うための薬物は互いに空間的に分離状
態を維持している。
【0034】本発明の試薬は溶液状態で存在し得る。か
くして、例えば、上記定義に従って、一般式Iで示され
る物質は遊離非結合ヨードチロニンの測定用薬物と一緒
に共通の媒質中に存在し得る。しかしながら、本発明の
試薬は各々が別々の試薬成分を含有しているいくつかの
分離した溶液からもなり得る。好ましくは、置換物質は
遊離非結合ヨードチロニンの測定用薬物から分離してい
る。好ましく使用される溶媒は本発明の一般式Iで示さ
れる化合物を溶解するのに好適であり、かつ遊離非結合
ヨードチロニンの測定用薬物の成分と一体化するのに好
適である溶媒である。とりわけ、水性溶媒が好適であ
り、特に好ましくは緩衝溶液である。
【0035】遊離非結合ヨードチロニンの定量用薬物は
溶液状態で存在するが、本発明の試薬は固体の不活性担
体中または上にヨードチロニンを結合する蛋白からのヨ
ードチロニンの置換用物質も含有し得る。反対の場合も
可能である。
【0036】本発明の試薬の特に好ましい具体例として
は、完全に担体に結合されていることが挙げられる。例
えば、「図1」に示される試験担体がこれに適してい
る。このような試験担体は欧州特許出願第031877
7号に詳細に記載されている。「図1」に示される試験
担体1は基本的な試験片の形態を有している。それは、
特に、免疫学的定量を行うための高品質分析システムで
ある。標識された全試験領域3は基層2上に位置してお
り、基層2の長さの一部分だけを覆って伸びている。試
験領域3は試料塗布帯域4および試験帯域5に細分され
得る。試料塗布帯域4では、熱溶融型接着剤片10によ
って基層2に接着されている被覆ネット6、赤血球分離
用層7、および2つの試薬層8および9を上から下まで
見ることができる。
【0037】熱溶融型接着剤片10で接着されている吸
収材料からなる液体移動層11は試料塗布帯域4を越え
て試験帯域5中に延びている。層6〜9によって被覆さ
れていない液体移動層の領域の上方に3つの層が位置し
ており、これらは外圧の非存在下でそれらが基層2に対
して斜めに突き出し、かつそれに接しないように、熱溶
融型接着剤片12によって基層2上に固定される。これ
らの層は固定された分析物または分析物アナログを含有
する試験層13、第3試験層14および被覆ホイル15
である。
【0038】ここで示した好ましい試験担体は、いわゆ
るIEMA法に基づいている免疫学的定量用を行うのに
特に適している。ヨードチロニン(例えば、T4)を試料
中で測定するべきである場合、「図1」に示された試験
担体を使用する分析は以下のように行われる。
【0039】赤血球分離層7の上方で被覆ネット6に1
滴の血液(約30マイクロリットル)を塗布し、例えば米
国特許第4,477,575号に従って構築され得る赤血
球分離層7を透過させる。この方法で得られた血清を層
8を通して層9中に透過させる。層8は本発明の一般式
Iで示される化合物を含有しており、その結果、ここで
血液から誘導された試料が該物質を吸収し、その個々の
結合蛋白からヨードチロニンを置換し、かくして、試料
中の全ヨードチロニンが定量される。層9はヨードチロ
ニンに対する酵素的標識抗体を含有しており、該抗体は
試料中の最大ヨードチロニン濃度よりも過剰である。こ
の抗体−酵素コンジュゲート(AbE)は透過血清によっ
て溶解される。この工程で、AbEとヨードチロニンと
の間で複合体が形成され、これをI−AbEと記す。Ab
Eが過剰に存在するので、平衡に達すると遊離コンジュ
ゲートAbEが残存する。層13の目的は、他の場合な
ら以下の試験を妨害するであろう免疫学的結合によっ
て、これからAbEを除去することである。したがっ
て、免疫学的分離層とも記す。担体結合形態中にはヨー
ドチロニンまたはヨードチロニン・アナログを含有して
おり、これによって、担体上での固定は、例えば欧州特
許出願第0318777号に記載されているものの如き
無機担体粒子の助けを借りて行われる。例えばクロマト
グラフィー用のためのシリカゲルとして供給されるもの
のような担体粒子としてSiO2粒子を使用するのが好都
合である。しかしながら、酸化チタンの使用が特に好ま
しい。
【0040】試料中、結合されたヨードチロニンがその
個々の結合蛋白から置換され、遊離非結合ヨードチロニ
ンとAbEとの間で平衡が確立された予備定量インキュ
ベーション期間の後、層13〜15に上方から圧力が加
えられる。これは、手動で、または欧州特許出願第01
29220号に記載されているように装置構成要素の助
けを借りて機械的に行われ得る。下向きの圧力によって
免疫学的分離層13を液体移動層11と接触させ、そこ
に存在する成分を層13中に透過させる。この工程で、
非複合化AbEは固定されたヨードチロニンと結合する
が、I−AbE複合体は別に支障なく透過し得る。
【0041】試薬層14は酵素マーカー用色素産生基質
を含有する。液体が該基質に到達すると、遊離I−Ab
E複合体中の酵素は該基質の着色反応を触媒化する。し
たがって、色の変化率は試薬層14に到達する遊離I−
AbE複合体の量の尺度である。次に、これは試料中の
ヨードチロニンの量の尺度である。
【0042】「図1」の試験担体の個々の層のための可
能な材料は欧州特許出願第0318777号から得るこ
とができる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに説明
する。
【0044】実施例1 2−ヒドロキシ−4−メトキシジフェニルメタン−5−
スルホン酸のナトリウム塩
【化9】
【0045】a)水1200ミリリットルに入れた2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホ
ン酸[ユビヌル(Uvinul) MS−40;ドイツ連邦共
和国ルドヴィクシャフェン/レインのビーエイエスエフ
・カンパニー(BASF Company)]74g(240ミ
リモル)に、水700ミリリットルに入れたシアノホウ
水素化ナトリウム60g(950ミリモル)を添加し、
室温で撹拌する。2N塩酸の連続添加によって4時間に
わたって溶液のpHを3.5に維持し、次いで、塩酸をさ
らに添加してpH2に調整する。その後、該溶液を介し
て空気を導入し、6時間、50℃に加熱して、反応の間
に遊離したシアン化水素を完全に除去する。該溶液を真
空濃縮し、残留物をメタノールと一緒にダイジェストす
る。非溶解部分(塩化ナトリウム)をアスピレートし、
濾液をエーテルに注ぎ、生成物を沈殿させる。熱エタノ
ールに再度溶解し、ジエチルエーテル中で沈殿させて純
粋な形態の標記化合物を得る。収量70g(92%);
融点>270℃;Rf0.3[シリカゲル;移動溶媒:イ
ソプロパノール/酢酸n−ブチル/水/25%アンモニ
ア水溶液=10:6:3:1(v/v/v/v)]。
【0046】b)別に、標記化合物は以下のとおり製造
することもできる。メタノール500ミリリットルに入
れた2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5
−スルホン酸[ユビヌル(Uvinul) MS−40;ドイ
ツ連邦共和国ルドヴィクシャフェン/レインのビーエイ
エスエフ・カンパニー(BASFCompany)]5g(1
6ミリモル)を、パラジウム−炭素(10%)1gの存
在下、水素雰囲気下、室温で6時間撹拌する。触媒をア
スピレートした後、1Nメタノール性ナトリウムメチラ
ート溶液を添加し、該溶液を真空濃縮し(残留容量約1
00ミリリットル)、ジエチルエーテル1000ミリリ
ットルを添加して、生成物を沈殿させる。収量4g(7
9%);融点>270℃;Rf0.3[シリカゲル;移動
溶媒:イソプロパノール/酢酸n−ブチル/水/25%
アンモニア水溶液=10:6:3:1(v/v/v/
v)]。
【0047】実施例2 2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシジフェニル
メタン−5,5'−ジスルホン酸のジナトリウム塩
【化10】
【0048】2N塩酸の連続添加(全消費量約250ミ
リリットル)によってpHを3.5に維持している間に、
実施例1に記載と同様の方法で、室温で8時間、水30
00ミリリットル中、シアノホウ水素化ナトリウム57
g(900ミリモル)で2,2'−ジヒドロキシ−4,4'
−ジメトキシベンゾフェノン−5,5'−ジスルホン酸の
ジナトリウム塩[ユビヌル(Uvinul) DS−49;ド
イツ連邦共和国ルドヴィクシャフェン/レインのビーエ
イエスエフ・カンパニー(BASF Company)]144
g(0.3ミリモル)を脱酸素する。上記と同様に処理
して、所望の化合物を得る。収量:103g(74
%);融点>260℃;Rf0.75[HPTLC−RP
18;ドイツ連邦共和国ダームスタットのイー・メル
ク・カンパニー(E.Merck Company);移動剤:エタ
ノール/水=7:3(v/v)]。
【0049】実施例3 2−ヒドロキシ−4−メトキシジフェニルカルビノール
−5−スルホン酸のアンモニウム塩
【化11】
【0050】メタノール800ミリリットルに入れた2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スル
ホン酸[ユビヌル(Uvinul) MS−40、ドイツ連邦
共和国ルドヴィクシャフェン/レインのビーエイエスエ
フ・カンパニー(BASFCompany)]15.4g(50
ミリモル)に、ピリジン4g(50ミリモル)およびP
tO23gを添加し、水素雰囲気下、室温で24時間撹拌
する。触媒を濾去し、濾液を濃縮した後、残留物をシリ
カゲル上でカラムクロマトグラフィーによって精製する
[移動溶媒:塩化メチレン/メチルエチルケトン/メタ
ノール/濃アンモニア水溶液=5:1:2:0.3(v
/v/v/v)]。Rf0.12の画分を濃縮して、標記
化合物を得る;収量9.5g(58%);融点211
℃。
【0051】実施例4 全チロキシン(T4)の定量方法
【0052】A)試験方法 以下の成分を、逐次、ピペットで遠心管に入れる:0〜
20μg/dlのT4を有する血清8マイクロリット
ル、緩衝液に入れた置換試薬溶液20マイクロリットル
(0〜30ミリモル)。
【0053】次いで、2分間混合する。次に、この混合
物に緩衝液に入れた(抗−T4抗体)−β−ガラクトシダ
ーゼコンジュゲート25マイクロリットル(40U/ミ
リリットル)を添加する。緩衝液は置換試薬についてと
同一である。再度、2分間混合する。
【0054】次いで、緩衝液に入れた二酸化チタン−T
4懸濁液20マイクロリットル(50%)を添加する。
該二酸化チタン−T4懸濁液は欧州特許出願第0318
777号(実施例1.2)の記載に従って調製する。再
度、2分間混合した後、遠心分離によって固体成分を除
去し、該上澄み液20マイクロリットルを、緩衝液に入
れたクロロフェノールレッド−ガラクトシド750マイ
クロリットル(1ミリモル)に添加する。
【0055】クロロフェノールレッド−ガラクトシドは
欧州特許出願第0146866号に従って調製する。
【0056】短時間混合した後、578nmで吸光度変
化/分を測定する。
【0057】各々の場合、使用した緩衝液は以下の物質
の水溶液(pH=7.0)である。 KH2PO4 10ミリモル MgCl2 5ミリモル NaCl 25ミリモル
【0058】B)結果 a)物質2−ヒドロキシ−4−メトキシジフェニルメタ
ン−5−スルホン酸(ナトリウム塩)(α)および2,2'−
ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシジフェニルメタン−
5,5'−ジスルホン酸(ジナトリウム塩)(β)に対して使
用した置換試薬(DR)の濃度に対する測定したシグナ
ル(吸光度変化/分)の依存性を「表1」に示す。比較
として、同一T4濃度(この場合:試験混合物中5.0
μg/dl)を有するTBG−遊離血清についての測定
値を示す(DRを用いずに測定)。
【0059】
【表1】
【0060】物質βの置換効果は約6ミリモルの濃度以
上で完全に達する。物質αは混合物中8〜10ミリモル
の濃度で「正しい」測定シグナルに至る。
【0061】b)物質βを含有する混合物中の種々のT
4濃度を使用して行った実験を「表2」に示す。
【0062】
【表2】 これに従って、良好な傾斜を有する合計T4試験は、8
〜30ミリモルの範囲の混合物中のDR濃度で行われ得
る。
【0063】実施例5 全チロキシン(T4)の定量用試験担体
【0064】1.試験担体の構築および機能 試験担体の構築および機能は「図1」と同じである。血
清中に存在する全チロキシンを検出可能とするために、
第1試薬層8に位置している適切な置換試薬によって蛋
白結合T4を放出するのが必要である。
【0065】2.分離層13の調製 2.1 TiO2のアミノ−シラン化(TiO2−Si)再蒸
留水1000ミリリットルにTiO2[RN43;ドイツ
連邦共和国レファークセンのクロノス−チタン(Krono
s−Titan)]50gを懸濁し、pHをモニターしながら
(pH3〜4)、3−アミノプロピル−トリエトキシシ
ラン[ドイツ連邦共和国ダイセンホフェンのシグマ−ヘ
ミィ(Sigma−Chemie)]10ミリリットルと一緒に
75℃で2時間撹拌する。その後、ガラスフィルター
(G5)上でアスピレートし、pHが中和になるまで再
蒸留水で洗浄する。
【0066】2.2 架橋分子の合成(TiO2−Si−G
A−Cc)グルタルジアルデヒド溶液[水中25%、ド
イツ連邦共和国ダイセンホフェンのシグマ−ヘミィ(S
igma−Chemie)]250ミリリットルにシラン化二酸化
チタン(TiO2−Si)50gを懸濁し、pH7.4で1
2時間撹拌する。その後、ガラスフィルター(G5)上
でアスピレートし、次いで、まず再蒸留水で洗浄し、次
いで、0.5Mリン酸塩緩衝液(pH7.6)で洗浄す
る。固相にリン酸塩緩衝液225ミリリットルを吸収さ
せ、クロテイン−C溶液[リン酸塩緩衝液中10%;ド
イツ連邦共和国ネーテタルのクロダ(Croda)から入手し
たクロテイン(Crotein) C]25ミリリットルと一緒
に12時間撹拌する。残存する遊離アルデヒド基を飽和
するために、リン酸塩緩衝液中で洗浄した固相50g
を、0.5Mグリシンを含有する0.5Mリン酸塩緩衝液
500ミリリットル中で1時間撹拌する。強く洗浄した
後(再蒸留水)、ホウ酸塩緩衝液(pH8.5)450ミリ
リットル中に沈殿物(約50g)を取り、シアノホウ水
素化ナトリウム(ホウ酸塩緩衝液中5%)50ミリリッ
トルと一緒に15分間撹拌し、シッフ塩基を還元する。
次いで、ガラスフィルター(G5)上でアスピレートし、
リン酸塩緩衝液および再蒸留水で洗浄する。
【0067】2.3 分析物アナログとしてBOC−T
4−ヒドロキシスクシンイミド(TiO2−Si−GA−
Cc−T4)の結合 0.06M Na2HPO4(pH8.8)200ミリリット
ルにTiO2−Si−GA−Cc 10gを懸濁し、暗所
で、BOC−T4−ヒドロキシスクシンイミド溶液(ジ
オキサン中0.05%)170ミリリットルと一緒に2時
間撹拌する。その後、0.06M Na2HPO4/ジオキ
サン(10:8.5)で洗浄し、次いで、再蒸留水で数回
洗浄し、アスピレートする。
【0068】2.4 ファブリック上へのフィルム塗布 下記「表3」の組成物を含有する塗布材料を、湿フィル
ム厚350μのファブリック PE 812 K6[スイス
国タールのシュヴァイツェリシェ・サイデンガツェファ
ブリク(Schweizerische Seidengazefabrik)]に塗布
し、乾燥する。
【0069】
【表3】
【0070】3.第1試薬層8上の置換試薬の調製 Gal緩衝液に200mM置換試薬(2,2'−ジヒドロキ
シ−4,4'−ジメトキシジフェニルメタン−5,5'−ジ
スルホン酸(ジナトリウム塩))を溶解し、ティーバッグ
紙[GFRゲルンシャイムのシェラー・アンド・ヘシュ
(Schoeller and Hoesch)]上に浸み込ませる。
【0071】
【表4】
【0072】4.コンジュゲート層として第2試薬層9
の調製 以下の溶液をファブリック PE 14 100 ノーマル
[スイス国タールのシュヴァイツァー・サイデンガツェ
ファブリク(Schweizer Seidengazefabrik)]上に浸み
込ませる。
【0073】
【表5】
【0074】5.基質層として第3試薬層14の調製 ファブリック PE HD−1[スイス国タールのシュヴ
ァイツァー・サイデンガゼファブリク(Schweizer Sei
dengazefabrik)]上への注入。注入溶液の組成:Gal緩
衝液中20mMクロロフェノール・レッド−ガラクトシ
ド(CPRG)(欧州特許出願第0146866号に従っ
て製造した)。
【0075】6.結果 種々の全T4濃度を有する血清3マイクロリットルを試
験片に塗布し、567nmで本出願人の「リフロトロン
(Reflotron)」装置で測定する。
【0076】
【表6】
【0077】2.0〜17.0μg/dlの臨床学的に適
切な範囲に達することができるグラデーションによっ
て、非常に良好な精度で測定できる。
【0078】実施例6 置換試薬による酵素マーカーとしてのβ−ガラクトシダ
ーゼの酵素活性への影響
【0079】A)試験方法 以下の成分を、逐次、ピペットで遠心管に入れる:5μ
g/dlのT4を有する血清80マイクロリットル、緩
衝液に入れた置換試薬溶液20マイクロリットル(0〜
40ミリモル)。
【0080】次いで、2分間混合する。次に、この混合
物に緩衝液に入れた(抗−T4抗体)−β−ガラクトシダ
ーゼコンジュゲート25マイクロリットル(40U/ミ
リリットル)を添加する。緩衝液は置換試薬についてと
同一である。再度、2分間混合する。
【0081】次いで、緩衝液に入れたクロロフェノール
レッド−ガラクトシド750マイクロリットル(1ミリ
モル)にこの混合物20マイクロリットルを添加する。
【0082】クロロフェノールレッド−ガラクトシドは
欧州特許出願第0146866号に従って調製する。
【0083】短時間混合した後、578nmで吸光度変
化/分を測定する。
【0084】各々の場合、使用した緩衝液は以下の物質
の水溶液(pH=7.0)である。 KH2PO4 10ミリモル MgCl2 5ミリモル NaCl 25ミリモル
【0085】B)結果 a)物質2−ヒドロキシ−4−メトキシジフェニルメタ
ン−5−スルホン酸(ナトリウム塩)(α)(実施例1参
照)、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシジフ
ェニルメタン−5,5'−ジスルホン酸(ジナトリウム塩)
(β)(実施例2参照)および2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸(γ)(従来技術;
欧州特許出願第0133464号参照)について使用し
た置換試薬(DR)の濃度に対する測定シグナル(吸光度
変化/分)の依存性を酵素活性の尺度として「表7」に
示す。
【0086】
【表7】
【0087】本発明の物質(α、β)はβ−ガラクトシダ
ーゼ活性への影響を示さないが、従来技術の置換試薬
(γ)によって、酵素活性は実質的に影響される。より高
いDR濃度で、酵素活性は非常に減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の試薬を使用し得る試験担体の断面
図。
【符号の説明】
1・・・試験担体、2・・・基層、3・・・試験領域、4・・・試料
塗布帯域、5・・・試験帯域、6・・・被覆ネット、7・・・赤
血球分離用層、8および9・・・試薬層、11・・・液体移動
層、13および14・・・試験層、15・・・被覆ホイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴォルフガング・ラインホルト・クナッ ペ ドイツ連邦共和国デー−6700ルートヴィ ッヒシャーフェン、ブルックネルシュト ラーセ2番 (72)発明者 ハイノ・アイクマイヤー ドイツ連邦共和国デー−6143ロルシュ、 ビスマルクシュトラーセ8番 (72)発明者 ヴォルフガング・ヴェッケルレ ドイツ連邦共和国デー−6718グリュンシ ュタット、アウフ・デム・ライメン12番

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [式中、 R1は水素またはヒドロキシ、 R2は水素またはヒドロキシ、 R3は水素またはアルコキシ、 R4は水素、SO3Hまたは対応する酸の塩、 R5はSO3Hまたは対応する酸の塩、 R6はアルコキシを表す]で示される化合物。
  2. 【請求項2】 一般式II: 【化2】 [式中、 R2は水素またはヒドロキシ、 R3は水素またはアルコキシ、 R4はSO3Hまたは対応する酸の塩、 R5はSO3Hまたは対応する酸の塩、 R6はアルコキシを表す]で示される化合物を還元する
    ことを特徴とする一般式I: 【化3】 [式中、 R1は水素またはヒドロキシを表し、R2〜R6は上記一
    般式IIの定義と同じである]で示される化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一般式I: 【化4】 [式中、 R1は水素またはヒドロキシ、 R2は水素またはヒドロキシ、 R3は水素またはアルコキシ、 R4は水素、SO3Hまたは対応する酸の塩、 R5はSO3Hまたは対応する酸の塩、 R6はアルコキシを表す]で示される化合物を置換物質
    として試料に添加することを特徴とする、特に免疫学的
    方法によって、蛋白結合ヨードチロニンを置換および放
    出する物質を添加して試料中の全ヨードチロニンを測定
    することによるヨードチロニン−結合蛋白の存在下での
    液体試料中のヨードチロニン測定方法。
  4. 【請求項4】 一般式I: 【化5】 [式中、 R1は水素またはヒドロキシ、 R2は水素またはヒドロキシ、 R3は水素またはアルコキシ、 R4は水素、SO3Hまたは対応する酸の塩、 R5はSO3Hまたは対応する酸の塩、 R6はアルコキシを表す]で示される化合物を置換物質
    として含有することを特徴とする、ヨードチロニンを結
    合する蛋白からヨードチロニンを置換するための物質お
    よび遊離非結合ヨードチロニンによって試料中のヨード
    チロニンの量の尺度を表すシグナルを生じる薬物を含有
    する試料中でのヨードチロニン測定用試薬。
JP4012825A 1991-02-02 1992-01-28 ジフェニルメタン誘導体類、その製造方法およびそれを含有するヨ―ドチロニン類を結合する蛋白からヨ―ドチロニン類を置換するための試薬 Expired - Lifetime JP2510369B2 (ja)

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