JP2510124Y2 - 天地突張り固定型クレ―ン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は建屋内で配管などの資材を吊り上げるための
クレーンに係り、特に、床と天井間に伸縮可能なポスト
を突っ張り式に固定させ、これを支持ポストとして用い
る天地突張り固定型クレーンに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、建屋内において配管などの資材を高所に吊り上
げる場合、ホイストなどの吊り上げ機構が天井に配設さ
れていないときには、まず、床面上に足場を組み上げ、
建屋の天井にチエーンブロツクなどの吊り上げ部材を取
り付け、この吊り上げ部材を介して吊り上げ作業を行っ
ていた。

また、建屋内に或る程度のスペースを確保できる場合
には、小型の重機車両を用いて吊り上げ作業を行ってい
た。

しかし、前者にあっては、足場の架設に多大な労力が
必要とし、コストアツプを招くと共に作業能率、安全性
などに劣る不具合がある。また、後者にあっては、建屋
内に或る程度の広いスペースを有していることが条件と
なるほか、重機車両自体の重量がかなりのものであるた
め、床強度を大きくする必要がある。

そこで、足場の架設を行うことなく、かつ広いスペー
スを要することなく資材の吊り上げを可能にする天地突
張り固定型クレーンとして、実開昭62−133590号に提案
のものがある。この天地突張り固定型クレーンは、床面
上を走行可能な走行台に伸縮ポストを設け、この伸縮ポ
ストの上部にレールを設置し、このレールに走行可能に
吊上部材を設ける構成にされている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記した従来の天地突張り固定型クレーンに
あっては、伸縮ポストを走行台に固定しているため、建
屋によっては、入り口などのように高さの低い部位にク
レーン上部が接触し、目的位置まで移動できない場合が
あった。

本考案の目的は、上記した従来技術の実情に鑑みてな
されたものであり、足場の架設及び広いスペースを要し
ない機能を維持しながら、建屋内の移動を容易に行うこ
とのできる天地突張り固定型クレーンを提供するにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、床面上を走行
可能な走行台と、天井衡合面及び床衡合面を有すると共
に前記走行台に支持された伸縮ポストと、水平面内での
旋回を可能にして前記伸縮ポストの天井衡合面側に支持
されたレールとを備えた天地突張り固定型クレーンにお
いて、前記伸縮ポストは水平位置から垂直位置までの範
囲内で回動可能に支持され、前記走行台はコの字形に形
成されるとともに、前記伸縮ポストの支持高さを可変に
支持し、前記伸縮ポストを直立させたときに、前記床衡
合面を有する接地ベースが前記コの字形走行台の内側に
おいて接地可能にしたものである。

〔作用〕

上記手段によれば、天井部の低い出入り口を有する建
屋内に搬入する場合、伸縮ポストを水平状態に倒して目
的の場所まで移動し、そこで伸縮ポストを垂直位置へ回
動させ、天井面と床面の間に固定し、通常の吊り上げ作
業を実施する。このように、伸縮ポストを回動できるよ
うにしたことにより、建屋の天井部の低い部分の通過が
可能となり、目的の作業場まで容易に搬入することがで
きる。

〔実施例〕

以下、第１図及び第２図を参照して本発明を具体的に
説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す側面図であり、第２
図は走行台部の平面図である。

第１図に示すように、360°回転自在な４個のキヤス
タ12を備え、かつ第２図のように”コ”の字形に形成さ
れた走行台10には、一対のガイド14が立設されている。
このガイド14は、２本のガイド柱16と、これらに昇降自
在に取り付けられる軸受取付支柱18より成っている。ガ
イド14の各々の上部には、軸受20が設けられている。こ
の軸受20には、回動自在に伸縮ポスト22の軸24が軸支さ
れており、更に、軸24の一方にはウオームホイール26が
取り付けられている。ウオームホイール26にはウオーム
28が噛合し、そのウオーム軸30はガイド柱16間に回転自
在に支持され、その一端にはハンドル32が装着されてい
る。

伸縮ポスト22は、中心部に油圧ジヤツキ（不図示）を
備え、その外側に同軸構造に且つ油圧ジヤツキの駆動に
応じて自在に伸縮する外筒34を有している。さらに、伸
縮ポスト22の下側には床衡合面を有する接地ベース36が
設けられ、上側に突出するシヤフト38の端部には天井衡
合面を有する天井支持板40が設けられている。シヤフト
38と天井支持板40とは、玉継手（不図示）を介して接続
され、天井の傾斜に応じて天井支持板40を傾斜できるよ
うにされている。

シヤフト38には、不図示の軸受を介して回転自在にハ
ウジング42が支持されている。このハウジング42には、
伸縮ポスト22の軸に対して直角方向すなわち水平方向に
延伸するようにレール44が固定されている。

さらに、軸受取付支柱18と走行台10の間には、軸受取
付支柱18を昇降させて、軸受20、軸24、ウオームホイー
ル26及び伸縮ポスト22を一体的に昇降させ、伸縮ポスト
22の支持高さを可変できるようにする油圧などを駆動源
に用いたシリンダ46が配設されている。

また、第２図に示すのように、伸縮ポスト22を第１図
の水平状態から垂直状態に回動させたとき、伸縮ポスト
22が直立するように走行台10にストツパ48を設けてい
る。

次に、以上の構成による実施例の動作について説明す
る。

先ず、戸外から建屋内の天地突張り固定型クレーンを
搬入する場合、第１図に示すハンドル32を回転し、ウオ
ームホイール26を図示の時計方向に回転させ、伸縮ポス
ト22を水平位置に保持する。また、シリンダ46を駆動し
て、伸縮ポスト22の設置高さを下げる。ついで、この状
態のまま走行台10を何らかの方法（人力で引っ張る、牽
引車で牽引するなど）によって移動させ、建屋内の作業
位置に運び込む。

次に、ハンドル32を前記とは逆方向に回転させ、伸縮
ポスト22を徐々に垂直位置へ回動させ、伸縮ポスト22の
胴部が走行台10のストツパ48に突き当たったときにハン
ドル32の操作を停止する。これにより、伸縮ポスト22は
垂直状態に保持される。

次に、伸縮ポスト22内の油圧ジヤツキに油圧を供給し
て伸縮ポスト22を伸長させ、天井支持板40の衡合面を天
井に衡合させる。この状態から、更に伸縮ポスト22を伸
長させると、接地ベース36の衡合面が床（または地面）
に衡合する。この操作により、伸縮ポスト22は、天井と
床との間で天地突張り式に固定され、支持ポストとして
の役割を果たすことになる。

この後、レール44の旋回と吊り上げ部材（不図示）の
操作とにより、配管などの資材を必要な高さまで吊り上
げることができる。

なお、上記実施例においては、伸縮ポスト22のほぼ中
心部を回転中心として回転させるものとしたが、中心部
以外の部位であってもよい。

また、伸縮ポスト22は、搬入時に水平位置にするもの
としたが、建屋部分に当たりさえしなければ、或る角度
をもった状態のまま移動することも可能である。

〔考案の効果〕

以上説明した通り、本考案によれば、床面上を走行可
能な走行台と、天井衡合面及び床衡合面を有すると共に
前記走行台に支持された伸縮ポストと、水平面内での旋
回を可能にして前記伸縮ポストの天井衡合面側に支持さ
れたレールとを備えた天地突張り固定型クレーンにおい
て、前記伸縮ポストを水平位置から垂直位置までの範囲
で回動可能に前記走行台に支持するようにしたので、建
屋の天井部の低い部分の通過が可能となり、目的の作業
場所まで容易に搬入することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図であり、第２図
は走行台部の平面図である。 10……走行台、14……ガイド 16……ガイド柱、18……軸受取付支柱、20……軸受、22
……伸縮ポスト、24……軸、26……ウオームホイール、
28……ウオーム、30……ウオーム軸、36……接地ベー
ス、40……天井支持板、44……レール、46……シリン
ダ、48……ストツパ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床面上を走行可能な走行台と、天井衡合面
   及び床衡合面を有すると共に前記走行台に支持された伸
   縮ポストと、水平面内での旋回を可能にして前記伸縮ポ
   ストの天井衡合面側に支持されたレールとを備えた天地
   突張り固定型クレーンにおいて、前記伸縮ポストは水平
   位置から垂直位置までの範囲内で回動可能に支持され、
   前記走行台はコの字形に形成されるとともに、前記伸縮
   ポストの支持高さを可変に支持し、前記伸縮ポストを直
   立させたときに、前記床衡合面を有する接地ベースが前
   記コの字形走行台の内側において接地可能にしたことを
   特徴とする天地突張り固定型クレーン。