JP2510002B2 - フェ―ジングシミュレ―タ及びそれによって試験信号の擬似伝播路を設定する方法 - Google Patents

フェ―ジングシミュレ―タ及びそれによって試験信号の擬似伝播路を設定する方法

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JP2510002B2
JP2510002B2 JP1083634A JP8363489A JP2510002B2 JP 2510002 B2 JP2510002 B2 JP 2510002B2 JP 1083634 A JP1083634 A JP 1083634A JP 8363489 A JP8363489 A JP 8363489A JP 2510002 B2 JP2510002 B2 JP 2510002B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、送信装置から送出された一つの信号で伝播
定数が異なる複数の伝播路を通過することにより、受信
装置で受信したときに2つの信号の干渉により発生する
フェージング現象を擬似的に発生させるフェージングシ
ミュレータ及びそれによって試験信号の擬似伝播路を設
定する方法に関する。
[従来の技術] 各種データを例えば1〜20G Hzのマイクロ波を利用し
て長距離伝送する場合は一般に第6図に示すような一対
のアンテナ1a,1bを対向配置して、送信装置2から出力
された信号の送信側のアンテナ1aから無線出力し、受信
側のアンテナ1bを介して受信装置3で受信する。この場
合、アンテナ1a,1bは目視で互いに対向配置されている
ので、アンテナ1aから放射された電波は直接アンテナ1b
へ入力されるが、何等かの条件によって地上で反射した
り、回折が生じた状態で受信側のアンテナ1bに入力する
場合もある。この場合、直接波の伝播路4aと反射波の伝
播路4bとの二つの伝播路が生じる。各伝播路4a,4bにお
ける伝播経路長が異なるために、受信装置3で各電波を
受信した場合における各伝播路4a,4bを伝播する信号Ao,
Ar相互間に遅延時間τおよび位相差φが発生する。した
がって、各伝播路4a,4bを経由する信号Ao,Arを(1),
(2)式で示すことができる。
Ao=aOexp[jωt] …(1) Ar=aRexp[j{ω(t+τ)+φ}] …(2) よって、各信号Ao,Arを合成した信号Atは At=Ao+Ar =aO[exp(jωt)+(aR/aO)exp{jω(t+
τ)+jφ}] …(3) なお、aO>aRの状態をミニマムフェージングと言い、aO
<aRの状態を非ミニマムフェージングと言う。この合成
信号Atの振幅特性ABS(At)は直接波の信号Aoで標準化
すると、 但しρ=aR/aO 又はaO/aR,(ρ≦1) θ=ωτ+φ さらに、Δω=2πΔf,Δf=f−FPとして、上記振
幅特性をdB表示すると、(5)式となる。
At(db)=10log[1+ρ2−2ρ cos(Δωτ)] …
(5) この(5)式を、横軸を周波数f(=ω/2π)として
表示すると第7図に示すように、ある特定周波数FPで振
幅が急激に低下する。またこの周波数FPで位相が180°
転換する。すなわち、受信装置3で各信号Ao,Arを合成
するとフェージング現象が生じる。
したがって、受信装置3においては、上述したフェー
ジング現象が生じたとしても正常に信号を取出す機能が
要求される。
この受信装置3におけるフェージング現象を除去して
正常な信号を取出す機能を定量的に試験する装置として
フェージングシミュレータが用いられる。
このフェージングシミュレータは第7図に示した周波
数特性を有する伝播路を擬似的に作成して、受信装置3
に入力する信号を加工する。すなわち、第7図の特定周
波数をノッチ周波数Fpと言い、ノッチ周波数Fpにおける
受信レベルの基準レベルからの減衰量をノッチ深さDpと
言うが、このノッチ周波数Fpとノッチ深さDpを忠実に再
現すればよい。
具体的には第8図に示すように、入力端子5から入力
した試験信号を分離回路6で前記第6図の各伝播路4a,4
bに相当する2本の伝播路7a,7bに分割して、一方の伝播
路7aは直接合成回路8に入力され、他方の伝播路7bに
は、遅延回路9,移相回路10および減衰回路11が介挿され
ている。そして、合成回路8で直接波の信号Aoと遅延回
路9,移相回路10および減衰回路11を介して擬似的に作成
された反射波の信号Arとが合成されて、出力端子12から
出力される。すなわち、上記遅延回路9,移相回路10およ
び減衰回路11の各遅延時間τ,位相差φ,減衰量ρ等か
らなる伝播定数を変化させることによって、任意のノッ
チ周波数Fpおよびノッチ深さDpを得ることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、第8図に示したフェージングシミュレ
ータにおいてもまだ次のような問題があった。すなわ
ち、フェージングシミュレータの性能は、上記ノッチ周
波数Fpとノッチ深さDpとをいかに正確に与えることがで
きるかで定まる。通常必要とされるノッチ深さDpの値
は、0〜40dBもの広い範囲であるので、例えばDp=40dB
とした場合には、(4)式における減衰量ρはρ=0.99
となる。したがって、この減衰量ρを正確に与えること
は、この伝播路7bに挿入された遅延回路9や移相回路10
における減衰量等も加味されるために、たとえ減衰回路
11だけで上記精度を維持しても無駄であるので、非常に
困難である。よって、フェージングシミュレータの性能
にも一定の限界が生じることになる。
このような不都合を解消するために、第9図に示すよ
うにパイロット信号を用いて減衰量を制御する干渉擬似
試験装置が提唱されている(特開昭60−236529号公
報)。すなわち、入力端子5から入力される試験信号に
合成回路13でもってパイロット信号発生器14から出力さ
れる設定すべきノッチ周波数Fpを有するパイロット信号
を合成して、合成された信号を分離回路6で分離する。
そして、一方を直接合成回路8へ入力し、他方を遅延回
路9および複素減衰器15を介して合成回路8へ入力させ
る。そして、この合成回路8の出力信号を分離回路16で
パイロット信号の成分のみを検出したのち、出力端子12
へ送出する。そして、この分離回路16で検出されたパイ
ロット信号成分を複素相関回路17へ印加する。この複素
相関回路17は複素減衰器15の複素減衰値を分離回路16で
検出されるパイロット信号成分が零になるように制御す
る。すなわち、複素減衰器15,合成回路8,分離回路16,複
素相関回路17で一種の帰還回路を形成して、出力端子12
に出力されるパイロット信号成分を打消すことにより、
結果として、ノッチ周波数Fpで大きなノッチ深さDpを得
るものである。
しかし、第9図のように、試験信号を入力している状
態で常時パイロット信号を入力する装置においては、前
記帰還回路でパイロット信号成分を完全に除去できない
問題がある。よって、パイロット信号が出力端子12から
出てくる懸念がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、校正信号を用いて伝播路の各伝播定数に対する各ノ
ッチ周波数およびノッチ深さを正確に算出して、校正デ
ータとして予め測定、記憶しておくことにより、この記
憶された校正データを用いて、目標とするノッチ周波数
およびノッチ深さを正確に設定でき、フェージングシミ
ュレータとしての性能を大幅に向上できるフェージング
シミュレータ及びそれによって試験信号の擬似伝播路を
設定する方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解消するために本発明においては、入力端
子を介して入力された試験信号を分離回路で分割し、伝
播時間および減衰量等の伝播定数が別々に設定可能な伝
播路を経由させた後に、合成回路でもって合成してこの
合成回路の出力信号に擬似フェージング現象を生じさせ
るフェージングシミュレータにおいて、 試験信号の全周波数領域に亘り所定周波数間隔で出力
周波数が変化する校正信号を出力する校正信号発生回路
と、入力端子と分離回路との間に介挿され、この分離回
路への入力信号を試験信号又は校正信号に切換える切換
スイッチと、合成回路の出力信号の減衰量を検出するレ
ベル検出器と、各伝播路における伝播定数を可変設定す
る伝播定数設定手段と、切換スイッチを校正信号側に切
換えて校正信号を分離回路に印加した状態で、校正信号
発生回路から出力される校正信号の周波数を可変制御す
るとともに、各周波数における減衰量をレベル検出器で
測定する減衰量測定制御手段と、この減衰量測定制御手
段にて得られた各周波数における減衰量および伝播定数
設定手段にて設定された伝播定数とから、この伝播定数
設定時におけるフェージング現象の概略ノッチ周波数を
読取る概略ノッチ周波数読取手段と、この概略ノッチ周
波数近傍の複数周波数における各減衰量から伝播定数設
定時におけるフェージング現象のノッチ周波数およびノ
ッチ深さを算出するフェージング特性算出手段と、この
フェージンク特性算出手段にて得られた各伝播定数にお
ける各ノッチ周波数および各ノッチ深さを校正データと
して記憶する校正データメモリと、切換スイッチを試験
信号側に切換えて、必要とするノッチ周波数およびノッ
チ深さに対応する伝播定数を校正データメモリから読出
して伝播定数設定手段にて各伝播路に設定し、試験信号
による擬似フェージング現象を発生させる試験実行制御
手段とを備えたものである。
また、他の発明は、校正信号発生回路、分離回路、伝
搬定数が設定可能な伝播路、合成回路、レベル検出器、
及びフエージング現象の各ノッチ周波数及び各ノッチ深
さと伝播路の各伝播定数との関係を記憶する校正データ
メモリを有するフェージングシミュレータによって試験
信号の擬似伝播路を設定する方法である。
そして、この方法においては、所望ノッチ周波数及び
所望ノッチ深さ近傍のノッチ周波数及びノッチ深さに対
応する伝播定数を前記校正データメモリから読出して伝
播路に設定する段階と、分離回路の入力端に所望ノッチ
周波数近傍の少なくとも2点の周波数の校正信号を入力
する段階と、レベル検出器の出力及び校正信号の周波数
に基づいて伝播路のノッチ周波数及びノッチ深さを算出
する段階と、この算出されたノッチ周波数及びノッチ深
さが所望ノッチ周波数及び所望ノッチ深さに一致するか
否かを判断する段階と、不一致の場合に、推測されたノ
ッチ周波数及びノッチ深さと所望ノッチ周波数及び所望
ノッチ深さとの差のノッチ周波数及びノッチ深さがほぼ
零になるように伝播路の伝播定数を推測して設定する段
階とを有している。
[作用] このように構成されたフェージングシミュレータによ
れば、実際に試験信号を入力して受信装置に対するフェ
ージングシミュレーション試験を実行するまえに、切換
スイッチを校正信号側に切換える。そして、伝播路の伝
播定数を設定した状態で校正信号の周波数を一定の周波
数間隔で変化させて、各周波数における減衰量をレベル
検出器から得る。したがって、この各周波数における減
衰量特性から該当伝播定数における概略ノッチ周波数を
読取ることができる。なおこの場合における概略ノッチ
周波数の精度は前記校正信号における周波数間隔の精度
である。
一方、(4)式に示すように、第7図に示すフェージ
ング特性においては、合成信号の振幅特性と周波数との
間においては一定の関係が存在する。したがって、ノッ
チ周波数近傍の複数の周波数を選択して各周波数と減衰
量との関係から正しいノッチ周波数およびノッチ深さが
計算によって求まる。このようにして求まった各伝播定
数における各ノッチ周波数およびノッチ深さを校正デー
タとして校正データメモリに記憶しておく。
そして、実際の試験時には必要とするノッチ周波数お
よびノッチ深さに対応する伝播定数を校正データメモリ
から読出して設定することにより、実際の試験時に校正
信号を印加する必要がなく、かつ正確にノッチ周波数お
よびノッチ深さが設定できる。
また、本発明の試験信号の擬似伝搬路を設定する方法
によれば、ノッチ周波数は計算により算出されるので、
算出されたノッチ周波数は前記校正信号の周波数間隔の
間の周波数値を取ることが可能となるので、周波数精度
が大幅に向上する。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
第1図は実施例のフェージングシミュレータを示すブ
ロック図である。入力端子21を介して入力された試験信
号は切換スイッチ22を介して分離回路24で直接波に対応
する信号Aoと反射波に対応する信号Arとに分割され、信
号Aoは伝播路25aを介して合成回路26へ入力され、信号A
rは伝播路25bを介して同じく合成回路26へ入力される。
伝播路25aには非ミニマムフェージング状態時の減衰量
(ノッチ深さ)を設定するための減衰回路27のみが介挿
されているが、伝播路25bには移相回路28,遅延回路29,
減衰回路30,およびミニマムフェージング状態時の減衰
量(ノッチ深さ)を設定するための減衰回路31が介挿さ
れている。前記移相回路28,遅延回路29,減衰回路30の各
位相差φ,遅延時間τ,減衰量ρはそれぞれD/A変換器2
8a,29a,30aを介して例えばマイクロコンピュータで構成
された制御部32から設定される。また、各減衰回路27,3
1の減衰量も各D/A変換器27a,31aを介して制御部32から
設定される。なお、各減衰回路27,31の減衰量はフェー
ジング特性に対する校正動作中においては一定値に制御
される。
前記合成回路26の出力信号Atは試験対象としての例え
ば第6図に示した受信装置3に接続される出力端子33へ
送出されるとともにレベル検出器34へ入力される。この
レベル検出器34は出力信号Atのレベルを検出し、検出さ
れたレベル値はA/D変換器34aでデジタル値に変換された
のち制御部32へ入力される。
また、前記切換スイッチ22のもう一方の端子には校正
信号発生回路35から出力される校正信号が印加される。
この校正信号発生回路35は水晶発振器等の基準周波数を
発生する回路と、この基準周波数から種々の周波数を得
るシンセサイザとで構成されており、入力端子21に印加
される試験信号の全周波数範囲に亘り例えば4M Hzの所
定周波数間隔ΔF(=4M Hz)で出力周波数fが変化す
る。そして、この校正信号発生回路35および切換スイッ
チ22は前記制御部32にて制御される。
制御部32においては、図示するように、伝播定数設定
手段32a,減衰量測定制御手段32b,概略ノッチ周波数読取
手段32c,フェージング特性算出手段32d,校正データメモ
リ32e,試験実行制御手段32f等が例えば制御プログラム
を含むCPUやRAM等の記憶素子で形成されている。
伝播定数設定手段32aは、各D/A変換器28a,29a,30a,31
a,27aを介して移相回路28,遅延回路29,減衰回路30に対
して位相差φ,遅延時間τ,減衰量ρ等からなる伝播定
数および各減衰回路31,27に対する固定減衰量を設定す
る。また、減衰量測定制御手段32bは、切換スイッチ22
を校正信号側に設定し、校正信号発生回路35を制御して
校正信号の周波数fを例えば4M Hz毎に順次変化させた
状態において、前記4M Hz毎の各周波数fにおける出力
信号Atの信号レベルをレベル検出器34を介して読取る。
次に、概略ノッチ周波数読取手段32cは、第3図に示
すように、減衰量測定制御手段32bにて測定された所定
周波数間隔ΔF(=4M Hz)毎の各周波数fにおける出
力信号Atの信号レベルのうちの最小の信号レベルに対応
する周波数を概略ノッチ周波数F0として読取る。そし
て、読取った概略ノッチ周波数F0を次のフェージング特
性算出手段32dと送出する。
フェージング特性算出手段32dは、前記校正信号の各
周波数fのうちから概略ノッチ周波数F0近傍の2つの周
波数f1,f2を選択し、衰量測定制御手段32bから得られる
該当各周波数f1,f2におけるレベル値At1,At2と伝播定数
設定手段32aに設定している伝播定数を用いて、該当伝
播定数φ,τ,ρにおける最終のノッチ周波数Fpおよび
ノッチ深さDpを算出する。
校正データメモリ32eは、第2図に示すように、フェ
ージング特性算出手段32dにて得られた各伝播計数毎に
算出されたノッチ周波数Fpと、ノッチ深さDpからなる特
性値を記憶する領域が形成されている。
試験実行制御手段32fは、前記校正データメモリ32eに
各伝播定数における各特性値が格納された状態で、実際
に受信装置3に対するフェージング試験を実施させるこ
とを示し、切換スイッチ22を試験信号側に設定し、必要
とするノッチ周波数Fp,ノッチ深さDpに対応する位相角
φ,遅延時間τ,減衰量ρの伝播定数を読出して、伝播
定数設定手段32aを介して移相回路28,遅延回路29,減衰
回路30に設定する。そして、合成回路26からの出力信号
Atに、指定されたノッチ周波数Fpおよびノッチ深さDpを
有する擬似フェージング現象を生じさせる。
次に各レベル値A t1,A t2からノッチ周波数Fpおよび
ノッチ深さDpを求める手法を説明する。
前述した(5)式において、Δωτ≪1(rad)のと
き、 COS(Δωτ)≒1−(Δωτ)2/2 および、α=(1−ρ)≪《1とすれば、 At(dB)=10 log{α2+(Δωτ)2} …(6) この(6)式はノッチ深さDpが大きく、かつノッチ周波
数Fp近傍にて成立する。よって、(6)式から0 dBから
の損失、すなわちノッチ深さAt(ratio)は(7)式で
求まる。この(7)式に前記各伝播定数を挿入すればよ
い。
At(ratio)=[α2+(Δωτ)2] =α2+(2πτΔf)2 …(7) 但し、Δf=f−Fp At(ratio)=10-{At(dB)/10} よって第3図に示すように、(7)式から概算ノッチ周
波数F0近傍の適当な2つの周波数f1,f2における減衰量A
t1(rario),At2(ratio)を前記レベル検出器34で測定
することによって正しいノッチ周波数Fpを算出すること
が可能となる。すなわち、各周波数f1,f2のノッチ周波
数Fpからのずれ量をΔf1,Δf2とすると、(7)式に各
値を代入して連立方程式を解けば、 となる。よって、Δf1およびα(ratioで表現した実際
のノッチ深さ)からノッチ周波数Fpおよびノッチ深さDp
(dB)=−20log(1/α)が得られる。
つぎに、制御部32において、各伝播定数における各ノ
ッチ周波数Fpおよびノッチ深さDpを求めて校正データメ
モリ32eへ設定する校正処理の手順を第4図の流れ図を
用いて説明する。まず、操作パネル等から校正指令が入
力されると、S(ステップ)1にて切換スイッチ22を校
正信号側へ切換える。そして、S2にて伝播定数設定手段
23aにて各回路28,29,30に対する一つの伝播定数φ,
τ,ρを設定する。そして、校正信号の周波数fを全測
定範囲に亘って例えば4M Hz間隔で順次変化させてい
く。そして各周波数fにおけるレベル値Atを測定して、
一旦記憶する。そして、記憶された各測定周波数fにお
ける最大減衰量を示す周波数を概略ノッチ周波数F0とし
て求める。その概略ノッチ周波数F0近傍の2つの周波数
f1,f2を決める。そして、各周波数f1,f2に対応する先に
測定されたレベル値At1,At2を読出して減衰量At1(rati
o),At2(ratio)へ変換する。そして、(8)式からΔ
f1を算出して、正しいノッチ周波数Fpを算出する。ま
た、同じく(8)式を用いてαを算出して、正しいノッ
チ深さDpを求める。
以上で一つの伝播定数φ,τ,ρに対応するノッチ周
波数Fpおよびノッチ深さDpが算出されたので、これらの
校正データを第2図に示す校正データメモリ32eの空き
領域へ格納する。そして、S2へ戻り、次の伝播定数に対
するノッチ周波数Fpおよびノッチ深さDpの算出処理を開
始する。
そして、S4にて全部の伝播定数に対するノッチ周波数
Fpとノッチ深さDpの校正データメモリ32eへの格納処理
が終了すると、全部の校正処理が終了したので、切換ス
イッチ22を試験信号側に切換えて、試験実行待ちとな
る。
このように構成されたフェージングシミュレータによ
れば、操作パネルから構成指令を入力すると、自動的に
各伝播定数におけるフェージング特性を示すノッチ周波
数Fpとノッチ深さDpとが算出されて校正データメモリ32
eに格納される。したがって、実際の試験においては、
必要とするフェージング特性のノッチ周波数Fpとノッチ
深さDpを指定すると、このノッチ周波数Fpおよびノッチ
深さDpに対応するφ,τ,ρの伝播定数が校正データメ
モリ32eから読出されて各回路28,29,30に自動的に設定
される。しかして、このフェージングシミュレータにお
いて、指定したノッチ周波数Fpとノッチ深さDpを正確に
再現するフェージング特性を得ることが可能となる。よ
って、受信装置3に対する正確な試験を実施できる。
また、実施例の試験信号の擬似伝播路を設定する方法
によれば、必要とするフェージング特性のノッチ周波数
Fpとノッチ深さDpとが前記校正データメモリ32e内に格
納されていなければ、校正データメモリ32e内の、この
必要とするノッチ周波数Fpとノッチ深さDp近傍のノッチ
周波数Fpとノッチ深さDpに対応する各伝播定数φ,τ,
ρの値を若干変化させた各伝播定数φ′,τ′,ρ′を
各回路28,29,30に設定して、前述した手法でこの条件下
におけるノッチ周波数Fp′,ノッチ深さDp′を算出す
る。そして、算出されたノッチ周波数Fp′,ノッチ深さ
Dp′と設定しようとするノッチ周波数Fp,ノッチ深さDp
との差を求め、この差が許容限界内に入るまで、各回路
28,29,30に設定する各伝播定数φ,τ,ρの値を変化さ
せて、再度ノッチ周波数Fp,ノッチ深さDpの測定を行な
う。
このような手順でフェージング特性の校正を行なうこ
とにより、設定しようとする正確な擬似フェージング現
象を発生させることが可能となる。
次に、ノッチ周波数Fpを計算にて求める場合の特徴を
第5図を用いて説明する。
前述したように、校正信号発生回路35から所定周波数
間隔ΔF(=4M Hz)で校正信号が出力されるので、各
周波数fにおける測定値Atの最小値を読取って、この最
小値に対応する周波数fをノッチ周波数と設定すると、
図示するように、正しいノッチ周波数Fpと一致しない場
合が多い。したがって、得られたノッチ周波数はΔFの
誤差を含むことになる。この誤差を小さくするには前記
周波数間隔ΔFを小さく設定すればよいが、周波数間隔
ΔFを小さく設定すると、測定周波数数が多くなり各レ
ベル値Atを測定するための時間が増大して、全体の校正
処理能率が大幅に低下する。
したがって、本願に示すように、最小値を示すレベル
値に対応する周波数Fnを一旦概略ノッチ周波数F0と設定
して、その近傍の周波数f1,f2のレベル値At1,At2から前
述した手法で正しいノッチ周波数Fpを算出することによ
って、たとえ周波数間隔ΔFが多少大きな値であったと
しても、ノッチ周波数Fpの測定精度を大幅に向上でき
る。さらに、周波数間隔ΔFを要求される周波数精度ま
で小さく設定する必要がないので、校正作業能率を大幅
に向上できる。
ちなみに、実施例装置においては、校正信号の周波数
間隔ΔFが4M Hzの場合で、算出されたノッチ周波数Fp
の周波数精度を約1/40の100K Hz程度まで向上させるこ
ができた。
また、校正信号は実際の試験動作中においては切換ス
イッチ22で遮断されているので、校正信号が受信装置3
に対する試験結果に悪影響を及ぼすことを未然に防止で
きる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のフェージングシミュレ
ータ及びそれによって試験信号の擬似伝播路を設定する
方法によれば、実際の試験に先だって、所定周波数間隔
で周波数が順次変化していく校正信号を用いて伝播路の
各伝播定数に対する各ノッチ周波数およびノッチ深さを
算出して、校正データとして記憶しておく。そして、実
際の試験においては、この記憶された校正データを用い
ることによって、目標とするノッチ周波数およびノッチ
深さを正確に設定できる。よって、フェージングシミュ
レータの性能を大幅に向上できる。
また、ノッチ周波数およびノッチ深さを計算により求
めているので、たとえ校正信号の周波数間隔が小さくな
くても、正確なノッチ周波数およびノッチ深さを得るこ
とができ、逆に校正信号の周波数間隔を大きくすること
によって、校正処理能率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は本発明の一実施例に係わるフェージ
ングシミュレータを示すものであり、第1図は概略構成
を示すブロック図、第2図は校正データメモリを示す
図、第3図はノッチ周波数の算出手順を説明するための
図、第4図は動作を示す流れ図、第5図は効果を説明す
るための図であり、第6図は一般的なデータ伝送システ
ムを示す図、第7図はフェージング特性を示す図、第8
図および第9図は従来のフェージングシミュレータを示
すブロック図である。 21…入力端子、22…切換スイッチ、24…分離回路、25a,
25b…伝播路、26…合成回路、28…移相回路、29…遅延
回路、30…減衰回路、32…制御部、32a…伝播定数設定
手段、32b…減衰量測定制御手段、32c…概略ノッチ周波
数読取手段、32d…フェージング特性算出手段、32e…校
正データメモリ、32f…試験実行制御手段、33…出力端
子、34…レベル検出器、35…校正信号発生回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力端子を介して入力された試験信号を分
    離回路(24)で分割し、伝播時間および減衰量等の伝播
    定数が別々に設定可能な複数の伝播路(25a,25b)を経
    由させた後に、合成回路(26)でもって合成してこの合
    成回路の出力信号に擬似フェージング現象を生じさせる
    フェージングシミュレータにおいて、 前記試験信号の全周波数領域に亘り所定周波数間隔で出
    力周波数が変化する校正信号を出力する校正信号発生回
    路(35)と、 前記入力端子と分離回路との間に介挿され、この分離回
    路への入力信号を前記試験信号又は校正信号に切換える
    切換スイッチ(22)と、 前記合成回路の出力信号の減衰量を検出するレベル検出
    器(34)と、 前記各伝播路における伝播定数を可変設定する伝播定数
    設定手段(32a)と、 前記切換スイッチを校正信号側に切換えて校正信号を前
    記分離回路に印加した状態で、前記校正信号発生回路か
    ら出力される校正信号の周波数を可変制御するととも
    に、各周波数における減衰量を前記レベル検出器で測定
    する減衰量測定制御手段(32b)と、 この減衰量測定制御手段にて得られた各周波数における
    減衰量および前記伝播定数設定手段にて設定された伝播
    定数とから、この伝播定数設定時におけるフェージング
    現象の概略ノッチ周波数を読取る概略ノッチ周波数読取
    手段(32c)と、 この概略ノッチ周波数近傍の複数周波数における各減衰
    量から前記伝播定数設定時におけるフェージング現象の
    ノッチ周波数およびノッチ深さを算出するフェージング
    特性算出手段(32d)と、 このフェージンク特性算出手段にて得られた各伝播定数
    における各ノッチ周波数および各ノッチ深さを校正デー
    タとして記憶する校正データメモリ(32e)と、 前記切換スイッチを試験信号側に切換えて、必要とする
    ノッチ周波数およびノッチ深さに対応する伝播定数を前
    記校正データメモリから読出して前記伝播定数設定手段
    にて各伝播路に設定し、前記試験信号による擬似フェー
    ジング現象を発生させる試験実行制御手段(32f)と を備えたフェージングシミュレータ。
  2. 【請求項2】校正信号発生回路(35)、分離回路(2
    4)、伝搬定数が設定可能な伝播路(25a,25b)、合成回
    路(26)、レベル検出器(34)、及びフエージング現象
    の各ノッチ周波数及び各ノッチ深さと前記伝播路の各伝
    播定数(φ,τ,ρ)との関係を記憶する校正データメ
    モリ(32e)を有するフェージングシミュレータによっ
    て試験信号の擬似伝播路を設定する方法であって、 所望ノッチ周波数及び所望ノッチ深さ近傍のノッチ周波
    数及びノッチ深さに対応する伝播定数を前記校正データ
    メモリから読出して前記伝播路に設定する段階と、 前記分離回路の入力端に前記所望ノッチ周波数近傍の少
    なくとも2点の周波数の校正信号を入力する段階と、 前記レベル検出器の出力及び前記校正信号の周波数に基
    づいて前記伝播路のノッチ周波数及びノッチ深さを算出
    する段階と、 この算出されたノッチ周波数及びノッチ深さが前記所望
    ノッチ周波数及び所望ノッチ深さに一致するか否かを判
    断する段階と、 不一致の場合に、前記推測されたノッチ周波数及びノッ
    チ深さと前記所望ノッチ周波数及び所望ノッチ深さとの
    差のノッチ周波数及びノッチ深さがほぼ零になるように
    前記伝播路の伝播定数を推測して設定する段階と を有したフェージングシミュレータによって試験信号の
    擬似伝播路を設定する方法。
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