JP2509793B2 - 流し台装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、容器状のボウルを調理
作業の際の様々な用途に活用でき、その使い勝手を向上
しうる流し台装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】野菜、食器などの洗浄、調理等に、容器
状のボウルが広く用いられている。このボウルは、従
来、流し台の天板、あるいはシンクの底面に載置して利
用されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
なボウルは、容器状の基体の開放部を上にして流し台の
天板、又はシンクの底面に載置されるため、特にシンク
における使い方が限られたものになりがちであり、調理
作業の際の種々な用途に活用できないという問題点があ
る。

【０００４】本発明は、シンク部の上下２段位置でボウ
ルを移動でき、しかもこのボウルを上下反転して移動可
能とすることを基本として、ボウルを調理作業に伴う様
々の用途に活用でき、使い勝手及び便利性を向上しうる
流し台装置の提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の流し台装置は、平面矩形の容器状をなしかつ
平行な各短辺に第１の摺動部を、各長辺に第２の摺動部
を設けたボウルを具えるとともに、流し台のシンク部の
上部に、前記ボウルが跨がりかつ前記第１の摺動部が移
動する上案内部を設けるとともに、この上案内部の下方
に第２の摺動部が移動する下案内部を設け、さらに前記
ボウルは、第１、第２の摺動部により、上下反転して移
動可能としている。

【０００６】

【作用】ボウルは、第１の摺動部によりシンク部の上部
に設けた上案内部を移動でき、かつ第２の摺動部により
前記上案内部下方に設けた下案内部を移動できる。従っ
て、ボウルをシンク部の深さ方向２段位置で移動させて
使うことができ、ボウルの使い方のバリエーションを増
大しうるため、様々な調理作業に応じて使い勝手よくボ
ウルを利用できる。

【０００７】しかも前記ボウルは、第１、第２の摺動部
によって、上案内部と下案内部とで上下反転して移動可
能であるため、このボウルの使い方をさらに増すことが
でき、調理作業の際の便利性を一層高めうる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図において本発明の流し台装置１は、第１、第２の
摺動部３、４を設けたボウル２を具えるとともに、流し
台のシンク部５の上部に、前記ボウル２が跨がりかつ第
１の摺動部３、３が移動する上案内部６、６を設け、か
つこの上案内部６、６の下方に第２の摺動部４、４が移
動する下案内部７、７を設ける一方、前記ボウル２は、
前記第１、第２の摺動部３、４により、上下反転して移
動可能としている。

【０００９】前記シンク部５は、図１、図２に示すよう
に、平面矩形の略水平な底片１０の四辺から矩形枠状の
略垂直な下側壁１１を立上げるとともに、この下側壁１
１の上端に、外方にのびる水平な段差片１２を介して矩
形枠状の略垂直な上側壁１３を立上げ、かつこの上側壁
１３の上端に、外方にのびる水平な鍔片１４を設けてい
る。又前記底片１０の長手方向片側には、平面矩形の略
水平な下片１５に排水口１６を設けた下に凹む凹部１７
が形成される。

【００１０】シンク部５は、前記鍔片１４の外端部が流
し台の天板１９に固着されるとともに、該天板１９から
はみ出る鍔片１４の平行な長辺には、図２のＸ−Ｘ線断
面図である図３に示すように、水平な上案内部６、６が
形成される。なおこの上案内部６、６各上面外端間の距
離Ｄ１は、前記段差片１７の平行な長辺によって上案内
部６、６の下方に形成される水平な下案内部７、７の各
上面外端間の距離Ｄ２よりも若干長い。

【００１１】又前記下案内部７、７の上案内部６、６か
らの深さＨ１は、例えば魚を下ろす等、調理材料の飛散
を防止しうる深さが要求される調理に適した１００mm〜
１２０mm程度に設定されるとともに、前記底片１０の上
案内部６、６からの深さＨ２は、食器などを洗うのに適
した１８０mm〜２１０mm程度に設定される。さらに前記
凹部１７の下片１５の上案内部６、６からの深さＨ３
は、漬け置き洗い、溜め洗い、深鍋洗いなどに適した２
５０mm〜２８０mm程度に設定される。

【００１２】前記ボウル２は、図５に示すように、平面
矩形の有孔の水切板２０の四辺に高さＨＡが３０mm〜６
０mm程度の矩形枠状の側壁板２１を設けることにより溝
部２２を有する基部２３と、前記側壁板２１の図５に示
す下端から外方にのびる水平な鍔部２４とからなる平面
矩形の容器状をなす。

【００１３】ボウル２の平行な各短辺には、前記鍔部２
４によって水平な第１の摺動部３、３が形成されるとと
もに、平行な各長辺には鍔部２４によって水平な第２の
摺動部４、４が形成される。

【００１４】なお本実施例では、流し台装置１は前記ボ
ウル２の他に、図６に示す平面矩形のまな板機能を有す
る厚さが１５mm〜２０mm程度のカッティングボード９を
具えるとともに、このカッティングボード９の平行な各
短辺に第１の摺動部３Ａ、３Ａが形成され、かつ平行な
各長辺に第２の摺動部４Ａ、４Ａが形成される。

【００１５】又平行な前記第１の摺動部３、３、３Ａ、
３Ａの各端縁間の距離Ｄ３は、前記距離Ｄ１よりも僅か
に短くかつ該第１の摺動部３、３、３Ａ、３Ａを前記上
案内部６、６に載置しうる如く設定されるとともに、平
行な前記第２の摺動部４、４、４Ａ、４Ａの各端縁間の
距離Ｄ４は、前記距離Ｄ２よりも僅かに短くかつ該第２
の摺動部４、４、４Ａ、４Ａを前記下案内部７、７に載
置しうる如く設定される。

【００１６】このようにボウル２、カッティングボード
９の各寸法を規制したため、カッティングボード９は、
図７に示すように、その第１の摺動部３Ａ、３Ａを上案
内部６、６上に載置して該上案内部６、６上で水平移動
しうるとともに、カッティングボード９を９０°回転す
ることにより、その第２の摺動部４Ａ、４Ａが下案内部
７、７上で水平移動できる。

【００１７】又ボウル２も、図８に示すように、溝部２
２を下に向けた下向き状態Ａにおいて、前記第１の摺動
部３、３を上案内部６、６上に載置して該上案内部６、
６上で水平移動しうる一方、ボウル２を９０°回転して
第２の摺動部４、４を下案内部７、７上に載置すること
によって該下案内部７、７上で水平移動できる。

【００１８】さらにボウル２は、図９に示すように、溝
部２２を上に向けた上向き状態Ｂにおいて、上案内部
６、６、又は下案内部７、７に第１の摺動部３、３、又
は第２の摺動部４、４を載置することよって、該上案内
部６、６、あるいは下案内部７、７上で水平移動でき
る。

【００１９】このようにボウル２は、第１、第２の摺動
部３、４により、上下反転して、即ち前記下向き状態
Ａ、および上向き状態Ｂで上案内部６、６上、あるいは
下案内部７、７上を移動可能としている。

【００２０】又流し台装置１は、図１３に示すように、
平面矩形かつ有孔の水切板２６の四辺から高さＨＢが前
記深さＨ３と深さＨ２との差に略等しくかつ下端部に内
向きに折返る折返し部２７Ａを有する側壁板２７を立下
げた平面矩形の容器２９を具える。

【００２１】この容器２９は、図１４に示すように、前
記凹部１７に嵌入しうる寸法を有し、該嵌入によって前
記水切板２６上面と前記底片１０上面が略面一となる。
従って、容器２９を凹部１７に嵌入して使用することに
より、シンク部５の底面を広く使うことができ、しかも
前記排水口１６に上端が連なる生ゴミ収納容器（図示せ
ず）を被覆するため、野菜等の洗浄を衛生的にかつ便宜
に行いうる。

【００２２】以下ボウル２、カッティングボード９の種
々の使用例を説明する。図８に実線で示すように、ボウ
ル２を前記下向き状態Ａにして上案内部６、６上に第１
の摺動部３、３を載置することによって、流し台の天板
１９よりも上方に水切板２０を配置でき、この水切板２
０上にカッティングボード９を載置することにより背高
の大きい人の調理作業を便宜とする。

【００２３】又ボウル２を、図９に実線で示すように、
前記上向き状態Ｂにして上案内部６、６上に第１の摺動
部３、３を載置することにより、このボウル２をコップ
などの食器、野菜等の水切りカゴとして利用できる。

【００２４】さらに図１０に示すように、カッティング
ボード９を上案内部６、６に架け渡して載置しかつ上向
き状態Ｂのボウル２を下案内部７、７に第２の摺動部
４、４を載置して設置することにより、カッティングボ
ード９上でカットした野菜の仮置き、水切りカゴとして
ボウル２を利用しうる他、洗浄した野菜をボウル２で水
切りした後、カッティングボード９上で効率よくカット
できる。

【００２５】又図１１に示すように、ボウル２を下向き
状態Ａにして下案内部７、７に載置しかつこのボウル２
上にカッティングボード９を載置することによって、魚
の下ろし作業、小芋、牛蒡等の野菜の皮剥きなど水を流
しながらの調理を衛生的に行いうるとともに、図１２に
示すように、ボウル２のみを下向き状態Ａにして下案内
部７、７上に載置することによって、周囲を汚しやすい
調理の下準備、例えばフライの衣付け、混合わせ等をボ
ウル２上で効率よく行うことが出来る。

【００２６】なお下案内部７、７上にカッティングボー
ド９を載置することによって、魚の下ろし作業等におい
て調理材料の飛散を防止しつつ調理が出来る。又下案内
部７、７上にボウル２を前記上向き状態Ｂで載置して、
このボウル２をコップ等の簡単な洗い物の水切りカゴと
して利用できる。

【００２７】このようにボウル２、カッティングボード
９を種々の位置で利用することによって、通常の調理、
水を流しながらの調理などをシンク部５内で効率よく行
うことができ、使い勝手を向上しうるとともに、上案内
部６、６上に載置されたカッティングボード９上面を配
膳スペースとして活用しうる。

【００２８】又ボウル２は、上下反転することにより、
水切りと簡易カゴとの機能を充足でき、便利性を一層高
めうる。

【００２９】なおシンク部として、図１５に示すよう
に、前記シンク部５の凹部１７を設けない点を除けば該
シンク部５と略同構成のシンク部５Ａを利用できる。

【００３０】このシンク部５Ａは、平面矩形かつ排水口
１６Ａを設けた略水平な底片１０Ａの四辺から矩形枠状
の略垂直な下側壁１１Ａを立上げるとともに、該下側壁
１１Ａの上端に、外方にのびかつ水平な下案内部７Ａ、
７Ａを形成する段差片１２Ａを介して矩形枠状の上側壁
１３Ａを立上げ、しかも上側壁１３Ａの上端に、外方に
のびかつ水平な上案内部６Ａ、６Ａを形成する鍔片１４
Ａを設けている。

【００３１】又シンク部５Ａの前記上案内部６Ａ、６Ａ
上に、図１６に示すように、まな板機能を有するカッテ
ンィグボード９Ａの第１の摺動部３Ｂ、３Ｂを水平移動
自在に載置することによって、シンク部５Ａ上部で野菜
等のカットなど、通常の調理を行いうるとともに、図１
７に一点鎖線で示すように、カッティングボード９Ａの
第２の摺動部４Ｂ、４Ｂを下案内部７Ａ、７Ａ上に水平
移動自在に載置することによって、魚の下ろし作業な
ど、汚れの飛散が懸念される調理を衛生的に行うことが
出来る。

【００３２】さらに平面矩形の容器状をなすボウル２Ａ
は、前記ボウル２と略同構成を有し、図１６、図１７に
示すように、第２の摺動部を水平移動自在に前記下案内
部７Ａ、７Ａに上下反転して載置でき、水切り機能を具
えたカゴ、あるいは水を流しながらの調理、例えば野菜
等のカットの際に腰に負担がかからないように前記カッ
ティングボード９Ａを下案内部７Ａ、７Ａ上方に配置す
るための受具として活用しうる。

【００３３】なお図１８に示すように、シンク部５Ａの
底片１０Ａ上面に、前記ボウル２Ａと同一形状のボウル
３０、３０を溝部を下に向けて並べて載置することによ
って、洗浄時の腰への負担を軽減できかつ水はねを防止
することが出来る。

【００３４】又シンク部５Ａの前記下案内部７Ａ、７Ａ
の上案内部６Ａ、６Ａからの深さＨ４は、水を使いなが
らの調理に適し、魚等の調理の際のゴミの飛散を防止し
うる１００mm〜１２０mm程度に設定されるとともに、底
片１０Ａの上案内部６Ａ、６Ａからの深さＨ５は、漬け
置き洗い、ため洗い等に適しかつ水はねしない２００mm
〜２５０mm程度に設定される。

【００３５】さらに溝部２２Ａを下に向けて下案内部７
Ａ、７Ａ上に載置されるボウル２Ａの上面の上案内部６
Ａ、６Ａからの深さＨ６は、野菜のカット等の水を流し
ながらの調理に適した５０mm〜８０mm程度に設定され、
底片１０Ａ上に載置された前記ボウル３０上面の上案内
部６Ａ、６Ａからの深さＨ７は、水洗いの際に腰に負担
がかからない１５０mm〜１８０mm程度に設定される。

【００３６】

【発明の効果】叙上の如く本発明の流し台装置は、シン
ク部の上部に、ボウルの第１の摺動部が移動する上案内
部を、又この上案内部の下方に第２の摺動部が移動する
下案内部を設けたため、１つのシンク部内でボウルを様
々な位置に配置でき、調理の効率を高めるなど使い勝手
を向上しうるとともに、前記ボウルは上下反転して移動
可能であるため、その配置バリエーションを増大でき、
便利性を一層高めうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシンク部の一実施例を示す斜視図
である。

【図２】その断面図である。

【図３】図２のＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】図２のＹ−Ｙ線断面図である。

【図５】ボウルを例示する斜視図である。

【図６】カッティングボードを例示する平面図である。

【図７】カッティングボードの配置状態を示す断面図で
ある。

【図８】ボウルの配置状態を示す断面図である。

【図９】ボウルの配置状態を示す断面図である。

【図１０】ボウルの使用例を示す断面図である。

【図１１】ボウルの使用例を示す断面図である。

【図１２】ボウルの使用例を示す断面図である。

【図１３】容器を例示する斜視図である。

【図１４】その配置状態を示す断面図である。

【図１５】シンク部の他の実施例を示す断面図である。

【図１６】ボウルをともに示すシンク部の断面図であ
る。

【図１７】ボウルの使用例を示す断面図である。

【図１８】シンク部の断面図である。

【符号の説明】

２、２Ａ ボウル ３ 第１の摺動部 ４ 第２の摺動部 ５、５Ａ シンク部 ６、６Ａ 上案内部 ７、７Ａ 下案内部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平面矩形の容器状をなしかつ平行な各短辺
   に第１の摺動部を、各長辺に第２の摺動部を設けたボウ
   ルを具えるとともに、流し台のシンク部の上部に、前記
   ボウルが跨がりかつ前記第１の摺動部が移動する上案内
   部を設けるとともに、この上案内部の下方に第２の摺動
   部が移動する下案内部を設け、さらに前記ボウルは、第
   １、第２の摺動部により、上下反転して移動可能とした
   流し台装置。