JP2509157B2 - 法面保護構造物の被覆工法 - Google Patents

法面保護構造物の被覆工法

Info

Publication number
JP2509157B2
JP2509157B2 JP2341794A JP2341794A JP2509157B2 JP 2509157 B2 JP2509157 B2 JP 2509157B2 JP 2341794 A JP2341794 A JP 2341794A JP 2341794 A JP2341794 A JP 2341794A JP 2509157 B2 JP2509157 B2 JP 2509157B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
weight
parts
water
slope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2341794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07207673A (ja
Inventor
泰弘 山田
晃代 山田
郁子 山田
邦光 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kensetsu Kiso Engineering Co Ltd
Original Assignee
Kensetsu Kiso Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kensetsu Kiso Engineering Co Ltd filed Critical Kensetsu Kiso Engineering Co Ltd
Priority to JP2341794A priority Critical patent/JP2509157B2/ja
Publication of JPH07207673A publication Critical patent/JPH07207673A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2509157B2 publication Critical patent/JP2509157B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は法面の崩壊を防ぐため
の法面保護構造物に関するものであり、特に経年変化に
よって破損箇所のできた構造物の修復や雨水に強い構造
物を構築するための被覆工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】法面上に型枠を組み、これにコンクリー
トやモルタルなどのセメント系硬化材を吹付け、或いは
場所打ちして、法面上に格子状に縦横に交差して伸びる
構造物を構築して、この構造物によって法面の崩壊を押
えることが採用されている。これら構造物は永久構造物
として構築されており、内部の鉄筋に対するかぶり厚さ
も綿密に計算・設計されたものである。
【0003】
【この発明が解決しようとする課題】しかしながらこの
ような構造物は、法面の土砂荷重を受けるものであり、
構造物には引張り荷重が作用する。この引張り荷重によ
ってセメント系硬化材にクラックが入り、硬化材の中性
化が促進される。中性化が進むと、酸性の雨水がクラッ
クを伝って構造物内部に浸入し、内部の鉄筋を錆び付か
せるという事態が発生している。
【0004】これら長期間経過した構造物のみならず、
構築したばかりの構造物でも、将来に渡って同様な問題
が生じる可能性が存在する。従来のコンクリートやモル
タルであると、硬化材の粒子が粗く、どうしても雨水が
構造物内部に浸透することがあり、この雨水の浸透を防
ぐ工夫が必要であった。
【0005】この発明は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、経年変化によって破損した法面保
護構造物を修復し、永久構造物として寿命を著しく長く
することができ、また雨水に強い耐久性の高い法面保護
構造物を構築可能とする被覆工法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる法面保
護構造物の被覆工法は、耐候性の高いセメント系硬化材
を構造物の外周に吹付けて雨水の浸入を防ぐものであ
る。この発明で使用するセメント系硬化材は、セメント
100重量部に対し平均粒径1μ以下の超微粉を8〜2
0重量部、高性能減水剤を2〜10重量部配合し、水セ
メント比0.3以下で混練する。超微粉としてはシリコ
ンまたはシリカ質ダストが特に好適であって、その他フ
ライアッシュ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アル
ミニウム等の水溶性の低い物質が採用できる。また高性
能減水剤としては、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物の塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド
縮合物の塩、高分子リグニンスルホン酸塩やボリカルボ
ン塩酸などを主成分としたものがある。これらを水セメ
ント比0.3以下で混練し、骨材を添加してセメント系
硬化材とする。
【0007】既設の法面保護構造物に被覆を施す場合、
構造物は断面方形状に構築されている。この構造物の外
周に沿って断面コ字状に形成した網状材を被せ、この網
状材に向けて、上記セメント系硬化材を吹付けて構造物
を被覆するものである。金網状材としてはエキスパンド
メタルやクリンプ金網などの網状の材料であれば様々な
ものが使用でき、その材質としては鋼製、ステンレスス
チール製や合成樹脂製など様々なものが採用できる。新
たに構造物を構築する場合は、法面に沿って複数本の主
筋を配し、この主筋の左右に起立した型枠板の間に、セ
メントと水を混練してモルタル或いはコンクリート状と
したセメント系硬化材を吹付け或いは場所打ちして構造
物を構築する。型枠板も様々な材料が採用でき、エキス
パンドメタルやクリンプ金網の他、鋼製板なども採用で
きる。この構築した構造物に外周に上記のような網状材
を被せて、超微粉を混入したセメント系硬化材を吹付
け、或いはコテなどによって盛り上げる。断面コ状状と
は、一枚の網状材でコ字状に形成したものだけでなく、
複数枚を組み合わせてコ字状に形成したものも採用でき
る。
【0008】
【作用】超微粉を混入したセメント系硬化材は、セメン
トや骨材の粒子の間に超微粉が入り込んで極めて密な状
態となる。これを構造物表面に吹付けることにより、水
の浸透を妨げる。経年により生じたクラックも、この被
覆部分により覆われて水の浸透が生じない。
【0009】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づきこの発明を詳
細に説明する。図1に示すのは新たに法面保護構造物を
構築する場合であって、法面に沿って複数本の主筋1が
平行に配してある。この主筋1の左右に型枠板2・2が
平行に起立してある。型枠板としてエキスパンドメタル
が使用されている。型枠板2・2はスペーサー3によっ
て連結してある。この型枠板2・2間にセメントと水と
骨材を混練してモルタル状にしたセメント系硬化材4を
吹付けて、法面保護構造物5を構築する。図において6
は構造物を地山に固定するためのアンカーであり、実施
例では複数本の引張材をシース7中に通し、地山に掘削
した削孔8内に定着したグラウンドアンカーを使用して
いる。
【0010】この構造物5の外周に、コ字状に屈曲して
形成した網状材9を被せる。網状材9としてはエキスパ
ンドメタル11が使用されている。網状材9は一枚のエ
キスパンドメタルをコ字状に屈曲して形成してもよい
が、図3〜図5に示すように、複数枚のエキスパンドメ
タル11の端を重ねてコ字状に形成してもよい。このよ
うに複数枚の網材を組み合わせてコ字状にすると、搬送
のときに材料が嵩張らない。この構造物5に被せた網状
材9に向けて、超微粉を混入したセメント系硬化材10
を吹付ける。吹付けたセメント系硬化材10の厚さは数
センチであり、2〜3cmが好適である。実施例では超
微粉としてシリカヒュームを使用したもので、この実施
した配合表を以下に示す。
【0011】
【表1】
【0012】実施例のいずれの配合においても、強度は
800kg/cm2 近く、或いはそれ以上の値を得てお
り、その強度はいずれも大きい。強度が大きいため、被
覆した硬化材10が欠けるようなことが起り難い。また
硬化した硬化材10を観察すると、セメントや骨材の粒
子の隙間に超微粉が入り込んで粒子が密な状態であっ
て、水などの液体であってもこの粒子間に入り込むのは
不可能な状態であった。つまり水が硬化材10中に浸透
して中性化が起きるというようなことが生じ難い状態で
あって、酸性化した雨水がその下の構造物5まで至るこ
とがない状態である。また吹付け時のセメント系硬化材
は、超微粉混入によってネバリがあり、ダレが少なく、
数センチ被覆しても仕上げ作業が容易であった。またブ
リージング水が少なく、網状材9や構造物5との密着性
も良好であった。
【0013】図6に示すのは既設の構造物5に実施した
場合であり、既設の構造物5においても、上記と同様に
構造物5の外周にコ字状の網状材9を被せ、これに向け
て超微粉を混入したセメント系硬化材10を吹付ければ
よい。硬化材10は水の浸透を妨げるため、構造物5に
生じたクラックにまで水が至ることがない。
【0014】網状材9の上にセメント系硬化材10を打
設し、内部に網状材を含んだ状態で硬化させるのは、硬
化材10が剥がれないようにするとともに、クラックの
発生を分散させるためでもある。網状材9としてエキス
パンドメタルやクリンプ金網などを使用するが、その網
となる線材は細く、網目も小さい。エキスパンドメタル
にあってはその線材部分の太さは1.2〜4.5mmで
あり、網目の巾は10〜50mm程度である。クリンプ
金網にあっては線材の径は2〜5mm程度であり、網目
の巾は10〜50mm程度である。このような網状材9
を内部に含んでいると、硬化材10が収縮したときクラ
ックが分散して小さな巾のクラックとなる。水はクラッ
クを伝って硬化材10の内部に浸透するが、クラックが
或程度の巾が無くては水は浸透して行かないことが実験
で知られている。網状材9を内部に含んでいると、収縮
が一箇所に集中して太い巾のクラックができるというよ
うなことがなく、収縮が分散してクラックも小さなクラ
ックに分散する。このような小さなクラックは水を浸透
させず、網状材9の使用はクラックの発生にも効果を発
揮する。特に既設の構造物では収縮が終わっており、外
側に打設したセメント系硬化材10との収縮の差が大き
く、網状材9を使用しなければ大きなクラックの発生が
予想されるため、網状材9によるクラック対策は重要と
なる。また網状材9は網目が小さいほどクラックの発生
を分散させるため、細かい網目の網状材の方がより効果
が大きい。
【0015】
【発明の効果】この発明は以上のような構成を有し、以
下のような効果を得ることができる。 既設の構造物の外周に超微粉を混入したセメント系硬
化材を吹付けるため、硬化材が水の浸入を妨げ、構造物
にできたクラックなどへ水が至らず、構造物内部の鉄筋
を腐食させることがない。 新設の構造物の外周に超微粉を混入したセメント系硬
化材を吹付けることにより、構造物まで水が至るのを防
ぐため、構造物の寿命は著しく長くなる。 比較的高価な超微粉を使用したセメント系硬化材は、
構造物の外周にのみ打設するため、大量の超微粉を使用
せずに施工でき、施工が安価となる。 超微粉を使用したセメント系硬化材は、骨材を混入し
たため、比較的高価な超微粉の量を少なくでき、安価な
施工が可能となる。 構造物の外周に網状材を配したため、この上に打設し
たセメント系硬化材が構造物から剥がれるのを防ぐこと
ができる。 セメント系硬化材は網状材の上に打設して内部に含む
ようにしたため、網状材が収縮を分散させ、クラックの
発生も分散させる。小さなクラックには水は浸透しない
ため、網状材の使用はこのようなクラックの対策に有効
である。 超微粉混入のセメント系硬化材はネバリがあり、ダレ
が少なく、仕上げ作業が容易である。 超微粉を混入したセメント系硬化材はブリージング水
の発生が少なく、網状材や構造物との密着性も良好で、
被覆部分と構造物は一体化し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】新設の法面保護構造物に実施した被覆工法の斜
視図である。
【図2】法面保護構造物に実施した被覆工法の断面図で
ある。
【図3】網状材の一実施例の断面図である。
【図4】網状材の一実施例の断面図である。
【図5】網状材の一実施例の断面図である。
【図6】既設の法面保護構造物に実施した被覆工法の全
体図である。
【符号の説明】
1 主筋 2 型枠板 3 スペーサー 4 セメント系硬化材 5 法面保護構造物 6 アンカー 7 シース 8 削孔 9 網状材 10 セメント系硬化材 11 エキスパンドメタル

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 法面上に構築された断面方形状の既設の
    構造物の外周に沿って断面コ字状に形成した網状材を被
    せ、この網状材の上に、セメント100重量部に対して
    平均粒径1μ以下の超微粉を8〜20重量部、高性能減
    水剤を2〜10重量部配合し、水セメント比0.3以下
    で混練して骨材を添加したセメント系硬化材を打設して
    なる法面保護構造物の被覆工法。
  2. 【請求項2】 法面に沿って複数本の主筋を配し、この
    主筋の左右に起立した型枠板間にセメントと水を混練し
    てモルタル状或いはコンクリート状としたセメント系硬
    化材を吹付け或いは場所打ちして法面保護構造物を構築
    し、この構造物の外周に沿って断面コ字状に形成した網
    状材を被せ、この網状材の上に、セメント100重量部
    に対して平均粒径1μ以下の超微粉を8〜20重量部、
    高性能減水剤を2〜10重量部配合し、水セメント比
    0.3以下で混練して骨材を添加したセメント系硬化材
    を打設してなる法面保護構造物の被覆工法。
JP2341794A 1994-01-24 1994-01-24 法面保護構造物の被覆工法 Expired - Lifetime JP2509157B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2341794A JP2509157B2 (ja) 1994-01-24 1994-01-24 法面保護構造物の被覆工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2341794A JP2509157B2 (ja) 1994-01-24 1994-01-24 法面保護構造物の被覆工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07207673A JPH07207673A (ja) 1995-08-08
JP2509157B2 true JP2509157B2 (ja) 1996-06-19

Family

ID=12109929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2341794A Expired - Lifetime JP2509157B2 (ja) 1994-01-24 1994-01-24 法面保護構造物の被覆工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2509157B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4603176B2 (ja) * 2001-02-02 2010-12-22 日本植生株式会社 既存法枠の補強工法と既存法枠用の埋め込み型枠
JP2011021473A (ja) * 2010-08-27 2011-02-03 Nisshoku Corp 既存法枠の補強工法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07207673A (ja) 1995-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2672431B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造部材の補強方法
JP6437150B2 (ja) コンクリート施工法
US10801200B2 (en) Covertec wall module building system and method
US20060096202A1 (en) Pre-cast panel unibody building system
JP2509157B2 (ja) 法面保護構造物の被覆工法
JP7103755B2 (ja) 補強用吹付けモルタル
JP6249267B2 (ja) 既設コンクリート構造物の補修方法
JP6301539B1 (ja) コンクリート施工法
JP2509158B2 (ja) 法面保護構造物
KR100717156B1 (ko) 마감판부착 트러스 벽
JP2002371796A (ja) コンクリート補修工法
JP6191936B1 (ja) コンクリート施工法
JP2646513B2 (ja) 斜面安定工の硬化材混練方法
JPS6248028B2 (ja)
JP2509155B2 (ja) 法面保護構造物
CH627506A5 (de) Verfahren zum bau eines hauses.
JPH0213097B2 (ja)
JPS6119777B2 (ja)
JPH108736A (ja) 補強用網体及び同補強用網体を使用した既設コンクリート製躯体の補強構造
RU2106461C1 (ru) Устройство для усиления ребер плит
JP2003239693A (ja) トンネル耐火被覆構造
JPH086327B2 (ja) 法面保護構造物におけるアンカー設置方法
JPH01111922A (ja) 地山補強構造物およびそれに使用する型枠
JP4176583B2 (ja) プレキャスト階段部材
JPH0823150B2 (ja) 老朽化した擁壁の補修工法及び擁壁用型枠