JP2509135B2 - 植生ブロック - Google Patents

植生ブロック

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JP2509135B2
JP2509135B2 JP4342821A JP34282192A JP2509135B2 JP 2509135 B2 JP2509135 B2 JP 2509135B2 JP 4342821 A JP4342821 A JP 4342821A JP 34282192 A JP34282192 A JP 34282192A JP 2509135 B2 JP2509135 B2 JP 2509135B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜面を人工的に保護,
強化し、さらに緑化を行い得る補強斜面緑化工法に使用
する植生ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】護岸工又は山腹工に使用される材料は、
古くは石材が主体であったが、石材の入手難,石工の不
足及び高コスト等の理由で、近年ではコンクリート又は
コンクリートブロックが主体となっている。コンクリー
トは、比較的容易に利用することが可能な材料であり、
強度及び耐久性に優れている。従って護岸高さを高くす
ることが可能である。コンクリートによる護岸の構造
は、重力式とすることが多いが、もたれ構造とする場合
もある。
【0003】図1はこの重力式を示す模式的縦断面図で
あり、護岸の場合を示す。Aで示す線は川岸の原形であ
り、図において左側が川であり、右側が土手である。川
の渓床及び土手を渓床下の深さ(d) 1.4mまで、勾配
1:0.5 で掘削し(線B)、その中央部にコンクリート
構造物1を構築してある。このコンクリート構造物1の
断面形状は台形であり、底面厚さbが1.35m、天端厚a
が 0.3〜0.5 mであり、高さhは 3.5mである。表のり
勾配は3分(1:0.3)であり、裏勾配は垂直である。ま
たコンクリート構造物1には、その厚さ方向に水抜きパ
イプPを数箇所に設けてある。裏込礫の厚さcは 0.3m
程度が標準であるが、図においてはこの空間αに埋め戻
しを行って代替している。そしてコンクリート構造物1
の天端より高い部分βは勾配1:1.8 (線C)になるよ
うに盛土を行ってある。このようなコンクリートによる
護岸は、曲線構造とすることが困難であり、また比較的
高価である。さらに表面が平滑で粗度が低いため往々に
して流水が偏流し、基礎洗掘が生じ易い。
【0004】一方、コンクリートブロックは、表面の粗
度が石材に近く、練積として使用すれば強度及び耐久性
についての信頼性が高く、護岸工には敵した材料であ
る。コンクリートブロック護岸工は、コンクリート護岸
工よりも背面の土圧が小さい箇所への適応性が優れ、そ
の構造はもたれ式である。
【0005】図2は、コンクリートブロックによる護岸
工を示す模式図であり、図2(a) は模式的縦断面図であ
り、図2(b) は模式的正面図である。図2(a) において
も図1と同様、Aで示す線は川岸の原形であり、左側が
川であり、右側が土手である。川の渓床及び土手を渓床
下の深さ(d) 0.4mまで、勾配1:0.5 で掘削し(線
B)、厚さtが 0.3m程度の基礎コンクリート6を設け
てある。そしてこの基礎コンクリート6の上に、表出す
る部分は所定厚さまで直方体であり、埋没する部分は徐
々にその断面積が小さくなる形状(略裁頭四角錐)のコ
ンクリートブロック2,2…を、表のり勾配を3分
(1:0.3)にして積重し、天端厚eは0.37mにする。こ
の埋没部分の空隙は、胴込のコンクリート3及び礫で埋
めてある。この裏面には防水紙又はベニヤ板からなる裏
型板4を備えており、さらにその裏面には天端厚fが0.
31mとなるような裏込礫層5を形成してある。この場合
も前述の場合と同様に数箇所に水抜きパイプPを挿入し
てある。
【0006】コンクリートブロックによる護岸は、ブロ
ック相互の付着力が弱いため、基礎地盤がわずかに不等
沈下するだけでも亀裂が生じる。このために基礎コンク
リートを設ける必要がある。またコンクリートブロック
は既成品で形が画一であるため、急な曲線部及び勾配が
急な渓流では施工が非常に困難である。これらの方法
は、護岸だけでなく山腹にも適用されている。また護岸
の場合、川側の斜面のみならず反対側の斜面も補強斜面
とする場合もある。
【0007】上述の如きコンクリート又はコンクリート
ブロックを使用した補強斜面は、コンクリート素材が表
面に現れ、外観を損ねる。さらに元来の植物形態を喪失
しており、自然環境の破壊という問題があった。そこで
表面を植物で覆う従来方法としては、コンクリート表面
に蔦を這わすことが行われている。また複数段の棚状に
なるようなコンクリートブロックを積重して、各棚部に
土が溜まり易い構成とし、又は人為的に土を施して植物
を自生させる、又は育成することも行われている。図3
はこの従来の植生ブロックを示す側面図である。側面視
L字型をなすコンクリートブロック8,8…を、下段の
コンクリートブロック8の垂直部の前面(水平部を有す
る側から見た面)が、上段のコンクリートブロック8の
水平部(棚部)前面と略等しくなるように積重し、各棚
部に盛土を行う。そしてその場所に植物を生やす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示す如き植生ブロックでは、棚部が保持し得る土の量は
少なく、その少ない土が含有する水分量は限られてい
る。さらに土は乾燥により植物が利用し得る水分を失い
易い。このように保水性が悪いと植物が萎凋し易い。ま
た棚部の面積をある程度確保しようとすると、棚部前面
と垂直部前面上端とがなす角度は緩慢になり、急峻な勾
配にて補強斜面を形成することは困難であるという角度
上の制約が生じる。保水性を改善するために土の代替物
として椰子の実マットを使用することも可能であるが、
この椰子の実マットは風化に伴い、材質が劣化する。本
発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ブロ
ック部材の表面にロックウールを被着して植生基盤を形
成するとともに土が自然に溜まる部分を設けることによ
り、周辺植生を回復することができ、緑化推進に役立つ
植生ブロックを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る植生ブロッ
クは、ブロック部材の少なくとも一部にロックウールを
被着してあり、前記ロックウールの表面に複数の穴を形
成してあることを特徴とする。
【0010】
【0011】
【作用】本発明にあっては、ブロック部材に保水性がよ
いロックウールを被着することにより、植物の生育に必
要不可欠な空気及び水分を保持し得る植生基盤をブロッ
ク部材表面に形成することができる。このロックウール
植物を自生させるか、又は所要の種子を吹き付け植物
を育成すること容易であり、ブロック素材の表面露出
を防止することができる。またロックウールは風化が進
行しても土壌化が進むだけで悪影響はなく、さらにあら
ゆる形状のブロック部材に対応することができる。そし
て穴を設けたことにより、ここに流出してくる土が溜ま
り易く、緑化にはより効果的である。
【0012】
【0013】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
き具体的に説明する。図4は本発明に係る植生ブロック
を示す斜視図である。表出する部分は所定厚さまで直方
体であり、埋没する部分は徐々にその断面積が小さくな
る形状(略裁頭四角錐)をしたコンクリートブロック9
の表出部分表面に、厚さ3〜5cmのロックウール7を接
着してある。このロックウール7は、溶融した岩石又は
スラグに水蒸気を吹き込むことにより製造され、繊維状
をなしており、主にバラ等の切り花を育成するために使
用されるものである。また断熱効果を有する。
【0014】ロックウール7をコンクリートブロック9
に接着する方法は、型枠を使用してコンクリートブロッ
ク9を作製する過程において、コンクリートが固まる前
にロックウール7を載置するだけでよい。また、既存の
コンクリートブロック表面に掻き傷を付け、モルタル又
はその他の接着剤で接着することも可能である。さらに
ロックウール7ごと釘で打ちつけること、及びコンクリ
ートブロック表面に突起物を設けておき、それに引っ掛
けることにより装着することも可能である。
【0015】ロックウール7は、輝緑岩又は高炉スラグ
を主原料としており、その化学成分組成を表1に示す。
Aは輝緑岩を主原料としたもの(グローダン社製)であ
り、Bは高炉スラグを主原料としたもの(日東紡製)で
ある。
【0016】
【表1】
【0017】以上の如き組成のロックウール7は、強酸
を使用するとカルシウム等の陽イオン又は硫黄を溶出す
るが、雨水,地下水,通常の培養液等の液体では問題は
ない。
【0018】また、ロックウール7は容積の95%が孔隙
であり、保水性に優れる。図5は、育苗用熟成床土,バ
ーライト,ロックウール,火山れき,くん炭及びバーミ
キュライトにおける水分分布を示すグラフである。一般
に、保持されている水を引き離すために要する力(圧
力)はpF値(pF= logH;Hは水柱圧cm)を用いて
表しており、このpF値に相当する水分吸引圧を加えた
ときの水分量を、横軸にこのpF値を採り、縦軸は水分
百分率を採って示している。植物が利用するに適当なp
F値は土壌により様々であるが、一般に 1.7〜2.0 近傍
である。ロックウールはこの値近傍での水分保持量が非
常に多いことが分かる。しかもロックウールに保持され
た、又はロックウールに与えられた水分は移動し易いの
で、仮に1箇所に水分が存在してもその水分はロックウ
ール全体に拡散する。従ってどの位置に植わっている植
物も水分を吸収することは容易である。
【0019】図6は本発明に係る植生ブロックの表出面
を示す模式図である。ロックウール7には打抜機で三角
穴7aを多数設けてある。このような構成とすると、この
三角穴7aの3頂点のうち下側に位置する頂点に土が溜ま
りやすくなり、植物がより生え易くなる。ここで穴を三
角形としておくと、植生ブロックをどの向きで積重して
も、いずれかの頂点に土は溜まる。
【0020】次に、本発明に係る補強斜面緑化工法につ
いて説明する。まず図2に示す方法にてロックウール7
が被着されたコンクリートブロック9を所要の勾配にて
積重する。即ち、渓床及び土手を渓床下の深さ(d)
0.4mまで、勾配1:0.5 で掘削し(線B)、厚さtが
0.3m程度の基礎コンクリート6を設ける。そしてこの
基礎コンクリート6の上に、ロックウール7が接着され
たコンクリートブロック9,9…を、表のり勾配を3分
(1:0.3)にして積重し、天端厚eは0.37mにする。こ
の埋没部分の空隙は、胴込のコンクリート3及び礫で埋
める。この裏面には防水紙又はベニヤ板からなる裏型板
4を備えており、さらにその裏面には天端厚fが0.31m
となるような裏込礫層5を形成してある。この場合も数
箇所に水抜きパイプPを挿入してある。なおコンクリー
トブロック9,9…を積重した後、ロックウール7を接
着してもよい。また図2に示す場合と同様、川側の斜面
のみならず反対側の斜面も補強斜面とすることもでき
る。
【0021】次にこのロックウール7に土及び種子を吹
き付ける。形成初期は草本の種子が適当であり、土壌化
が進めば低木類が自生することも可能である。また播種
することなく植物を自生させることとしてもよい。ロッ
クウール7は岩石を素材としているため、風化しても土
壌化が進むだけで悪影響はない。逆に土壌化が進むこと
は植主にとって根の支持能力が高まることであるので都
合がよい。
【0022】上述の植生ブロックは、あらゆる形状のコ
ンクリートブロックに対応することが可能であるので、
所要形状の植生ブロックを作製し、所要勾配の補強斜面
を形成することができる。またこの植生ブロックに所望
する品種の種子を播くと、所望する景観を有する補強斜
面を創造することが容易に行える。なおロックウールを
被着する部材はコンクリートブロックに限定するもので
はなく、他の材料、例えばモルタル等の材料からなる部
材に被着しても同様の効果が得られる。また上述の如き
植生ブロックの適用は、補強斜面に限るものではない。
さらにロックウールに形成する穴形状は三角形に限るも
のではない。また本発明方法は、コンクリート護岸工に
より形成された補強斜面及びその他の材料からなる補強
斜面にも適用可能であり、また護岸斜面のみならず山腹
斜面等の補強斜面にも適応可能であることはいうまでも
ない。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明に係る植生ブロック
は、ブロック部材に保水性がよいロックウールを被着し
てあるので、ブロック部材表面に植物が生えやすい植生
基盤を形成することができ、しかもこれに形成した穴に
土が溜まり植物が生えやすい。さらにロックウールは風
化が進行しても土壌化が進むだけで悪影響はなく、さら
にあらゆる形状のブロックに対応することができる等、
本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリートによる護岸工法を示す模式的縦断
面図である。
【図2】コンクリートブロックによる護岸工法を示す模
式図である。
【図3】従来の植生ブロックを示す側面図である。
【図4】本発明に係る植生ブロックを示す斜視図であ
る。
【図5】各種素材における水分分布を示すグラフであ
る。
【図6】本発明に係る植生ブロックのコンクリートブロ
ックを示す正面図である。
【符号の説明】
7 ロックウール 7a 三角穴 9 コンクリートブロック

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック部材の少なくとも一部にロック
    ウールを被着してあり、前記ロックウールの表面に複数
    の穴を形成してあることを特徴とする植生ブロック
JP4342821A 1992-12-22 1992-12-22 植生ブロック Expired - Lifetime JP2509135B2 (ja)

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JPH06193080A JPH06193080A (ja) 1994-07-12
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