JP2509027Y2 - 時計の切換構造 - Google Patents

時計の切換構造

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JP2509027Y2
JP2509027Y2 JP1990001048U JP104890U JP2509027Y2 JP 2509027 Y2 JP2509027 Y2 JP 2509027Y2 JP 1990001048 U JP1990001048 U JP 1990001048U JP 104890 U JP104890 U JP 104890U JP 2509027 Y2 JP2509027 Y2 JP 2509027Y2
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和美 鴨井
洋一 林
典昭 志村
省三 串田
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は時計の切換構造に関する。
〔従来の技術〕
従来の時計の切換断面構造を第5図に示す。13は地
板、2は巻真、1は合成樹脂より成るつづみ車であり、
小鉄車5と常時噛み合っている。3はカレンダ修正車で
あり、つづみ1と同じく合成樹脂で作られている。4は
カレンダ修正伝え車であり、カレンダ修正車3とは常時
噛み合っている。巻真2は2段引きになっているおりそ
の停止位置はおしどり7とクリックばね(図示せず)に
より決められている。巻真2の引き出し1段目ではカレ
ンダ修正車3と巻真2のソロバン玉2aがしめ代で契合
し、巻真2を回転するとカレンダ修正伝え車4が回転
し、これと噛み合っている揺動車(図示せず)がカレン
ダ車5と噛み合う位置まで移動し、カレンダ車6を早修
正できるようになる。又、巻真2を2段目に引き出すと
つづみ車1と巻真2のソロバン玉2bがしめ代契合し、針
修正が可能となる。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかし、前述の従来技術ではつづみ車1と小鉄車5が
常時噛み合っており、しかも回転軸が90°ずれているた
めトルク伝達効率が悪い。よって通常運針時の時計の止
まりの原因となる場合が多い。しかもつづみ車1は合成
樹脂のため強度的に劣っており、針修正したトルクが大
きいとすぐに破壊してしまう。しかしこれを金属化して
強度アップすると巻真2とのしめ代契合が成り立たず、
前述の止まり防止の為にも巻真を押し込んだ時にはつづ
み車1と小鉄車5との噛み合いをはずすようにかんぬき
を入れるという時計では既知の構造を取る必要がでてく
る。ところが、巻真2の長さを十分取れるような大きな
時計ならば良いが、女性用の小型時計でこの構造を取ろ
うとすると、カレンダ修正車3と小鉄車5との距離が少
ないため、つづみ車1を極度に短かくすることになる。
しかしそうなるとつづみ車1が時刻修正時に傾いてしま
い小鉄車5と噛み合いがはずれてしまったり、伝達効率
の変動が大きくなって修正感が悪くなってしまうのであ
る。又、これを防ぐためにカレンダ修正車3とカレンダ
修正伝え車4を第5図の状態よりも外に出し、カレンダ
車6と平面的に重ねるという方法もある。しかしこれは
時計の厚みを犠牲にすることとなり、今日のように時計
を極力薄型化し、よりファッショナブルなケースデザイ
ンを取り入れようとする時代に逆向することとなり、時
計の競争力を大きく損なうこととなる。本考案は以上の
ような問題点を解決するもので、その目的とするところ
は十分な信頼性と心地良い修正感を持った薄型、小型の
時計を市場に提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案の時計の切換構造は、指針により時刻を表示
し、かつ付加機能表示車を有する時計において、外部操
作部材と、前記指針を動かす為の輪列と、前記外部造作
部材の軸線方向に移動し、前記指針の表示状態を修正す
るときにのみ前記輪列の1つと噛み合うつづみ車と、前
記外部操作部材を動かし前記付加機能表示車を早修正す
る時にのみ外部操作部材に係合する修正車とを有し、前
記つづみ車を挟み、前記外部操作部材の軸線方向の一方
の側には前記つづみ車に噛み合い可能な前記輪列の1つ
が配置され、他方の側には前記修正車が配置され、前記
つづみ車と前記修正車は、少なくとも時計の通常運針時
には平面的に少なくとも一部分が重なった配置関係とな
っている構成を採用している。
〔実施例〕
第1図は本考案の実施例における切換部の断面図であ
り、第2図は表平面図、第3図は裏平面図である。1は
つづみ車、2は外部操作部材である巻真、3はカレンダ
修正車、4はカレンダ修正伝え車でありカレンダ修正車
3と噛み合い、カレンダ車6を早修正する場合にのみ地
板13に形成された溝13aに沿って移動する揺動車14と噛
み合っている。5は指針を動かす為の輪列の1つである
小鉄車であり、日の裏車15と噛み合って通常運針時にも
回転している。おしどり7は巻真2と噛合しており、巻
真2を引き出すとかんぬき8がおしどりピン7aと契合し
ているクリック部8aの形状に従って移動し、かんぬき8
と契合しているつづみ車1がその動きに従って移動す
る。よって巻真2を2段目に引き出すとつづみ車1は小
鉄車5と噛み合い時刻修正可能となる。なお巻真2が0
段目と1段目においてはかんぬき8、およびつづみ車1
が同一位置に在るように前記クリック部8aの形状を設定
している。ここでかんぬき8のクリック部8aとクリック
ばね8bの役割りについて詳細に述べる。第1図および第
2図は巻真2が0段目にある状態を示している。ここで
巻真2を1段目に引き出すと、おしどりピン7aは7a1
位置まで移動する。この間はクリック部8aはおしどり7
の回転軸16を中心とした円弧形状より出っぱっているた
め、かんぬき8はかんぬきばね8cに対向して少し移動
し、7a1の位置で、7aと同じ位置にもどるのである。し
かもおしどりピン7aはクリックばね8bの2つの出っぱり
の1つをも押し広げて移動する。又、第2図のかんぬき
クリック部8aの形状よりわかるように巻真2の0段目か
ら1段目は主にクリックばね8bの出っぱり形状、1段目
から0段目への移動によるクリック力は主にかんぬきば
ね8cとクリック部8aの形状の両方によって作られてい
る。これは0段目から1段目においてはクリック部8aと
おしどり7の回転軸16とを結ぶ線と、クリック部8aとか
んぬき8の回転軸とを結ぶ線とで成す角度θが90°より
大巾に大きく、クリック部8aでは十分なクリック力を出
せないためである。なお1段目から0段目についてはク
リック部8aおよびクリックばね8bの出っぱり形状によっ
てはかんぬきばね8cあるいはクリックばね8bのみでクリ
ック力を出すことも可能である。次に巻真2を1段目か
ら2段目に引き出すとクリック部8aはつづみ車1が小鉄
車5に噛み合うまでかんぬき8が移動するようなカム形
状となるように設定した。ただし初期の引っぱり力を一
定値以上にするよう引っかかり部分も設けており、しか
もクリックばね8bの2つの出っぱり部の1つを押し広げ
ておしどりピン7aが7a1から7a2へ移動するため、かんぬ
きばね8cとクリックばね8bの合成された力によってクリ
ック力が発生するように構成している。又、2段目にお
いてはクリックばね8bの出っぱり形状とクリック部8aで
おしどりピン7aをはさみ込んで位置決めしている。尚、
クリック部8aおよびクリックばね8bの出っぱり形状によ
ってはかんぬきばね8cあるいはクリックばね8bのみでク
リック力を出すことも可能である。次に2段目から0段
目に巻真2を押し戻すときには、2段目から1段目では
クリック部8aはつづみ車1が2段目の状態よりも小鉄車
5に近づかないような形状として、押し込み時に針が動
いたり飛んだりしないように配慮している。このため、
クリック力はクリックばね8bの出っぱり部のみによって
発生するように構成している。又、1段目から0段目に
おいては、かんぬき8はつづみ車1が小鉄車5に少し近
づくように移動するものの、クリックばね8bによりクリ
ック部8aにおしどりピン7aが押え付けられるため、かん
ぬき8とつづみ車1の慣性によりクリック部8aの形状以
上に移動して小鉄車5につづみ車1が当たり、時刻表示
用の指針を動かしてしまうという不具合を防止してい
る。
次にカレンダ修正車3とカレンダ車6およびつづみ車
1の位置関係について詳細に述べる。第1図に示すよう
に、カレンダ修正車3がカレンダ修正伝え車4と噛み合
う歯型の部分は、断面的にカレンダ車6とほぼ同一高さ
となる。実施例に示すような小型、薄型のカレンダ付時
計においてはカレンダ車6に印刷する文字を極力大きく
するため、カレンダ車6の内側すなわちカレンダ車6の
歯部を極力内側に入れ、小さくすることが必須条件とな
る。よって断面的に同一高さに有るカレンダ修正車3の
歯部とカレンダ修正伝え車4もカレンダ車6の歯部を逃
げて内側に配置することになる。ところが通常運針時は
つづみ車1は小鉄車5から逃げている必要があり、内側
に入れるにしても限界がある。よって第1図および第2
図に示すように本実施例ではカレンダ修正車3の歯型部
分をつづみ車1と平面的に重ね、つづみ車1は極力外側
に、カレンダ修正車3の歯型部は極力内側に入れるよう
に構成している。次に巻真2とつづみ車1およびカレン
ダ修正車3との契合関係について述べる。第1図に示す
ように0段目においては巻真2とつづみ車1とは巻真角
取り部2aおよび2bで契合しており、かんぬき8の移動に
より軽い力でつづみ車1が動けるように角取り部2aおよ
び2bとはスキマを持っている。又、カレンダ修正車3と
巻真2とは、巻真2を1段目に引いた時に角取り部2aと
カレンダ修正車3の丸穴とが締め代を持って契合する。
すなわち巻真2を回転すると、この締め代により発生す
る固定トルクでカレンダ修正伝え車4、揺動車14が回転
してカレンダ車6と噛み合い早修正が可能となるもので
ある。尚、巻真2の0段目、および2段目においては、
カレンダ修正車3の丸穴と巻真2とはスキマを持って契
合しており、巻真2を回転してもカレンダ修正車3が回
転することはない。以上に述べた巻真角取り部2aおよび
2bと、つづみ車1の穴形状、カレンダ修正車3の穴形状
を第4図に重ね合わせて示す。この図よりわかるように
カレンダ修正車3との締め代となるのは、角取り部2aの
四角のみであり、つづみ車1を案内しているのも角取り
部2aおよび2bの四角のみである。尚、第1図における9
は輪列受けであり、地板13と共に指針を動かすための輪
列を支持している。10は回路基板であり、集積回路と水
晶がハンダ付けしてある。回路基板10は輪列受け9と電
池プラス端子および水晶押えとしても使われる回路押え
板11によってはさみ込まれて固定されている。12は曜車
であり中心部に曜星歯車12aが固定してある。この曜星
歯車12aは第3図の曜修正伝え車17と噛み合っており、
曜早修正時には揺動車14によって回転する。15aは日の
裏車15のカナ歯車であり、時計を取り付ける筒車と噛み
合っている。カナ歯車15aはカレンダ修正伝え車4、揺
動車14、曜修正伝え車17および曜星歯車12aとも平面的
に重なっておらず、第1図よりわかるように曜星歯車12
aのすぐ裏まで断面的に伸ばしてある。第2図における7
cはおしどり7の裏面に面押し加工をした位置であり、
巻真2が0段目に押し込まれた時に地板13a部と当たる
おしどり7d部の周辺はおしどり7の本体よりも薄くなっ
ている。これは巻真2をはずす為におしどり7のポンチ
打ち部7bを押し下げた時、下に在るかんぬき8に力を加
えずにおしどり7のみが下へ傾くように配慮したもので
ある。尚、おしどり7の上には規正レバー18が有り、お
しどりピン7eによって規正レバー18は地板ピン13bを中
心に回転する。よって巻真2を2段目に引き出すと三番
車19の下を通っている規正レバー18の先端が五番車20を
押しつけ、巻真2を回転して時針分針を修正しても秒針
が回転しないように構成している。又、規正レバー18は
リセット端子も兼ねており、リセット部18aが回路基板1
0のリセットパターンに接触導通するようにしている。
〔考案の効果〕
以上述べたように、本考案の時計の切換構造は、外部
操作部材の外周に配置したつづみ車を挟み、その軸線方
向の一方の側には、当該つづみ車に噛み合い可能な小鉄
車等のような指針を動かすための輪列の1つを配置し、
他方の側にはカレンダ修正車等のような付加機能表示車
を早修正する時にのみ外部操作部材に係合する修正車を
配置した構成を採用すると共に、つづみ車と修正車は、
少なくとも時計の通常運針時には平面的に少なくとも一
部分が重なった配置関係としてある。また、つづみ車は
指針の常時状態を修正するときにのみ小鉄車等のような
指針を動かすための輪列の1つに噛み合わせるようにし
てある。
このように、本考案によれば、つづみ車と修正車を平
面的に重ねてあるので、女性用等の小型時計等におい
て、修正車と小鉄車の間隔を広くとれない場合において
も、つづみ車の巻真による案内長さを充分に確保でき
る。また、つづみ車の巻真による案内長さを充分に確保
するために、例えば、修正車としてのカレンダ修正車、
カレンダ修正伝え車を時計の中心から外側に出してカレ
ンダ車と平面的に重ねる必要もない。したがって、カレ
ンダ車の日文字印刷面が小さくなることもなく、また、
時計の厚みが増加することもない。
さらには、このようにつづみ車と修正車を平面的に重
ねるとにより、つづみ車の巻真による案内長さを充分な
ものとしてあるので、つづみ車と小鉄車とを通常の運針
時には離しておくことができる。したがって、通常運針
時には指針を動かすための輪列とつづみ車が噛み合って
いないので、輪列回転負荷を減少させることができ、時
計の止まりを防止して信頼性を向上させることが可能に
なる。
以上のように、本考案によれば、つづみ車の巻真によ
る案内長さを充分に取れるので、巻真を開演して時間修
正を行なう場合にもつづみ車が傾くことが少なく、つづ
み車と噛み合う輪列との噛み合い外れや伝達効率の変動
も少なくて済む。したがって、修正感が良く、耐久性、
信頼性に優れた時計の切換構造を実現でき、同時に、小
型で薄形の時計を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例における切換部の断面図。 第2図は第1図に示す切換部の表平面図。 第3図は第1図に示す切換部の裏平面図。 第4図は巻真、つづみ車、カレンダ修正車の契合部断面
図。 第5図は従来の時計の切換断面図。 1……つづみ車 2……巻真 3……カレンダ修正車 4……カレンダ修正伝え車 5……小鉄車 6……カレンダ車 7……おしどり 8……かんぬき 9……軸列受け 10……回路基板 11……回路押え板 12……曜車 13……地板 14……揺動車 15……日の裏車 16……回転軸 17……曜修正伝え車 18……規正レバー 19……三番車 20……五番車
フロントページの続き (72)考案者 志村 典昭 長野県塩尻市大字塩尻町390番地 塩尻 工業株式会社内 (72)考案者 串田 省三 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭64−55481(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】指針により時刻を表示し、かつ付加機能表
    示車を有する時計において、外部操作部材と、前記指針
    を動かす為の輪列と、前記外部操作部材の軸線方向に移
    動し、前記指針の表示状態を修正するときにのみ前記輪
    列の1つと噛み合うつづみ車と、前記外部操作部材を動
    かし前記付加機能表示車を早修正する時にのみ外部操作
    部材に係合する修正車とを有し、前記つづみ車を挟み、
    前記外部操作部材の軸線方向の一方の側には前記つづみ
    車に噛み合い可能な前記輪列の1つが配置され、他方の
    側には前記修正車が配置され、前記つづみ車と前記修正
    車は、少なくとも時計の通常運針時には平面的に少なく
    と一部分が重なった配置関係となっていることを特徴と
    する時計の切換構造。
JP1990001048U 1990-01-10 1990-01-10 時計の切換構造 Expired - Lifetime JP2509027Y2 (ja)

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JPH0391995U JPH0391995U (ja) 1991-09-19
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS4829488U (ja) * 1971-08-13 1973-04-11
JPH0452706Y2 (ja) * 1985-11-22 1992-12-10

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JPH0391995U (ja) 1991-09-19

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