JP2509002Y2 - 洗壜機の容器搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は洗壜機の容器搬送装置に係り、より詳しくは
搬送帯上の容器を直接挾持して洗壜機の容器処理部内ホ
ルダに挿入する受渡機構を備えた洗壜機の容器搬送装置
に関するものである。

［従来の技術］ 一般に、洗壜機等の容器処理装置では、処理しようと
する壜等の容器を容器処理部へ搬送する給壜部と、この
給壜部と同様な機構を有し処理された容器を容器処理部
外へ排出する排壜部とを備えており、処理される容器
は、容器処理装置の上流側に配置したコンベヤ上を連続
的に搬送され、所定位置にて上記給壜部へけり込みバー
等を有する複雑な押込み装置により渡り板を介し押し込
まれ、処理された容器は、上記排壜部から押出し装置に
より前記同様の渡り板を介し下流側に配置した排出用コ
ンベヤ上へ連続的に押し出され排出されるようになって
いる。

また、上記各給排壜部は、上流側コンベヤから押込み
装置により押し込まれて来る容器、または容器処理部か
ら受け渡される容器を受け入れて、この容器そのものを
容器処理部側または排出用コンベヤ側へ案内するボトル
ガイドと、容器をこのボトルガイドに沿わせて持ち上げ
移送するピックアップアームとをそれぞれ備えるととも
に、更に容器処理部への容器受渡し部においては該容器
処理部内のホルダに容器を挿入するための容器押込み機
構が設けられている。

［考案が解決しようとする問題点］ このような容器処理装置では、各給排壜部と各コンベ
ヤとの間での容器の授受を、それぞれ押込み装置と押出
し装置とを用い、渡り板上を滑らせるようにして行うと
ともに、各給排壜部においてはピックアップアームによ
り容器をボトルガイドに摺接せしめて移送し、更に容器
処理部への容器受渡しを容器押込み機構を用いることに
よって行なっているため、部品点数が多く、装置が複雑
となってコスト高を招くばかりでなく、容器の移送経路
に容器摺接部が存在することから容器に擦れが生じ擦傷
が発生するという問題があり、更にまた容器が角壜であ
る場合には押込み装置のけり込みバーで該角壜が回転
し、方向規制ができないという欠点があった。

本考案は叙上の点に鑑みなされたもので、容器に擦傷
が発生せず、部品点数の削減が図れ、異なる形状・大き
さの容器で確実に保持移送することのできる洗壜機の容
器搬送装置を得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案に係る洗壜機の容器搬送装置は、間欠的に停止
または低速走行する搬送帯と、この搬送帯と洗壜機の容
器処理部内ホルダとの間に配設され該搬送帯の上記停止
または低速走行位置と容器処理部内ホルダの傾斜位置と
の間で容器を授受する受渡機構とを備え、この受渡機構
を、容器を保持具によって両側から挾持する保持機構
と、上方へ向けて湾曲するととともに、搬送帯側に鉛直
方向の直線部分、ホルダ側に、上記ホルダの傾斜軸線と
ほぼ平行な直線部分を有するほぼアーチ状の保持機構案
内ガイドとら構成したものである。

［作用］ 本考案においては、搬送帯の停止または低速走行時
に、受渡機構により搬送帯と容器処理部内ホルダとの間
に容器を直接挾持して給排授受せしめるようにしている
ため、従来用いていた押込み装置、押出し装置、渡り
板、ピックアップアーム、ボトルガイド、容器押込み機
構を不要のものとして部品点数の削減が図れるととも
に、異なる形状、大きさの容器でも確実に保持移送する
ことができる。

［実施例］ 以下、図示実施例により本考案を説明する。第１図は
本考案の一実施例に係る洗壜機の容器搬送装置を給壜部
に用いた場合を示す側面図、第２図はコンベヤ装置を示
す平面図、第３図はその側面図であり、本考案の洗壜機
の容器搬送装置は、壜等の容器（１）を等ピッチに整列
して搬送するとともに間欠的に停止または低速走行する
コンベヤ装置（２）と、このコンベヤ装置（２）の搬送
方向に直交せしめてその一側部に配置され、該コンベヤ
装置（２）のサイクル毎の停止または低速走行時に定位
置にて上記整列容器（１）をコンベヤ搬送面（2a）上か
ら直接挾持して容器処理部（３）側へ移送する受渡機構
（４）とから成り、停止または低速移行されるコンベヤ
搬送面（2a）上の容器（１）を該コンベヤ搬送面上から
直接挾持して移送可能としている点に特徴を有してい
る。

すなわち、コンベヤ装置（２）は、第２図および第３
図に示すように、両側フレーム（5a），（5b）間に所定
間隔毎に支持部材（６）が架設され、これら支持部材
（６）間に搬送方向へ延びる一対のガイド部材（7a），
（7b）が跨架支持されるとともに、これらガイド部材
（7a），（7b）間に位置するようその先端側（図の左
側）に駆動用スプロケット（８）が設けられており、搬
送面を形成する図示しない多数のプレート部材は上記各
ガイド部材（7a），（7b）に支持案内されかつ駆動用ス
プロケット（８）によって駆動されるようになってい
る。上記駆動用スプロケット（８）はその両側フレーム
（5a），（5b）から突出するスプロケット軸（8a）の一
端部にスプロケット（９）が取付けられ、このスプロケ
ット（９）と下方に設置した減速機（10）の回転軸との
間に掛け回したチェーン（11）を介して駆動力が伝えら
れるようになっている。また上記チェーン（11）は、コ
ンベヤ搬送方向に直交するコンベヤ装置（２）の下方フ
レーム（5c）にブラケット（12）を介し軸承された軸部
材（13）側のスプロケット（14）にも張り車（15）を介
し掛け回されている。一方、軸部材（13）の他端部には
かさ歯車（16）が取付けられ、このかさ歯車（16）が、
上記下方フレーム（5c）とこれに対向させてコンベヤ後
端側に配置した下方フレーム（5d）とに軸承された軸部
材（17）の一方のかさ歯車（18）と噛合っている。上記
軸部材（17）はその他端部にもかさ歯車（19）が取付け
られており、このかさ歯車（19）が、上記下方フレーム
（5d）にブラケット（20）を介し軸承された垂直軸（2
1）側のかさ歯車（22）と噛み合っている。上記垂直軸
（21）はその上部に揺動可能にギヤボックス（23）が装
着され、かつこのギヤボックス（23）内の該垂直軸上端
部に平歯車（24）が取付けられている。上記ギヤボック
ス（23）は、その外周面の揺動端部位に突出部（23a）
が形成されるとともに、この突出部（23a）に垂直方向
にねじ部材（25）が植設されており、このねじ部材（2
5）が、コンベヤ装置（２）のフレーム（5b）から水平
方向に延出する板体（26）の弧状長穴（26a）内を自由
に移動できるようになっており、図示しないナット等に
よって上記ねじ部材（25）を締め付けて上記突出部（23
a）を板体（26）に圧着させることにより位置決め固定
できよるようになっている。また上記ギヤボックス（2
3）はその揺動端側に上記垂直軸（21）と平行にスター
ホイル軸（27）を貫通せしめて軸承しており、該ギヤボ
ックス（23）内において上記スターホイル軸（27）に取
付けた平歯車（28）が上記垂直軸（21）側の平歯車（2
4）と噛合するようになっている。上記スターホイル軸
（27）はそのギヤボックス（23）から上方へ突出する上
端部に、コンベヤ搬送面（2a）上を搬送されて来る容器
（１）を等間隔に整列するためのスターホイル（29）が
取付けられており、上記ねじ部材（25）および板体（2
6）から成る位置決め機構（30）によって容器（１）と
の相対位置関係を調整できるようになっている。

なお、（31）は上記減速機（10）に接続されたモータ
であり、その速度制御はコンベヤ搬送面（2a）の両側に
搬送方向にずらせて設置した２組の光電管の検出結果に
基づいて行なわれる。すなわち、コンベヤ装置（２）の
両側フレーム（5a），（5b）の外側には、第４図および
第５図に示すように、それぞれブラケット（5e），（5
f），（5g）が設けられ、これらブラケット（5e），（5
f），（5g）に、それぞれコンベヤ搬送面（2a）に臨ま
せて投光部（A₁）および受光部（A₂）から成る第１の光
電管（Ａ）とこれによりも搬送路の下流側に配設された
投光部（B₁）および受光部（B₂）から成る第２の光電管
（Ｂ）とが設置されおり、コンベヤ搬送面（2a）上を送
られてくる先頭の容器（１）を上記第１の光電管（Ａ）
で検出すると、制御部よりモータ（31）に減速指令が出
されてコンベヤ装置（２）を減速走行へ移行せしめると
ともに、上記先頭の容器（１）を第２の光電管（Ｂ）で
検出すると、制御部よりモータ（31）に停止指令が出さ
れてコンベヤ装置（２）を停止せしめるようになってい
る。

次に第１図により受渡機構（４）について説明する。
受渡機構（４）は、コンベヤ搬送面（2a）上を搬送され
停止または低速状態にある容器（１）を直接挾持する保
持機構（32）と、この保持機構（32）を容器処理部
（３）のホルダ（33）部位迄ほぼ円弧状の軸跡を描いて
移送する移送機構（34）とを備えている。上記保持機構
（32）と移送機構（34）について詳細に説明すると、図
示しない枠体間に回転可能に支持された軸（35）の両端
部寄りに一対のアーム（36），（37）が取付けられ、こ
れらアーム（36），（37）の回動端にリンク（38），
（39）を介して保持機構（32）が支持されている。保持
機構（32）は、平行に配設され互いに逆方向に移動可能
な２本の軸（図示せず）にそれぞれ一方が固定されて対
をなす複数組の保持具（40），（41）を備えており、上
記２本の軸のそれぞれ逆の端部に設けたシリンダ等によ
り該２本の軸を駆動した際には、上記各組の保持具（4
0），（41）が接近・離隔し容器（１）を保持・開放す
るようになっている。また上記保持機構（32）はその両
端部にガイドローラ（42），（43）をそれぞれ有し、こ
れらガイドローラ（42），（43）が該保持機構（32）の
両端側にそれぞれ配置したアーチ状のガイド（44），
（45）のそれぞれの溝（44a），（45a）内に係合して案
内されるようになっている。このアーチ状のガイド（4
4），（45）は、上方へ湾曲した円弧状の部分と、コン
ベヤ（２）およびホルダ（33）との受渡し部に設けられ
た直線部分とを有している。したがって、上記軸（35）
が回転すると、アーチ（36），（37）およびリンク（3
8），（39）を介して、ガイドローラ（42），（43）が
ガイド（44），（45）の溝（44a），（45a）に沿って移
動され、コンベヤ搬送面（2a）上の容器（１）は保持具
（40），（41）により挾持されさて持ち上げられた後、
容器処理部（３）のホルダ（33）部位まで移送される。

軸（35）には、歯車（46）が固定され、この歯車（4
6）に、下方の軸（47）を支点に回動するセクタギヤ（4
8）が噛合っている。このセクタギヤ（48）は、揺動量
調整部材（49）、タイロッド（50）、およびクランク軸
（51）を介して図示しない駆動源に連結され、前記クラ
ンク軸（51）の回転運動は該セクタギヤ（48）の往復運
動に変換されるようになっており、このセクタギヤ（4
8）の揺動によって歯車（46）および軸（35）が回転
し、さらにアーム（36），（37）が揺動して容器保持機
構（32）をガイド（44），（45）の溝（44a），（45a）
に沿って移動させる。

以上のように構成される本考案の洗壜機の容器搬送装
置は、先ずコンベヤ装置（２）のモータ（31）を動作さ
せ、これを駆動源とするコンベヤ搬送面（2a）およびス
ターホイル（29）を駆動して容器（１）を等ピッチに整
列しつつ上記コンベヤ搬送面（2a）により移送する。こ
のコンベヤ搬送面（2a）上の整列容器の中、先頭の容器
（１）を第１の光電管（Ａ）が検出するとコンベヤが低
速走行に移行し、上記先頭の容器（１）が更に進んでこ
れを第２の光電管（Ｂ）が検出するとコンベヤが停止す
る。コンベヤが停止または低速走行に移行すると、受渡
機構（４）のセクタギヤ（48）が時計周り方向へ揺動
し、このセクタギヤ（48）に噛み合う歯車（46）が反時
計周り方向に回転し、アーム（36），（37）およびリン
ク（38），（39）を介して保持機構（32）をアーチ状の
ガイド（44），（45）に沿ってコンベヤ搬送面（2a）方
向に移動させる。この移動により各組の保持具（40），
（41）が各容器（１）に間に位置すると、図示しないシ
リンダが作動し、これら保持具（40），（41）を接近せ
しめてコンベヤ搬送面（2a）上の容器（１）を挾持す
る。次いで、セクタギヤ（48）が反時計周り方向へ揺動
し、歯車（46）を時計周り方向に回転させて保持機構
（32）をガイド（44），（45）に沿って容器処理部
（３）のホルダ（33）部位迄移動させる。

このように本考案の洗壜機の容器搬送装置は、コンベ
ヤ搬送面（2a）上で直立している容器（１）を、受渡機
構（４）の保持具（40），（41）によって直接挾持して
容器処理部（３）側へ移送して、ほぼ倒立した状態に
し、しかも、ホルダ（33）の中心線とほぼ平行な状態で
移動させてホルダ内（33）に挿入するため、容器（１）
に擦傷が発生せず、従来用いていた押込み装置、押出し
装置、渡り板、ピックアップアーム、ボトルガイド、容
器押込み機構を不要のものとすることができ、コストの
低減が図れ、異なる形状、大きさの容器でも確実に保持
移送することが可能となっている。しかも、アーチ状の
ガイド（44），（45）は、コンベヤ（２）およびホルダ
（33）との受渡し部にそれぞれ直線部分を有しているの
で、第１図のように傾斜したホルダ（33）に対しても、
容器（１）をその中心線と平行な状態にして挿入するこ
とができ、ホルダ（33）の内壁に容器（１）が衝突する
ことによる損傷等を防止することができる。また、コン
ベヤ（２）に対しても、搬送面（2a）に対して垂直方向
に受渡しを行うので、コンベヤ（２）の走行中であって
も安定した受渡しを行うことができる。

なお、上記実施例ではコンベヤ装置（２）の停止また
は低速走行へ移行するタイミングをコンベヤ搬送面（2
a）両側に配置した２組の光電管（Ａ），（Ｂ）の検出
結果に基づき決定するようにしたものを示したが、これ
に限らず、例えばモータ（31）の回転軸にロータリエン
コーダ等の回転量検出器を接続し、この検出器によりコ
ンベヤ搬送面（2a）の移動量およびこれに連動するスタ
ーホイル（29）の回転量を検出して上記タイミングを決
定するようにしてもよく、またタイミングカム等の機械
的な回転量検出手段を用いてもよく、いずれの場合にも
上記実施例同様の作用・効果を奏する。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案によれば、間欠的に停止ま
たは低速走行する搬送帯と、この搬送帯と洗壜機の容器
処理部内ホルダとの間に配設された該搬送帯の上記停止
または低速走行位置と容器処理部内ホルダの傾斜位置と
の間で容器を授受する受渡機構とを備え、この受渡機構
を、容器を保持具によって両側から挾持する保持機構
と、上方へ向けて湾曲するとともに、搬送帯側に鉛直方
向の直線部分、ホルダ側に、上記ホルダの傾斜軸線とほ
ぼ平行な直線部分を有するほぼアーチ状の保持機構案内
ガイドとから構成し、上記保持機構によって搬送帯上の
正立状態の容器を挾持し、反転させて、傾斜した状態に
あるホルダの傾斜軸線に沿って直線移動させることによ
り容器をホルダ内に挿入するようにしたので、傾斜した
状態のホルダに対しても、容器がホルダの開口部や内面
と干渉することがなく、安定した容器の受渡しを行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る洗壜機の容器搬送装置
の全体構成を示す側面図、第２図は第１図のもののコン
ベヤ装置を示す平面図、第３図はその側面図、第４図は
コンベヤ上の容器位置検出手段の一例を示す平面図、第
５図はその側面図である。 図において、 （１）…容器、（２）…コンベヤ装置、（2a）…コンベ
ヤ搬送面（搬送帯）、（３）…容器処理部、（４）…受
渡機構、（33）…ホルダ。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−15692（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−48917（ＪＰ，Ａ) 特公 昭48−31686（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭53−32754（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭54−27012（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】間欠的に停止または低速走行する搬送帯
   と、この搬送帯と洗壜機の容器処理部内ホルダとの間に
   配設され該搬送帯の上記停止または低速走行位置と容器
   処理部内ホルダの傾斜位置との間で容器を授受する受渡
   機構とを備え、この受渡機構を、容器を保持具によって
   両側から挾持する保持機構と、上方へ向けて湾曲すると
   ともに、搬送帯側に鉛直方向の直線部分、ホルダ側に、
   上記ホルダの傾斜軸線とほぼ平行な直線部分を有するほ
   ぼアーチ状の保持機構案内ガイドとから構成し、上記保
   持機構によって搬送帯上の正立状態の容器を挾持し、反
   転させて、傾斜した状態にあるホルダの傾斜軸線に沿っ
   て直線移動させることにより容器をホルダ内に挿入する
   ことを特徴とする洗壜機の容器搬送装置。