JP2508642B2 - 電子天びん - Google Patents

電子天びん

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  • Indication And Recording Devices For Special Purposes And Tariff Metering Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は電子天びんに関し、特に、ノイズを含む秤量
信号を時間Tごとにサンプリングして得られた時系列デ
ータからノイズ成分を除去するためにデジタルフィルタ
を用いた電子天びんに関する。
〈従来の技術〉 電子天びんは、荷重−電気変換部のアナログ出力をA/
D変換器により所定時間Tごとにサンプリングして数値
化しているが、従来はこの数値データを算術平均処理す
ることによりノイズ成分を減少させる方式が用いられて
いた。
これに対し出願人は、特願昭60−262147号において、
デジタルフィルタを用いることによりノイズ減衰量が大
きくかつ表示応答の速い電子天びんを提案(未公知)し
ている。
デジタルフィルタの構成は、第1次時系列データ{X
n},第2次時系列データを{Yn}とするとき、例えば
次式で示される。
〈発明が解決しようとする問題点〉 このようなデジタルフィルタを用いた電子天びんによ
れば、第1次サンプリングデータ{Xn}の変動幅が大き
いときでも処理後の時系列データ{Yn}の変動幅が小さ
くなるという利点がある。しかし、はかり皿に新たに物
が載せられたり、或いははかり皿上から物が降ろされた
りして荷重値がW→W′へ変化したとき、その差ΔW=
W′−Wが小さいときはデジタルフィルタを新たにかけ
直す処置がとられずに演算が続行されるので、安定マー
クが点灯したまま表示値がゆっくりと増大又は減少する
という好ましくない現象が生ずる。
そこで本発明の目的は、荷重データの安定時にはこの
安定状態を維持させ、荷重が変動したときは速やかに応
答しうる電子天びんを提供することである。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明の電子天びんは、荷重を電気信号に変換し、そ
の電気信号を所定時間Tごにサンプリングして得られた
第1次時系列データ{Xn}を用いて、下記の(a)式で
表される演算内容のもとに第2次時系列データ{Yn}を
算出して計量値の決定に供するメインのデジタルフィル
タと、第1次時系列データ{Xn}を用いて、下記の
(b)式で表される演算内容のもとに第2次時系列デー
タ{Zn}を算出し、かつ、第1次時系列データ{Xn}の
所定回数サンプリングするごとにリセットされて新たな
演算を開始するサブのデジタルフィルタを有するととも
に、そのサブのデジタルフィルタのリセットごとに、メ
インのデジタルフィルタの演算に用いる第2次時系列デ
ータを、リセット直前のサブのデジタルフィルタの第2
次時系列データで置き換える置換手段を備えていること
によって特徴づけられる。
(ただし、Mは正の整数でM≧2) 本発明のメイン及びサブのデジタルフィルタ,置換手
段等はデジタルコンピュータにより構成される。
〈実施例〉 第1図は本発明実施例の全体構成を示すブロック図で
ある。
荷重−電気変換部1は、はかり皿2上の荷重Wを電気
信号に変換する。A−D変換器3は所定時間T、例えば
0.2秒ごとにデジタル変換された数値データXnを出力す
る。この中には荷重Wのほかにノイズが含まれている。
データ処理部4はCPU5,ROM6,RAM7を備えており、RAM7に
は、時系列データを一時記憶するXレジスタ(X0
X3),Yレジスタ(Y0〜Y15),Zレジスタ(Z0〜Z9),カ
ウンタC1〜C2及びフラグS1を備えている。ROM6には後述
するようなプログラムが記憶されている。このプログラ
ムと上記各レジスタにより本発明のメイン及びサブのデ
ジタルフィルタ,置換手段が構成される。
カウンタC1はメインのデジタルフィルタのデータ処理
の進行を制御し、カウンタC2はサブのデジタルフィルタ
のデータ処理の進行を制御する。従って、C1=0又はC2
=0になるとそれ迄のデジタルフィルタの構成は破壊さ
れ(リセットされ)、かけ直しによる再構成が開始され
る。フラグS1はデータが安定であるか不安定であるかを
示すもので安定状態のときS1=1,不安定状態のときS1
0になる。XレジスタとYレジスタによりメインのデジ
タルフィルタが構成され、XレジスタとZレジスタによ
りサブのデジタルフィルタが構成される。
第2図に、本発明実施例のプログラムのフローチャー
トを示す。
初期設定11には、カウンタC1,C2及びフラグS1がクリ
アされる。次にA/D変換器が第1次時系列信号{Xn}の
ひとつを出力するとステップ12にてそれをXレジスタの
最小桁X0に取り込みXレジスタの内容を1桁づつシフト
する。次のステップ13においてデジタルフィルタ処理が
行われる。メインのデジタルフィルタの演算は により行われる。これをカウンタC1により表わされる時
刻により表現すれば時刻nにおけるYレジスタの内容Yn
となる。
サブのデジタルフィルタの演算は同様にして により行われる。このサブのデジタルフィルタは10回の
サンプリングごとに新たにフィルタをかけ直すことと
し、つまりそれまでの演算内容をリセットして新たな演
算を開始するものとし、その為、Zレジスタは10桁の桁
容量をもつ。
ステップ14はn=33以上になってもメインのデジタル
フィルタを壊さないための処理であって、C1は32をこえ
ないが時刻nは進行しXレジスタ及びYレジスタの桁シ
フトは続行される。
C2=10になるとステップ15に進み、ここでデータの置
換が実行される。これは第3図に示すように、Zレジス
タの4桁分をYレジスタの4桁分に一せいに転入するこ
とにより行われる。
同時にカウンタC2=0にクリアされる。荷重データが安
定しているときはYレジスタ,Zレジスタともにほぼ同じ
値のデータが格納されているから、置換されてもYレジ
スタの内容は依然として安定状態を維持する。しかし、
荷重値に変化が生じた直後は、まずZレジスタの内容が
その変化に応答するから、置換処理によりその変化がY
レジスタに移りYレジスタの内容は安定状態から外れた
ものになる。
初期設定においてフラグS1は不安定状態を示すS1=0
に設定されているから、初期は判断ステップ16から判断
ステップ17へ進み、メインのデジタルフィルタの処理デ
ータ{Yn}が安定状態にあるか否かが判別される。この
判別手段は例えばYレジスタの全桁Y0〜Y15の最大値Max
{Yn}と最小値Min{Yn}の差が4ポイント以下 Max{Yn}−Min{Yn}≦4 …(5) ならば安定状態にあると判断することにより行われる。
ここで不安定であると判定されたときは“N0”のブラン
チへ進み、ステップ18にて第1次時系列データ{Xn}の
4個の平均処理 が演算されてそれが表示される。これと反対に判断ステ
ップ17において安定であると判定されたときは“Yes"の
ブランチへ進み、ステップ20にてフラグS1が1に反転さ
れ、ステップ19にてメインのデジタルフィルタ出力{Y
n}の16個の平均処理 が演算されてそれが表示される。
判断ステップ17にて安定状態にあると判断され、ステ
ップ20にてS1=1にセットされたのちは、判断ステップ
16にて“Yes"のブランチへ進み判断ステップ21にてデー
タ{Yn}が安定であるか否かが判別される。このステッ
プ21における判別条件はステップ17の判断条件と同一で
あってもよく異っていてもよい。どちらかと言えばステ
ップ15の判別条件よりも緩い条件、例えば Max{Yn}−Min{Yn}≦64 …(8) に設定することが好ましい。ここで安定状態にあると判
断されたときはステップ19に進み(7)式の平均処理が
行われ表示される。ここで不安定であると判断されたと
きはフラグS1が0に切換わり、(6)式の平均処理が行
われ表示される。
本発明のメインのデジタルフィルタは、多段構成のも
ので実施することもできる。以下、3段構成のものにつ
いて説明する。
第1次時系列データ{Xn}がXレジスタに逐次入力さ
れ、XレジスタとYレジスタにより初段のデジタルフィ
ルタが構成されて第2次時系列データ{Yn}がYレジス
タに蓄積される。次に、YレジスタとZレジスタにより
第2段のデジタルフィルタが構成されて第3次時系列デ
ータ{Zn}がZレジスタに蓄積される。更にZレジスタ
とWレジスタにより第3段のデジタルフィルタが構成さ
れて第4次時系列データ{Wn}がWレジスタに蓄積され
る。データ安定時にはこのWレジスタの内容が表示され
る。各レジスタの桁構成をXレジスタ(X0〜X3),Yレジ
スタ(Y0〜Y12),Zレジスタ(Z0〜Z12),Wレジスタ(W0
〜W12)とすれば、各デジタルフィルタの演算は により実行される。
本発明のサブデジタルフィルタがカウンタC2=0に戻
ってかけ直される際に、(3)式の右辺分子の各桁、
Z1,Z2,Z3,X0,X1,X2,X3に、第1次時系列データ
{Xn}の最新の複数個の平均値、例えば を並列に入力させることができ、このようにすれば初期
値のバラツキによる影響を緩和することができる。
また、安定又は不安定の判別は、上記実施例に示した
データの最大最小幅を調べるものに限定されることなく
公知の他の方法により実施することができる。
〈発明の効果〉 本発明によれば、荷重変動に対して迅速に応答し、し
かもノイズや外乱により容易に表示値が変動しない安定
なデータ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例を示すブロック図、 第2図は本発明実施例のプログラムを示すフローチャー
ト、 第3図は第2図に示すプログラムの作用説明図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷重を電気信号に変換し、その電気信号を
    所定時間Tごとにサンプリングして得られた第1次時系
    列データ{Xn}を用いて、下記の(a)式で表される演
    算内容のもとに第2次時系列データ{Yn}を算出して計
    量値の決定に供するメインのデジタルフィルタと、上記
    第1次時系列データ{Xn}を用いて、下記の(b)式で
    表される演算内容のもとに第2次時系列データ{Zn}を
    算出し、かつ、第1次時系列データ{Xn}の所定サンプ
    リング回数Nごとにリセットされて新たな演算を開始す
    るサブのデジタルフィルタを有するとともに、そのサブ
    のデジタルフィルタのリセットごとに、メインのデジタ
    ルフィルタの演算に用いる第2次時系列データを、リセ
    ット直前のサブのデジタルフィルタの第2次時系列デー
    タで置き換える置換手段を有する電子天びん。 (ただし、Mは正の整数でM≧2)
  2. 【請求項2】上記メインのデジタルフィルタが多段構成
    であり、上記サブのデジタルフィルタが1段構成である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電子天び
    ん。
  3. 【請求項3】上記サブのデジタルフィルタのリセットの
    際の初期値が上記第1次時系列データ{Xn}の最新の複
    数個の平均値であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の電子天びん。
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