JP3517331B2 - ディジタル計数率計 - Google Patents

ディジタル計数率計

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JP3517331B2
JP3517331B2 JP08796597A JP8796597A JP3517331B2 JP 3517331 B2 JP3517331 B2 JP 3517331B2 JP 08796597 A JP08796597 A JP 08796597A JP 8796597 A JP8796597 A JP 8796597A JP 3517331 B2 JP3517331 B2 JP 3517331B2
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  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Measuring Frequencies, Analyzing Spectra (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば放射線監
視装置などに使用されるデジタル計数率計に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のデジタル計数率計として
は、例えば、特公平3−52588号公報に示された装
置があった。図24は上記公報の計数率計の構成を示す
ブロック図であり、図において、1はアップダウンカウ
ンタ、2はパルス発生器、3は演算器である。
【0003】図25は図24の演算器3内の演算処理の
流れをブロック図で示したものである。図において、3
1はアップダウンカウンタ1から積算値Mを入力し、計
数率を計算して出力する通常演算ブロック、32は演算
器3の入力、演算、出力を制御する制御ブロックであ
る。
【0004】次に動作について説明する。アップダウン
カウンタ1は、放射線検出器(図示せず)から送られて
くる被測定パルス(FIN)をUPに入力して加算カウン
トすると共に、パルス発生器2の出力であるフィードバ
ックパルス(FB )をDOWNに入力して減算カウント
し、その結果としての積算値(M)を出力する。
【0005】パルス発生器2はアップダウンカウンタ1
の積算値(M)を入力し、積算値(M)と標準偏差
(σ)の関数で表される周波数のフィードバックパルス
(FB )に変換し、フィードバックパルス(FB )を出
力する。演算器3内の通常演算ブロック31は、アップ
ダウンカウンタ1の積算値(M)を入力し、積算値
(M)と標準偏差(σ)の関数で表される計数率(n)
をデータとして出力する。
【0006】制御ブロック32は演算器3内の入力、演
算、出力を定周期で実行するように制御する。アップダ
ウンカウンタ1の出力はパルス発生器2に入力され、パ
ルス発生器2の出力はアップダウンカウンタ1の入力に
接続され、閉ループを構成しているため被測定パルス
(FIN)とフィードバックパルス(FB )が等しくなっ
たところでアップダウンカウンタ1の積算値(M)は平
衡する。
【0007】上記のようなデジタル計数率計を用いて放
射線を計測した時の計数率の標準偏差(σ)は次式で示
されることが知られている。 σ=1/(2nτ)1/2 −−−−−−−−−−−(1) ただし、n:計数率 ,τ:時定数
【0008】また、閉ループのフィードバックゲイン
(G)は次のように表現される。 G=1/τ=dFB (M)/dM −−−−−−−−(2) ただし、FB (M)=n
【0009】標準偏差σが一定になるようにするには、
nτを一定にする必要があり、FB (M)を下式(3)
(4)のようにすることにより実現できる。 1/nτ=[1/FB (M)]・[dFB (M)/dM)]=γ=一定 −−−−−(3) 即ち [dFB (M)/dM)]=γ・FB (M) −−−(4) 微分すると定数倍になる関数は式(5)のように指数関
数で表される。
【0010】
【数1】
【0011】ただし、η:定数 上式において、
【0012】
【数2】
【0013】標準偏差(σ)、計数率(n)、フィード
バックパルス周波数FB (M)は、下式(6)(7)で
示される。
【0014】
【数3】
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のデジタル計数率
計は以上のように構成され、例えば時定数が計数率に反
比例するため、ノイズが侵入した場合に計数率が通常値
に復帰するの時間がかかり、計測に支障をきたすことが
ある。特に、バックグラウンドレベルが低計数率で統計
偏差が小さい場合は、復帰に数10分かかることがあ
る。また、検出器不良等で被測定パルスが喪失または低
下する機器異常を検知しようとする場合に検知が遅れる
欠点があった。
【0016】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、一過性のノイズパルスによる
誤計数を防止でき、被測定パルスの計数の急減に対して
高速に応答できるデジタル計数率計を得ることを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明に係わるデジタル計数率計は、被測定パ
ルスを加算カウントすると共にフィードバックパルスを
減算して積算値を出力するアップダウンカウンタと、こ
のアップダウンカウンタと共に閉ループを構成して上記
積算値に応じて上記フィードバックパルスを出力するパ
ルス発生器とを有し、上記閉ループの平衡状態で上記被
測定パルスの計数率を求めるフィードバック形式のディ
ジタル計数率計において、カウンタと比較手段と演算手
段とを設け、カウンタは、所定のサンプリング周期毎に
被測定パルスの個数をカウントするカウンタとし、比較
手段は、上記カウンタの今回カウント値と前回カウント
値とを比較して今回カウント値が許容範囲内か否かを判
定する第1の比較手段と、上記第1の比較手段により上
記許容範囲上限を超えたとき、この超えた時点の前回カ
ウント値を固定して、上記カウンタの今回カウント値と
固定した前回カウント値とを比較して今回カウント値が
許容範囲内か否かを判定する第2の比較手段とを有する
比較手段とし、演算手段は、上記第1の比較手段の比較
結果で今回カウント値が許容範囲内であれば、上記フィ
ードバックによる通常の測定手段で計数率を求める第1
の演算手段と、上記第1の比較手段の比較結果で今回カ
ウント値が許容範囲上限を超えた状態では、上記第2の
比較手段で比較するようにすると共に、所定の期間を限
度として上記許容範囲上限を超えた時点直前の計数率を
求める計数率とする第2の演算手段と、上記所定期間内
で上記第2の比較手段による比較結果が許容範囲上限を
超えた状態から許容範囲内になると、上記第1の比較手
段で比較を行うようにすると共に、上記許容範囲上限を
超えた時点直前の計数率と直前のアップダウンカウンタ
の積算値と今回カウント値とに応じた補正用の積算値お
よび計数率を演算し、この演算した補正用の計数率を求
める計数率とするリトライ演算を行い、このリトライ演
算を上記アップダウンカウンタの積算値が所定の積算値
以下になるまで継続するリトライ演算手段と、上記リト
ライ演算中に上記所定の積算値以下になると、リトライ
演算を終了して上記第1の比較手段による比較結果に基
づいて計数率を求める処理に戻るようにする第3の演算
手段と、上記リトライ演算中に上記第1の比較手段で今
回カウント値が再度許容範囲上限を超えた状態になる
と、上記第2の比較手段で比較するようにすると共に、
所定の期間を限度として上記許容範囲を超えた時点直前
のリトライ演算による計数率を求める計数率とする第4
の演算手段と、上記第4の演算手段で所定期間内に上記
第2の比較手段による比較結果が許容範囲上限を超えた
状態から許容範囲内になると、上記リトライ演算手段に
よる処理に移行する移行手段と、上記第2または第4の
演算手段での演算中に上記所定期間が経過しても上記第
2の比較手段の比較結果が許容範囲上限を超えた状態で
あると、上記フィードバックによる通常の測定手段で計
数率を求める第5の演算手段と、上記第5の演算手段で
の演算中に許容範囲上限を超えた状態から許容範囲内に
なると、上記第1の比較手段の比較結果に基づいて計数
率を求める処理に戻るようにする第6の演算手段とを有
する演算手段としたものである。
【0018】(2)また、被測定パルスを加算カウント
すると共にフィードバックパルスを減算して積算値を出
力するアップダウンカウンタと、このアップダウンカウ
ンタと共に閉ループを構成して上記積算値に応じて上記
フィードバックパルスを出力するパルス発生器とを有
し、上記閉ループの平衡状態で上記被測定パルスの計数
率を求めるフィードバック形式のディジタル計数率計に
おいて、カウンタと比較手段と演算手段とを設け、カウ
ンタは、所定のサンプリング周期毎に被測定パルスの個
数をカウントするカウンタとし、比較手段は、上記カウ
ンタの今回カウント値と前回カウント値とを比較して今
回カウント値が許容範囲内か否かを判定する第1の比較
手段と、上記第1の比較手段により上記許容範囲上限を
超えたとき、この超えた時点の前回カウント値を固定し
て、上記カウンタの今回カウント値と固定した前回カウ
ント値とを比較して今回カウント値が許容範囲内か否か
を判定する第2の比較手段とを有する比較手段とし、演
算手段は、上記第1の比較手段の比較結果で今回カウン
ト値が許容範囲内であれば、上記フィードバックによる
通常の測定手段で計数率を求める第1の演算手段と、上
記第1の比較手段の比較結果で今回カウント値が許容範
囲上限を超えた状態では、上記第2の比較手段で比較す
るようにすると共に、所定の期間を限度として上記許容
範囲上限を超えた時点直前の計数率を求める計数率とす
る第2の演算手段と、上記所定期間内で上記第2の比較
手段による比較結果が許容範囲上限を超えた状態から許
容範囲内になると、上記許容範囲上限を超えた時点直前
の計数率と直前のアップダウンカウンタの積算値と今回
カウント値とに応じた補正用の積算値および計数率を演
算し、この演算した補正用の計数率を求める計数率とす
るリトライ演算を行い、このリトライ演算を上記アップ
ダウンカウンタの積算値が所定の積算値以下になるまで
継続するリトライ演算手段と、上記リトライ演算中に上
記所定の積算値以下になると、リトライ演算を終了して
上記第1の比較手段による比較結果に基づいて計数率を
求める処理に戻るようにする第3の演算手段と、上記第
2の演算手段での演算中に上記所定期間を経過しても上
記第2の比較手段での比較結果が許容範囲上限を超えた
状態、または、上記リトライ演算中に上記第2の比較手
段で今回カウント値が許容範囲上限を超えた状態になる
と、上記フィードバックによる通常の測定手段で計数率
を求める第7の演算手段とを有する演算手段としたもの
である。
【0019】(3)また、上記(2)において、演算手
段は、第7の演算手段によりフィードバックによる通常
の測定手段で計数率を求めている場合、リセット信号に
より、第1の比較手段による比較結果に基づいて計数率
を求める処理に戻るようにするリセット手段を設けた演
算手段としたものである。
【0020】(4)また、上記(2)または(3)にお
いて、演算手段は、第7の演算手段によりフィードバッ
クによる通常の測定手段で計数率を求めている期間が一
定期間経過すると、第1の比較手段の比較結果に基づい
て計数率を求める処理に戻るようにする自動リセット手
段を設けた演算手段としたものである。
【0021】(5)また、上記(1)〜(4)のいずれ
か1項において、リトライ演算中にアップダウンカウン
タの積算値と比較する所定の積算値は、リトライ演算で
求めた積算値に応じた値としたものである。
【0022】(6)また、上記(1)〜(5)のいずれ
か1項において、比較手段は、今回カウント値と前回カ
ウントとの比較と、カウンタのサンプリング期間途中で
のカウント値と前回カウント値との比較の両者の比較を
行う手段とし、演算手段は上記比較を行う毎に演算を実
行するようにしたものである。
【0023】(7)また、上記(1)〜(6)のいずれ
か1項において、カウンタの前回サンプリング終了時点
での通常の測定手段で求めた計数率とサンプリング時間
の積とを平滑カウント値として求め、前回カウント値の
代わりに上記平滑カウント値を用いるようにしたもので
ある。
【0024】(8)また、上記(1)〜(7)のいずれ
か1項において、リトライ演算中は、フィードバックを
構成する閉ループ内の計数率を求めるための時定数を速
くしてアップダウンカウンタの積算値の応答を速くする
時定数変更手段を設けたものである。
【0025】(9)また、上記(1)〜(8)のいずれ
か1項において、今回カウント値が許容範囲下限未満と
なり所定の期間継続すると、計数率を演算するための時
定数を速くする時定数変更手段を設けたものである。
【0026】(10)また、上記(1)〜(9)のいず
れか1項において、今回カウント値が許容範囲下限未満
となり所定の周期継続すると、警報信号を送出する警報
手段を備えたものである。
【0027】(11)また、上記(1)〜(10)のい
ずれか1項において、許容範囲はカウント値の標準偏差
に基づいた値としたものである。
【0028】(12)また、上記(1)〜(11)のい
ずれか1項において、テストする場合は、比較手段の比
較結果を用いず通常のフィードバックによる測定手段で
計数率を求めるようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下この発明の実施の形態1を図に基づ
いて説明する。図1において、4はアップダウンカウン
タ1に並列に設けたカウンタである。図2は、図1の演
算器3内での演算処理の流れをブロック図で示したもの
で、34から38は今回発明に係わるブロックであり、
31及び32は従来例と同じブロックである。
【0030】34はサンプング周期終了時にカウンタ4
から読み込んだ今回カウント値、35は前回サンプリン
グ周期終了時にカウンタから読み取った前回カウント
値、36はノイズ侵入の有無を判定する判定ブロック、
37はノイズ侵入に対して通常演算に代わってリトライ
演算を行うリトライ演算ブロック、38は演算器3の出
力を切り換える出力切換ブロックである。図3、図4は
演算処理の手順を示すフローチャートである。
【0031】次に動作について説明する。 (1)カウンタ4は被測定パルス(FIN)を入力し、一
定のサンプリング時間に入力したパルスの数をカウント
し、サンプリング時間が終了するとリセットする。 (2)演算器3は、サンプリング周期毎にカウンタ4か
ら最終カウント値を今回カウント値34(ΔNIN)とし
て読み込む。
【0032】(3)判定ブロック36は通常演算周期
で、今回カウント値34(ΔNIN)と前回カウント値3
5(ΔN’IN)とを入力し、今回カウント値34(ΔN
IN)と例えば前回カウント値35(ΔN’IN)に係数を
乗じた上限値を比較して許容範囲内か否かを判定し、許
容範囲内の場合は、通常演算ブロック31にて通常演算
を実行して通常演算計数率(n)を出力切換ブロック3
8へ出力する。
【0033】(4)今回カウント値34(ΔNIN)が許
容範囲上限を超えた場合、出力切換ブロック38は前回
通常演算計数率(n’)を直前計数率(n”)として記
憶し、出力を直前計数率(n”)に切り換える。 (5)また、前記比較の基準となる前回カウント値35
(ΔN’IN)は直前カウント値(ΔN”IN)に値を固定
されて更新を停止する。
【0034】(6)サンプリング周期の自然数倍の期限
(予め設定した期間A)内に、今回カウント値34(Δ
IN)が許容範囲内に復帰する場合は、リトライ演算ブ
ロック37は出力切換ブロック38出力の直前計数率
(n”)および今回カウント値34(ΔNIN)を入力し
てリトライ演算を開始する。
【0035】(7)リトライ演算は、直前計数率
(n”)から直前積算値(M”)を前記関数から逆算し
て M”={ln(n”)}/γ −−−−−−−(8) により求める。なお、直前積算値(M”)は、直前計数
率(n”)と同時に当該値を記憶しておけば前記計算を
省略できる。
【0036】(8)この直前積算値(M”)を前回積算
値(M’R )とみなし、直前計数率(n”)を前回計数
率(n’R )とみなし、例えば、前回積算値(M’R
から前回計数率(n’R )とサンプリング時間(ΔT)
の積(n’R ×ΔT)を減算し、更に今回カウント値3
4(ΔNIN)を加算してその結果として今回積算値(M
R )を求める。この演算式を式(9)に示す。 MR =M’R −(n’R ×ΔT)+ΔNIN −−−−−(9)
【0037】(9)今回積算値(MR )から今回計数率
(nR )を式(10)で求めることによりリトライ演算
を実行し、今回計数率(nR )をリトライ演算計数率と
して出力切換ブロック38へ出力する。Q=MR
【0038】
【数4】
【0039】(10)出力切換ブロック38は、リトラ
イ演算計数率(nR )を入力し、出力をリトライ演算計
数率(nR )に切り換える。 (11)リトライ演算ブロック37は、通常演算におけ
る積算値(M)、即ち、アップダウンカウンタ1の出力
が復帰するまでの期間について、今回積算値(MR )及
び今回計数率(nR )を前回値として用い、新たな今回
カウント値34(ΔNIN)を入力してリトライ演算を繰
り返し実行する。
【0040】(12)通常演算の積算値(M)が所定の
積算値(βMR 、βは係数)以下(M≦βMR )となっ
て復帰したら、リトライ演算ブロック37はリトライ演
算を終了し、出力切換ブロック38は出力を通常演算計
数率(n)に切り換える。その後は、前回カウント値3
5の更新停止を解除し、判定ブロック36により、通常
の前回カウント値を用いて今回カウント値と比較し、そ
の比較判定結果に基づいて計数率を求める初めの測定状
態に戻る。
【0041】(13)リトライ演算中に今回カウント値
34(ΔNIN)が、前回カウント値(ΔN’IN)と比較
し許容範囲上限を再度超えた場合は、再度超えた直前の
計数率(n”)を出力する。この直前の計数率(n”)
はリトライ演算で求めた直前の計数率である。
【0042】(14)直前の計数率(n”)を出力する
状態から、前記期限(予め設定した期間A)内に今回カ
ウント値34(ΔNIN)が許容範囲になると、再度、前
記説明したリトライ演算を行う。以後、リトライ演算中
に許容範囲上限を超えると上記(13)〜(14)の処
理過程を繰り返す。
【0043】(15)前記期限(予め設定した期間A)
内に今回カウント値34(ΔNIN)が許容範囲内に復帰
しない場合は、出力切換ブロック38は出力を通常演算
計数率(n)に切り換えて、それ以後は通常演算計数率
(n)を出力する。
【0044】(16)そして、今回カウント値34(Δ
IN)が許容範囲内に復帰すると、前回カウント値35
の更新停止を解除し、その後は判定ブロック36によ
り、通常に前回カウント値を用いて今回カウント値を比
較する初めの測定状態に戻る。
【0045】この一連のプロセスにより、一過性のノイ
ズは判定ブロック36で検知され、リトライ演算ブロッ
ク37および出力切換ブロック38で除去される。
【0046】判定ブロック36の許容範囲上限は例えば
下記のようにして設定する。 許容範囲上限:3×(前回カウント値)1/2 +(前回カウント値) −−−−(8) ただし、前回カウント値が0の場合は1とみなす。
【0047】上記動作を図3、図4のフローチャート、
図5,図6,図7のカウント値と比較判定結果、図8の
動作のタイムチャートを用いて詳細に説明する。 (1)装置をリセットし、前回カウント値更新停止、お
よび許容範囲を超えた時間を初期化する(S1)。 (2)今回カウント値(ΔNIN)と、前回カウント値
(ΔN’IN)を読み込み(S2,S3)、
【0048】(3)(ΔNIN>α×ΔN’IN) 但
し、αは定数 の式で両者を比較して、許容範囲以内(NO)であれば
(S4)、 (4)リトライ演算中でなく(S8)、
【0049】(5)許容範囲上限を超えた時間は、初期
化したままであるので、「0」となり(S9)、 (6)通常演算計数率nを出力して(S16)、S2に
帰る。通常は、上記のS2,S3,S4,S8,S9,
S16のステップを繰り返して計測する。(図5の今回
カウント値a,b,・・・eまでの状態)
【0050】次に、ステップS4で今回カウント値が許
容範囲上限を超えた場合を説明する。図8(a)にこの
動作のタイムチャートを示す。 (7)ステップS4(図5の今回カウント値fと前回カ
ウント値eとの比較)で、今回カウント値(図5の今回
カウント値f)が許容範囲上限を超えると、
【0051】(8)許容範囲上限を超えた時間は0であ
るので(S5)、 (9)前回カウント値の更新を停止する(S6)。(図
5の前回カウント値eが更新されず、前回カウント値は
eで固定される) (10)許容範囲上限を超えた時点直前の計数率n’を
出力する(S14)。
【0052】次にノイズが1回で無くなった場合を説明
する。 (11)上記(10)からの継続動作として、今回カウ
ント値(図5のg)と前回カウント値(図5のe)とを
読み込み(S2,S3)、両者を比較して、ノイズが無
くなり今回カウント値が許容範囲以内になっていれば
(S4)、
【0053】(12)リトライ演算中でなく(S8)、 (13)許容範囲上限を超えた時間は「0」でないので
(S9)、 (14)許容範囲上限を超えた時間が所定の期間Aを超
えていないので(S10)、許容範囲上限を超えた時間
をリセットする(S11)。
【0054】(15)そしてリトライ演算を実行し、リ
トライ演算計数率nR を出力し(S15)、ステップS
2に戻る。リトライ演算については前述しているので詳
細は省略するが、この演算でリトライ演算積算値
(MR )も算出される。
【0055】(16)その後、今回カウント値が許容範
囲以内で継続すれば、ステップS4からステップS8に
行き、リトライ演算中であるので、ステップS12の比
較判定で、現在の通常演算積算値Mがノイズのため上昇
している間、判定はNOとなり、 (17)リトライ演算計数率nR を出力する(S1
5)。
【0056】(18)その後、通常演算積算値Mが低下
し、ステップS12の判定がYESになれば、前回カウ
ント値更新停止を解除し(S13)、通常演算計数率n
を出力し(S16)、 (19)ステップS4の比較判定はNOであり、リトラ
イ演算は終了しており(S8)、
【0057】(20)許容範囲上限を超えた時間はリセ
ットしているので(S9)、 (21)通常計数率を出力する(S16)。このように
して最初の比較判定による処理に戻る。
【0058】次に、リトライ演算中に再度許容範囲上限
を超えた場合を説明する。図8(b)にこの動作のタイ
ムチャートを示す。 (22)リトライ演算中に、再度許容範囲上限を超える
と(S4)、 (23)許容範囲上限を超えた時間はリセットしている
ので、停止時間=0となり(S5)、
【0059】(24)前回カウント値の更新を停止し
(S6)、 (25)再度、許容範囲上限を超えた直前の計数率n’
を出力する(S14)。但し、この直前の計数率は、リ
トライ演算して求めた直前の計数率である。
【0060】(26)ステップS4の比較判定で許容範
囲上限を超えた状態が続く間は、S4,S5,S7,S
14を繰り返し実行し、直前計数率n’を出力する。
【0061】(27)上記(26)の状態から、ステッ
プS4で許容範囲内になると、 (28)リトライ演算中でなく(S8)、 (29)S8,S9,S10からS11で、許容範囲上
限を超えた時間をリセットする。
【0062】(30)そしてリトライ演算計数率nR
出力する。以降は、今回カウント値が許容範囲内であれ
ば、前述のリトライ演算を実行し、再度、許容範囲上限
を超えれば、直前計数率n’を出力する。
【0063】図6のように、ノイズがサンプリング期間
の2つの周期に跨って発生したときを説明する。 (31)上記(10)からの継続動作として、今回カウ
ント値(図6のg)と固定した前回カウント値(図6の
e)とを読み込み(S2,S3)、両者を比較して、ノ
イズが継続して今回カウント値が許容範囲上限を超えて
おれば(S4)、
【0064】(32)2周期目であるので、許容範囲上
限を超えた時間は「0」でなく(S5)、 (33)許容範囲上限を超えた時間はAを2周期と設定
しているので、ステップS5でNOとなり、ステップS
7がNOとなるので、許容範囲上限を超えた直前の計数
率n’を出力する(S14)。
【0065】(34)次に許容範囲内になると、ステッ
プS4からS8,S9を経て、S10で、許容範囲上限
を超えた時間がAを超えていないので、許容範囲上限を
超えた時間をリセットし(S11)、 (35)リトライ演算による計数率nR を出力し(S1
5)、その後は前述したリトライ演算の動作を行う。従
って、以降の説明は省略する。
【0066】図7はノイズでなく、例えば実際に放射線
検出器からのパルス出力が増加した場合を示す。この場
合は許容範囲上限を超える状態が所定の期間Aを超える
ので、ステップS7がYESとなり、通常計数率を出力
する。図8(c)はこの場合の動作を示す。
【0067】以上のようにこの実施の形態1では、今回
カウント値34が許容範囲上限を超えるとサンプリング
周期の自然数倍の期間(予め設定した期間)は、前回カ
ウント値35の更新が直前ウント値に固定され、更新が
停止され、結果として許容範囲上限が固定されるため、
サンプリング周期の境界でノイズが進入した場合でも、
また各サンプリングにおけるノイズカウントが変動した
場合でも、確実に一過性のノイズを除去できる。また、
許容範囲は前回カウント値35をベースに設定するた
め、検出器の温度特性またはドリフト等による入力カウ
ント値の緩やかな変動に追従できる利点がある。
【0068】実施の形態2.この実施の形態は、実施の
形態1に比較判定を行う判定をバイパスし、リセット信
号により解除するものである。機能ブロック図は実施の
形態1の図1、図2と同様である。図9、図10はこの
実施の形態2の動作のフローチャートであり、図11は
動作のタイムチャートである。
【0069】次に動作について実施の形態1と異なる部
分について説明する。図11(a)は実施の形態1の図
8(a)と同様であるので説明を省く。 (1)図11(b)で、リトライ演算中に再度、今回カ
ウント値が許容範囲上限を超えたとき(Ta2)、比較
判定結果はYESとなり(T5)、
【0070】(2)リトライ演算中なので(T6)、
(3)判定をバイパスし(T10)、(4)通常演算計
数率nを出力する(T18)。
【0071】(5)その後は、判定バイパス中(T2)
であるので、(6)リセット信号を受けるまで(T1
9)、T18,T2,T19を循環して、通常演算計数
率nの出力を継続する。
【0072】(7)リセット信号を受けると(T1
9)、(8)判定バイパスを解除し(T20)、また、
前回カウント値の更新停止を解除し、許容範囲上限を超
えた時間をリセットする。(許容範囲上限を超えた時間
のリセットは、リトライ演算時に既に行っているので、
その必要はないが後述の図11(c)のケースで必要と
なる。)
【0073】(9)そして通常演算計数率nを出力し
(T18)、(10)その後は、T2からT3に進み、
通常の比較判定結果に基づく最初の処理に戻る。
【0074】次に、今回カウント値が許容範囲上限を超
えた期間が所定の期間Aを超えて継続する場合を説明す
る。これは図11(c)のケースである。(11)許容
範囲上限を超えた期間が所定の期間Aを超えると(T
9)、(12)判定をバイパスし(T10)、通常演算
計数率nを出力する。
【0075】(13)その後、リセット信号を受信する
まで(T19)、通常演算計数率nを出力し(T1
8)、(14)リセット信号を受けると、判定のバイパ
スを解除して、前回カウント値更新停止を解除すると共
に、許容範囲上限を超えた時間をリセットする(T2
0)。なお、この場合、ステップT10で判定バイパス
するときに、前回カウント値更新停止を解除すると共
に、許容範囲上限を超えた時間をリセットするようにす
ると、ステップT20では不要になる。(図11(c)
の期間Cに代わって期間C1とする。)
【0076】(15)そして通常演算計数率nを出力し
(T18)、(16)ステップT2からT3に進み、通
常の比較判定結果に基づく最初の処理に戻る。
【0077】なお、上記ではリセット信号で判定バイパ
スを解除したが、リセットせず通常の演算計数率nを出
力し続けるような場合(例えば、ノイズの状態を観測す
る場合)は、誤ってリセットしないためにリセット信号
を用いず、通常演算計数率nを出力し続けるようにし、
電源等のOFFで計測停止するようにしてもよい。
【0078】以上のようにこの実施の形態2によれば、
今回カウント値が許容範囲上限を超えて継続する場合
や、リトライ演算中に再度許容範囲上限を超えるような
場合は、積極的に通常演算の計数率を出力するようにし
たので、ノイズか実際の測定対象の入力かの判断、およ
び、ノイズの進入状況や実際の測定対象の入力状況を把
握することができる。
【0079】実施の形態3.この実施の形態は、実施の
形態2の判定バイパスする期間を予め設定した所定の期
間に限定するものである。機能ブロック図は実施の形態
1の図1、図2と同様である。図12、図13はこの実
施の形態2の動作のフローチャートであり、図14は動
作のタイムチャートである。
【0080】次に動作について実施の形態2と異なる部
分について説明する。図14(a)は実施の形態1の図
8(a)と同様であるので説明を省く。 (1)図14(b)で、リトライ演算中に再度、今回カ
ウント値が許容範囲上限を超えたとき(Ta2)、比較
判定結果はYESとなり(U6)、
【0081】(2)リトライ演算中なので(U7)、
(3)判定をバイパスし(U11)、(4)通常演算計
数率nを出力する(U18)。
【0082】(5)最初は判定バイパス時間は、Bに達
せず(U2)、(6)判定バイパス時間=0でないので
(U3)、(7)通常演算計数率nを出力する(U1
9)。
【0083】(8)この間、ステップU19で通常演算
計数率nを出力し続け、U2,U3,U18を循環す
る。(9)判定バイパス時間=Bになると(U2)、
(10)判定バイパス時間をリセットし、前回カウント
値更新停止を解除し、許容範囲上限を超えた時間をリセ
ットする(U20)。(11)そして最初の比較判定結
果による処理動作に戻る。
【0084】次に、今回カウント値が許容範囲上限を超
えた期間が所定の期間Aを超えて継続する場合を説明す
る。これは図14(c)のケースである。(12)許容
範囲上限を超えた期間が所定の期間Aを超えると(U1
0)、(13)判定をバイパスし(U11)、通常演算
計数率nを出力する(U19)。
【0085】(14)その状態で、判定バイパス時間=
Bになると(U2)、(15)判定バイパス時間をリセ
ットし、前回カウント値更新停止を解除し、許容範囲上
限を超えた時間をリセットする(U20)。(16)そ
して、最初の比較判定結果による処理動作に戻る。
【0086】以上のようにこの実施の形態3は、実施の
形態2と同様に今回カウント値が許容範囲上限を超えて
継続する場合や、リトライ演算中に再度許容範囲上限を
超えるような場合は、積極的に通常演算の計数率を出力
するようにしたので、ノイズか実際の測定対象の入力か
の判断、および、ノイズの進入状況や実際の測定対象の
入力状況を把握することができる。また、実施の形態2
ではリセットを外部信号で行ったが、この実施の形態は
自動的にリセットするので、リセットするとこが必要な
場合には、リセットすることを忘れるようなことなく自
動的に行われる。
【0087】実施の形態4.実施の形態3では期間を定
めた自動リセットとし、実施の形態2ではリセット信号
によるリセットとしたが、実施の形態3の期間を定めた
自動リセットと、その期間内で手動リセット等のリセッ
ト信号による実施の形態2のリセットとを組み合わせて
もよい。
【0088】実施の形態5.この実施の形態5は、図1
に示すカウンタ4のサンプリング周期内で途中カウント
値を導出し、この途中カウント値と前回カウント値とを
比較する手段を追加したものである。
【0089】図15は演算部3の機能ブロック図であ
り、図16は途中カウント値を導出するカウンタの動作
を説明する図である。なお、全体の機能ブロック図は図
1と同様である。図15において、33は通常演算周期
毎にカウンタ4から読み込んだ途中カウント値(ΔN1
IN)で、実施の形態1の図2にこの途中カウント値33
を追加したものが図15となる。
【0090】図16に示す例では、カウンタ4のサンプ
リング周期を4等分して、t1,t2,t3,の途中カ
ウント値(ΔN1IN),(ΔN2IN)(ΔN3IN)と、
t4の今回カウント値(ΔNIN)とを、それぞれ前回カ
ウント値(ΔN’IN)と比較して許容範囲か否かを判定
しそれぞれ演算を実行する。
【0091】この途中カウント値と前回カウント値との
比較は、実施の形態1〜3のすべてに適用する。実施の
形態1の図3のフローチャートでは、ステップS2の
「今回カウント値を読み込む」を「途中カウント値また
は今回カウント値を読み込む」とする。そして図16で
示したt1,t2,t3,t4毎に比較判定を行い、以
降の動作は図3のフローチャートと同様である。
【0092】実施の形態2の図9のステップT3、実施
の形態3の図12のステップU4についても、途中カウ
ント値読み込みを追加することによりこの実施の形態が
実現できる。
【0093】以上のようにこの実施の形態によれば、途
中カウント値を用いることにより、ノイズが入ってきて
も早急に除くことができる。
【0094】実施の形態6.上記実施の形態1では、今
回カウント値34(および実施の形態5の途中カウント
値33)を前回カウント値35と比較する場合について
述べたが、図17に示すように前回カウント値35の代
わりに平滑カウント値61を設けて比較を行うようにす
る。
【0095】このようにすると、許容範囲上限の変動を
小さくしてノイズ識別の分解能をあげることができる。
平滑カウント値61はカウンタ4の前回サンプリング時
間終了時における通常演算計数率(n’)とサンプリン
グ時間(ΔT)の積として求める。
【0096】判定ブロック36の許容範囲上限は、例え
ば設定された標準偏差を用いて下記のように設定する。 許容範囲上限:3×(n’×ΔT)1/2 +(n’×ΔT) −−−−(12)
【0097】実施の形態7.上記実施の形態1では、一
過性のノイズを除去する方法について述べたが、図18
に示すように標準偏差切換ブロック71を設け、判定ブ
ロック36から期限内に今回カウント値34が許容範囲
内に復帰したという判断結果を入力して標準偏差(σ)
を切り換え、リトライ演算ブロック37がリトライ演算
を行っている期間中は速時定数に対応した標準偏差
(σ)またはその関数γをパルス発生器2に出力するよ
うにする。
【0098】このようにするとアップダウンカウンタ1
の通常演算積算値(M)の復帰を促進できる。
【0099】例えば積算値(M)の応答の時定数(τ)
と標準偏差(σ)の関係、関数γと標準偏差(σ)の関
係は次式(13)(14)で示される。 τ=1/(2nσ2 )=1/(nγ) −−−−−−−(13)
【0100】
【数5】
【0101】パルス発生器2のフィードバックパルス
(FB )は、次式(15)のように速時定数に対応して
周波数が高くなるため、アップダウンカウンタ1の積算
値(M)の応答が速まる。
【0102】
【数6】
【0103】図18の前回カウント値35は、実施の形
態6と同様に平滑カウント値61に置き換えることがで
きる。
【0104】図19は演算処理の手順を示すフローチャ
ートである。 (1)リトライ演算が開始されると(V1)、(2)速
時定数対応の標準偏差に切り換える(V2)、(3)リ
トライ演算に関するその他の演算を実行する(V3)、
(4)今回積算値とリトライ演算積算値との比較判定
(M≦βMR )する(V4)。
【0105】(5)ステップV4で、NOであれば、ス
テップV3に戻り、通常積算値が低下して、YESにな
れば、正規の標準偏差に切り換え、前回カウント値更新
停止を解除し(V5)、(6)リトライ演算を終了する
(V6)。
【0106】実施の形態8.上記実施の形態1〜7で
は、一過性のノイズでアップダウンカウンタ1の積算値
(M)が上昇した場合にその復帰を促進する方法につい
て述べたが、今回カウント値34が許容範囲下限未満と
なった場合、標準偏差切換ブロック71に判定ブロック
36の判定結果を入力し、許容範囲下限未満の状態がサ
ンプリング周期の自然数倍の期間継続した場合、標準偏
差(σ)を切り換えて速時定数に対応した標準偏差
(σ)またはその関数γをパルス発生器2に出力するよ
うにする。
【0107】このようにすると、被測定パルス数の急減
に対してアップダウンカウンタ1の積算値(M)の応答
が速まり、通常演算計数率(n)を高速に応答させるこ
とができる。
【0108】図20は演算処理の手順を示すフローチャ
ートである。 (1)装置をリセットし(W1)、 (2)計数率測定に関する他の演算を実行する(W
2)。 (3)今回カウント値が許容範囲下限未満か否かを比較
判定する(W3)。
【0109】(4)許容範囲下限未満でなければ、正規
の標準偏差に切り換え、前回カウント値更新停止してお
れば解除し、許容範囲下限未満の時間を計数しておれば
リセットする(W7)。 通常は、ステップW2,W3,W7で循環している。
【0110】(5)今回カウント値が許容範囲下限未満
になると、許容範囲下限未満の時間=0なので(W
4)、前回カウント値の更新を停止し(W8)、ステッ
プW2に戻る。 (6)今回カウント値が許容範囲下限未満の状態が継続
すると(W3)、 (7)許容範囲下限未満の時間=0でなく(W4)、ま
た、許容範囲下限未満の時間=Cに達しないので(W
5)、初めに戻る。
【0111】(8)今回カウント値が許容範囲下限未満
の状態が、許容範囲下限未満の時間=Cまで継続すると
(W4)(W5)、 (9)速時定数対応の標準偏差に切り換える(W6)。
【0112】(10)今回カウント値が許容範囲下限未
満の状態が、設定時間Cまで継続しないで許容範囲内に
なると、ステップW3でNOとなり、初めの状態に戻る
(W7)。
【0113】実施の形態9.上記実施の形態1では、今
回カウント値34が許容範囲下限未満になった場合に計
数率低下の応答を速める方法について述べたが、図21
に示すように警報ブロック101を設け、判定ブロック
36の許容範囲下限未満の状態か否かの判定結果を入力
し、許容範囲下限未満の状態がサンプリング周期の自然
数倍の期間継続した場合に、故障警報を発信する。
【0114】このようにしたので、故障警報発信の遅れ
を最小化できる。
【0115】例えば、判定ブロック36の許容範囲下限
値を1カウントに設定し、許容範囲下限未満である0が
複数回継続したら故障警報を発信させることにより、通
常演算計数率(n)の低下を待たずに信号パルスの喪失
を早期に検知できる。図21の前回カウント値35は、
実施の形態6と同様に平滑カウント値61に置き換える
ことができる。
【0116】図22は演算処理の手順を示すフローチャ
ートである。実施の形態8の図20のフローチャートと
異なる所は、ステップX6で「故障警報を発信する」、
ステップX7等で標準偏差の切り換えに関する記述を無
くしたことである。動作については、図20と警報を発
する以外は同様であるので省略する。
【0117】実施の形態10.上記実施の形態1は、通
常運転時の課題の改善方法について述べたが、図23の
ように、テストパルス信号入力中はテスト中状態信号8
1を判定ブロック36に入力して、判定をバイパスする
ようにしたので、テストパルスの周波数の急変による誤
動作を防止できる。
【0118】上記実施の形態2〜9についても同様にし
てテストパルスの周波数の急変による誤動作を防止でき
る。
【0119】
【発明の効果】
(1)以上のようにこの発明によれば、ノイズパルスが
侵入した場合、ノイズによる計数値を計数しないように
したので、ノイズによる誤計数を防止することができ
る。
【0120】(2)また、被測定パルスの計数が低下す
ると時定数を変更するようにしたので、応答を速くする
ことができる。
【0121】(3)また、被測定パルスの計数が低下す
ると警報信号を送出するようにしたので、早期に警報す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック図で
ある。
【図2】 この発明の実施の形態1における演算器の演
算処理の流れを示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における演算処理の
手順を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1における演算処理の
手順を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1による比較判定動作
を説明する図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による比較判定動作
を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態1による比較判定動作
を説明する図である。
【図8】 この発明の実施の形態1による演算器の動作
のタイムチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態2における演算処理の
手順を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態2における演算処理
の手順を示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態2による演算器の動
作のタイムチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態3における演算処理
の手順を示すフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態3における演算処理
の手順を示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態3による演算器の動
作のタイムチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態5における演算器の
演算処理の流れを示すブロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態5における途中カウ
ント値を説明する図である。
【図17】 この発明の実施の形態6における演算器の
演算処理の流れを示すブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態7における演算器の
演算処理の流れを示すブロック図である。
【図19】 この発明の実施の形態7における演算処理
の手順を示すフローチャートである。
【図20】 この発明の実施の形態8における演算処理
の手順を示すフローチャートである。
【図21】 この発明の実施の形態9における演算器の
演算処理の流れを示すブロック図である。
【図22】 この発明の実施の形態9における演算処理
の手順を示すフローチャートである。
【図23】 この発明の実施の形態10における演算器
の演算処理の流れを示すブロック図である。
【図24】 従来のデジタル計数率計のブロック図であ
る。
【図25】 従来のデジタル計数率計における演算器3
の演算処理の流れを示すブロック図である。
【符号の説明】
1 アップダウンカウンタ 2 パルス発生
器 3 演算器 4 カウンタ 31 通常演算ブロック 32 制御ブロ
ック 33 途中カウント値 34 今回カウ
ント値 35 前回カウント値 36 判定ブロ
ック 37 リトライ演算ブロック 38 出力切換
ブロック 61 平滑カウント値 71 標準偏差
切換ブロック 81 テスト中状態信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/00 - 7/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定パルスを加算カウントすると共に
    フィードバックパルスを減算して積算値を出力するアッ
    プダウンカウンタと、このアップダウンカウンタと共に
    閉ループを構成して上記積算値に応じて上記フィードバ
    ックパルスを出力するパルス発生器とを有し、上記閉ル
    ープの平衡状態で上記被測定パルスの計数率を求めるフ
    ィードバック形式のディジタル計数率計において、カウ
    ンタと比較手段と演算手段とを設け、カウンタは、所定
    のサンプリング周期毎に被測定パルスの個数をカウント
    するカウンタとし、比較手段は、上記カウンタの今回カ
    ウント値と前回カウント値とを比較して今回カウント値
    が許容範囲内か否かを判定する第1の比較手段と、上記
    第1の比較手段により上記許容範囲上限を超えたとき、
    この超えた時点の前回カウント値を固定して、上記カウ
    ンタの今回カウント値と固定した前回カウント値とを比
    較して今回カウント値が許容範囲内か否かを判定する第
    2の比較手段とを有する比較手段とし、演算手段は、上
    記第1の比較手段の比較結果で今回カウント値が許容範
    囲内であれば、上記フィードバックによる通常の測定手
    段で計数率を求める第1の演算手段と、上記第1の比較
    手段の比較結果で今回カウント値が許容範囲上限を超え
    た状態では、上記第2の比較手段で比較するようにする
    と共に、所定の期間を限度として上記許容範囲上限を超
    えた時点直前の計数率を求める計数率とする第2の演算
    手段と、上記所定期間内で上記第2の比較手段による比
    較結果が許容範囲上限を超えた状態から許容範囲内にな
    ると、上記許容範囲上限を超えた時点直前の計数率と直
    前のアップダウンカウンタの積算値と今回カウント値と
    に応じた補正用の積算値および計数率を演算し、この演
    算した補正用の計数率を求める計数率とするリトライ演
    算を行い、このリトライ演算を上記アップダウンカウン
    タの積算値が所定の積算値以下になるまで継続するリト
    ライ演算手段と、上記リトライ演算中に上記所定の積算
    値以下になると、リトライ演算を終了して上記第1の比
    較手段による比較結果に基づいて計数率を求める処理に
    戻るようにする第3の演算手段と、上記リトライ演算中
    に上記第2の比較手段で今回カウント値が再度許容範囲
    上限を超えた状態になると、所定の期間を限度として上
    記許容範囲を超えた時点直前のリトライ演算による計数
    率を求める計数率とする第4の演算手段と、上記第4の
    演算手段で所定期間内に上記第2の比較手段による比較
    結果が許容範囲上限を超えた状態から許容範囲内になる
    と、上記リトライ演算手段による処理に移行する移行手
    段と、上記第2または第4の演算手段での演算中に上記
    所定期間が経過しても上記第2の比較手段の比較結果が
    許容範囲上限を超えた状態であると、上記フィードバッ
    クによる通常の測定手段で計数率を求める第5の演算手
    段と、上記第5の演算手段での演算中に許容範囲上限を
    超えた状態から許容範囲内になると、上記第1の比較手
    段の比較結果に基づいて計数率を求める処理に戻るよう
    にする第6の演算手段とを有する演算手段としたことを
    特徴とするディジタル計数率計。
  2. 【請求項2】 被測定パルスを加算カウントすると共に
    フィードバックパルスを減算して積算値を出力するアッ
    プダウンカウンタと、このアップダウンカウンタと共に
    閉ループを構成して上記積算値に応じて上記フィードバ
    ックパルスを出力するパルス発生器とを有し、上記閉ル
    ープの平衡状態で上記被測定パルスの計数率を求めるフ
    ィードバック形式のディジタル計数率計において、カウ
    ンタと比較手段と演算手段とを設け、カウンタは、所定
    のサンプリング周期毎に被測定パルスの個数をカウント
    するカウンタとし、比較手段は、上記カウンタの今回カ
    ウント値と前回カウント値とを比較して今回カウント値
    が許容範囲内か否かを判定する第1の比較手段と、上記
    第1の比較手段により上記許容範囲上限を超えたとき、
    この超えた時点の前回カウント値を固定して、上記カウ
    ンタの今回カウント値と固定した前回カウント値とを比
    較して今回カウント値が許容範囲内か否かを判定する第
    2の比較手段とを有する比較手段とし、演算手段は、上
    記第1の比較手段の比較結果で今回カウント値が許容範
    囲内であれば、上記フィードバックによる通常の測定手
    段で計数率を求める第1の演算手段と、上記第1の比較
    手段の比較結果で今回カウント値が許容範囲上限を超え
    た状態では、上記第2の比較手段で比較するようにする
    と共に、所定の期間を限度として上記許容範囲上限を超
    えた時点直前の計数率を求める計数率とする第2の演算
    手段と、上記所定期間内で上記第2の比較手段による比
    較結果が許容範囲上限を超えた状態から許容範囲内にな
    ると、上記許容範囲上限を超えた時点直前の計数率と直
    前のアップダウンカウンタの積算値と今回カウント値と
    に応じた補正用の積算値および計数率を演算し、この演
    算した補正用の計数率を求める計数率とするリトライ演
    算を行い、このリトライ演算を上記アップダウンカウン
    タの積算値が所定の積算値以下になるまで継続するリト
    ライ演算手段と、上記リトライ演算中に上記所定の積算
    値以下になると、リトライ演算を終了して上記第1の比
    較手段による比較結果に基づいて計数率を求める処理に
    戻るようにする第3の演算手段と、上記第2の演算手段
    での演算中に上記所定期間を経過しても上記第2の比較
    手段での比較結果が許容範囲上限を超えた状態、また
    は、上記リトライ演算中に上記第2の比較手段で今回カ
    ウント値が許容範囲上限を超えた状態になると、上記フ
    ィードバックによる通常の測定手段で計数率を求める第
    7の演算手段とを有する演算手段としたことを特徴とす
    るディジタル計数率計。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のディジタル計数率計に
    おいて、演算手段は、第7の演算手段によりフィードバ
    ックによる通常の測定手段で計数率を求めている場合、
    リセット信号により、第1の比較手段による比較結果に
    基づいて計数率を求める処理に戻るようにするリセット
    手段を設けた演算手段としたことを特徴とするディジタ
    ル計数率計。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載のディジ
    タル計数率計において、演算手段は、第7の演算手段に
    よりフィードバックによる通常の測定手段で計数率を求
    めている期間が一定期間経過すると、第1の比較手段の
    比較結果に基づいて計数率を求める処理に戻るようにす
    る自動リセット手段を設けた演算手段としたことを特徴
    とするディジタル計数率計。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のデ
    ィジタル計数率計において、リトライ演算中にアップダ
    ウンカウンタの積算値と比較する所定の積算値は、リト
    ライ演算で求めた積算値に応じた値としたことを特徴と
    するディジタル計数率計。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のデ
    ィジタル計数率計において、比較手段は、今回カウント
    値と前回カウントとの比較と、カウンタのサンプリング
    期間途中でのカウント値と前回カウント値との比較の両
    者の比較を行う手段とし、演算手段は上記比較を行う毎
    に演算を実行するようにしたことを特徴とするディジタ
    ル計数率計。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のデ
    ィジタル計数率計において、カウンタの前回サンプリン
    グ終了時点での通常の測定手段で求めた計数率とサンプ
    リング時間の積とを平滑カウント値として求め、前回カ
    ウント値の代わりに上記平滑カウント値を用いるように
    したことを特徴とするディジタル計数率計。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載のデ
    ィジタル計数率計において、リトライ演算中は、フィー
    ドバックを構成する閉ループ内の計数率を求めるための
    時定数を速くしてアップダウンカウンタの積算値の応答
    を速くする時定数変更手段を設けたことを特徴とするデ
    ィジタル計数率計。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のデ
    ィジタル計数率計において、今回カウント値が許容範囲
    下限未満となり所定の期間継続すると、計数率を演算す
    るための時定数を速くする時定数変更手段を設けたこと
    を特徴とするディジタル計数率計。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    ディジタル計数率計において、今回カウント値が許容範
    囲下限未満となり所定の周期継続すると、警報信号を送
    出する警報手段を備えたことを特徴とするディジタル計
    数率計。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のディジタル計数率計において、許容範囲はカウント値
    の標準偏差に基づいた値としたことを特徴とするディジ
    タル計数率計。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項のディ
    ジタル計数率計において、テストする場合は、比較手段
    の比較結果を用いず通常のフィードバックによる測定手
    段で計数率を求めるようにしたことを特徴とするディジ
    タル計数率計。
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