JP2508388B2 - レ―ザ溶接方法 - Google Patents

レ―ザ溶接方法

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JP2508388B2
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welded
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、例えば自動車のフードやドアを構成するア
ウターパネルとインナーパネルなどの2つの部材相互を
溶接するに適したレーザ溶接方法に関する。
(従来の技術) 通常、自動車のフードやドアを構成するアウターパネ
ルaとインナーパネルbとの端末部は、第4図および第
5図に示すように、端末部をクリンチ(ヘミング)加工
した構成となっている。
すなわち、アウターパネルaの端末部をある幅で折返
してこの折返し部cとこれに対応する部分dとの相互対
向部間に挿入溝eを形成し、この挿入溝eにインナーパ
ネルbの端部を挿入して挾持させる構成となっている。
そして、アウターパネルaとインナーパネルbとの結
合は、挿入溝e内に塗布された接着剤fによって塗装工
程で加熱されることによりなされるが、予め、組立工程
において、アウターパネルaとインナーパネルbとのク
リンチ加工部に、適宜、従来においてはスポット溶接g
が施され、組立工程から塗装工程間での移動時にパネル
a,b相互がずれるのを防止するようになっていた。
一方、近年において、従来のスポット溶接gに代わる
ものとして、設備が簡単かつ大幅な省電力化が図れ、し
かも、作業性に優れているといった特長を有するレーザ
溶接hの実用化が検討されている。また、自動車のフー
ドやドアなどの場合、アウターパネルaとして両面が亜
鉛メッキされた両面防錆鋼板が使用されることが多くな
っている。
しかしながら、表面に亜鉛層iを有する防錆鋼板に対
して、第4図に示すように、溶接装置のヘッドjからレ
ーザ光Rを照射してアウターパネルaの折返し部cの上
面側から溶接すると、防錆目的で使用されている亜鉛層
iが蒸発して蒸気i′を発生し、この亜鉛の蒸気i′が
第5図に示すようにレーザ光Rの照射部から噴き出す。
そして、溶接位置の周囲表面に付着して、見栄え品質が
悪くなるといった問題があった。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来のレーザ溶接方法においては、被溶
接部材が亜鉛メッキ等された防錆鋼板等であった場合に
は、溶接に伴って第1,第2のパネル部材の重ね合わせ部
の対向面間に発生する亜鉛等の防錆材の蒸気を積極的に
抜くようにしておらず、レーザ光の照射部から防錆材の
蒸気が噴き出して表面に付着して、見栄え品質が悪くな
るといった問題があった。
本発明は、前記事情に基づきなされたもので、その目
的とするところは、レーザ光の照射部から防錆材の蒸気
の噴き出しが防止でき、防錆鋼板等においても良好な溶
接状態を維持できるようにしたレーザ溶接方法を提供し
ようとするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、課題を解決するための手段として、少なく
とも一方が表面に防錆材層を有する第1,第2のパネル部
材の一部を相互に隙間無く重ね合わせた重ね合わせ部を
レーザ光を用いて溶接接合するレーザ溶接方法におい
て、前記両パネル部材のレーザ光が照射される一方のパ
ネル部材のレーザ光照射部近傍に蒸気抜き孔を穿設し、
溶接に伴って前記重ね合わせ部相互の対向面間に発生す
る前記防錆材の蒸気を前記蒸気抜き孔より同パネル部材
の板厚方向へ抜けるようにしたことにある。
(作用) すなわち、本発明によれば、レーザ光が照射される被
溶接部分の近傍に形成された蒸気抜き孔から、溶接に伴
って両パネル部材の重ね合わせ部の対向面間に発生する
前記防錆材の蒸気が抜け、レーザ光の照射部からの防錆
材の蒸気の噴き出しが防止できる。これにより、被溶接
部材が表面に防錆材層を有する防錆鋼板等であっても、
見栄え品質の良い良好な溶接状態を維持することが可能
となる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第1図および第2図を参照
して説明する。
図中1は自動車のドアの端末部を示すもので、ドア1
は第1のパネル部材であるアウタパネル2と第2のパネ
ル部材2であるインナーパネル3とからなり、これらの
端末部はクリンチ(ヘミング)加工した構成となってい
る。
すなわち、アウターパネル2の端末部をある幅で折返
してこの折返し部2aとこれに対応する部分2bとの相互対
向部間に挿入溝4を形成し、この挿入溝4にインナーパ
ネル3の端部3aを挿入して挾持させる構成となってい
る。
さらに、インナーパネル3の端部3aは、挿入溝4内に
塗布された接着剤5によって塗装工程で加熱されること
によりなされる。
また、アウターパネル2として、防錆材として亜鉛が
両面にメッキされた両面防錆鋼板が使用され、その両面
には第2図に示すように亜鉛層8,8が形成されている。
また、予め、組立工程において、アウターパネル2と
インナーパネル3との被溶接部であるクリンチ加工部6
に、第1図に示すように、適宜、レーザ溶接部7を施
し、組立工程から塗装工程間での移動時にパネル2,3相
互がずれるのを防止するようになっている。
そして、溶接にあたっては、溶接装置のヘッド10から
アウターパネル2の折返し部2aの上面側からレーザRを
照射して例えば直線的なレーザ溶接部7を形成すること
になる。
この時、本発明のレーザ溶接方法にあっては、レーザ
光Rが照射される側の部材、すなわち、アウターパネル
2の折返し部2aの被溶接部分の近傍に予め円形の蒸気抜
き孔9を適宜形成しておく。
そして、第1図および第2図に示すように、レーザ光
Rが蒸気抜き孔9を跨がるように移動させることにより
直線的なレーザ溶接部7を形成する。
このように溶接することにより、溶接に伴ってアウタ
ーパネル2の折返し部2aとインナーパネル3の端部3aと
の重ね合わせ部相互の対向面間に発生する亜鉛層8が蒸
発して出来た亜鉛の蒸気は、蒸気抜き孔9を介して抜け
る。
このため、従来のように、亜鉛の蒸気がレーザ光Rの
照射部から噴き出して表面に付着して、見栄え品質が悪
くなるようなことがない。
第3図は、本発明の他の例を示すもので、蒸気抜き孔
9の周面に沿って溶接部7を形成するように溶接する場
合を示し、この場合にも良好な蒸気抜き効果が得られ
る。
また、上述の一実施例において、蒸気抜き孔9を円形
としたが、これに限らず、円形以外の形状であっても良
く、また、その数も溶接範囲に合わせて適宜配置すれば
良いことは勿論である。
また、自動車のドアのアウターパネルとインナーパネ
ル3との端部を溶接する場合について説明したが、要
は、少なくとも一方が防錆材層を有する第1,第2のパネ
ル部材の重ね合わせ部相互を溶接する必要がある場合で
あれば、どのようなものに適用しても良い。
その他、本発明は、要旨を変えない範囲で種々変形実
施可能なことは勿論である。
なお、上述の他の実施例(第3図)の説明において、
前述の一実施例と同一部分は同一の符号を付して詳細な
説明を省略する。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、少なくとも一
方が表面に防錆材層を有する第1,第2のパネル部材の一
部を相互に隙間無く重ね合わせた重ね合わせ部をレーザ
光を用いて溶接接合するレーザ溶接方法において、前記
両パネル部材のレーザ光が照射される一方のパネル部材
のレーザ光照射部近傍に蒸気抜き孔を穿設し、溶接に伴
って前記重ね合わせ部相互の対向面間に発生する前記防
錆材の蒸気を前記蒸気抜き孔より同パネル部材の板厚方
向へ抜けるようにしたから、レーザ光が照射される被溶
接部分の近傍に形成された蒸気抜き孔から、溶接に伴っ
て両パネル部材の重ね合わせ部相互の対向面間に発生す
る前記防錆材の蒸気が抜け、レーザ光の照射部から防錆
材の蒸気の噴き出しが防止できる。これにより、被溶接
部材が表面に防錆材層を有する防錆鋼板等であっても、
見栄え品質の良い良好な溶接状態を維持することが可能
となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す斜視図、第2図は第1
図のII−II線に沿う断面図、第3図は本発明の他の実施
例を示す斜視図、第4図は従来例を示す斜視図、第5図
は第4図のV−V線に沿う断面図である。 1…ドア、2…アウターパネル(第1の部材)、3…イ
ンナーパネル(第2の部材)、6…クリンチ加工部(被
溶接部)、7…レーザ溶接部、8…亜鉛層(防錆材
層)、9…蒸気抜き孔、R…レーザ光。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が表面に防錆材層を有する
    第1,第2のパネル部材の一部を相互に隙間無く重ね合わ
    せた重ね合わせ部をレーザ光を用いて溶接接合するレー
    ザ溶接方法において、 前記両パネル部材のレーザ光が照射される一方のパネル
    部材のレーザ光照射部近傍に蒸気抜き孔を穿設し、溶接
    に伴って前記重ね合わせ部相互の対向面間に発生する前
    記防錆材の蒸気を前記蒸気抜き孔より同パネル部材の板
    厚方向へ抜けるようにしたことを特徴とするレーザ溶接
    方法。
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