JP2508307B2 - 帯電防止性に優れた金属蒸着フイルム - Google Patents

帯電防止性に優れた金属蒸着フイルム

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JP2508307B2 JP1290276A JP29027689A JP2508307B2 JP 2508307 B2 JP2508307 B2 JP 2508307B2 JP 1290276 A JP1290276 A JP 1290276A JP 29027689 A JP29027689 A JP 29027689A JP 2508307 B2 JP2508307 B2 JP 2508307B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は帯電防止性、透明性に優れた金属蒸着ヒート
シール性二軸延伸ポリプロピレン系フイルムに関するも
のである。
(従来の技術) ヒートシール性二軸延伸ポリプロピレンフイルムは透
明性、強度、剛性、防湿性地が優れることにより、食
品、日常品等の包装用フイルムとして好ましい。近年、
包装した商品の保護及びデザイン面での工夫により、フ
イルムに金属蒸着を施して包装されている。しかし、こ
のフイルムは静電気を帯びやすく、塵埃の付着による商
品価値の低下、印刷、製袋の際の不良等が発生し易い。
これらの弊害を防止する為に帯電防止性の付与が必要と
されており、近年、自動包装機をはじめとして、高速化
が進み高速加工性を付与する為に優れた帯電防止性が要
求されている。
従来、帯電防止性を付与する方法としては、帯電防止
剤を塗布したり、内部に練り込む方法等が知られてい
る。
しかしながら、帯電防止剤を塗布する方法の場合、表
面の摩耗、水滴付着時の洗い流し等で効果が低下し易
く、永続性に欠けるという欠点があった。又、帯電防止
剤を練り込む方法の場合、製膜後の帯電防止剤の表面へ
の移行に時間が要する為、初期の効果の発現がしにくい
上、経日後移行が進行しすぎると、粉ふき現象による透
明性の低下、表面のベタツキが発生するという欠点があ
った。さらには、塗布、練り込みの両方法共に、表面の
帯電防止剤の存在により、ヒートシート性の低下印刷時
のインクの接着性の低下、他フィルムとのラミネート時
の接着強度の低下が起こり、特に真空金属蒸着時には帯
電防止剤の揮発による真空度の低下で蒸着膜のむらの発
生、蒸着膜の接着強度の低下が起こるという大きな問題
があった。その為、金属蒸着用途への帯電防止剤の配合
は、極力減らすか、配合しないことが一般的に行なわれ
ており、そうすると、高速加工性においては未だ不十分
であるという欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明はヒートシール性ポリプロピレン系フイルムの
優れた性能を低下させることなく、金属蒸着適性、帯電
防止性の両特性が優れたポリプロピレン系フイルムを経
済的に提供せんとするものである。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は (1) 基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フイル
ムであり、該片面に設けた表面層が下記成分(A)を含
む少なくとも一軸に延伸された低結晶性のヒートシール
性ポリオレフィンを主成分とし、かつ該表面層の表面の
濡れ張力が34dyne/cm以上であり、かつ該表面の一部又
は全面に金属蒸着層を設けた、帯電防止性に優れた金属
蒸着フイルム。
成分(A):下記の一般式Mにて表わされる半極性有
機ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒド
ロキシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5〜82の
三級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子1
個対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高分
子電荷移動型結合体。
[式中、qは0または1でq=1の時、Aは−(X)a
−(Y)b−(Z)c−基(但し、XおよびZは1個の
末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸素炭
化水素基、Yは (但し、Rは炭素数1〜82の炭化水素基)もしくは (但し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)であり、
a、b、およびcはそれぞれ0または1である。)であ
り、pは10〜1000である。]。
(2) 基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フイル
ムであり、該片面に設けた表面層が特許請求の範囲第1
項に示した成分(A)を含む、少なくとも一軸に延伸さ
れた低結晶性のヒートシール性ポリオレフィンを主成分
とし、かつ該表面層の表面の濡れ張力が34dyne/cm以上
であり、かつ基層側表面の一部又は全面に金属蒸着層を
設けた帯電防止性に優れた金属蒸着フイルム。
(3) 基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フイル
ムであり、該片面に設けた表面層(B)が特許請求の範
囲第1項に示した成分(A)を含む、少なくとも一軸に
延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフィンを
主成分とし、該表面層の表面の濡れ張力が34dyne/cm以
上であり、この表面層(B)の一部又は全面に金属蒸着
層を設け、基層の他の面に設けた表面層(C)が少なく
とも一軸に延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオ
レフィンを主成分とするものである帯電防止性に優れた
金属蒸着フイルム。
(4) 基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フイル
ムであり、該片面に設けた表面層(B)が特許請求の範
囲第1項に示した成分(A)を含む、少なくとも一軸に
延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフィンを
主成分とし、かつ該表面層の表面の濡れ張力が34dyne/c
m以上であり、かつ該基層の他の面に設けた表面層
(C)が少なくとも一軸に延伸された低結晶性のヒート
シール性ポリオレフィンであり、かつこの表面層(C)
の一部又は全面に金属蒸着層を設けた、帯電防止性に優
れた金属蒸着フイルム。
(5) 基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フイル
ムであり、該両面に設けた表面層(B,B′)が特許請求
の範囲第1項に示した成分(A)を含む少なくとも一軸
に延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフィン
を主成分とするものであり、該表面層(B,B′)の少な
くとも片面の濡れ張力が34dyne/cm以上であり、該濡れ
張力が34dyne/cmの片面の一部又は全面に金属蒸着層を
設けた、帯電防止性に優れた金属蒸着フイルムである。
本発明において基層を構成するポリプロピレン系重合
体は、アイソタクチックポリプロピレンが剛性、透明性
の点で好ましいが、少量のコモノマー成分を含むポリプ
ロピレンと他のαオレフィンとの共重合体でもよいし、
それらをブレンドしてもよい。又、必要に応じてポリプ
ロピレンと混和性良好な各種ポリオレフィン、エラスト
マー低分子量熱可塑性樹脂を配合してもよい。この低分
子量熱可塑性樹脂としては、天然及び合成ワックス、炭
化水素樹脂、ロジン、ダンマル、フェノール樹脂等があ
る。
又、表面層を構成するヒートシール性ポリオレフィン
は、基層を構成するポリプロピレン系重合体より融点が
10℃以上低いものであればよい。かかるポリオレフィン
は低結晶性のポリオレフィン系コポリマーからなり、プ
ロピレンとエチレンの共重合体、ポリプロピレンとブテ
ン−1の共重体、プロピレンとエチレンとブテン−1の
三元共重合体、エチレンとブテン−1の共重合体等があ
げられ、それらの単独又はブレンド物でもよいが、特に
限定されるものではない。とくに好ましくは、ポリプロ
ピレンと他のαオレフィンの共重合体があげられる。帯
電防止性、透明性に優れた、ポリプロピレン単独重合体
は、ヒートシール性がないばかりか、帯電防止性にも劣
るという欠点が生じ、本発明の目的とする効果が得られ
なくなる。又、表面層に含まれる半極性有機ホウ素高分
子化合物とヒドロキシル基を有する三級アミンの反応生
成物である高分子電荷移動型結合体についての詳細は、
特開平1−185329号公報に記載されている。代表例を第
1表に示す。この化合物の配合量は0.3〜5重量%の範
囲が好ましいが特に限定されているものではない。この
高分子電荷移動型結合体は、配位結合型のイオン構造物
で、極性が大きいにもかかわらず、無極性高分子である
ポリオレフィンとも混和してポリマーアロイ化し、フェ
ミル準位をなすかたちで異種物質として作用して、ポリ
オレフィンに優れた帯電防止性を付与するとともに、成
形後のポリオレフィン中での移行が起らない為、フイル
ム表面のベタツキ、粉ふき及びその洗い流しがなく永続
して効果が発揮され本発明においては、表面層は基層の
片側のみ、または両側に設けてよく、必要により選択さ
れる。表面層の厚みは0.5〜10μmの範囲が帯電防止
性、コスト、透明性、剛性の面から好ましいが、特に限
定されるものではない。又、表面層は少なくとも一軸延
伸されることにより、薄膜化が容易になり、生産性も向
上することから、安価なフイルムが製造出来る。
本発明の基体フイルムは、二軸延伸ポリプロピレン系
フイルムである基層と前記高分子電荷移動型結合体を含
むヒートシール性ポリオレフィンを主成分とする表面層
(B)、そして場合によってはヒートシール性ポリオレ
フィンの表面層(C)からなる、2層もしくは3層の被
層フイルムから構成されるが、前記高分子電荷移動型結
合体を含む層を積層することにより、優れた効果が得ら
れる。この表面層単独での二軸延伸フイルムでは、剛性
が低くなり、透明性が低下するばかりでなく、高分子電
荷移動型結合体が高価な為フイルムのコストが高くなる
という欠点がある。又、基層に高分子電荷移動型結合体
を配合した単層二軸延伸フイルムでは、帯電防止性が不
充分であるだけでなく、ヒートシール性がなく、コスト
も高くなるという欠点がある。
又、本発明においては、濡れ張力が34dyne/cm以上に
なるように表面活性化処理された高分子電荷移動型結合
体を含む表面層をもつことが必要であり、この表面処理
度としては、JIS−K−6768に規定された測定方法で34d
yne/cm以上、好ましくは36dyne/cm以上、より好ましく
は38dyne/cm以上が良い。
濡れ張力が低いと帯電防止性が不充分となる。表面処
理方法としては、フレーム処理、化学薬品処理等公知の
如何なる手段でもよいが、コロナ放電処理が最も簡便で
ある。
本発明のフイルムには、酸化防止剤、造核剤、着色
剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電
防止剤等の添加剤をさらに必要に応じて配合してもよ
い。但し、フイルム中から表面に移行する添加剤につい
ては本発明の目的とする効果を阻害しない範囲の配合量
にすることが好ましい。
本発明のフイルムの成形方法は、共押出法、ダイ外接
着法等でシートを得た後、二軸延伸する方法、基層シー
トを一軸延伸した後、表面層を押出ラミネートして直角
方向に更に延伸する方法等従来公知の方法によって製造
される。
このようにして得られたフイルムに、その表面層に包
装体とする場合のヒートシール予定部以外の部分の一部
または全面に金属蒸着層、あるいは印刷インキ層と金属
蒸着層を形成させる。金属蒸着層は、アルミニウム、亜
鉛、銅、金、銀などの金属を蒸着法により付着させたも
のであり、その厚みは通常50〜2500Å好ましくは500〜1
000Åである。かかる金属蒸着加工に先だってアンカー
コート処理を行なうことによりさらに金属蒸着層の接着
力を上げることができるが、アンカーコート処理せずに
表面層に金属蒸着層を形成しても充分な接着力を示すの
である。アンカーコート処理はしないがコロナ放電処
理、火焔処理、プラズマ処理等の物理的処理を金属蒸着
する前に施すことは有用である。金属蒸着形成に先立
ち、印刷インキにより形成された印刷層を、ヒートシー
ル予定部以外の部分の一部または全面に形成することも
有効である。
(作用) 本発明のポリプロピレン系フイルムは、表面処理され
た前記高分子電荷移動型結合を含むヒートシール性ポリ
オレフィンを主成分とする表面層を持つ為、この高分子
電荷移動型結合体が、所定の半極性有機ホウ素高分子化
合物の半極性結合の部分と塩基性窒素とが、結合するこ
とによって、ポリオレフィン分子鎖中に複数の電子の動
きをもたらし、フェルミ準位を与えて、帯電防止性を付
与すると推測される。
したがって、従来の帯電防止剤を練込む方法のような
帯電防止剤のフイルム表面への移行による粉ふき、べた
つきの発生がない為、印刷インキの接着性が阻害されな
い。特に、金属蒸着の際、帯電防止剤の揮発による真空
度の低下が発生しない為、均一な金属蒸着膜が形成さ
れ、又、優れた接着強度が得られる。
又、複層化することにより、表面層で、帯電防止性と
ヒートシール性を付与し、基層で良好な外観と剛性、強
度を付与し、しかも安価に製造し得ることが可能となっ
た。
(実施例) 実施例1 基層として、ポリプロピレンを260℃でT−ダイスよ
り押出し、冷却ロールで冷却してシートとした後、縦延
伸機で5倍に延伸した後、表層として、プロピレン−エ
チレン−ブテン−1・3元共重合体(エチレン3wt%、
ブテン−15wt%)98wt%と前記第1表の高分子電荷移動
型結合体(6)2wt%のブレンド物を280℃で押出ラミネ
ートし、横延伸機で8倍に延伸し、表層をコロナ放電処
理して基層17μm、表層3μmの二軸延伸ポリプロピレ
ンフイルムを得た。このフイルムの表層面を印刷した後
アンカーコート処理をして、窓抜き真空蒸着加工法で、
アルミニウムの部分蒸着をして金属蒸着フイルムを得
た。このフイルムを評価した結果を第2表に示す。
実施例2 基層として、アイソタクチックポリプロピレンを、表
層としてプロピレン−エチレン共重合体(エチレン5wt
%)97wt%と高分子電荷移動型結合体(1)3wt%のブ
レンド物を2層共押出ダイスで260℃で押出し、冷却ロ
ールで冷却してシートとした後、縦5倍、横8倍に逐次
延伸し、両側にコロナ処理して基層17μm、表層3μm
の二軸延伸ポリプロピレンフイルムを得た。このフイル
ムを実施例1と同様の方法で基層面に加工して金属蒸着
フイルムを得た。このフイルムを評価した結果を第2表
に示す。
実施例3 基層として、アイソタクチックポリプロピレンを、一
方の表層(F面とする)として、実施例2の表層と同じ
ブレンド物を2層共押出ダイスで260℃で押出し、冷却
ロールで冷却してシートとした後、縦5倍に延伸したシ
ートに、他方の表層(B面とする)としてプロピレン−
エチレン−ブテン−1(エチレン3wt%、ブテン−15wt
%)を押出ラミネートした後、横8倍に延伸し、F側面
にコロナ放電処理をして基層17μm、F面表層3μm、
B面表層5μmの三層フイルムを得た。このフイルムを
実施例1と同様の方法で、F面に加工して金属蒸着フイ
ルムを得た。このフイルムを評価した結果を第2表に示
す。
実施例4 F面,B面の両面をコロナ放電処理した他は、実施例3
と同様の方法で3層フイルムを得、B面に加工して金属
蒸着フイルムを得た。
このフイルムを評価した結果を第2表に示す。
実施例5 基層としてポリプロピレンを、表層として、実施例1
の表層と同じブレンド物を、3層共押出ダイスで実施例
2と同じ方法でシート化及び延伸し、片面にコロナ放電
処理して、基層14μm、表層各3μmの3層複合二軸延
伸フイルムを得た。このフイルムを実施例1と同様の方
法で、コロナ放電処理面に加工して金属蒸着フイルムを
得た。
このフイルムを評価した結果を第2表に示す。
実施例6 両面をコロナ放電処理した他は、実施例5と同様にし
てフイルムを得て、片面に同様にして加工して金属蒸着
フイルムを得た。このフイルムを評価した結果を第2表
に示す。
実施例7 表層のコロナ放電処理度を低く処理した他は、実施例
5と同様にして金属蒸着フイルムを得た。このフイルム
を評価したところ次のような結果を得た。
比較例1 表層としてプロピレン−エチレン−ブテン−1・3元
共重合体(エチレン3wt%,ブテン−1・5wt%)96wt%
とアルキルアミン系帯電防止剤(丸菱油化(株)製デノ
ン331)4wt%のブレンド物を使用した他は、実施例1と
同様の方法で金属蒸着フイルムを得た。このフイルムを
評価した結果を第2表に示す。
比較例2 ポリプロピレンを260℃でT−ダイスより押出し、冷
却ロールで冷却してシートとした後、縦5倍、横8倍に
逐次延伸し、両面にコロナ放電処理をして20μmの二軸
延伸フイルムを得た。このフイルムの片面側に実施例1
の表層と同じブレンド物を280℃で押出ラミネートし、
ラミネート層厚み20μm、合計40μmの2層フイルムを
得た。このフイルムの二軸延伸ポリプロピレン側面に、
実施例1と同様に加工して金属蒸着フイルムを得た。こ
のフイルムを評価した結果を第2表に示す。
比較例3 実施例1の表層と同じブレンド物を260℃でT−ダイ
スより押出し、冷却ロールで冷却してシートとした後、
縦5倍、横8倍に逐次延伸し、片面にコロナ放電処理し
て20μmの2軸延伸ポリプロピレンフイルムを得た。
このフイルムのコロナ放電処理面に、実施例1と同様
に加工して、金属蒸着フイルムを得た。このフイルムを
評価した結果を第2表に示す。
比較例4 基層としてポリプロピレン98.7wt%とアルキルアミン
系帯電防止剤(丸菱油化(株)製デノン331)1.3wt%の
ブレンド物を、又表層としてプロピレン−エチレン−ブ
テン−1・3元共重合体(エチレン3wt%,ブテン−1
・5wt%)を使用した他は、実施例5と同様の方法で金
属蒸着フイルムを得た。このフイルムを評価した結果を
第2表に示す。
比較例5 基層として比較例4の基層と同じブレンド物を、又F
面表層としてプロピレン−エチレン共重合体(エチレン
5wt%)を使用した他は、実施例4と同様の方法で金属
蒸着フイルムを得た。このフイルムを評価した結果を第
2表に示す。
比較例6 表層として、ポリプロピレン98wt%と実施例1に用い
た高分子電荷移動型結合体2wt%のブレンド物を使用し
た他は、実施例5と同様の方法で、金属蒸着フイルムを
得た。このフイルムを評価した結果を第2表に示す。
比較例7 コロナ処理をしなかった他は、実施例5と同様の方法
で金属蒸着フイルムを得た。このフイルムを評価した結
果を第2表に示す。
比較例8 表層のコロナ放電処理度をさらに低く処理した他は、
実施例7と同様な方法で金属蒸着フイルムを得た。この
フイルムを評価したところ次のような結果を得た。
(評価方法) (a)ヘーズ:東洋精機(株)製ヘーズメーターで測定
した値。値が小さい程、透明性が良い。
(b)RS:23℃、65%RH下での表面固有抵抗値。値が小
さい程、帯電防止性が良い。
(c)灰付着距離:23℃、65%RHの雰囲気下でフイルム
をガーゼで10回擦すった後、灰が付着する距離を測定し
た。
100mm以上 × 100mm〜50mm △ 50mm〜10mm ○ 10mm以下 ◎ (d)ヤング率:東洋ボールドウィン(株)製テンシロ
ン引張試験機で横方向を測定した値。
値が大きい程、腰が強い。
(e)ヒートシール性:東洋精機(株)製、熱傾斜シー
ラーで130℃、1kg/cm2、2秒の条件でヒートシールし、
強度を測定した。
フイルム破断 ◎ 100g/cm以上(フイルム破断なし) ○ 100g/cm〜20g/cm △ 20g/cm以下 × (f)経日白化:40℃1ケ月放置後のフイルム表面の粉
ふきによる白化を肉眼で評価した。
白化なし ◎ わずかに白化が認められる ○ 白化が一目でわかる △ 白化がひどい × (g)インキ接着性:ウレタン系インキで、グラビア印
刷して、ニチバン製セロテープを貼り、指で強く押えて
擦すった後、90゜の角度ですばやく剥して、残ったイン
キの面積を肉眼評価した。
100% 残 ◎ 100%〜90% 残 ○ 90%〜50% 残 △ 50%以下 残 × (h)金属蒸着性:アンカーコート処理後真空蒸着法で
アルミニウム蒸着して、蒸着の均一性を肉眼評価。又、
接着性はニチバン社製セロテープを貼り、指で強く押え
て擦すった後、90℃の角度ですばやく剥して、残った金
属蒸着膜の面積を肉眼評価した。
均一性 ムラがなく均一 ◎ わずかにムラが認められる ○ ムラが一目でわかる △ ムラがひどい × 接着性 100% 残 ◎ 100%〜90% 残 ○ 90%〜50% 残 △ 50%以下 残 × (i)濡れ張力:JIS K−6768に基づいて測定した。
(発明の効果) 実施例からも明らかなように、本発明によれば次のよ
うな格別の優れた効果が得られる。
(1) 二軸延伸ポリプロピレンフイルムの持つ優れた
特性、すなわち透明性、剛性、強度を阻害せずに、従来
の技術では達成が困難であった、優れた帯電防止性と優
れた金属蒸着適性の両方の特性が満足出来るヒートシー
ル性金属蒸着フイルムが得られる。
(2) 経日後の粉ふき、べたつきがなく、ヒートシー
ル性、インキ接着強度、金属蒸着膜接着強度の低下がな
く、製膜直後から経日後までの優れた帯電防止性、すな
わち初期帯電防止性と永久帯電防止性が付与されたヒー
トシール性金属蒸着フイルムが得られる。
(3) 生産性が良好で、経済性に優れた金属蒸着フイ
ルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は本発明の金属蒸着フイルムを示すも
のである。 1:金属蒸着層 2:高分子電荷移動型結合体を含む低結晶性のヒートシー
ル性ポリオレフィン層 3:2軸延伸ポリプロピレン層(基層) 4:ヒートシール性ポリオレフィン層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フ
    イルムであり、該片面に設けた表面層が下記成分(A)
    を含む少なくとも一軸に延伸された低結晶性のヒートシ
    ール性ポリオレフィンを主成分とし、かつ該表面層の表
    面の濡れ張力が34dyne/cm以上であり、かつ該表面の一
    部又は全面に金属蒸着層を設けたことを特徴とする帯電
    防止性に優れた金属蒸着フイルム。 成分(A):下記の一般式Mにて表わされる半極性有機
    ホウ素高分子化合物の1種若しくは2種以上と、ヒドロ
    キシル基を少なくとも1個有する合計炭素数5〜82の三
    級アミンの1種若しくは2種以上との、ホウ素原子1個
    対塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物である高分子
    電荷移動型結合体。 [式中、qは0または1でq=1の時、Aは−(X)a
    −(Y)b−(Z)c−基(但し、XおよびZは1個の
    末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸素炭
    化水素基、Yは (但し、Rは炭素数1〜82の炭化水素基)もしくは (但し、R′は炭素数2〜13の炭化水素基)であり、
    a、b、およびcはそれぞれ0または1である。)であ
    り、pは10〜1000である。]。
  2. 【請求項2】基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フ
    イルムであり、該片面に設けた表面層が特許請求の範囲
    第1項に示した成分(A)を含む、少なくとも一軸に延
    伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフィンを主
    成分とし、かつ該表面層の表面の濡れ張力が34dyne/cm
    以上であり、かつ基層側表面の一部又は全面に金属蒸着
    層を設けたことを特徴とする帯電防止性に優れた金属蒸
    着フイルム。
  3. 【請求項3】基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フ
    イルムであり、該片面に設けた表面層(B)が特許請求
    の範囲第1項に示した成分(A)を含む、少なくとも一
    軸に延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフィ
    ンを主成分とし、かつ該表面層の表面の濡れ張力が34dy
    ne/cm以上であり、この表面層(B)の一部又は全面に
    金属蒸着層を設け、基層の他の面に設けた表面層(C)
    が少なくとも一軸に延伸された低結晶性のヒートシール
    性ポリオレフィンを主成分とするものであることを特徴
    とする帯電防止性に優れた金属蒸着フイルム。
  4. 【請求項4】基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フ
    イルムであり、該片面に設けた表面層(B)が特許請求
    の範囲第1項に示した成分(A)を含む、少なくとも一
    軸に延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフィ
    ンを主成分とし、かつ該表面層の表面の濡れ張力が34dy
    ne/cm以上であり、かつ上記基層の他の面に設けた表面
    積(C)が少なくとも一軸に延伸された低結晶性のヒー
    トシール性ポリオレフィンであり、かつこの表面積
    (C)の一部又は全面に金属蒸着層を設けたことを特徴
    とする帯電防止性に優れた金属蒸着フイルム。
  5. 【請求項5】基層が二軸延伸されたポリプロピレン系フ
    イルムであり、該両面に設けた表面層(B,B′)が特許
    請求の範囲第1項に示した成分(A)を含む少なくとも
    一軸に延伸された低結晶性のヒートシール性ポリオレフ
    ィンを主成分とするものであり、該表面層(B,B′)の
    少なくとも片面の濡れ張力が34dyne/cm以上であり、該
    濡れ張力が34dyne/cm以上の片面の一部又は全面に金属
    蒸着層を設けたことを特徴とする帯電防止性に優れた金
    属蒸着フイルム。
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