JP2507196B2 - テ―プ状磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

テ―プ状磁気記録媒体の製造方法

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JP2507196B2 JP9707391A JP9707391A JP2507196B2 JP 2507196 B2 JP2507196 B2 JP 2507196B2 JP 9707391 A JP9707391 A JP 9707391A JP 9707391 A JP9707391 A JP 9707391A JP 2507196 B2 JP2507196 B2 JP 2507196B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性支持体、磁性
層、バックコート層よりなるテープ状磁気記録媒体の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、電磁信号の記録用とし
て広く使用されており、使用の態様に合わせてテープ
状、ディスク状、あるいはカード状などの種々の形態の
ものが利用されている。このような磁気記録媒体の中で
テープ状のものは、オーディオ、ビデオ機器あるいはコ
ンピュータ用などの磁気記録媒体として、これまで種々
のものが実用化されている。
【0003】近年、磁気記録媒体の高密度記録化への要
求が高まるにつれて、記録信号の短波長化とともに、大
容量化が進みつつある。
【0004】記録信号の短波長化に伴い、磁気ヘッドと
磁気テープ磁性層間の許容間隙が小さくなることから、
磁性層の高平滑化が不可避となってきている。磁性層の
平滑性が増すと一般に磁性層の摩擦係数が上昇すること
から、特に、テープ状磁気記録媒体においては、その走
行性や耐久性に不具合が生じ易くなる。この問題点を改
善する策としては、上記磁性層が設けられていない側の
非磁性支持体上に、結合材中に無機質粉末を分散させて
なるバックコート層を形成させることが既に提案されて
いる。
【0005】一方、磁気記録媒体の大容量化については
種々の方策が考えられるが、特に、テープ状磁気記録媒
体においてはテープ全厚の薄手化が進みつつある。
【0006】しかしながら、テープ全厚の薄手化に伴
い、テープ剛性が著しく低下する結果、テープの走行耐
久性が損なわれるのみならず、テープとヘッドとの接触
安定性も低化し、満足すべき電磁変換特性も得難くなっ
ていた。特に、テープ走行時のテンション負荷が大きい
VHS、S−VHS方式VTR用ビデオテープにおいて
は、この現象が顕著に生じることから、解決策が強く求
められていた。
【0007】テープ全厚の薄手化に伴って著しく低下す
るテープ剛性の改善策としては、非磁性支持体の高弾性
率化が一般的であり、延伸処理を施したポリエチレンテ
レフタレート(以下、PETと略)やポリエチレン−
2,6−ナフタレート(以下、PENと略)の他、芳香
族ポリアミド、芳香族ポリイミドなどの高強度材料の検
討例がある。中でも、芳香族ポリアミドは高い弾性率を
有し、耐熱性にも優れていることから、比較的広い温度
領域にわたって磁気記録媒体の剛性向上に有効である。
【0008】しかしながら、テープ状磁気記録媒体の非
磁性支持体に芳香族ポリアミドを用い、その一方の面に
磁性層、他方の面にバックコート層を形成するだけで
は、テープ全厚の薄手化、特にVHS、S−VHS方式
VTR用ビデオテープにおいては、磁気テープの全厚が
13μm未満になると、走行耐久性、電磁変換特性を充
分に向上させることが困難となっていた。すなわち、比
較的高弾性の芳香族ポリアミドをベースフィルムに用い
ることにより、テープ全体の剛性は高められるものの、
テープ全厚が薄いことから、その表裏に形成される磁性
層、バックコート層の強度(剛性)の影響によるテープ
幅方向のカール発生が生じ易かったからである。このテ
ープ幅方向のカールは、テープの走行耐久性、電磁変換
特性に影響を及ぼし易いため、平坦状(カール無し)と
することが求められている。
【0009】上記問題点の解決については、これまでに
も既に検討が成されているが、電磁変換特性と走行耐久
性を同時に満足させるには未だ充分なものとは言い難か
った。例えば、特開昭63−39132号公報において
は、芳香族ポリアミドフィルムの表裏に形成されるバッ
クコート層と磁性層の弾性率の比を0.8〜1.8に限
定することにより、テープ幅方向のカール性を防ごうと
している。この場合、バックコート層の弾性率を磁性層
の弾性率並み、もしくは磁性層以上にしなければならな
いことから、バックコート層塗膜を比較的硬めの設計に
せざるを得ず、結果として高範囲の温度領域にわたるテ
ープの繰り返し使用、特に、低温度域におけるバックコ
ート層の走行耐久性の確保が難しいものとなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、磁気記
録の高密度化、大容量化を図るために媒体磁性層の高平
滑化や媒体の薄手化が強く求められる中で、電磁変換特
性を損なうことなく充分な走行耐久性を有する磁気テー
プを提供することは極めて困難であった。
【0011】本発明は上記課題を解決したテープ状磁気
記録媒体の製造方法を提供することを目的としたもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、非磁性支持体の一方の面に強磁性粉末と結
合材を主成分とする磁性層が、他の一方の面に非磁性無
機質粉末と結合材を主成分とするバックコート層がそれ
ぞれ形成されたテープ状磁気記録録媒体の製造方法であ
って、前記非磁性支持体に芳香族ポリアミドを用い、前
記バックコート層の弾性率と前記磁性層の弾性率との比
を0.4〜0.7に設定するとともに、前記非磁性支持
体上に前記バックコート層、前記磁性層がそれぞれ形成
された状態で加熱処理を施すこによって得られる磁気記
録媒体の製造方法である。
【0013】
【作用】本発明は上記した構成により、すなわち、テー
プ状磁気記録録媒体の非磁性支持体に剛性、耐熱性に優
れた芳香族ポリアミドを用い、その表裏面にそれぞれ形
成されるバックコート層と磁性層の弾性率の比を限定す
るとともに、前記非磁性支持体上にバックコート層、磁
性層がそれぞれ形成された状態で(巻き取り状態で)加
熱処理を施すことにより、非磁性支持体、磁性層、バッ
クコート層それぞれが幅方向にカールの無い状態で応力
緩和が進み、テープ剛性の向上とともに、テープ幅方向
のカール性を少なくさせることができることから、テー
プ全厚の薄手化にもかかわらず、電磁変換特性と走行耐
久性の双方を満足し得る磁気テープを提供することが可
能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0015】全厚13μm未満のテープ状磁気記録媒体
用非磁性支持体として本発明で用いる芳香族ポリアミド
の厚みは6.5μm以上、10μm未満とすることが好
ましい。芳香族ポリアミドの厚みが10μmを越える
と、磁性層とバックコート層の厚みの和を3μm未満に
しなければならず、テープの電磁変換特性と走行性の同
時確保が困難となるし、全厚13μm以上の磁気記録媒
体においては、非磁性支持体材料としてPET、PEN
等の使用も可能となる。また、芳香族ポリアミドの厚み
が6.5μm未満になると、テープの耐久性、特にVH
S、S−VHS方式VTR用ビデオテープの耐久性の確
保が困難になる。
【0016】本発明で用いる芳香族ポリアミド非磁性支
持体の弾性強度については、長手方向、幅方向の強度比
は特に限定されるものではないが、長手方向、幅方向の
強度値の和が2400kg/mm2 以上のものが好まし
い。この和が小さいと薄手テープ(例えば、全厚13μ
m未満のVHS用ビデオテープ)の電磁変換特性や走行
耐久性を満足するに充分なテープ剛性を付与することが
困難となる。
【0017】本発明で用いる上記芳香族ポリアミド非磁
性支持体の表裏面に形成されるバックコート層の弾性率
と前記磁性層の弾性率との比は、上記芳香族ポリアミド
非磁性支持体上に前記バックコート層、前記磁性層がそ
れぞれ形成された状態で加熱処理を施した場合に限っ
て、0.4〜0.7とすることが好ましい。この比が
0.4未満だと、磁性層を内側とするカールが発生し、
テープの走行性能が損なわれるのみならず、テープと磁
気ヘッドとの接触安定性も低下し、満足すべき電磁変換
特性が得難いものとなる。一方、この比が0.7を越え
るとバックコート層を内側とするカールが発生し易くな
るとともに、テープの走行性能、電磁変換特性が損なわ
れるものとなる。上記加熱処理が一切施されない場合、
あるいは上記ポリアミド支持体上にバックコート層ある
いは磁性層のいずれか一方が形成された状態でのみ加熱
処理が施される場合には、前記弾性率の比がこの範囲に
あっても、幅方向にカール性の少ないテープは得難いも
のとなる。
【0018】本発明で施される上記の加熱処理条件とし
ては、40℃〜80℃の温度で8〜48時間行うことが
好ましい。処理温度が40℃未満では、上記効果を得難
いこと、得られるとしても処理時間を極めて長くする必
要があり、生産性面での問題が生じる。また、処理温度
が80℃を越えると、テープのカール性は比較的短時間
の処理で少なくできるものの、テープの応力緩和が急
速、且つ不均一に生じるため、得られるテープは片伸び
や波打ち状の変形が生じたものとなり易く、走行性、走
行耐久性の確保が困難なものとなる。
【0019】本発明で得られるテープ状磁気記録媒体の
磁性層に用いられる磁性材としては、γ−Fe23、C
o含有γ−Fe23、Co含有Fe34、CrO2 、バ
リウムフェライトなどの酸化物系磁性材の他、Fe、F
e−Ni、Fe−Coなどの磁性金属ないし磁性合金な
どがいずれも使用可能である。
【0020】本発明で得られるテープ状磁気記録媒体の
バックコート層中に含有せしめる非磁性粉末は、走行性
の改善のみならず、導電性、遮光性面でも利点を有する
カーボンブラックの他、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫
酸マグネシウムなどが有り、これらを単独もしくは複数
種組み合わせて使用することができる。更に、塗膜の耐
摩耗性改善など、必要に応じてアルミナ、二酸化クロ
ム、酸化チタン等の高硬度粉末を併用することができ
る。
【0021】本発明で得られるテープ状磁気記録媒体の
磁性層およびバックコート層用結合材としては、ポリ塩
化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、繊維素系樹脂、
ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂など
の熱可塑性樹脂に、イソシアネート化合物を組み合わせ
たものや、放射線感応性不飽和二重結合を有する樹脂
(化合物)を組み合わせたものに放射線照射を施したも
のなど、従来知られているものが広く使用可能である。
【0022】本発明で得られるテープ状磁気記録媒体の
磁性層、バックコート層の弾性率は結合材の種類、組み
合わせや、磁性粉、非磁性粉等の粉末成分と結合材との
配合比率を変えることにより調整が可能である。
【0023】本発明で得られる上記磁性層およびバック
コート層用塗料の混練分散にあたっては、各種の混練
機、例えば、ロールミル、ニーダ、アトライタ、ダブル
プラネタリミキサ、高速ミキサ、高速ストーンミル、ア
ジテータミル、サンドミル、ピンミル、ボールミル、ペ
ブルミル、高速撹拌機、超音波分散機などを単独もしく
は複数種組み合せて使用することができる。
【0024】以下、本発明の実施例についてビデオテー
プを例にとり具体的に説明する。なお、実施例に述べて
いる成分の部数はすべて重量部を示すものとする。
【0025】まず、以下の手順に従って、磁性層用塗料
およびバックコート層用塗料の調製を行った。 <磁性層用塗料(M1)の調製> 強磁性Co含有γ−Fe23 −−− 100部 ポリウレタン樹脂 −−− 10部 水酸基含有塩化ビニル共重合樹脂 −−− 10部 α−Al23 −−− 7部 カーボンブラック −−− 1部 ミリスチン酸 −−− 2部 ステアリン酸ブチル −−− 1部 混合有機溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=3:2:1) −−− 250部 上記組成物を加圧ニーダとサンドミルを用いて混練分散
を行った後、ポリイソシアネート化合物5部を添加混合
して得られた混練物を平均孔径1μmのフィルターで濾
過して磁性塗料(M1)を調整した。 <磁性層用塗料(M2)、(M3)の調製>磁性層用塗
料(M1)の調製において、ポリウレタン樹脂と水酸基
含有塩化ビニル系共重合樹脂の部数(10部と10部)
を、8部と12部、12部と8部にそれぞれ変更した他
は(M1)と全く同様にして磁性塗料(M2)、(M
3)を得た。
【0026】 <バックコート層用塗料(B1)の調製> カーボンブラック −−− 100部 α−Al23 −−− 2部 ポリウレタン樹脂 −−− 45部 ニトロセルロース樹脂 −−− 45部 混合有機溶剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2:2:1) −−− 600部 上記組成物をボールミルで混合分散して混練物を取り出
した後、ポリイソシアネート化合物10部と混合有機溶
剤(MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2:2:1)
300部を混練物に添加し、高速撹拌機で撹拌混合を行
ったものを平均孔径2μmのフィルターで濾過してバッ
クコート層用塗料(B1)を調製した。
【0027】<バックコート層用塗料(B2)の調製>
バックコート層用塗料(B1)の調製において、ニトロ
セルロース樹脂(45部)を水酸基含有塩化ビニル共重
合樹脂(45部)に変更した他は(B1)と全く同様に
してバックコート層用塗料(B2)を調製した。
【0028】<バックコート層用塗料(B3)の調製>
バックコート層用塗料(B2)の調製において、ポリウ
レタン樹脂、水酸基含有塩化ビニル共重合樹脂の部数各
45部をそれぞれ5部、40部と50部に変更した他は
(B2)と全く同様にしてバックコート層用塗料(B
3)を調製した。
【0029】<バックコート層用塗料(B4)および
(B5)の調製>バックコート層用塗料(B1)の調製
において、ポリウレタン樹脂とニトロセルロース樹脂の
部数各45部を、それぞれ40部と50部および30部
と60部に変更した他は(B1)と全く同様にしてバッ
クコート層用塗料(B4)および(B5)を調製した。
【0030】(実施例1)磁性層用塗料(M1)を8.
5μm厚の芳香族ポリアミドフィルム(長手、幅方向の
弾性率=1300kg/mm2 )上に塗布、磁場配向、
乾燥処理を施した後、カレンダロールによる鏡面加工処
理を施して厚さ2.5μmの磁性層を有する原反ロール
を作成した。この原反ロール上の磁性層とは反対面にバ
ックコート層用塗料(B1)を塗布、乾燥、次いで60
℃、16時間の熱処理を施して、全厚11.6μm(バ
ックコート層厚=0.6μm)の磁気テープ原反ロール
を得た。これを2分の1インチ幅に裁断してビデオテー
プ試料(250m長)を作成した。
【0031】(実施例2)磁性層用塗料に(M2)を、
バックコート層用塗料に(B2)を用いた他は、(実施
例1)と全く同様にしてビデオテープ試料(250m
長)を作成した。
【0032】(実施例3)磁性層用塗料に(M3)を、
バックコート層用塗料に(B4)を用いた他は、(実施
例1)と全く同様にしてビデオテープ試料(250m
長)を作成した。
【0033】(実施例4〜5)(実施例1)の芳香族ポ
リアミドフィルムを9.5μm厚および7.5μm厚の
ものにそれぞれ変えた他は、(実施例1)と全く同様に
して250m長のビデオテープ試料(全厚=12.6μ
mおよび10.6μm)を作成した。
【0034】(実施例6〜7)(実施例1)の熱処理条
件を45℃、40時間および75℃、10時間にそれぞ
れ変えた他は、(実施例1)と全く同様にしてビデオテ
ープ試料(250m長)を作成した。
【0035】(比較例1〜2)(実施例4)の芳香族ポ
リアミドフィルム(9.5μm厚)を9.5μm厚のP
ET(長手、幅方向の弾性率=600kg/mm2 )お
よびPEN(長手、幅方向の弾性率=800kg/mm
2 )にそれぞれ変えた他は、(実施例1)と全く同様に
してビデオテープ試料(250m長)を作成した。
【0036】(比較例3)磁性層用塗料に(M2)を、
バックコート層用塗料に(B3)を用いた他は、(実施
例1)と全く同様にしてビデオテープ試料(250m
長)を作成した。
【0037】(比較例4)磁性層用塗料に(M3)を、
バックコート層用塗料に(B5)を用いた他は、(実施
例1)と全く同様にしてビデオテープ試料(250m
長)を作成した。
【0038】(比較例5)(実施例1)において、熱処
理を施さなかった他は、(実施例1)と全く同様にして
ビデオテープ試料(250m長)を作成した。
【0039】(比較例6)(実施例1)において、磁性
層の形成後に60℃、16時間の熱処理を施し、バック
コート層の形成後には熱処理を施さなかった他は、(実
施例1)と全く同様にしてビデオテープ試料(250m
長)を作成した。
【0040】(比較例7)(実施例1)において、磁性
層とバックコート層の形成順序を逆にし、バックコート
層の形成後にのみ60℃、16時間の熱処理を施した他
は、(実施例1)と全く同様にしてビデオテープ試料
(250m長)を作成した。
【0041】(比較例8)(実施例1)の芳香族ポリア
ミドフィルムを6.0μm厚のものに変えた他は、(実
施例1)と全く同様にして250m長のビデオテープ試
料(全厚=9.1μm)を作成した。
【0042】(比較例9)(実施例1)において、熱処
理条件を、30℃、60時間とした他は、(実施例1)
と全く同様にしてビデオテープ試料(250m長)を作
成した。
【0043】(比較例10)(実施例1)において、熱
処理条件を、90℃、6時間とした他は、(実施例1)
と全く同様にしてビデオテープ試料(250m長)を作
成した。
【0044】以上の各実施例および比較例で得られた種
々のビデオテープ試料について、それぞれ以下に示す評
価試験を行った。 (1) 弾性率(kg/m2 ) 塗膜(磁性層、バックコート層)、ベースフィルムの弾
性率は、オリエンテック社製万能引っ張り圧縮試験機を
用いて測定した。なお、磁性層、バックコート層の弾性
率は、ベースフィルムに磁性層またはバックコート層が
付与された試料テープのヤング率とベースフィルムだけ
のヤング率をそれぞれ測定し、両測定値から(数1)、
(数2)にしたがってそれぞれの値を算出した。
【0045】
【数1】
【0046】
【数2】
【0047】(2) カール性 カール性は、各試料テープ幅方向のカール性を測定した
もので、磁性層を内側にしたカールについては+で示
し、バックコート層を内側にしたカールについては−で
示した。カールの大きさについては、(図1)に高さh
(mm)で示した。 (3) C/N(dB) 各試料テープをカセットハーフに巻き込んで7MHzの
信号と5MHzのノイズの比(C/N)をS−VHS用
VTRを用いて測定した。表中の値は、基準テープの測
定値との相対比較値として示した。 (4) テープの走行耐久性 各試料テープを40℃、80%RHの環境下でそれぞれ
100回走行させた後の各試料テープの巻姿、テープの
形状変化(折れ、片伸び等)を目視観察し、〇(変化無
し〜ほぼ変化無し)、△(変化わずかに有り;実用上差
し支え無し)、×(変化有り〜顕著な変化有り;実用上
問題有り)の3段階の評価をした。
【0048】各試料テープの評価結果を(表1)に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】(表1)から明らかなように、本発明によ
れば電磁変換特性と走行耐久性の双方を満足し得るテー
プ状磁気記録録媒体が得られることがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、テープ状磁気記録
録媒体の非磁性支持体に剛性、耐熱性に優れた芳香族ポ
リアミドを用い、その表裏面にそれぞれ形成されるバッ
クコート層と磁性層の弾性率の比を限定するとともに、
磁性層、バックコート層がともに形成された状態で加熱
処理を施すことにより、テープ全体の剛性向上とととも
に、テープ幅方向のカール抑制が図れることから、テー
プ全厚の薄手化にもかかわらず、電磁変換特性と走行耐
久性の双方を満足し得るテープ状磁気記録録媒体を提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例で得られたビデオ
テープ試料の幅方向のカールの例とその大きさを示す値
hの測定場所を示した概略図である。
【符号の説明】
1 バックコート層 2 非磁性支持体 3 磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榑松 道男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−39132(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面に強磁性粉末と
    結合材を主成分とする磁性層が、他の一方の面に非磁性
    無機質粉末と結合材を主成分とするバックコート層がそ
    れぞれ形成されたテープ状磁気記録録媒体の製造方法で
    あって、前記非磁性支持体が芳香族ポリアミドであり、
    前記バックコート層の弾性率と前記磁性層の弾性率との
    比が、0.4〜0.7であり、且つ、前記バックコート
    層、前記磁性層がそれぞれ形成された状態で加熱処理を
    施したことを特徴とするテープ状磁気記録媒体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 全厚が10〜13μm厚である請求項1
    記載のテープ状磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 加熱処理が40℃〜80℃の温度で8〜
    48時間保持する工程よりなる請求項1記載のテープ状
    磁気記録媒体の製造方法。
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