JP2506587Y2 - ピンチロ―ラ圧着機構 - Google Patents

ピンチロ―ラ圧着機構

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JP2506587Y2
JP2506587Y2 JP849290U JP849290U JP2506587Y2 JP 2506587 Y2 JP2506587 Y2 JP 2506587Y2 JP 849290 U JP849290 U JP 849290U JP 849290 U JP849290 U JP 849290U JP 2506587 Y2 JP2506587 Y2 JP 2506587Y2
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純 石川
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【考案の詳細な説明】 本考案ピンチローラ圧着機構を以下の項目に従って詳
細に説明する。
A.産業上の利用分野 B.考案の概要 C.従来技術[第21図] D.考案が解決しようとする課題[第21図] E.課題を解決するための手段 F.実施例[第1図乃至第20図] a.キャプスタン、リール台[第1図、第2図、第4図、
第8図乃至第14図、第18図乃至第20図] b.駆動系[第1図、第2図、第4図、第5図、第9図、
第15図、第17図] c.ヘッドベース[第1図、第3図、第7図、第8図、第
10図、第11図、第14図、第16図] d.ロックレバー、ストップレバー[第1図、第2図、第
4図、第8図、第10図乃至第13図、第16図、第20図] e.ピンチローラ圧着機構[第1図、第3図、第7図、第
8図、第10図、第11図、第14図、第16図] e−1.ピンチローラレバー[第1図、第3図、第7図、
第8図、第10図、第11図、第14図、第16図] e−2.トグルバネ、切替レバー[第1図、第3図、第7
図、第8図、第10図、第11図、第14図] e−3.ピンチローラの圧着及びその解除[第10図、第11
図、第14図] e−4.テープの走行、圧着の切替[第10図、第11図] f.ディレクションレバー[第1図、第2図、第4図、第
8図、第10図乃至第14図、第16図、第18図乃至第20図] g.早送レバー、巻戻レバー[第1図、第2図、第4図、
第8図、第12図、第13図、第15図] h.リール台駆動機構[第1図、第2図、第4図、第6
図、第8図乃至第13図、第15図、第17図乃至第19図] h−1.揺動レバー[第1図、第2図、第4図、第6図、
第8図乃至第13図、第15図、第18図、第19図] h−2.ギヤ比切換ギヤ[第1図、第2図、第4図、第6
図、第8図乃至第13図、第15図、第17図乃至第19図] h−2−a.構造 h−2−b.リール台の回転、ギヤ比の切換 h−3.揺動レバーの移動[第1図、第10図、第11図] i.モードの形成[第10図乃至第13図、第15図] i−1.プレイモード[第10図、第11図] i−2.高速走行モード[第12図、第13図、第15図] j.オートリバース機構[第1図、第2図、第4図、第6
図、第8図乃至第11図、第16図乃至第20図] j−1.回動レバー[第1図、第2図、第4図、第10図、
第11図、第16図乃至第20図] j−2.テープエンド検出手段[第1図、第2図、第4
図、第6図、第8図乃至第11図、第16図乃至第19図] j−2−a.構造 j−2−b.作用 j−3.テープ走行方向の自動切替[第18図、第19図] j−3−a.ノーマルプレイモードからリバースプレイモ
ードへの切替[第18図] j−3−b.リバースプレイモードからノーマルプレイモ
ードへの切替[第19図] k.シャットオフ[第1図、第2図、第4図、第20図] G.考案の効果 (A.産業上の利用分野) 本考案は新規なピンチローラ圧着機構に関する。詳し
くは、テープが一の方向へ走行する状態での記録や再生
を行なうノーマルプレイモード用のキャプスタンに圧着
される一のピンチローラとテープが上記方向と反対の方
向へ走行する状態での記録や再生を行なうリバースプレ
イモード用のキャプスタンに圧着される他のピンチロー
ラとを備えたピンチローラ圧着機構に関するものであ
り、ピンチローラを支持するピンチローラレバーとピン
チローラ圧着用の弾発手段を工夫することにより、所定
の機能を損なうこと無く部品点数を大幅に削減すること
ができるようにした新規なピンチローラ圧着機構を提供
しようとするものである。
(B.考案の概要) 本考案ピンチローラ圧着機構は、1つのピンチローラ
レバーを磁気ヘッドを支持したヘッドベースにその移動
方向と直交する方向へ摺動自在に支持すると共に該ピン
チローラレバーの移動方向における中央を挟んだ位置に
2つのピンチローラを支持し、かつ、上記ヘッドベース
とピンチローラレバーとの間にピンチローラレバーがそ
の移動範囲における中間の位置に来たところを境として
ピンチローラレバーに互いに反対の方向への移動力を付
勢するトグルバネを設け、ヘッドベースが磁気テープに
対して前進するとそのときのピンチローラレバーの位置
に応じた方のピンチローラが当該キャプスタンに対しピ
ンチローラレバーをトグルバネの弾発力に抗する方向へ
移動させながら当接されるようにし、それにより、1つ
のピンチローラレバー及びトグルバネだけで2つのピン
チローラを2つのキャプスタンに選択的に圧着させるこ
とができるようにしたものである。
(C.従来技術)[第21図] テーププレーヤ等にあっては、テープに対する記録や
再生を行なうとき、定速で回転するキャプスタンと該キ
ャプスタンにテープを挟んで圧着されたピンチローラと
によってテープを定速で走行させるようにしており、こ
のため、ピンチローラ圧着機構には、通常、ピンチロー
ラをキャプスタンに対して圧着させるための弾発手段が
設けられている。
そして、所謂リバース機能付のテーププレーヤ等にお
いては、テープ走行経路のうち磁気ヘッドを挟んで互い
に反対の2つの位置にそれぞれキャプスタン及びピンチ
ローラを配置し、それら2つの回転方向を互いに反対に
し、テープを一の方向(以下、「ノーマル方向」と言
う。)に走行させるときは一方のキャプスタンとピンチ
ローラとによりテープが走行され、テープを上記ノーマ
ル方向と反対のリバース方向へ走行させるときは他方の
キャプスタンとピンチローラとによりテープが走行され
るようになっている。
第21図はそのようなリバース機能付のテーププレーヤ
における従来のピンチローラ圧着機構の一例aを示すも
のである。
同図において、b、b′はキャプスタンであり、その
一方bがノーマルプレイモード用のキャプスタン(以
下、「N側キャプスタン」と言う。)、他方b′がリバ
ースプレイモード用のキャプスタン(以下、「R側キャ
プスタン」と言う。)である。
cはノーマルプレイモード用のピンチローラd(以
下、「N側ピンチローラ」と言う。)を支持したピンチ
ローラレバー(以下、「N側ピンチローラレバー」と言
う。)、c′はリバースプレイモード用のピンチローラ
d′(以下、「R側ピンチローラ」と言う。)を支持し
たピンチローラレバー(以下、「R側ピンチローラレバ
ー」と言う。)であり、その基端部がシャーシに回動自
在に支持され、中間部分にピンチローラd、d′が回転
自在に支持され、回動端部にバネ当部e、e′が形成さ
れている。f、f′はピンチローラ圧着用のバネであ
り、鋏形バネ状をし、そのコイル部がピンチローラレバ
ーc、c′の基端部に支持され、その一方の腕g、g′
がピンチローラレバーc、c′の前側面、即ち、反キャ
プスタンb、b′側の側面に弾接され、他方の腕h、
h′の先端部寄りの部分がバネ当部e、e′に後方から
弾接されている。
iは前後方向へ摺動自在な図示しないヘッドベースに
支持された磁気ヘッドである。
ストップモードにおいて、ピンチローラレバーc、
c′は、第21図(A)に示すように、ピンチローラd、
d′がキャプスタンb、b′から前方へ稍離間した位置
に保持されており、プレイモードが形成されるときは、
同図(B)に示すように、N側ピンチローラレバーcが
時計回り方向へ回動され、又はR側ピンチローラレバー
c′が反時計回り方向へ回動され(同図(B)及び
(C)には両方のピンチローラレバーc、c′がいずれ
も回動された状態で示してある。)、それによりN側ピ
ンチローラdがN側キャプスタンbに、又はR側ピンチ
ローラd′がR側キャプスタンb′に磁気テープjを挟
んで当接される。そして、このようなピンチローラレバ
ーc、c′の回動は、例えば、テープ走行方向を切り替
るための図示しないディレクションレバーがそのとき選
択されたプレイモードの種類に応じてバネfの他方の腕
hの先端部又はバネf′の他方の腕h′の先端部を後方
へ向って押圧することにより為され、そして、該押圧
は、ピンチローラd、d′がキャプスタンb、b′に当
接した直後まで行なわれる。それにより、同図(C)に
示すように、バネf、f′の他方の腕h、h′がバネ当
部e、e′から離間するので、バネf、f′の弾発力は
その一方の腕g、g′がピンチローラレバーc、c′を
前記それぞれの方向へ回動させる力として作用し、その
力によりピンチローラd、d′がキャプスタンb、b′
に圧着される。
(D.考案が解決しようとする課題)[第21図] このようなピンチローラ圧着機構aによると、2つの
ピンチローラレバーc、c′が、また、2つのピンチロ
ーラ圧着用のバネf、f′がそれぞれ必要になるため、
部品点数及び組立工数が多くなるという問題があり、し
かも、ピンチローラレバーcもしくはc′を選択的に回
動させるためのディレクションレバーとしては、上記2
つのピンチローラレバーc、c′を回動させるものであ
る必要があるため複雑な構造あるいは形状のものとなる
等の問題がある。
(E.課題を解決するための手段) そこで、本考案ピンチローラ圧着機構は、上記課題を
解決するために、1つのピンチローラレバーを磁気ヘッ
ドを支持したヘッドベースに該ヘッドベースの移動方向
と直交する方向で摺動自在に支持すると共に、2つのピ
ンチローラを上記ピンチローラレバーの移動方向におけ
る中央を挟んだ位置に各別に支持し、上記ピンチローラ
レバーの位置をその一方のピンチローラがノーマルプレ
イモード用キャプスタンと対向したノーマル位置もしく
は他方のピンチローラがリバースプレイモード用キャプ
スタンと対向したリバース位置に選択的に切り替える切
替手段を設け、更に、ピンチローラレバーとヘッドベー
スとの間にピンチローラレバーがその移動範囲における
中間の位置に来たところを境として該ピンチローラレバ
ーに互いに反対の2つの方向への移動力を付勢するトグ
ルバネを設け、ヘッドベースが磁気テープに対して前進
すると、そのときのピンチローラレバーの位置に応じた
方のピンチローラが当該キャプスタンに対してピンチロ
ーラレバーをトグルバネの弾発力に抗する方向へ稍移動
させながら当接されるようにしたものである。
従って、本考案ピンチローラ圧着機構にあっては、ヘ
ッドベースが前進していない間はピンチローラレバーが
トグルバネの弾発力によりノーマル位置又はリバース位
置に保持され、また、プレイモードを形成するためにヘ
ッドベースが前進したときはそのときのピンチローラレ
バーの位置、即ち、選択されているプレイモードの種類
に応じた方のピンチローラが当該キャプスタンに対して
トグルバネの弾発力により圧着されることになる。即
ち、1つのトグルバネが、ストップモードにおいてはピ
ンチローラレバーを2つの位置に保持しておくための弾
発手段として機能し、プレイモードにおいては2つのピ
ンチローラの対応したキャプスタンに対する選択的な圧
着用の弾発手段として機能する。
しかして、本考案ピンチローラ圧着機構によれば、そ
れぞれ1つのピンチローラレバーとトグルバネだけで2
つのピンチローラを2つのそれぞれに対応したキャプス
タンに選択的に圧着させることができると共に、ピンチ
ローラレバーの前進はヘッドベースの前進に伴なって為
されるのでピンチローラレバーを前進させるための特別
な手段が不要になり、従って、従来のピンチローラ圧着
機構と較べて部品点数や組立工数を大幅に削減すること
ができ、その上、ピンチローラレバーを所定の位置に保
持しておくためのバネがピンチローラ圧着用のバネでも
あるので、ピンチローラのキャプスタンに対する圧着力
を加減する際に他の部材に対する影響を考慮する必要が
無く、このため、設計や調整を極めて容易に行なうこと
ができる。
(F.実施例)[第1図乃至第20図] 以下に、本考案ピンチローラ圧着機構の詳細を図示し
た実施例に従って説明する。
尚、図示した実施例は、本考案をテーププレーヤのピ
ンチローラ圧着機構に適用したものである。
(a.キャプスタン、リール台)[第1図、第2図、第4
図、第8図乃至第14図、第18図乃至第20図] 1はテーププレーヤ(図面では機構部のみを示してあ
る。)である。
2は合成樹脂製のメカシャーシであり、該メカシャー
シ2は後述する各種の回転部材や回動部材あるいは摺動
部材等を支持するための支持軸や台座部、保持部あるい
は移動方向案内用の軸等が一体に形成されて成る。尚、
図面にはそれら支持軸等については一部のみを示してあ
る。
3、3は支持スリーブであり、メカシャーシ2の前端
(第1図における下側へ向う方向を前方とし、上側へ向
う方向を後方とする。また、同図における左側へ向う方
向を左方とし、右側へ向う方向を右方とする。以下の説
明において向きを示すときはこの方向によるものとす
る。)寄りの左右方向に離間した位置を高さ方向へ貫通
するように形成されており、これら支持スリーブ3、3
にキャプスタン4、4′の中間部分が回転自在に支持さ
れている。
5、5′はリール台であり、メカシャーシ2の後端部
の左右両端から上方へ突出された支持軸6、6に回転自
在に支持され、その下端部を為すリール台ギヤ7、7′
と該リール台ギヤ7、7′の中心部から突出したリール
係合軸8、8′等が一体に形成されて成り、左側のリー
ル台5′(以下、「R側リール台」と言う。)のリール
台ギヤ7′は右側のリール台5(以下、「N側リール
台」と言う。)のリール台ギヤ7より稍低い位置にあ
り、かつ、該リール台ギヤ7より厚く形成されている。
9はメカシャーシ2に回転自在に支持された方向変換
ギヤであり、比較的小径で、かつ、厚く、その上端部が
N側リール台5のギヤ7に左後方から噛合されている。
(b.駆動系)[第1図、第2図、第4図、第5図、第9
図、第15図、第17図] 10はモータであり、その回転軸10aの下端部に駆動プ
ーリ11が固定されている。
12及び12′はフライホールであり、その外周面にベル
ト巻付溝が形成されると共に、その中心部にキャプスタ
ン4、4′の下端部が固定され、また、右側のフライホ
ィール12の上面の中心部には小径なギヤ部12aが一体に
形成されている。
13は無端ベルトであり、上記駆動プーリ11とフライホ
ィール12、12′に架け渡されており、従って、モータ10
が回転するとフライホィール12、12′がキャプスタン
4、4′と共に回転される。
尚、ベルト13はフライホィール12と12′が互いに反対
の方向へ回転するように架け渡され、また、モータ10は
右側のフライホィール12を上方から見て反時計回り方向
へ回転をせる方向へ回転される。
しかして、モータ10が回転すると、右側のキャプスタ
ン4(以下、「N側キャプスタン」と言う。)が上方か
ら見て反時計回り方向へ、左側のキャプスタン4′(以
下、「R側キャプスタン」と言う。)が上方から見て時
計回り方向へそれぞれ回転される。
14は後述するギヤ比切替ギヤを回転させるためのカム
ギヤであり、大小2つのギヤ等から成る。15は大ギヤで
あり、該大ギヤ15にはその中心部を軸方向へ貫通した円
筒状のボス16が一体に形成され、該ボス16の上端部16a
はその余の部分より大径に形成されている。17は比較的
厚手の小ギヤであり、大ギヤ15の直径の略半分の直径を
有し、その中心部に挿通孔17aが、また、上面に凹部17b
が形成されており、上記挿通孔17aに大ギヤ15のボス16
の上半部が回転自在に挿通されている。そして、大ギヤ
15の上面と小ギヤ17の下面との間にフェルト等摩擦係数
の高い材料から成る摩擦板18が介挿されると共に、小ギ
ヤ17の凹部17bの内底面とボス16の上端部16aの下面との
間にコイルバネ19が縮設され、それにより、大ギヤ15と
小ギヤ17とが摩擦板18を挟んで軸方向で互いに圧接され
ている。
20はメカシャーシ2の下面のうちN側キャプスタン4
から左後方へ稍離間した位置に垂設された支持軸であ
り、その上端部20aから下方の部分がカムギヤ14のボス1
6に挿通され、それにより、カムギヤ14がメカシャーシ
2の下面側において回転自在に支持され、また、その大
ギヤ15がフライホィール12のギヤ部12aと噛合されてい
る。
従って、モータ10が回転すると、大ギヤ15が上方から
見て時計回り方向へ回転され、小ギヤ17は回転を阻止さ
れない限り大ギヤ15と一体的に回転される。
尚、大ギヤ15の下面には所要のカム部が形成されてい
る。このカム部については後述する。
(c.ヘッドベース)[第1図、第3図、第7図、第8
図、第10図、第11図、第14図、第16図] 21は磁気ヘッド22を支持したヘッドベースである。
23はヘッドベース21の主部であり、左右方向に長い前
部23aと該前部23aから後方へ突出した後部23bと前部23a
の左右方向における略中間の部分から前方へ突出した押
釦取付部23cとから成り、前部23aにはその左右両端寄り
の位置からガイドピン24、24が立設されると共に左右方
向における中央に左右に離間してヘッド支持ピン25、25
が立設され、また、押釦取付部23cの上面の中央部前端
からバネ掛ピン26が立設され、更に、後部23bの前部に
前後方向に長いバネ配置孔27が形成されている。
28は上記ヘッド支持ピン25、25に取着されたヘッドホ
ルダーであり、該ヘッドホルダー28に磁気ヘッド22が保
持されている。
29は押釦であり、後方に向って開口した中空状に形成
され、その中空内に上記押釦取付部23c及びバネ掛ピン2
6が位置するように押釦取付部23cに取着されている。
30は前部23aの略中央部から下方へ向けて突設された
被ロックピンである。
このようなヘッドベース21はメカシャーシ2の上面に
前後方向へ一定の範囲内で移動自在なるように支持さ
れ、また、メカシャーシ2に形成されたバネ当部31(第
1図参照)がバネ配置孔27内に位置され、該バネ当部31
とバネ配置孔27の前端との間にコイルバネ32が縮設され
ており、該コイルバネ32の弾発力によってヘッドベース
21に前方への移動力が付勢される。
そして、ヘッドベース21は、後方へ向って押圧されて
いない状態では第1図に示すストップ位置、即ち、磁気
ヘッド22がテーププレーヤ1に装着された図示しないテ
ープカセットの前面に沿って架け渡されている磁気テー
プ33より稍前方へ離間しているストップ位置に保持さ
れ、また、記録や再生を行なうプレイモードが形成され
るときは第10図及び第11図に示すプレイ位置、即ち、磁
気ヘッド22のテープ接触面22aが磁気テープ33に接触す
る位置へと移動される。
(d.ロックレバー、ストップレバー)[第1図、第2
図、第4図、第8図、第10図乃至第13図、第16図、第20
図] 34はロックレバーであり、該ロックレバー34は上記ヘ
ッドベース21及び後述する早送レバーや巻戻レバーをこ
れらが押し込まれた位置に保持するためのものである。
該ロックレバー34は左右方向に長い板状をしていて、
メカシャーシ2の前端部下面に一定の範囲内で左右方向
へ移動自在なるように支持されると共に、図示しない弾
発手段によって右方への移動力を付勢され、その右端面
34aは後方へ行くに従って右方へ変位するように傾斜し
た被押圧面にされている。
35、36及び37はロックレバー34に形成された略前後方
向に長い孔であり、ロックレバー34のち左右方向におけ
る略中央部とその左右両脇の位置に形成されており、こ
れら孔35、36、37の左側面からロック爪38、38、38が突
設され、該ロック爪38、38、38の後面38a、38a、38aは
左右方向に延びるロック面とされ、また、該ロック面38
a、38a、38aの右端に続く面38b、38b、38bはその大部分
が前方へ行くに従って左方へ変位するように傾斜した被
押圧面とされている。
39はプレイモード等の動作モードを解除してストップ
モードにするときに操作するストップレバーであり、メ
カシャーシ2の前端部下面の右端に前後方向へ一定の範
囲内で摺動自在なるように支持されると共に、図示しな
い弾発手段によって前方への移動力を付勢されている。
そして、該ストップレバー39の左側面はクランク状に屈
曲されており、その中間の後方を向いた縁の左端部39a
が押圧部になっており、ロックレバー34がロック位置に
来ている状態で、第2図に示すように、上記押圧部39a
がロックレバー34の被押圧面34aの前端部に近接対向さ
れている。
ヘッドベース21に形成された被ロックピン30はメカシ
ャーシ2に形成された図示しない孔を通してメカシャー
シ2より下方へ突出され、その下端部はロックレバー34
に形成された3つの孔35、36、37のうち中央のもの36内
に位置されている。
そして、ヘッドベース21がストップ位置に来ていると
きはその被ロックピン30がロック爪38の被押圧面38bの
前端部と近接対向しており、この状態からヘッドベース
21が後方へ移動すると、被ロックピン30が被押圧面38b
を押圧してロックレバー34を左方へ、即ち、ロック解除
方向へ移動させ、ヘッドベース21がプレイ位置に到達す
るのと略同時に被ロックピン30が被押圧面38bから後方
へ外れ、それにより、ロックレバー34がこれに付勢され
た移動力によってロック位置に戻ってロック爪38のロッ
ク面38aが被ロックピン30の前方に位置する(第10図、
第11図参照)。これにより、ヘッドベース21に対する押
圧力を解除してもヘッドベース21がプレイ位置に保持さ
れることになる。
また、ヘッドベース21がプレイ位置に保持されている
状態からストップレバー39を押し込むと、その押圧部39
aがロックレバー34の被押圧面34aを押圧してロックレバ
ー34をロック解除方向へ移動させるので、ロック面38a
が被ロックピン30から左方へ逃げ、それにより、ヘッド
ベース21がコイルバネ32の弾発力によってストップ位置
へと戻されることになる。
(e.ピンチローラ圧着機構)[第1図、第3図、第7
図、第8図、第10図、第11図、第14図、第16図] 40はピンチローラ圧着機構であり、上記ヘッドベース
21と、該ヘッドベース21に支持された1つのピンチロー
ラレバーと、該ピンチローラレバーに支持された2つの
ピンチローラと、ピンチローラレバーのクリックロック
及びピンチローラのキャプスタン4、4′に対する圧着
を行なうための1つのトグルバネと、ピンチローラレバ
ーの位置を切替えるための切替レバー等から成る。
(e−1.ピンチローラレバー)[第1図、第3図、第7
図、第8図、第10図、第11図、第14図、第16図] 41はピンチローラ42、42′を支持したピンチローラレ
バーである。43はピンチローラレバー41の主部であり、
左右方向に長く、その後側面の中央部に上方から見て前
方に向って開口した略コ字状を為すヘッド配置凹部44が
形成され、該ヘッド配置凹部44と左右両端との間の部分
に左右方向に長い被案内長孔45、45が形成され、また、
左端部の底面はその余の部分の底面より高い位置にある
ように形成され、その左端部の底面に前後方向に延びる
係合溝46が形成されている。そして、主部43の後側面の
右端部と左端部寄りの位置に水平断面が略半円状をした
ピンチローラ配置凹部47、47(第1図参照)が形成され
ると共に、これらピンチローラ配置凹部47、47の上下両
壁部の間に支持軸48、48が支持されており、該支持軸4
8、48に2つのピンチローラ42、42′が回転自在に支持
されている。
49は主部43の前側面の中央部下端から前方へ向けて突
設された突片であり、該突片49の前端部にバネ掛ピン49
aが立設されている。
50は主部43の後側面の左右方向における略中央部の下
端部から後方へ向って突設された突片であり、該突片50
には制御孔51が形成されている。該制御孔51はその後部
51a(以下、「非規制部」と言う。)の左右方向の長さ
が前部51b(以下、「規制部」と言う。)の左右方向の
長さより数倍長く、かつ、規制部51bは非規制部51aの略
中央部と対応したところにあり、非規制部51aと規制部5
1bの両端間を結んでいる側縁51c、51dは前後方向に対し
て略45°傾斜した押圧縁とされている。
そして、このようなピンチローラレバー41はヘッドベ
ース21の前部23aの上面に載置されると共にその被案内
長孔45、45にヘッドベース21のガイドピン24、24が摺動
自在に係合され、かつ、ヘッドベース21に設けられた図
示しない保持部によって前部23aに載置された状態が保
持されている。
しかして、ピンチローラレバー41は左右方向、即ち、
ヘッドベース21の移動方向と直交する方向へ一定の範囲
内で移動自在に支持され、ヘッドベース21がストップ位
置に来ている状態にあってはピンチローラ42、42′がキ
ャプスタン4、4′から前方へ離間されており、そし
て、ピンチローラレバー41が移動範囲における左端の位
置、即ち、第1図に示すノーマル位置に来ると右側のピ
ンチローラ42(以下、「N側ピンチローラ」と言う。)
がN側キャプスタン4に前方稍斜め右側から対向され、
また、移動範囲における右端の位置、即ち、リバース位
置に来ると左側のピンチローラ42′(以下、「R側ピン
チローラ」と言う。)がR側キャプスタン4′に前方稍
斜め左側から対向される。
また、ヘッドベース21が移動すると、それと一体的に
ピンチローラレバー41も前後方向へ移動される。
尚、ピンチローラレバー41がヘッドベース21に支持さ
れると、その前側の突片49がヘッドベース21の押釦取付
部23cの後端部上面に近接するように位置され、ピンチ
ローラレバー41がその移動範囲における中間の位置に来
た状態ではそのバネ掛ピン49aがヘッドベース21のバネ
掛ピン26に真後ろから対向するように位置される。
また、前記ヘッドホルダー28はピンチローラレバー41
のヘッド配置凹部44内に位置される。
(e−2.トグルバネ、切替レバー)[第1図、第3図、
第7図、第8図、第10図、第11図、第14図] 52は鋏形バネ状をしたトグルバネであり、そのコイル
部から延びた一方の腕52aの先端部がピンチローラレバ
ー41のバネ掛ピン49aに係着され、他方の腕52bの先端部
がヘッドベース21のバネ掛ピン26に係着されている。
従って、ピンチローラレバー41がその移動範囲におけ
る中間の位置に来ている状態ではトグルバネ52の2つの
腕52aと52bの各先端部が前後方向で並ぶように位置する
ので、この状態ではトグルバネ52がバネ掛ピン49aを押
圧する力の方向が真後ろの方向になるためピンチローラ
レバー41に左右方向への移動力が付勢されることは無い
が、ピンチローラレバー41が上記中間の位置より左側に
来るとトグルバネ52がバネ掛ピン49aを押圧する力の方
向が左方への成分を含むためピンチローラレバー41にノ
ーマル位置側への移動力が付勢され、また、ピンチロー
ラレバー41が上記中間の位置より右側に来るとトグルバ
ネ52がバネ掛ピン49aを押圧する力の方向が右方への成
分を含むためピンチローラレバー41にリバース位置側へ
の移動力が付勢されることになる。
しかして、このトグルバネ52の弾発力によって、ピン
チローラレバー41にノーマル位置とリバース位置におけ
るクリックロックがかけられることになる。
53はピンチローラレバー41をノーマル位置又はリバー
ス位置へ手動操作により選択的に移動させるための切替
レバーであり、ボス部53aと該ボス部53aから略後方へ向
って延びた腕53bと該腕53bの先端部に立設された押圧ピ
ン53cとボス部53aから略前方へ向って延びたツマミ部53
dとが一体に形成されて成り、ボス部53aがメカシャーシ
2の上面の前端部の左端寄りの位置に回動自在に支持さ
れ、押圧ピン53cの上部がピンチローラレバー41に形成
された係合溝46に摺動自在に係合されている。
従って、ピンチローラレバー41がノーマル位置に来て
いる状態から切替えレバー53を上方から見て時計回り方
向へ回動するとその押圧ピン53cがピンチローラレバー4
1の係合溝46の右側面を略右方へ向けて押圧するのでピ
ンチローラレバー41がリバース位置へと移動され、ま
た、ピンチローラレバー41がリバース位置にある状態か
ら切替レバー53を反時計回り方向へ回動するとその押圧
ピン53cが係合溝46の左側面を略左方へ向けて押圧する
のでピンチローラレバー41がノーマル位置へと移動され
る。
尚、プレイモードにおいて、ピンチローラレバー41は
後述するディレクションレバーと一体的にに移動するよ
うに係合され、ディレクションレバーが後述するオート
リバース機構によって移動したときはそれによってピン
チローラレバー41が移動される。
(e−3.ピンチローラの圧着及びその解除)[第10図、
第11図、第14図] ピンチローラ42、42′のキャプスタン4、4′に対す
る圧着は次のように行なわれる。
ピンチローラレバー41がノーマル位置に来ている状態
からヘッドベース21が後方へ移動してプレイ位置より少
し手前のところまで来ると、第14図(A)に示すよう
に、N側ピンチローラ42がN側キャプスタン4に前方稍
斜め右側から当接され、この状態からはピンチローラ42
が後方へ真っ直ぐ移動するのを阻止される。従って、こ
の状態からヘッドベース21がプレイ位置に到達する迄の
間は、ピンチローラ42がキャプスタン4の外周面上を上
方から見て反時計回り方向へ転がるように移動せしめら
れ、ピンチローラ42のこのような移動によってピンチロ
ーラレバー41がトグルバネ52による左方への移動力に抗
して、第10図に示すように、ヘッドベース21に対しそれ
までの位置から稍右方へ移動される。尚、ピンチローラ
レバー41がこのように移動してもその移動量はほんの少
しであるため、ピンチローラ41が前記中間の位置を右方
へ越えることは無く、従って、トグルバネ52の弾発力が
ピンチローラレバー41を左方へ向けて付勢している状態
は維持される。
しかして、ピンチローラレバー41がノーマル位置に来
ている状態からヘッドベース21がプレイ位置へと移動す
ると、トグルバネ52によってピンチローラレバー41に付
勢されている左方への移動力はN側ピンチローラ42をN
側キャプスタン4に圧着する力として作用する。
また、ピンチローラレバー41がリバース位置に来てい
る状態からヘッドベース21が後方へ移動してプレイ位置
より少し手前のところまで来ると、第14図(B)に示す
ように、R側ピンチローラ42′がR側キャプスタン4′
に前方稍斜め左側から当接され、この状態からは該ピン
チローラ42′が後方へ真っ直ぐ移動するのを阻止され
る。従って、この状態からヘッドベース21がプレイ位置
に到達する迄の間は、ピンチローラ42′がキャプスタン
4′の外周面上を上方から見て時計回り方向へ転がるよ
うに移動せしめられ、ピンチローラ42′のこのような移
動によってピンチローラレバー41がトグルバネ52によっ
て付勢されている右方への移動力に抗して、第11図に示
すように、ヘッドベース21に対し、それまでの位置から
稍左方へ移動される。この移動もほんの少しであるた
め、ピンチローラレバー41が中間の位置を左方へ越える
ことは無く、従って、ピンチローラレバー41には依然右
方への移動力が加えられている。
しかして、ピンチローラレバー41がリバース位置に来
ている状態からヘッドベース21がプレイ位置へと移動す
ると、トグルバネ52によってピンチローラレバー41に付
勢されている右方への移動力はR側ピンチローラ42′を
R側キャプスタン4′に圧着する力として作用する。
即ち、1つのトグルバネ52がピンチローラレバー41に
ノーマル位置とリバース位置においてクリックロックを
かけるための弾発手段と2つのピンチローラ42、42′を
キャプスタン4、4′に選択的に圧着させるための弾発
手段とを兼ねることになる。
そして、このようなトグルバネ52はヘッドベース21に
必要的に設けられる押釦29の内部に配置されるため、ト
グルバネ52を配置するための特別なスペースを用意しな
いでも済む。
(e−4.テープの走行、圧着の切替)[第10図、第11
図] このようなピンチローラ42もしくは42′のキャプスタ
ン4、4′に対する圧着はテープカセットが装着されて
いる状態では磁気テープ33を挟んで為される。従って、
テープカセットが装着されている状態でモータ10が回転
すると、N側ピンチローラ42がN側キャプスタン4に圧
着されているときはキャプスタン4とピンチローラ42と
により磁気テープ33がノーマル方向、即ち、R側リール
台5′に係合されている図示しない一方のテープリール
から引き出されてN側リール台5に係合されている図示
しない他方のテープリールに巻き取られて行く方向へ走
行され、また、R側ピンチローラ42′がR側キャプスタ
ン4′に圧着されているときはキャプスタン4′とピン
チローラ42′とにより磁気テープ33がノーマル方向と反
対のリバース方向へ走行される。
尚、磁気テープ33がノーマル方向へ走行する状態での
記録や再生が行なわれるモードがノーマルプレイモード
であり、磁気テープ33がリバース方向へ走行する状態で
の記録や再生が行なわれる状態がリバースプレイモード
である。
そして、N側ピンチローラ42がキャプスタン4に圧着
されている状態から切替レバー53が操作されあるいは後
述するディレクションレバーが移動されてピンチローラ
レバー41が右方へ移動されると、N側ピンチローラ42が
キャプスタン4から離間されると共にピンチローラレバ
ー41が移動範囲における右端に到達する直前まで来たと
ころでR側ピンチローラ42′がキャプスタン4′に圧着
され、それにより、テープの走行方向がそれまでのノー
マル方向からリバース方向に切り換ええられる。また、
これとは反対に、R側ピンチローラ42′がキャプスタン
4に圧着されている状態から切替レバー53が操作されあ
るいは後述するディレクションレバーが移動されてピン
チローラレバー41が左方へ移動されると、R側ピンチロ
ーラ42′がキャプスタン4′から離間されると共にピン
チローラレバー41が移動範囲における左端に到達する直
前まで来たところでN側ピンチローラ42がキャプスタン
4に圧着され、それにより、テープの走行方向がそれま
でのリバース方向からノーマル方向に切り換えられる。
(f.ディレクションレバー)[第1図、第2図、第4
図、第8図、第10図乃至第14図、第16図、第18図乃至第
20図] 54はディレクションレバーである。
該ディレクションレバー54は左右方向に長い板状を
し、その左右両端部に左右方向に長い被案内長孔55、55
が形成され、これら被案内長孔55、55に前記支持スリー
ブ3、3の下部が摺動自在に係合されることによってメ
カシャーシ2の下面に左右方向へ一定の範囲内で摺動自
在なるように支持されており、前記ロックレバー34の後
側に並ぶように位置されている。
そして、ディレクションレバー54の前端面には、その
左端寄りの位置に互いに左右方向に稍離間した2つの被
押圧部56a、56bが突設され、右端寄りの位置に前端に開
口した略U字状をした係合切欠57が形成され、また、後
側面の左端寄りの位置には戻しバネ58が突設されてい
る。戻しバネ58は互いに左右方向に離間した2つの弾性
片59と60とから成り、これら2つの弾性片59と60は上方
から見て前方に向かって開いた略V字状をしており、そ
の互いに遠い方の腕59a、60aの前端部がディレクション
レバー54の後端面と連結され、他方の腕59b、60b(以
下、「当接腕」と言う。)は左右方向に稍離間し、か
つ、平行になるように位置されている。
61はディレクションレバー54の上面の略中央部から立
設された第1の被押圧突起、62はディレクションレバー
54の下面の中央部前側端から垂設された第2の被押圧突
起であり、第1の被押圧突起61の上端部はメカシャーシ
2に形成された挿通孔2a及びヘッドベース21に形成され
た長孔21aを通してピンチローラレバー41の制御孔51内
に位置されている。
尚、このようなディレクションレバー54の機能につい
ては後述する。
(g.早送レバー、巻戻レバー)[第1図、第2図、第4
図、第8図、第12図、第13図、第15図] 63及び64は磁気テープ33を高速で走行させる高速走行
モードを形成するとき操作するレバーであり、63は磁気
テープ33をノーマル方向へ高速で走行させる早送モード
を形成するための早送レバー、64は磁気テープ33をリバ
ース方向へ高速で走行させる巻戻モードを形成するため
の巻戻レバーである。
これら早送レバー63及び巻戻レバー64は前後方向に長
い板状をしており、左右に並ぶように配置され、前記デ
ィクションレバー54より低い位置でメカシャーシ2に前
後方向へ一定の範囲内で移動自在なるように支持されて
おり、トーションバネ65の弾発力により前方へ向っての
移動力を付勢されている。
そして、早送レバー63の左側端面66の前後方向におけ
る略中間の部分及び巻戻レバー64の右側端面67の前後方
向における略中間の部分には切欠66a、67aが形成され、
該切欠66a、67aの前端部66b、67bは該切欠の奥へ行くに
従って後方へ変位するように傾斜した押圧面にされてい
る。
更に、早送レバー63及び巻戻レバー64の後端面68、69
は後ろ上方を向いた斜面(以下、「ギヤ押上面」と言
う。)に形成されている。
そして、これら早送レバー63及び巻戻レバー64が第2
図に示す非押込位置に来ている状態で、この押圧面66
b、67bがディレクションレバー54の第2の被押圧突起62
の移動軌跡に前方から近接するように位置される。
70、70′は早送レバー63及び巻戻レバー64の上面の前
端寄りの位置に突設された被ロックピンであり、これら
被ロックピン70、70′の上部はロックレバー34に形成さ
れた孔35、37内に各別に位置されている。
そして、早送モードが形成されるときは早送レバー63
が第12図に示す押込位置まで押し込まれ、巻戻モードが
形成されるときは巻戻レバー64が第13図に示す押込位置
まで押し込まれ、これら押込位置へと移動された早送レ
バー63もしくは巻戻レバー64はその被ロックピン70、7
0′がロックレバー34のロック爪38、38のロック面38a、
38aと係合してロックされることによりその位置に保持
され、また、該ロックの解除はストップレバー39が押し
込まれてロックレバー34がロック解除方向へ移動される
ことにより為される。
尚、早送レバー63による早送モードの形成及び巻戻レ
バー64による巻戻モードの形成については後述する。
(h.リール台駆動機構)[第1図、第2図、第4図、第
6図、第8図乃至第13図、第15図、第17図乃至第19図] 71はリール台5、5′のいずれか一方を低速又は高速
で選択的に回転させるためのリール台駆動機構であり、
回動自在な揺動レバーと、該揺動レバーに上下方向へ変
位自在に支持されたギヤ比切換ギヤと前記ディレクショ
ンレバー54等から成る。
(h−1.揺動レバー)[第1図、第2図、第4図、第6
図、第8図乃至第13図、第15図、第18図、第19図] 72は揺動レバーである。
該揺動レバー72は、上方から見て前後方向に長い略く
の字状をしており、その屈曲部は稍厚手に形成され、該
部分に挿通孔73が形成されている。また、後端部寄りの
位置からギヤ支持軸74が垂設され、後端部下面にバネ掛
突起75が、また、前端部下面に連結突起76がそれぞれ突
設されている。更に、揺動レバー72の後端部から上面に
ストッパピン77が立設されている。
そして、上記挿通孔73に前記カムギヤ14を支持してい
る支持軸20の上端部20aが挿通され、それにより、揺動
レバー72がメカシャーシ2の下面に回動自在に支持され
る。
78はメカシャーシ2に形成された規制長孔であり、該
規制長孔78は2つのリール台5と5′との間の略中間の
位置に揺動レバー72の回動中心を中心とする円弧状に形
成され、この規制長孔78内に揺動レバー72のストッパピ
ン77が位置されている。
従って、揺動レバー72の回動範囲は、第1図に示すよ
うにストッパピン77が規制長孔78の右端に当接した位置
(以下、「ノーマル位置」と言う。)と第11図に示すよ
うにストッパピン77が規制長孔78の左端に当接した位置
(以下、「リバース位置」と言う。)との間に規制され
る。
79はメカシャーシ2の下面に突設されたバネ掛突起で
あり、該バネ掛突起79は上記回動範囲における中間の位
置に来た揺動レバー72のバネ掛突起75に最も近接する位
置に設けられ、これら2つのバネ掛突起75と79に鋏形バ
ネ状をしたトグルバネ80の2つの腕80a、80bの先端部が
各別に係着されている。
従って、このトグルバネ80の弾発力により、揺動レバ
ー72には、上記中間の位置を境として互いに反対の方向
への回動力、即ち、中間の位置より右方へ来ているとき
にノーマル位置側への回動力が、また、中間の位置より
左方に来ているときにリバース位置側への回動力が、そ
れぞれ付勢される。
尚、揺動レバー72は、ノーマルプレイモードもしくは
早送モードが形成されるときにノーマル位置へと移動さ
れ、リバースプレイモードもしくは巻戻モードが形成さ
れるときにリバース位置へと移動される。
(h−2.ギヤ比切換ギヤ)[第1図、第2図、第4図、
第6図、第8図乃至第13図、第15図、第17図乃至第19
図] 81はギヤ比切換ギヤであり、大小2つのギヤを備える
と共に軸方向へ変位し得るようにされており、この1つ
のギヤ比切換ギヤ81によって前記2つのリール台5及び
5′が当該動作モードの種類に応じた速度で回転される
ようになっている。
(h−2−a.構造) 82は大ギヤであり、カムギヤ14の小ギヤ17の直径の2
倍近い直径を有するギヤ部83とその中心部から下方へ突
出した円筒状をしたボス部84とが一体に形成されて成
り、該ボス部84の基端部、即ち、ギヤ部83に連続する部
分84aはその余の部分より稍大径にされ、また、ギヤ部8
3の上面には大きな凹部83aが形成され、該凹部83aの底
面にボス部84と同軸な環状の溝83b(第9図参照)が形
成されている。
85は小ギヤであり、大ギヤ82の直径の略半分の直径を
有し、その中心部に形成された圧入孔85aに大ギヤ82の
ボス部84の下端部が圧入されている。従って、これら大
ギヤ82と小ギヤ85とは一体的に回転する。
尚、小ギヤ85の上面には円形をした凹部85bが形成さ
れている。
そして、大ギヤ82のボス部84の孔に揺動レバー72のギ
ヤ支持軸74が回転自在に挿通されると共に、該ギヤ支持
軸74の下端部に抜止リング86が係着され、ギヤ支持軸74
に外嵌されたコイルスプリング87が大ギヤ82の上面に形
成された環状溝83bの底面と揺動レバー72の下面との間
で縮設されている。
これにより、ギヤ比切換ギヤ81は揺動レバー72のギヤ
支持軸74に回転自在に支持されると共に、コイルスプリ
ング87の弾発力によって下方へ向けての移動力を付勢さ
れている。
尚、このようなギヤ比切換ギヤ81を支持している揺動
レバー72の回動中心はカムギヤ14の回転軸と一致してい
るので、揺動レバー72が揺動するとギヤ比切換ギヤ81は
カムギヤ14の回転軸を中心として回動される。また、ギ
ヤ比切換ギヤ81とカムギヤ14との間の上方から見た位置
関係は、ギヤ比切換ギヤ81大ギヤ82のギヤ歯のピッチ円
とカムギヤ14の小ギヤ17のギヤ歯のピッチ円とが外接
し、かつ、ギヤ比切換ギヤ81の小ギヤ85のギヤ歯のピッ
チ円とカムギヤ14の大ギヤ15のギヤ歯のピッチ円とが外
接する関係になっている。従って、ギヤ比切換ギヤ81の
ギヤ歯とカムギヤ14のギヤ歯とが同じ高さにあるときは
ギヤ比切換ギヤ81とカムギヤ14とが噛合することにな
る。
そして、ギヤ比切換ギヤ81は、上方へ向けて押圧され
ていないときは第9図に示すように、小ギヤ85の下面が
抜止リング86に当接した位置(以下、「減速位置」と言
う。)に保持され、そして、この減速位置に来ている状
態では大ギヤ82のギヤ部83がカムギヤ14の小ギヤ17と噛
合され、かつ、小ギヤ85はカムギヤ14の大ギヤ15より稍
低いところに位置している。
また、ギヤ比切換ギヤ81は前記早送レバー63もしくは
巻戻レバー64が押込位置へと押し込まれたときそれらレ
バー63、64によって押し上げられ、それにより、上記減
速位置より稍上方の第15図に示す位置(以下、「増速位
置」と言う。)へと移動され、この増速位置に来ると小
ギヤ85がカムギヤ14の大ギヤ15と噛合され、大ギヤ82の
ギヤ部83はカムギヤ14の小ギヤ17より稍高いところに位
置される。
尚、ギヤ比切換ギヤ81が減速位置に来ている状態では
大ギヤ82が前記方向変換ギヤ9及びR側リール台5′の
リール台ギヤ7′のそれぞれ下端部と対応した高さに位
置し(第8図及び第9図参照)、また、ギヤ比切換ギヤ
81が増速位置へと押し上げられた状態ではその大ギヤ82
が方向変換ギヤ9の軸方向における中間の部分及びリー
ル台ギヤ7′の上端部と対応した高さに位置される(第
15図参照)。
そして、ギヤ比切換ギヤ81の大ギヤ82は揺動レバー72
がノーマル位置に来たときに方向変換ギヤ9と噛合され
(第1図参照)、揺動レバー72がリバース位置に来たと
きにリール台ギヤ7′と噛合される(第11図参照)。
(h−2−b.リール台の回転、ギヤ比の切換) しかして、モータ10が回転すると、ギヤ比変換ギヤ81
は上方から見て反時計回り方向へ回転され、揺動レバー
72がノーマル位置に来ているときはカムギヤ14の回転が
ギヤ比切換ギヤ81及び方向変換ギヤ9を介してN側リー
ル台5に伝達されるので該リール台5が上方から見て反
時計回り方向(以下、「テープ巻取方向」と言う。)へ
回転され、揺動レバー72がリバース位置に来ているとき
はカムギヤ14の回転がギヤ比切換ギヤ81を介してR側リ
ール台5′に伝達されるので該リール台5′が上方から
見て時計回り方向(以下、「テープ巻取方向」と言
う。)へ回転される。
そして、ギヤ比切換ギヤ81が減速位置に来ている状態
ではギヤ比切換ギヤ81の大ギヤ82とカムギヤ14の小ギヤ
17とが噛合することでギヤ比切換ギヤ81のカムギヤ14に
対するギヤ比が減速比となるので、カムギヤ14の回転速
度が減速されてギヤ比切換ギヤ81に伝達され、それによ
り、リール台5もしくは5′が低速で回転される。ま
た、ギヤ比切換ギヤ81が増速位置に来ている状態ではギ
ヤ比切換ギヤ81の小ギヤ85がカムギヤ14の大ギヤ15と噛
合することでギヤ比切換ギヤ81のカムギヤ14に対するギ
ヤ比が増速比となるので、カムギヤ14の回転が増速され
てギヤ比切換ギヤ81に伝達され、それにより、リール台
5もしくは5′が高速で回転されることになる。
しかして、早送モードにおいてはN側リール台5が高
速でテープ巻取方向へ回転され、巻戻モードにおいては
R側リール台5′が高速でテープ巻取方向へ回転され、
また、ノーマルプレイモードにおいてはN側リール台5
が低速でテープ巻取方向へ回転され、リバースプレイモ
ードにおいてはR側リール台5′が低速でテープ巻取方
向へ回転され、このようなリール台5もしくは5′の選
択的回転とその回転速度の切替は1つのギヤ比切換ギヤ
81の位置を選択するだけで行なうことができる。
(h−3.揺動レバーの移動)[第1図、第10図、第11
図] 揺動レバー72の前端部に設けられた連結突起76は前記
ディレクションレバー54に形成された係合切欠57に回動
自在かつ摺動自在に係合されている。
従って、ディレクションレバー54の移動ストロークは
上記連結突起76の左右方向での移動ストロークと同じに
規制され、それにより、ディレクションレバー54の移動
範囲は揺動レバー72がノーマル位置に来たときの位置、
即ち、第1図に示すノーマル位置と揺動レバー72がリバ
ース位置に来たときの位置、即ち、第11図に示すリバー
ス位置との間に規制される。また、前記トグルバネ80に
よって揺動レバー72に付勢される回動力はディレクショ
ンレバー54にも作用し、従って、ディレクションレバー
54はその移動範囲における中間の位置より左方に来てい
るときはノーマル位置側へ向っての移動力を付勢され、
中間の位置より右方に来ているときはリバース位置側へ
向っての移動力を付勢される。
しかして、ディレクションレバー54がノーマル位置か
らリバース位置へと移動するとそれに伴なって揺動レバ
ー72がノーマル位置からリバース位置へと移動され、デ
ィレクションレバー54がリバース位置からノーマル位置
へと移動すると揺動レバー72がリバース位置からノーマ
ル位置へと移動される。
そして、前記したように、ディレクションレバー54の
第1の被押圧突起61の上端部はピンチローラレバー41の
制御孔51内に位置されている。
尚、ピンチローラレバー41の左右方向での移動ストロ
ークはディレクションレバー54の移動ストロークより稍
大きくされ、また、制御孔51の規制部51bの左右幅はデ
ィレクションレバー54の被押圧突起61の左右幅より稍大
きくされている。
更に、制御孔51は、ヘッドベース21がストップ位置に
来ている状態ではその非規制部51aが被押圧突起61の移
動軌跡上に位置し、ヘッドベース21がプレイ位置へと移
動した状態ではその規制部51bが被押圧突起61の移動軌
跡上に位置する。
そして、ヘッドベース21がストップ位置に来ている状
態で、ピンチローラレバー41とディレクションレバー54
がいずれもノーマル位置に来ている場合は被押圧突起61
が制御孔51の規制部51bのうち右寄りに偏倚した部分に
対応して位置され、ピンチローラレバー41とディレクシ
ョンレバー54がいずれもリバース位置に来ている場合は
被押圧突起61が制御孔51の規制部51bのうち左寄りに偏
倚した部分と対応して位置され、従って、このような状
態からヘッドベース21がプレイ位置へと移動したときは
被押圧突起61が相対的に制御孔51の規制部51bに位置さ
れるだけのことになるのでディレクションレバー54が移
動されることは無く、従って、揺動レバー72もそのまま
の位置に保持される。
また、ディレクションレバー54がリバース位置にあっ
てピンチローラレバー41がノーマル位置に来ている状態
では被押圧突起61に制御孔51の右側の押圧縁51cが対向
しているので、この状態からヘッドベース21がプレイ位
置へと移動すると、押圧縁51cが被押圧突起61を略左方
へ向けて押圧してディレクションレバー54をノーマル位
置へと移動させ、これにより、揺動レバー72がリバース
位置からノーマル位置へと移動される。また、これとは
逆にディレクションレバー54がノーマル位置にあってピ
ンチローラレバー41がリバース位置に来ている状態では
被押圧突起61に制御孔51の左側の押圧縁51dが対向して
いるので、この状態からヘッドベース21がプレイ位置へ
と移動すると、押圧縁51dが被押圧突起61を略右方へ向
けて押圧してディレクションレバー54をリバース位置へ
と移動させ、これにより、揺動レバー72がノーマル位置
からリバース位置へと移動される。
尚、制御孔51の押圧縁51c、51dが被押圧突起61を押圧
するときはディレクションレバー54に付勢されているト
グルバネ80による移動力に抗する負荷を受けるが、ピン
チローラレバー41をノーマル位置もしくはリバース位置
に保持しているトグルバネ52の弾発力はトグルバネ80の
弾発力より強くされているため、上記負荷によってピン
チローラレバー41が移動されてしまうことは無い。
また、このように、ヘッドベース21がプレイ位置に来
ている状態では被押圧突起61が制御孔51の規制部51b内
に位置しているので、この状態ではディレクションレバ
ー54とピンチローラレバー41とが常に一体的に移動され
る。従って、前記切替レバー53が操作されてピンチロー
ラレバー41が移動されるときは、そのときのピンチロー
ラレバー41の位置に応じて制御孔51の規制部51bの右側
縁もしくは左側縁がディレクションレバー54の被押圧突
起61を左方向もくしは右方向へと押圧することでディレ
クションレバー54を移動させ、それにより、揺動レバー
72が移動される。また、ディレクションレバー54が後述
するオートリバース機構により移動されるときは揺動レ
バー72が移動されると共にそのときの位置に応じてディ
レクションレバー54の被押圧突起61がピンチローララレ
バー41の規制部51bの右側縁もしくは左側縁を右方向へ
もしくは左方向への押圧することでピンチローラレバー
41を移動させることになる。
一方、高速走行モードが形成されるとき、揺動レバー
72の位置は、ディレクションレバー54を介して早送レバ
ー63又は巻戻レバー64に規定される。
即ち、早送レバー63及び巻戻レバー64が前記非押込位
置にある状態において、ディレクションレバー54がノー
マル位置に来ているときはその第2の被押圧突起62が巻
戻レバー64に形成された切欠67a内に位置されており
(第2図参照)、ディレクションレバー54がリバース位
置に来ているときは被押圧突起62が早送レバー63に形成
された切欠66a内に位置されている(第13図参照)。従
って、ディレクションレバー54がノーマル位置に来てい
る状態から早送レバー63が押込位置へと移動した場合は
被押圧突起62は押圧されることがないのでディレクショ
ンレバー54及び揺動レバー72はそのままの位置に保持さ
れるが、巻戻レバー64が押込位置へと移動した場合はそ
の押圧面67bが被押圧突起62を略右方へ向けて押圧する
ためディレクションレバー54がリバース位置へと移動さ
れて揺動レバー72がリバース位置へと移動され、また、
ディレクションレバー54がリバース位置に来ている状態
から巻戻レバー64が押込位置へと移動した場合は被押圧
突起62は押圧されることがないのでディレクションレバ
ー54及び揺動レバー72はそのままの位置に保持される
が、早送レバー63が押込位置へと移動した場合はその押
圧面66bが被押圧突起62を略左方へ向けて押圧するため
ディレクションレバー54がノーマル位置へと移動されて
揺動レバー72がノーマル位置へと移動される。
しかして、揺動レバー72はディレクションレバー54が
移動することによって移動され、ピンチローラレバー41
がノーマル位置にあるときは揺動レバー72がノーマル位
置に保持され、ピンチローラレバー41がリバース位置に
あるときは揺動レバー72がリバース位置に保持され、ま
た、早送レバー63が押込位置にあるときは揺動レバー72
がノーマル位置に保持され、巻戻レバー64が押込位置に
あるときは揺動レバー72がリバース位置に保持される。
(i.モードの形成)[第10図乃至第13図、第15図] (i−1.プレイモード)[第10図、第11図] 第10図に示す状態がノーマルプレイモードである。こ
の状態では、ヘッドベース21がプレイ位置にあって磁気
ヘッド22のテープ接触面22aが磁気テープ33に接触して
おり、N側ピンチローラ42が磁気テープ33を挟んでN側
キャプスタン4に圧着され、そして、ディレクションレ
バー54がノーマル位置にあり、従って、揺動レバー72が
ノーマル位置にあってギヤ比切換ギヤ81が方向変換ギヤ
9を介してN側リール台5と噛合されている。従って、
この状態では磁気テープ33がキャプスタン4とピンチロ
ーラ42とによりノーマル方向へ走行されると共に、リー
ル台5が低速でテープ巻取方向へ回転されるので、磁気
テープ33がリール台5に係合したテープリールに巻き取
られて行くことになる。
また、第11図に示す状態がリバースプレイモードであ
る。この状態では、ヘッドベース21がノーマルプレイモ
ードにおけると同様プレイ位置にあって磁気ヘッド22が
磁気テープ33に接触されており、R側のピンチローラ4
2′が磁気テープ33を挟んでR側キャプスタン4′に圧
着され、そして、ディレクションレバー54はリバース位
置にあり、従って、揺動レバー72がリバース位置にあっ
てギヤ比切換ギヤ81がR側リール台5′のリール台ギヤ
7′と噛合されている。従って、この状態では磁気テー
プ3がキャプスタン4′とピンチローラ42′とによりリ
バース方向へ走行されると共に、リール台5′が低速で
テープ巻取方向へ回転されるので、磁気テープ33がリー
ル台5′に係合されているテープリールに巻き取られて
行くことになる。
尚、前記したように、ギヤ比切換ギヤ81は早送レバー
63又は巻戻レバー64が押し込まれたときに増速位置へと
移動されるので、プレイモードにおいてはギヤ比切換ギ
ヤ81が減速位置にあり、従って、リール台5、5′は低
速で回転されることになる。
そして、上記したノーマルプレイモードは、ピンチロ
ーラレバー41がノーマル位置に来ている状態からヘッド
ベース21を押し込むことにより、あるいは、リバースプ
レイモードから切替レバー53を操作してピンチローラレ
バー41をノーマル位置へと移動させることにより形成さ
れ、更に、リバースプレイモードからテープエンドにな
ったときはディレクションレバー54が後述するオートリ
バース機構によってノーマル位置へと移動されることに
より形成される。
また、上記したリバースプレイモードは、ピンチロー
ラレバー41がリバース位置に来ている状態からヘッドベ
ース21を押し込むことにより、あるいは、ノーマルプレ
イモードから切替レバー53を操作してピンチローラレバ
ー41をリバース位置へと移動させることにより形成さ
れ、更に、ノーマルプレイモードからテープエンドにな
ったときはディレクションレバー54が後述するオートリ
バース機構によってリバース位置へと移動されることに
より形成される。
尚、このようなプレイモードは、ストップレバー39を
押圧して、あるいは、早送レバー63もしくは巻戻レバー
64を押し込んでロックレバー34をロック解除方向へ移動
させてヘッドベース21をストップ位置に戻すことにより
解除される。
(i−2.高速走行モード)[第12図、第13図、第15図] 第12図に示す状態が早送モードであり、第13図に示す
状態が巻戻モードである。これら早送モード及び巻戻モ
ードにおいてはギヤ比切換ギヤ81は増速位置に位置して
いる。
即ち、早送レバー63又は巻戻レバー64を押し込んで行
くと、そのギヤ押上面68、69がギヤ比切換ギヤ81のギヤ
部83の下面の外周部に当接してそこを後ろ上方へ向けて
押圧しながら後方へ移動し、早送レバー63及び又は巻戻
レバー64が押込位置に到達するとこれらレバー63、64の
上面のうちギヤ押上面68、69に連続する部分がギヤ部83
の下面に接触し(第15図参照)、これにより、ギヤ比切
換ギヤ81が増速位置へと押し上げられてそこに保持され
る。そして、早送レバー63が押し込まれるときにディレ
クションレバー54がリバース位置に来ている場合はディ
レクションレバー54が早送レバー63により前記したよう
にノーマル位置へと移動され、また、巻戻レバー64が押
し込まれるときにディレクションレバー54がノーマル位
置に来ている場合は巻戻レバー64によりディレクション
レバー54がリバース位置へと移動される。
しかして、早送モードにおいてはN側リール台5が高
速でテープ巻取方向へ回転され、巻戻モードにおいては
R側リール台5′が高速でテープ巻取方向へ回転され
る。
このような高速走行モードはストップレバー39もしく
はヘッドベース21あるいは当該高速走行モードと異なる
高速走行モード用のレバーを押し込んでロックレバー34
をロック解除方向へ移動させることにより解除される。
(j.オートリバース機構)[第1図、第2図、第4図、
第6図、第8図乃至第11図、第16図乃至第20図] 88はプレイモードからテープエンドになったときディ
レクションレバー54を移動させてテープの走行方向を自
動的に切り替えるオートリバース機構であり、上記カム
ギヤ14と、ディレクションレバー54と、テープエンドに
なったときとそれ以外のときとで位置が異なる検出レバ
ーと、該検出レバーによって押圧されることにより回動
されてディレクションレバー54を移動させる回動レバー
等から成る。
(j−1.回動レバー)[第1図、第2図、第4図、第10
図、第11図、第16図乃至第20図] 89は回動レバーである。
該回動レバー89は前後方向に長く、その中間の部分が
円筒状をしたボス部90に形成され、前端部に押圧ピン91
が下方へ向けて突設され、また、後端部に被押圧部92が
下方へ向けて突設されており、被押圧部92の左右両側面
93、94の後半部93a、94a(以下、「被押圧面」と言
う。)は後端に行くに従って互いに近づいていって後端
が連続するように傾斜した面に形成されている。
95はメカシャーシ2の下面のうちR側キャプスタン
4′から右後ろ側へ稍離間した位置に形成された支持軸
であり、該支持軸95に回動レバー89のボス部90が回動自
在に支持され、また、被押圧部92がディレクションレバ
ー54に形成された戻しバネ58の2つの弾性片59と60との
間に位置され、かつ、押圧ピン91がディレクションレバ
ー54に形成された前記2つの被押圧部56aと56bとの間に
位置されている。
そして、ディレクションレバー54がノーマル位置に来
ているときは、第10図に示すように、回動レバー89がそ
の押圧ピン91がディレクションレバー54の右側の被押圧
部56bに当接した位置(以下、「第1の位置」と言
う。)に保持され、この保持は戻しバネ58の右側の弾接
片60の当接腕60bが回動レバー89の被押圧部92の右側面9
3の前部に軽く弾接して回動レバー89に上方から見て反
時計回り方向への回動力を付勢することにより為され
る。また、ディレクションレバー54がリバース位置に来
ているときは、第11図に示すように、回動レバー89がそ
の押圧ピン91がディレクションレバー54の左側の被押圧
部56aに当接して上記第1の位置より僅かに時計回り方
向へ回動した位置(以下、「第2の位置」と言う。)に
保持され、この保持は戻しバネ58の左側の弾性片59の当
接腕59bが被押圧部92の左側面94の前部に軽く弾接して
回動レバー89に上方から見て時計回り方向への回動力を
付勢することにより為される。
尚、回動レバー89の第1の位置と第2の位置との間の
変位量は僅かであるため、これらいずれの位置にあって
も、被押圧部92の右側の被押圧面93aは略右斜め後ろを
向いており、左側の被押圧面94aは略左斜め後ろを向い
ている。
(j−2.テープエンド検出手段)[第1図、第2図、第
4図、第6図、第8図乃至第11図、第16図乃至第19図] (j−2−a.構造) 96はカムギヤ14の大ギヤ15の下面に形成された背の低
い略円環状をしたカム壁であり、その内周面97はその大
部分97aがカムギヤ14の軸を中心とする円弧状に延び、
その一部97bがカムギヤ14の半径方向と直交する方向に
延びる平坦な面にされ、該平坦な面97b(以下、「戻し
面」と言う。)の両端が円弧面状に延びる部分97a(以
下、「非戻し面」と言う。)の両端に連続している。ま
た、大ギヤ15の下面のうちカム壁96で囲まれた領域に軸
方向から見て略湾曲した楔形をした掬いカム98が突設さ
れており、該掬いカム98はカム壁96寄りの位置に設けら
れ、上方から見た時計回り方向側端98a(以下、「掬い
端」と言う。)が尖っており、カムギヤ14の軸を中心と
した中心角で略70°位の長さを有し、かつ、掬い端98は
戻し面97bの反時計回り方向側端から反時計回り方向へ
略90°離間したところにあり、2つの円弧面状をした側
面98b、98cのうちカムギヤ14の中心に近い方の面98b
(以下、「掬い面」と言う。)は掬い端98aから他端へ
行くに従ってカムギヤ14の中心に近づくように形成さ
れ、もう1つの面98cは非戻し面97aと平行に延びるよう
に形成されている。
99は検出レバーであり、円弧状をしたボス部100と該
ボス部100から水平な方向に延びた3つの腕101、102及
び103とが一体に形成され、ボス部100がメカシャーシ2
から下方へ向けて突設された支持軸104に回動自在に支
持されている。そして、検出レバー99が第2図に示す姿
勢となっている状態で見て、ボス部100から略ギヤ比切
換ギヤ81の中心に向って延びている短い腕101の先端部
から連係ピン105が上方へ向けて突設され、また、ボス
部100から右稍斜め前方へ向って延びている腕102の先端
部上面に比較的小さな被掬い突起106が形成され、更
に、ボス部100から左稍後方へ向って延びている腕103の
先端部上面に押圧部107が形成されている。
尚、上記被掬い突起106及び押圧部107はいずれも略楔
形をしている。
そして、腕102は先端部はカムギヤ14に下方から近接
されており、それにより、被掬い突起106が前記カム壁9
6の内側のうちカムギヤ14のボス部16より略左前側のと
ころに位置され、その尖った先端部106aが上方から見て
略右稍斜め前方を向く姿勢とされている。
また、押圧部107は前記回動レバー89の被押圧部92と
同じ高さにあって該被押圧部92より稍後方へ離間したと
ころに位置され、その尖った先端107aが略前方を向き、
かつ、該先端107aの回動軌跡が前記第1の位置に来てい
る回動レバー89の右側の被押圧面93aの後端部と、ま
た、第2の位置に来ている回動レバー89の左側の被押圧
面94aの後端部と交差するように位置される(第10図及
び第11図参照)。
108は首振レバーであり、略リング状をした基部109と
該基部109の上端部から基部109の半径方向へ突出した腕
110とが一体に形成され、該腕110にはその長手方向に沿
って延びると共に先端に達した切溝110aが形成されてい
る。そして、基部109が前記ギヤ比切換ギヤ81のボス部8
4の上端部84aに回動自在に外嵌されると共に、該基部10
9の下面とギヤ比切換ギヤ81の小ギヤ85に形成された凹
部85bの底面との間にバネ定数の小さいコイルスプリン
グ111が縮設されている(第9図参照)。
しかして、首振レバー108はギヤ比切換ギヤ81のボス
部84に回動自在に支持されると共に、コイルスプリング
111の弾発力によって大ギヤ82の下面に適度な強さで弾
接され、従って、ギヤ比切換ギヤ81が回転している間は
首振レバー108に上方から見て反時計回り方向への回動
力が付勢される。
そして、このような首振レバー108がその腕110が略検
出レバー99の回動中心に向って延びる姿勢とされた状態
でその切溝110aに検出レバー99の連係ピン105が摺動自
在に係合される。
(j−2−b.作用) 前記したように、プレイモードにおいてはギヤ比切換
ギヤ81が減速位置に位置されていてその大ギヤ82がカム
ギヤ14の小ギヤ17と噛合されており、従って、モータ10
が回転してリール台5又は5′が回転されている間はカ
ムギヤ14の大ギヤ15と小ギヤ17とが一体的に回転される
が、その状態からテープエンドになって当該リール台5
もしくは5′の回転が阻止されるとギヤ比切換ギヤ81及
びそれと噛合しているカムギヤ14の小ギヤ17がいずれも
回転を阻止されるのでこの状態ではカムギヤ14はその大
ギヤ15のみが小ギヤ17に対してスリップしながら回転さ
れる。
そこで、上記したように、ギヤ比切換ギヤ81が回転し
ている間は首振レバー108に反時計回り方向への回転力
が付勢されるので、その腕110が検出レバー99の連係ピ
ン105を上方から見て反時計回り方向へ向けて押圧し、
それにより、検出レバー99に上方から見て時計回り方向
への回動力が付勢され、この回動力により、検出レバー
99はその被掬い突起106がカム壁96の内周面97に当接す
るところまで回動される。
そして、カム壁96の内周面97の大部分を成す非戻し面
97aはカムギヤ14の回転中心からの距離が一定であるた
め被掬い突起106がこの非戻し面97aに当接している間
(第2図、第17図(A)参照。尚、第17図は揺動レバー
72がノーマル位置に来ている状態で示してある。)は該
被掬い突起106の位置が一定に保持されるので、検出レ
バー99は第17図(A)に示す位置(以下、「非作動位
置」と言う。)に保持される。
また、カム壁97の内周面97の戻し面97bはカムギヤ14
の半径方向と直交する方向に延びているので、該戻し面
97bのカムギヤ14の中心からの距離は非戻し面97aのそれ
より短くなっており、その中間点において一番短くな
る。従って、被掬い突起106が非戻し面97aに当接されて
いる状態から戻し面97bが被掬い突起106に対向すると、
被掬い突起106がカムギヤ14の略中心側へ向けて押し戻
されて行くので検出レバー99が上記非作動位置から反時
計回り方向へと回動され、被掬い突起106が戻し面97bの
中間点と接触したところ(第17図(B)参照)を境とし
て被掬い突起106がカムギヤ14の中心から遠くなるよう
に移動されて行き、被掬い突起106が戻し面97bから外れ
て非戻し面97aと接触したところで検出レバー99の回動
が停止して非作動位置に保持される。
即ち、ギヤ比切換ギヤ81が回転していて首振レバー10
8に回動力が付勢されている間は、カムギヤ14が1回転
する間に検出レバー99は非作動位置と第17図(B)に示
す位置(以下、「中間位置」と言う。)との間を1往復
するように揺動される。
尚、検出レバー99が中間位置に来ると、その押圧部10
7が第17図(B)に示すように回動レバー89の被押圧部9
2に後方から近接され、また、検出レバー99が非作動位
置に来ている状態では被掬い突起106の先端106aが掬い
カム98の掬い端98aの回転軌跡より外側にあり、検出レ
バー99が中間位置に来ると、被掬い突起196の先端106a
が掬いカム98の掬い端98aの回転軌跡より稍内側に位置
する。
そして、第17図(B)に示すように、検出レバー99が
中間位置に来たときに掬いカム98の掬い端98aは被掬い
突起106から反時計回り方向へ略90°離間したところに
来ており、検出レバー99はこの状態からカムギヤ14が略
20°位回転したところで被作動位置に戻るので、掬いカ
ム98は第17図(A)に実線で示すように被掬い突起106
に当接すること無くその内側を通過して行く。
以上の動きがギヤ比切換ギヤ81が回転している間、即
ち、テープエンドになっていない間の動きであり、この
ような動きはプレイモードの種類に拘らず同様に為され
る。
そして、テープエンドになるとギヤ比切換ギヤ81の回
転が阻止されるので、首振レバー108に対する回動力の
付勢が解かれ、それにより、首振レバー108による検出
レバー99に対する回動力の付勢も解かれる。そして、カ
ムギヤ14はその大ギヤ15のみが回転し続ける。
従って、検出レバー99が中間位置に来たところでテー
プエンドになり、あるいはテープエンドになった後検出
レバー99が中間位置へと移動された時点からは、検出レ
バー99は非作動位置へ戻されること無く中間位置に留ま
ることになる。
そして、この状態では被掬い突起106の先端106aが掬
いカム98の掬い端98aの回転軌跡より稍内側に位置する
ので、第17図(C)に示すように、移動して来た掬いカ
ム98の掬い面98bが被掬い突起106に外側から接触し、該
掬い面98bが被掬い突起106を略カムギヤ14の中心側へ向
けて押圧することになり、それによって、検出レバー99
が中間位置より更に反時計回り方向へ回動される。そし
て、この回動は、第17図(C)に2点鎖線で示すよう
に、掬い面98bの反掬い端98a側の端部が被掬い突起106
を押圧したところで最大になり、これにより、検出レバ
ー99が同図に2点鎖線で示す位置(以下、「作動位置」
と言う。)へと移動される。
尚、この状態から、掬い面98bが被掬い突起106から外
れると、掬い面98bによる被掬い突起106に対する押圧が
解かれ、従って、ギヤ比切換ギヤ81の回転が再開したと
きは検出レバー99が首振レバー108によって非作動位置
に戻される。
(j−3.テープ走行方向の自動切替)[第18図、第19
図] そこで、プレイモードからテープエンドになると、上
記作動位置へと移動する検出レバー99によって回動レバ
ー89が回動されてディレクションレバー54を移動させ、
それにより、揺動レバー72およぴピンチローラレバー41
が移動されてテープ走行方向の切替が行なわれる。
(j−3−a.ノーマルプレイモードからリバースプレイ
モードへの切替)[第18図] ノーマルプレイモードからテープエンドになって検出
レバー99が作動位置へと移動すると、該検出レバー99の
押圧部107が回動レバー89の被押圧部92の右側の被押圧
面93aに当接してそこを略左前方へ向けて押圧し、それ
により、回動レバー89が反時計回り方向へ回動されてそ
の押圧ピン91がディレクションレバー54の右側の被押圧
部56bを右方へ向けて押圧するので、ディレクションレ
バー54がそれまでのノーマル位置からリバース位置へと
移動される。
この状態が第18図(A)に示す状態であり、ディレク
ションレバー54がリバース位置へと移動するのに伴なっ
て揺動レバー72がリバース位置へと移動されると共に、
ディレクションレバー54の第1の被押圧突起61がピンチ
ローラレバー41の制御孔51の規制部51bの右側縁を押圧
してピンチローラレバー41を右方へ移動させ、それによ
り、今度はR側ピンチローラ42′がR側キャプスタン
4′に圧着される。
しかして、テープ走行方向がリバース方向に切り替え
られると共に、R側リール台5′がテープ巻取方向へ回
転される。
また、回動レバー89が検出レバー99によって反時計回
り方向へ回動された時点では、第18図(A)に示すよう
に、回動レバー89の被押圧部92がディレクションレバー
54に設けられている戻しバネ58の左側の弾性片59の当接
腕59bを左方へ向けて押圧し、それにより、該弾性片59
に被押圧部92を略右方へ向けて押し戻そうとする弾発力
が蓄えられる。
そして、揺動レバー72が第1の位置を離れてリバース
位置側へ移動すると直ちにギヤ比切換ギヤ81の回転が再
開されて首振レバー108に再び反時計回り方向への回動
力が付勢され、それにより、検出レバー99にも反時計回
り方向への回動力が付勢されるので、検出レバー99は作
動位置に来て直ぐに非作動位置に戻される。
それれにより、検出レバー99による回動レバー89に対
する押圧が解かれるので、該回動レバー89は弾性片59に
押圧されて第2の位置へと移動され、そこに保持され
る。この状態が第18図(B)に示す状態である。
(j−3−b.リバースプレイモードからノーマルプレイ
モードへの切替)[第19図] リバースプレイモードからテープエンドになって検出
レバー99が作動位置へと移動すると、該検出レバー99の
押圧部107が回動レバー89の被押圧部92の左側の被押圧
面94aに当接してそこを略右前方へ向けて押圧し、それ
により、回動レバー89が時計回り方向へ回動されてその
押圧ピン91がディレクションレバー54の左側の被押圧部
56aを左方へ向けて押圧するので、ディレクションレバ
ー54がそれまでのリバース位置からノーマル位置へと移
動される。
この状態が第19図(A)に示す状態であり、ディレク
ションレバー54がノーマル位置へと移動するのに伴なっ
て揺動レバー72がノーマル位置へと移動されると共に、
ディレクションレバー54の第1の被押圧突起61がピンチ
ローラレバー41の制御孔51の規制部51bの左側縁を押圧
してピンチローラレバー41を左方へ向けて移動させ、そ
れにより、今度はN側ピンチローラ42がN側キャプスタ
ン4に圧着される。
しかして、テープ走行方向がノーマル方向に切り替え
られると共に、N側リール台5がテープ巻取方向へ回転
される。
また、回動レバー89が検出レバー99によって時計回り
方向へ回動された時点では、第19図(A)に示すよう
に、回動レバー89の被押圧部92が戻しバネ58の右側の弾
性片60の当接腕60bを右方へ向けて押圧し、それによ
り、該弾性片60に被押圧部92を略左方へ向けて押し戻そ
うとする弾発力が蓄えられる。
従って、検出レバー99が作動位置から後方へ逃げる
と、回動レバー89に対する押圧が解かれるので、該回動
レバー89は弾性片60による弾発力によって第1の位置へ
と移動されてそこに保持される。この状態が第19図
(B)に示す状態である。
しかして、プレイモードからテープエンドになったと
きの検出レバー99の移動がそれまでのプレイモードの種
類を問わず同じであるにも拘らず、ディレクションレバ
ー54をそれまでのプレイモードにおける位置から他のプ
レイモードにおける位置へと移動させることができ、従
って、検出レバー99の位置を制御するカム手段の構造が
極めて簡単で済み、かつ、誤動作する惧れも無い。
尚、このようなテープ走行方向の自動切替は高速走行
モードにおいては行なわれない。即ち、このモードでは
ギヤ比切換ギヤ81が増速位置にあって、その小ギヤ85が
カムギヤ14の大ギヤ15と噛合しているので、テープエン
ドになったときはカムギヤ14の回転も阻止され、従っ
て、仮に、検出レバー99が中間位置に来たところでテー
プエンドになったとしても、掬いカム98が被掬い突起10
6と離間したところで止まってしまうため、検出レバー9
9が作動位置へと移動されることは無いからである。
(k.シャットオフ)[第1図、第2図、第4図、第20
図] 112はシャットオフ、即ち、プレイモードの自動解除
を行なうためのシャットオフレバーであり、円筒状をし
たボス部113と、該ボス部113から略前方へ向って突出し
たツマミ部114と、ボス部113から延びかつ上方から見て
略扁平なS字状を為すように屈曲した撓み部115と、該
撓み部115の先端部に連続した介挿腕116とが一体に形成
されており、ボス部113がメカシャーシ2の前端部左端
の下面に回動自在に支持されている。
117は前記ロックレバー34の下面の左端部に垂設され
た被押圧突起である。
そこで、シャットオフを行なわせるときは、シャット
オフレバー112を、第20図(A)に示すように、その介
挿腕116の後部がロックレバー34の被押圧突起117と回動
レバー89の押圧ピン91との間に位置した介挿位置へと移
動させておく。
そこで、シャットオフレバー112が上記位置に来てい
るリバースプレイモードからテープエンドになると、回
動レバー89の押圧ピン91が介挿腕116の後端部を左方へ
向けて押圧し、該介挿腕116の中間部分がロックレバー3
4の被押圧突起117を左方へ向けて押圧し、それにより、
ロックレバー34がロック解除方向へ移動されて、プレイ
位置に来ていたヘッドベース21に対するロックが解除さ
れる。この状態が第20図(B)に示す状態であり、ヘッ
ドベース21はロックレバー34によるロックが解除される
ことによりストップ位置へと戻される。これによりプレ
イモードが解除されると共に、ディレクションレバー54
がノーマル位置へと移動される。
尚、ノーマルプレイモードからテープエンドになった
ときは、回動レバー89が反時計回り方向へ回動されるた
め、このときは押圧ピン91による介挿腕116の左方への
押圧が為されないので、シャットオフレバー112が介挿
位置に来ていてもロックレバー34がロック解除方向へ移
動されることは無い。
即ち、シャットオフはリバースプレイモードからテー
プエンドになったときだけ行なわれる。
(G.考案の効果) 以上に記載したところから明らかなように、本考案ピ
ンチローラ圧着機構は、磁気ヘッドを支持したヘッドベ
ースにその移動方向と直交する方向へ摺動自在に支持さ
れたピンチローラレバーと、該ピンチローラレバーの移
動方向における中央を挟んだ位置に各別に支持された2
つのピンチローラと、上記ピンチローラレバーの位置を
その一方のピンチローラがノーマルプレイモード用キャ
プスタンと対向したノーマル位置もしくは他方のピンチ
ローラがリバースプレイモード用キャプスタンと対向し
たリバース位置に選択的に切り換える切替手段と、ピン
チローラレバーとヘッドベースとの間に設けられ、ピン
チローラレバーがその移動範囲における中間の位置に来
たところを境として該ピンチローラレバーに互いに反対
の2つの方向への移動力を付勢するトグルバネとを備
え、ヘッドベースが磁気テープに対して前進すると、そ
のときのピンチローラレバーの位置に応じた方のピンチ
ローラが当該キャプスタンに対してピンチローラレバー
をトグルバネの弾発力に抗する方向へ稍移動させながら
当接されるようにしたことを特徴とする。
従って、本考案ピンチローラ圧着機構にあっては、ヘ
ッドベースが前進していない間はピンチローラレバーが
トグルバネの弾発力によりノーマル位置又はリバース位
置に保持され、また、プレイモードを形成するためにヘ
ッドベースが前進したときはそのときのピンチローラレ
バーの位置、即ち、選択されているプレイモードの種類
に応じた方のピンチローラが当該キャブスタンに対して
トグルバネの弾発力により圧着されることになる。即
ち、1つのトグルバネが、ストップモードにおいてはピ
ンチローラレバーを2つの位置に保持しておくための弾
発手段として機能し、プレイモードにおいては2つのピ
ンチローラの対応したキャプスタンに対する選択的な圧
着用の弾発手段として機能する。
しかして、本考案ピンチローラ圧着機構によれば、そ
れぞれ1つのピンチローラレバーとトグルバネだけで2
つのピンチローラを2つのそれぞれに対応したキャプス
タンに選択的に圧着させることができると共に、ピンチ
ローラレバーの前進はヘッドベースの前進に伴なって為
されるのでピンチローラレバーを前進させるための特別
な手段が不要になり、従って、従来のピンチローラ圧着
機構と較べて部品点数や組立工数を大幅に削減すること
ができ、その上、ピンチローラレバーを所定の位置に保
持しておくためのバネがピンチローラ圧着用のバネでも
あるので、ピンチローラのキャプスタンに対する圧着力
を加減する際に他の部材に対する影響を考慮する必要が
無く、このため、設計や調整を極めて容易に行なうこと
ができる。
尚、前記実施例においては、トグルバネの両端部を保
持するための2つのバネ掛部の一方をヘッドベースの押
釦取付部に設け、他方のバネ掛部をピンチローラレバー
のうち上記一方のバネ掛部と対向する位置に設け、押釦
取付部に押釦が取着された状態でトグルバネが上記押釦
の内部空間内に位置するようにしたが、このようにする
ことにより、本来デッドスペースとなる押釦の内部空間
を利用してトグルバネを配置することができるので、ト
グルバネを配置するための特別なスペースを用意しない
で済み、その分、ピンチローラ圧着機構の形状を小さく
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第20図は本考案ピンチローラ圧着機構をテー
ププレーヤのピンチローラ圧着機構に適用した実施の一
例を示すものであり、第1図はテーププレーヤ全体の平
面図、第2図はメカシャーシより下にある機構を示す水
平断面図、第3図はメカシャシーより上にある機構の分
解斜視図、第4図はメカシャーシより下にある機構の分
解斜視図、第5図はカムギヤの分解斜視図、第6図はギ
ヤ比切換ギヤと揺動レバーの分解斜視図、第7図は第1
図のVII-VII線に沿って切断し要部のみを示す断面図、
第8図は第1図のVIII-VIII線に沿って切断し要部のみ
を示す拡大断面図、第9図は第1図のIX-IX線に沿って
切断し要部のみを示す拡大断面図、第10図はノーマルプ
レイモードにおける要部の平面図、第11図はリバースプ
レイモードにおける要部の平面図、第12図は早送モード
における要部の底面部、第13図は巻戻モードにおける要
部の底面図、第14図(A)はピンチローラレバーがノー
マル位置に来ている状態からピンチローラがキャプスタ
ンに当接したときの要部を示す平面図、第14図(B)は
ピンチローラレバーがリバース位置に来ている状態から
ピンチローラがキャプスタンに当接したときの要部を示
す平面図、第15図は高速走行モード用のレバーが押し込
まれたときの要部の拡大側面図、第16図は第1図のXVI-
XVI線に沿って切断し要部のみを示す拡大断面図、第17
図はプレイモードからテープエンドになるときの検出レ
バーの動きを(A)から(C)へ経時的に示す要部の水
平断面図、第18図はノーマルプレイモードからテープエ
ンドになったときのオートリバース機構の動きを(A)
から(B)へ経時的に示す要部の水平断面図、第19図は
リバースプレイモードからテープエンドになったときの
オートリバース機構の動きを(A)から(B)へ経時的
に示す要部の水平断面図、第20図はオートシャットオフ
動作を(A)から(B)へ経時的に示す要部の水平断面
図、第21図は従来のピンチローラ圧着機構の一例を示す
平面図である。 符号の説明 4……(ノーマルプレイモード用)キャプスタン、4′
……(リバースプレイモード用)キャプスタン、21……
ヘッドベース、22……磁気ヘッド、33……磁気テープ、
40……ピンチローラ圧着機構、41……ピンチローラレバ
ー、42……(一方の)ピンチローラ、42′……(他方
の)ピンチローラ、52……トグルバネ、53……切替手
段、54……切替手段

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ヘッドを支持したヘッドベースにその
    移動方向と直交する方向へ摺動自在に支持されたピンチ
    ローラレバーと、 該ピンチローラレバーの移動方向における中央を挟んだ
    位置に各別に支持された2つのピンチローラと、 上記ピンチローラレバーの位置をその一方のピンチロー
    ラがノーマルプレイモード用キャプスタンと対向したノ
    ーマル位置もしくは他方のピンチローラがリバースプレ
    イモード用キャプスタンと対向したリバース位置に選択
    的に切り換える切替手段と、 ピンチローラレバーとヘッドベースとの間に設けられ、
    ピンチローラレバーがその移動範囲における中間の位置
    に来たところを境として該ピンチローラレバーに互いに
    反対の2つの方向への移動力を付勢するトグルバネとを
    備え、 ヘッドベースが磁気テープに対して前進すると、そのと
    きのピンチローラレバーの位置に応じた方のピンチロー
    ラが当該キャプスタンに対してピンチローラレバーをト
    グルバネの弾発力に抗する方向へ稍移動させながら当接
    されるようにした ことを特徴とするピンチローラ圧着機構
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