JP2505651B2 - 顕微鏡対物レンズ - Google Patents

顕微鏡対物レンズ

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JP2505651B2
JP2505651B2 JP2412630A JP41263090A JP2505651B2 JP 2505651 B2 JP2505651 B2 JP 2505651B2 JP 2412630 A JP2412630 A JP 2412630A JP 41263090 A JP41263090 A JP 41263090A JP 2505651 B2 JP2505651 B2 JP 2505651B2
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    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0025Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration
    • G02B27/0068Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration having means for controlling the degree of correction, e.g. using phase modulators, movable elements

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  • Physics & Mathematics (AREA)
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  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lenses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無限遠補正型の顕微鏡
対物レンズに関し、特に、物体面と対物レンズとの間に
カバ−ガラス等を含む場合に使用される無限遠補正型の
顕微鏡対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に顕微鏡対物レンズは、観察に用い
るカバ−ガラスや窓ガラス等の厚さが一定であることを
前提にして設計されている。そのため、カバ−ガラス等
の厚さが大きく変化する場合、特にNAの大きい対物レ
ンズ程、そのレンズが本来有する性能の劣化が激しい。
【0003】一方、近年、(1)厚いガラスを通して真
空あるいはガス雰囲気中の試料の観察、(2)コンパク
トディスク(CD)のピット面の観察、(3)水溶液中
の試料の観察、(4)液晶表示器のカバ−ガラスを通し
ての観察等の需要が高まってきた。
【0004】従来より、カバ−ガラスの厚さの変化に応
じて対物レンズ内のレンズ間隔を変えて収差変動を補正
する、補正リング付き対物レンズが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作動距
離が極めて長い超長作動距離であり、視野が極めて広い
超広視野であり、且つガラスの厚さの広い範囲の変化に
対応できる対物レンズは、従来の補正リング付き対物レ
ンズにおいては見当たらない。例えば、特開昭60−2
60016における対物レンズにおいては、作動距離が
焦点距離の2倍弱にすぎず、視野も直径18mmにすぎ
ず、対応できるガラスの厚さも2.5mmどまりであ
る。
【0006】また、特開平1−307717は2群可動
タイプであるが、やはり作動距離が短く、操作性に難が
ある上、視野も直径25mm、対応できるガラスの厚さ
も2mmにしかすぎない。
【0007】そのため、従来の対物レンズは、カバ−ガ
ラス等の厚さ変化によるレンズの諸収差の悪化を完全に
は補正することができず、短い作動距離で狭い視野であ
り、狭い範囲のガラスの厚さの変化にしか適用出来ない
という問題点があった。
【0008】本出願は、かかる問題点を解決し、物体面
と対物レンズの間にカバ−ガラスや窓ガラス等が配置さ
れてそれらの厚さが大きく変化した場合でも極めて良好
な性能が広い視野全域で保証される、無限遠補正型の顕
微鏡対物レンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、物体側より遠
い側から近い側に向かって順に第1群、第2群、第3群
及び第4群のレンズ群からなる顕微鏡対物レンズであっ
て、前記第1群は負レンズ(L1)と正レンズ(L2)
との接合レンズであって全体として負の屈折力を持ち、
前記第2群は負レンズ(L3)と正レンズ(L4)との
接合レンズであって、全体として負の屈折力を持つ物体
側に凸面を向けたメニスカスレンズであり、且つ光軸に
沿って移動可能な群であり、前記第3群は、像画側に比
べ物体側により強い凸面を向けた正レンズ(L5)を含
み、且つ光軸に沿って移動可能な群であり、前記第4群
は、複数の凹レンズと複数の凸レンズを含み、物体側に
最も近い側は物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ
面であって、全体として正の屈折力を持つ群であり、前
記第4群と物体面の間に配置された透明平行平面板の厚
さの変化に応じて、隣合う2個のレンズ群である前記第
2群と前記第3群を光軸に沿って同時に同方向へ移動さ
せることによって収差補正を行ない、全体の焦点距離を
F、第1群の焦点距離をF1、第2群の焦点距離をF
2、第3群の焦点距離をF3、前記第1群中のレンズL
1の硝材のアッベ数をν1、νンズL2の硝材のアッベ
数をν2、前記第2群中のレンズL3の硝材のアッベ数
をν3、d線の屈折率をn3、レンズL4の硝材のアッ
ベ数をν4、d線の屈折率をn4、前記第2群の移動量
をl2、第3群の移動量をl3とするとき、 (1)式、1.5F<| F|<3F、 (2)式、ν1−ν2>20、 (3)式、n3−n4>0.1、| ν3−ν4| <20、 (4)式、0.5<| l2/F2| /| l3/F3| <2 を満たすことによって前記課題を解決する。
【0010】 また、顕微鏡対物レンズの全体の焦点距
離をF、第1群の焦点距離をF1 、第2群の焦点距離を
2 、第3群の焦点距離をF3 、前記第1群中のレンズ
1 の硝材のアッベ数をν1 、レンズL2 の硝材のアッ
ベ数をν2 、前記第2群中のレンズL3 の硝材のアッベ
数をν3 、d線の屈折率をn3 、レンズL4 の硝材のア
ッベ数をν4 、d線の屈折率をn4 、前記第2群の移動
量をl2 、第3群の移動量をl3 とするとき、 (1)式、1.5F<|F1 |<3F、(2)式、ν1 −ν2 >20、(3)
式、n3 −n4 >0.1、|ν3 −ν4 |<20、(4)式、0.5<|l2
2 |/|l3 /F3 |<2 を満たすことによって前記課題を解決する。
【0011】
【作用】物体面と対物レンズの間に平行平面板ガラスが
あり、それが基準の厚さより厚くなったとすると、ここ
で正の球面収差が発生する。今、平行平面板ガラスの厚
くなった分だけ空気換算して作動距離を変化させてやれ
ば、対物レンズ中での軸上、軸外の光線高はあまり変化
しないで平行平面板ガラスで発生した収差だけが残る。
【0012】今第2群を物体より遠い側へ移動させてや
れば、軸上光線の光線高が低くなって第2群中のr7
で発生している正の球面収差は減少して、平行平面板ガ
ラスの増加分を打ち消す。
【0013】しかしながら軸外光束の上限の光線、下限
の光線は、第2群の移動だけでは十分には補正され得
ず、特に本発明のように超広視野(視野数30)では視
野周辺で大きなコマ状の収差を発生する。
【0014】本発明では、第2群及び第3群を平行平面
板ガラスの変化に伴い、同時に同方向へ異なった量だけ
動かし、具体的には動かす方向は厚くなる時は第2群、
第3群を物体側より遠い方へ、薄くなる時は物体側へ移
動している。第2群と第3群を動かした時軸上光束と軸
外光束が通る光線高と入射角の違いによりそれぞれの群
で発生する軸上収差と軸外収差のずれを利用して、軸上
の球面収差のみならず軸外の横収差までほぼ完全に補正
している。
【0015】次に各条件式を説明する。
【0016】(1)式、1.5F<|F1 |<3Fは、
超長作動距離を実現するための条件式である。本発明で
は、対物レンズの最も物体側の面の頂点から物体面まで
の空気に換算した距離が、焦点距離の約3.9倍以上と
いう超長作動距離を50×、NA0.5という仕様であ
りながら実現している。(1)式の上限を越えると前記
の超長作動距離が得る事が難しく、又下限を越えるとこ
の群のパワ−が強くなりすぎ高次収差が発生し、他の群
でこの高次収差を補正することが出来ない。
【0017】(2)式、ν1 −ν2 >20は、第1群の
レンズL1 、L2 の分散を規定する式である。この式の
下限を越えると、レンズL1 、L2 のパワ−を強くしな
ければ色収差が補正できなくなり、色収差を補正すると
高次の球面収差、コマ収差が発生し、他の群でこれを補
正する事が困難である。(3)式、n3 −n4 >0.
1、|ν3 −ν4 |<20は、第2群に含まれるレンズ
3 、L4 の屈折率とアッベ数を規定するものである。
【0018】第2群では、r7 で3次の正の球面収差を
発生させるため、n3 とn4 の屈折率の差を0.1以上
としたが、この下限値0.1を越えると、r7 の曲率半
径をきつくしなければならず、3次の正の球面収差を発
生させた時高次の球面収差を発生させてしまい、この高
次の球面収差を他の群で補正することが出来ない。又ア
ッベ数をこの条件をはずれて規定すると、レンズL3
4 のパワ−がゆるくなりすぎ、第2群自身の色消をし
た時、r7 に適度の正の球面収差を発生させることが出
来なくなる。
【0019】(4)式、0.5<|l2 /F2 |/|l
3 /F3 |<2は、第2群、第3群の移動量と焦点距離
の関係を表わすものである。
【0019】上限を越えると、例えば平行平面板ガラス
が厚くなり、軸上球面収差を補正する位置まで第2群、
第3群が移動した時、軸外光束の横収差の変動が軸上球
面収差より大きくなり内向性のコマ状の収差を発生す
る。又下限を越えると逆に軸外光束の動きが小さく、球
面収差が補正された時、依然として軸外光束は外向性の
コマ状の収差を発生したままである。従って、(4)式
を満足しなければ広い視野を得ることが出来ない。
【0020】
【実施例】添付する図面を参照して本発明の好適な実施
例を説明する。
【0021】実施例のレンズの構成図である。図1にお
いて、第1群は1枚の負レンズであるL1 と1枚の正メ
ニスカスレンズであるL2 との接合レンズから構成さ
れ、全体として負の屈折力を持つ。第2群は負レンズL
3 と正レンズL4 との接合レンズから構成されており、
全体として負の屈折力を持つ物体側に凸面を向けたメニ
スカスレンズである。また、第2群は光軸に沿って移動
可能である。第3群は像側に比べて物体側により強い凸
面を向けた1枚の正レンズL5 から構成されている。第
3群もまた光軸に沿って移動可能である。第4群は順に
負レンズL6 と正レンズL7 との接合レンズと、正レン
ズL8 、負レンズL9 及び正レンズL10の3枚の接合レ
ンズと、負レンズL11と正レンズL12との接合レンズ
と、物体側より遠い側に凸面を向けた正メニスカスレン
ズL13、L14から構成され、全体として正の屈折力を持
つ。
【0022】また、図1において、隣合った2個のレン
ズ群である第2群と第3群は、第4群と物体面の間に配
置された透明平行平面板Pの厚さの変化に応じて、光軸
に沿って同時に同方向へ異なった距離だけ移動させるこ
とによって収差補正されるようになっている。
【0023】
【表1】
【0024】表1に、倍率50×、N.A.=0.5、
焦点距離fd =4mm(透明平行平面板Pの厚さt=d
23が3.5mmの時)である場合の本発明の実施例の諸
元を示す。図1を参照して、r1 、r2 ・・・ は各レンズ
面の曲率半径(単位mm)であり、d1 、d2・・・は各レ
ンズ面間の距離(単位mm)であり、n1、n2 ・・・ 及
びν1 、ν2・・・はレンズL1 、L2・・・の各々屈折率、ア
ッベ数である。
【0025】
【表2】
【0026】また、表2に、第4群と物体面の間に配置
された透明平行平面板Pの厚さt=d23が2mm、3.
5mm及び5mmの時の可動のレンズ面間隔d3 、d6
及びd8 の値を各々示す。ここで、nP 及びνは各々平
行平面板Pの材質の屈折率及びアッベ数である。また、
L.B.はレンズバックであり、レンズL14の物体面側
の頂点から物体面までの空気中に換算した距離である。
透明平行平面板Pの厚さtが2mm〜5mmに渡って、
作動距離が15mm 、即ち焦点距離の3.9倍以上確
保されることが認められる。表1に示される諸元は、顕
微鏡対物レンズの全体の焦点距離をF、第1群の焦点距
離をF1 、第2群の焦点距離をF2 、第3群の焦点距離
をF3 、前記第1群中のレンズL1 の硝材のアッベ数を
ν1 、レンズL2 の硝材のアッベ数をν2 、前記第2群
中のレンズL3 の硝材のアッベ数をν3 、d線の屈折率
をn3 、レンズL4 の硝材のアッベ数をν4 、d線の屈
折率をn4 、前記第2群の移動量をl2 、第3群の移動
量をl3 とするとき、 |F1 |=2.15F、 ν1 −ν2 =24.1、 n3 −n4 =0.22277、 |ν3 −ν4 |=6.4、 |l2 /F2 |/|l3 /F3 |=1.18であり、 (1)式、1.5F<|F1 |<3F、(2)式、ν1 −ν2 >20、(3)
式、n3 −n4 >0.1、|ν3 −ν4 |<20、(4)式、0.5<|l2
2 |/|l3 /F3 |<2 を満たしている。
【0027】次に、第4群と物体面の間に配置された透
明平行平面板Pの厚さtを変化させた場合のNA=0.
5における本実施例に係る顕微鏡対物レンズの諸収差を
図2、図3及び図4に示す。ここでY`は、焦点距離2
00mmの結像レンズによって結像されるときの像高
(単位mm)をいう。図2は透明平行平面板Pの厚さt
が2mmの場合の諸収差を示す。図2において、(a)
は各波長c線、d線、F線、g線の球面収差を、(b)
はd線の非点収差を、(c)はd線の歪曲収差を、
(d)はd線の横収差を各々示す。各収差が極めて良好
に補正されていることが認められる。
【0028】同様に、図3は透明平行平面板Pの厚さt
が3.5mmの場合の諸収差であり、図4は透明平行平
面板Pの厚さtが5mmの場合の諸収差である。t=
3.5mmにおいてもt=5mmいおいても、t=2m
mの場合と同様に諸収差が良好に補正されていることが
認められる。以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々の改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもな
い。例えば、第1レンズ群乃至第4レンズ群の、レンズ
の枚数の変更、凸レンズや凹レンズやそれらの接合レン
ズの配列関係の変更等は、本発明の要旨を逸脱しない限
り本発明の範囲に含まれる。
【0029】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、上記のよう
な構成にしたので、物体面と対物レンズの間にカバ−ガ
ラスや窓ガラス等が配置されてそれらの厚さが大きく変
化した場合でも極めて良好な性能が広い視野全域で保証
される、無限遠補正型の顕微鏡対物レンズを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のレンズ構成図である。
【図2】本発明の実施例の透明平行平面板Pの厚さt=
2mmの場合の諸収差を示す図である。
【図3】本発明の実施例の透明平行平面板Pの厚さt=
3.5mmの場合の諸収差を示す図である。
【図4】本発明の実施例の透明平行平面板Pの厚さt=
5mmの場合の諸収差を示す図である。
【符合の説明】
i ・・・・・ レンズ di ・・・・・ レンズの厚さあるいは隣接レンズ間の距離 W.D ・・ 作動距離 P ・・・・・・ 平行平面板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より遠い側から近い側に向かって順
    に第1群、第2群、第3群及び第4群のレンズ群からな
    る顕微鏡対物レンズであって、 前記第1群は負レンズ(L1)と正レンズ(L2)との
    接合レンズであって全体として負の屈折力を持ち、 前記第2群は負レンズ(L3)と正レンズ(L4)との
    接合レンズであって、全体として負の屈折力を持つ物体
    側に凸面を向けたメニスカスレンズであり、且つ光軸に
    沿って移動可能な群であり、 前記第3群は、像画側に比べ物体側により強い凸面を向
    けた正レンズ(L5)を含み、且つ光軸に沿って移動可
    能な群であり、 前記第4群は、複数の凹レンズと複数の凸レンズを含
    み、物体側に最も近い側は物体側に凹面を向けた正メニ
    スカスレンズ面であって、全体として正の屈折力を持つ
    群であり、 前記第4群と物体面の間に配置された透明平行平面板の
    厚さの変化に応じて、隣合う2個のレンズ群である前記
    第2群と前記第3群を光軸に沿って同時に同方向へ移動
    させることによって収差補正を行ない、 全体の焦点距離をF、第1群の焦点距離をF1、第2群
    の焦点距離をF2、第3群の焦点距離をF3、前記第1
    群中のレンズL1の硝材のアッベ数をν1、レンズL2
    の硝材のアッベ数をν2、前記第2群中のレンズL3の
    硝材のアッベ数をν3、d線の屈折率をn3、レンズL
    4の硝材のアッベ数をν4、d線の屈折率をn4、前記
    第2群の移動量を12、第3群の移動量を13とすると
    き、 (1)式、1.5F<│ F │<3F、 (2)式、ν1−ν2>20、 (3)式、n3−n4>0.1、│ ν3−ν4 │<20、 (4)式、0.5<│ 12/F2│ /│ 13/F3│ <2 を満たすことを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
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JPS56142508A (en) * 1980-04-05 1981-11-06 Nippon Kogaku Kk <Nikon> Objective lens of microscope
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