JP2505420C - - Google Patents

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JP2505420C
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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、無段変速機の変速制御装置に関するものである。 (ロ)従来の技術 従来の無段変速機の変速制御装置としては、例えば特開昭58−170959
号公報に示されるように、スロットルが全閉となると同時に変速比大側への変速
を開始させるようにしたものがある。すなわち、スロットル全閉からエンジンブ
レーキの必要を予見し、直ちに変速比大側への変速を開始させ、迅速にエンジン
ブレーキ効果を得るようにしようとするものである。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 しかし、上記のような従来の無段変速機の変速制御装置では、変速の際のフィ
ードバック制御ゲインがスロットルを全閉とした場合とそれ以外の場合とで同一
となっているため、スロットル全閉時の変速比の応答性及び追従性が悪いという
問題点がある。スロットルを全閉としたコースティング時の変速比大側への変速
の際には、目標とする変速比が時間の経過と共に増大していくランプ応答となる
ので、制御の応答性及び追従性が特に悪く、車両が急減速された場合には無段変
速機の変速比大側への変速が遅れ、車両が停止するまでに最大変速比まで変速さ
せることができない場合がある。このような変速中にスロットルを開として再加
速しようとすると、まだ変速比大側への変速中であって駆動プーリから油を排出
している途中であるので、Vベルトに対して摩擦力が十分に作用しない。このた
め、Vベルトの滑りを発生して動力伝達ができず、またVベルトか摩耗するとい
う問題を生ずる。本発明はこのような問題点を解決することを目的としている。 (ニ)問題点を解決するための手段 本発明は、変速アクチュエータの動作位置に応じて変速比か制御されるベルト
式無段変速機であって、運転条件に基づいて無段変速機の入力回転速度又は変速
比の目標値を決定する目標値決定手段と、無段変速比の入力回転速度又は変速比
の実際値を検出する実際値検出手段と、目標値決定手段によって決定される目標
値と実際値検出手段によって検出される実際値との偏差に応じて変速アクチュエ
ータのフィードバック制御量を決定するフィードバック制御手段と、を有する無
段変速機の変速制御装置において、シフトポジションを検出する手段と、スロッ
トル開度を検出する手段と、フットブレーキ作動状態を検出する手段と、シフト
ポジションがDレンジでスロットル開度が全閉でかつフットブレーキが作動状態
のエンジンブレーキ状態にあることを検出するエンジンブレーキ検出手段と、こ
のエンジンブレーキ検出手段がエンジンブレーキ状態を検出したときはそれ以外
の場合よりも上記フィードバック制御手段のフィードバックゲインを増大させる
フィードバックゲイン変更手段と、前記偏差が所定値以上のときに偏差に応じて
決定されるフィードバック制御量の増加を制限する手段と、を有する。 (ホ)作用 シフトポジションがDレンジでの走行中にフットブレーキ作動状態が検出され
ると、これがフィードバックゲイン変更手段に伝達され、フィードバックゲイン
変更手段はフィードバック制御手段のフィードバックゲインを増大させる。 これにより通常運転時に比較して、非駆動状態における変速比大側への変速の
追従性及び応答性が向上し、急減速が行われた場合でも、車両が停止するまでに
最大変速比まで変速させることができる。このため、途中からスロットルを開い
て再加速するときなど、直ちにVベルトの滑りを防いで良好な加速を行うことか
可能となる。 また、目標値と実際値との間に非常に大きな偏差を生じた場合には、フィード
バック制御量の増加を制限するので、変速比大側に向けて必要以上に大きな目標
値が指令されることがなく、変速時のオーバシュートが防止され、変速時の回転
速度の変化が円滑になりショックが低減される。 (ヘ)実施例 第2図に無段変速機の動力伝達機構を示す。この無段変速機はフルードカップ
リング12、前後進切換機構15、Vベルト式無段変速機構29、差動装置56
等を有しており、エンジン10の出力軸10aの回転を所定の変速比及び回転方
向で出力軸66及び68に伝達することができる。この無段変速機は、フルード
カップリング12(ロックアップ油室12a、ポンプインペラー12b、タービ
ンランナ12c等を有している)、回転軸13、駆動軸14、前後進切換機構1
5、駆動プーリ16(固定円すい部材18、駆動プーリシリンダ室20(室20
a、室20b)、可動円すい部材22、みぞ22a等からなる)、遊星歯車機構
17(サンギア19、ピニオンギア21、ピニオンギア23、ピニオンキャリア
25、インターナルギア27等から成る)、Vベルト24、従動プーリ26(固
定円すい部材30、従動プーリシリンダ室32、可動円すい部材34等から成る
)、従動軸28、前進用クラッチ40、駆動ギア46、アイドラギア48、後進
用ブレーキ50、アイドラ軸52、ピニオンギア54、ファイナルギア44、ピ
ニオンギア58、ピニオンギア60、サイドギア62、サイドギア64、出力軸
66、出力軸68などから構成されているが、これらについての詳細な説明は省
略する。なお、説明を省略した部分の構成については本出願人の出願に係わる特 開昭61−105353号公報に記載されている。 第3図に無段変速機の油圧制御装置を示す。この油圧制御装置は、オイルポン
プ101、ライン圧調圧弁102、マニアル弁104、変速制御弁106、調整
圧切換弁108、変速モータ(ステップモータ)110、変速操作機構112、
スロットル弁114、一定圧調圧弁116、電磁弁118、カップリング圧調圧
弁120、ロックアップ制御弁122等を有しており、これらは互いに図示のよ
うに接続されており、また前進用クラッチ40、後進用ブレーキ50、フルード
カップリング12、ロックアップ油室12a、駆動プーリシリンダ室20及び従
動プーリシリンダ室32とも図示のように接続されている。これらの弁等につい
ての詳細な説明は省略する。説明を省略した部分については前述の特開昭61−
105353号公報に記載されている。なお、第3図中の各参照符号は次の部材
を示す。ピニオンギア110a、タンク130、ストレーナ131、油路132
、リリーフ弁133、弁穴134、ポート134a〜e、スプール136、ラン
ド136a〜b、油路138、一方向オリフィス139、油路140、油路14
2、一方向オリフィス143、弁穴146、ポート146a〜g、スプール14
8、ランド148a〜e、スリーブ150、スプリング152、スプリング15
4、変速比伝達部材158、油路164、油路165、オリフィス166、オリ
フィス170、弁穴172、ポート172a〜e、スプール174、ランド17
4a〜c、スプリング175、油路176、オリフィス177、レバー178、
油路179、ピン181、ロッド182、ランド182a〜b、ラック182c
、ピン183、ピン185、弁穴186、ポート186a〜d、油路188、油
路189、油路190、弁穴192、ポート192a〜g、スプール194、ラ
ンド194a〜e、負圧ダイヤフラム198、オリフィス199、オリフィス2
02、オリフィス203、弁穴204、ポート204a〜e、スプール206、
ランド206a〜b、スプリング208、油路209、フィルター211、オリ
フィス216、ポート222、ソレノイド224、プランジャ224a、スプリ
ング225、弁穴230、ポート230a〜e、スプール232、ランド232
a〜b、スプリング234、油路235、オリフィス236、弁穴240、ポー
ト240a〜h、スプール242、ランド242a〜e、油路243、油路24 5、オリフィス246、オリフィス247、オリフィス248、オリフィス24
9、チョーク形絞り弁250、リリーフバルブ251、チョーク形絞り弁252
、保圧弁253、油路254、クーラー256、クーラー保圧弁258、オリフ
ィス259、切換検出スイッチ298。 第4図にステップモータ110及びソレノイド224の作動を制御する変速制
御装置300を示す。変速制御装置300は、入力インターフェース311、基
準パルス発生器312、CPU(中央処理装置)313、ROM(リードオンリ
メモリ)314、RAM(ランダムアクセスメモリ)315及び出力インターフ
ェース316を有しており、これらはアドレスバス319及びデータバス320
によって連絡されている。この変速制御装置300には、エンジン回転速度セン
サー301、車速センサー302、スロットル開度センサー303、シフトポジ
ションスイッチ304、タービン回転速度センサー305、エンジン冷却水温セ
ンサー306、ブレーキセンサー307及び切換検出スイッチ298からの信号
が直接又は波形成形器308、309及び322、及びAD変換器310を通し
て入力され、一方増幅器317及び線317a〜dを通してステップモータ11
0へ信号が出力され、またソレノイド224へも信号が出力されるが、これらに
ついての詳細な説明は省略する。なお、説明を省略した部分の構成については、
前述の特開昭61−105353号公報に記載されている。 第5〜8図に変速制御装置300によって行われる制御内容を示す。まず、シ
フトポジションスイッチ304からシフトポジションの読込みを行い(ステップ
502)、シフトポジションが走行位置(すなわち、D、L又はRレンジ)にあ
るかどうかを判断し(同504)、走行位置にない場合にはソレノイド224の
デューティ比を0に設定し(同506)、後述のステップ630に進む。シフト
ポジションが走行位置にある場合にはスロットル開度センサー303からスロッ
トル開度THを読込み(同508)、車速センサー302から車速Vを読込み(
同510)、エンジン回転速度センサー301からエンジン回転速度NEを読込
み(同512)、またタービン回転速度センサー305からタービン回転速度N
tの読込みを行う(同514)。次いで、エンジン回転速度NEとタービン回転
速度Ntとの差NDを算出し(同516)、次いでロックアップオン車速VON及 びロックアップオフ車速VOFFの検索を行う(同518)。なお、ロックアップ
オン車速VON及びロックアップオフ車速VOFFは、車速Vとスロットル開度TH
との関数として設定される。 次いで、ロックアップフラグLUFが設定されているかどうかを判断し(同5
20)、フラグLUFが設定されていない場合には実際の車速Vがロックアップ
オン車速VONよりも大きいかどうかを判断し(同522)、V>VONの場合には
D−Nm1をeとして設定する(同524)。なお、Nm1はエンジン回転速度
Eとタービン回転速度Ntとの偏差の目標値である。次いで、eの値に基づい
てフィードバック制御ゲインG1の検索を行う(同526)。次いで、NDが所定
の小さい値N0より小さいかどうかを判断する(同528)。N0は、NDがこれ
よりも大きい場合にはフィードバック制御が行われ、これよりも小さい場合には
フィードフォワード制御が行われる回転差である。ND<N0の場合には現在のデ
ューティ比に微小な値α%を加算した値を新たなデューティ比として設定し(同
530)、次いでデューティ比が100%より小さいかどうかを判断し(同53
2)、100%より小さい場合には後述のステップ602に進み、一方100%
以上の場合にはデューティ比を100%に設定し(同534)、次いでロックア
ップフラグLUFを設定し(同536)、同様に後述のステップ602に進む(
すなわち、フィードフォワード制御が行われる)。前述のステップ528でND
≧N0の場合には、偏差e及びフィードバックゲインG1に基づいてデューティ比
を決定し(同538)、ステップ602に進む(すなわち、フィードバック制御
が行われる)。また、前述のステップ522でV≦VONの場合にはデューティ比
を0%に設定し(同540)、次いでロックアップフラグLUFを演算する(同
542)。これによってロックアップ機構の作動か解除される。また、前述のス
テップ520でロックアップフラグLUFが設定されている場合には車速Vがロ
ックアップオフ車速VOFFより小さいかどうかを判断し(同544)、V<VOFF
の場合にはステップ540及び542に進み(ロックアップ解除)、またV≧V
OFFの場合にはデューティ比を100%に設定する(同546)(これによりロ
ックアップ状態が保持される)。 上記ステップ502〜546によって、結局次のような制御が行われることに なる。すなわち、シフトポジションが走行位置以外のP及びN位置ではロックア
ップ機構は必ず解除されており(ステップ506)、走行位置にある場合には、
所定のロックアップオフ車速VOFF以上の場合にはロックアップ状態が保持され
(ステップ546)、またロックアップオフ車速VOFFより小さい車速ではロッ
クアップ機構の作動が解除され(同540)、またロックアップ機構が非作動状
態から作動状態に切り換わる際にはフルードカップリング12の滑りの大きさに
応じてフィードバック制御(ステップ538)又はフィードフォワード制御(ス
テップ530)によって円滑にロックアップ機構の締結が行われる。 ステップ532、536、538、542及び546からは、第6図に示すス
テップ602以下に進む。 まず、第6図に示すステップ602では車速Vが所定の小さい値V0(例えば
、2〜3km/h)よりも小さいかどうかを判断し、V<V0の場合には後述す
るステップ612〜618においてクリープ制御が行われ、V≧V0の場合には
変速制御が行われることになる。V<V0の場合にはスロットル開度THが所定
の小さい値TH0よりも小さいかどうかを判断し(ステップ604)、スロット
ルがアイドル状態にない場合にはデューティ比を0%に設定し(同606)(こ
れによって前進用クラッチ40は完全に締結される)、ステップモータ110の
目標パルス数PDをP1に設定しておく(同608)。ステップ608の後はステ
ップ630(第8図)に進んで、実際のステップモータ110の位置がパルス数
1の位置になるように制御が行われる。ステップ604でスロットルがアイド
ル状態にある場合には切換検出スイッチ298がオンであるかどうかが判断され
(同610)(第8図)、オンの場合にはエンジン回転速度NEと駆動プーリ回
転速度NT(これはタービン回転速度センサー305によって検出されるタービ
ン回転速度と等しい)との差NDと、目標偏差Nm2との差をeとして設定し(同
612)、このeの値に基づいてフィードバックゲインG2の検索が行われる(
同614)。次いで、偏差e及びフィードバックゲインG2に基づいてデューテ
ィ比を設定し(同616)、次いでパルス数PDを0に設定し(同618)、ス
テップ630に進む。 前述のステップ602でV≧V0の場合には、シフトポジションがDレンジに あるかどうかを判断し(同707)、Dレンジの場合にはDレンジ目標駆動プー
リ回転速度TRPMの検索を行う(同902)。ステップ707でDレンジでな
い場合にはLレンジであるかどうかを判断し(同709)、Lレンジの場合には
Lレンジ目標駆動プーリ回転速度TRPMの検索を行う(同904)。Lレンジ
でない場合にはRレンジ目標駆動プーリ回転速度TRPMの検索を行う(同90
5)。ステップ902、ステップ904又はステップ905で目標駆動プーリ回
転速度TRPMの検索を終えた後は、車速Vsの読込みを行い(同906)、次
いでTRPM及びVsに基づいてステップモータ位置θsを算出する(同908
)。このθsはフィードフォワード制御量である。次いで、実際の駆動プーリ回
転速度Ntを読込み(同910)、目標駆動プーリ回転速度TRPMと実駆動プ
ーリ回転速度Ntとの偏差eを演算する(同912)。次いで偏差eの絶対値が
所定値C2(例えば、300rpm)よりも小さいかどうかを判断し(同914
)、eの絶対値かC2よりも小さい場合には偏差eの値をe1に設定し(同916
)、後述のステップ952(第7図)に進む。また、偏差eの絶対値がC2より
も大きい場合には、eが0よりも大きいかどうかを判断し(同918)、eが0
よりも大きい場合にはC2の値をe1に設定し、またeの値か負の場合には−C2
をe1に設定し(同922)、ステップ952に進む。ステップ952ではDレ
ンジであるかどうかを判断し、次いでステップ954でアイドルスイッチ(スロ
ットル全閉とした場合にオンとなるスイッチ)がオンであるかどうかを判断し、
Dレンジでかつアイドルスイッチオンの場合にのみステップ956に進み、それ
以外の場合にはステップ958に進み、次いでステップ924に進む。ステップ
958では一定値KPO及びKioをそれぞれゲインKp及びKiとして設定し、一
方ステップ956では一定値KPO及びKioにそれぞれ定数K1及びK2(これらは
1より大きい定数)を乗じたものをKp及びKiとして設定する。ステップ92
4では上述のようにして得られたe1にKpを乗じ、この値をPとする。このP
の値がフィードバック制御量のうちの偏差対応分である。次いで偏差eの絶対値
が所定値C1(例えば、500rpm)よりも小さいかどうかを判断し(同92
6)、eの絶対値がC1よりも小さい場合にはe1を積分したものにKiを乗じた
ものをIとする(同928)。また、eの絶対値かC1よりも大きい場 合にはIを0にする。すなわち、積分器をリセットする(同930)。ステップ
928又はステップ930からはステップ932に進み、IとPとを加算したも
のをDpiとする。このDpiがフィードバック制御量である。次いで、前述の
θSとDpiとを加算し、これを目標パルス数PDとする(同934)。次いで
Dが0(これは変速比大側の限界値に相当するパルス数より小さい値である)
より小さいかどうかを判断し(同936)、PDか負の場合には積分値加算を停
止し(同938)、次いでPDを0に設定し(同940)、ステップ630(第
8図)に進む。また、ステップ936でPDが0以上の場合には、PDが所定値H
i(これは無段変速機の変速範囲内の最小変速比に対応する値である)よりも大
きいかどうかを判断し(同942)、PDとがHiよりも小さい場合にはそのま
まステップ630に進み、またPDがHiよりも大きい場合には積分値加算を停
止し(同944)、次いでPDをHiに設定し(同946)、ステップ630に
進む。 ステップモータ630では、目標とするパルス数PDと実際のパルス数PAとの
比較を行い、PD=PAの場合にはステップ636及び638に進み、ステップモ
ータ駆動信号及びソレノイド駆動信号を出力する。PA<PDの場合にはステップ
モータ駆動信号をアップシフト方向に移動し(同632)、現在のパルス数PA
に1を加算したものを新たにパルス数PAとして設定し(同634)、ステップ
636及びステップ638でステップモータ駆動信号及びソレノイド駆動信号を
出力する。PA>PDの場合にはステップモータ駆動信号をダウンシフト方向に移
動し(同620)、次いで現在のパルス数PAから1を減算したものを新たなパ
ルス数PAとして設定し(同622)、ステップ636及び638に進んでステ
ップモータ駆動信号及びソレノイド駆動信号を出力する。 結局上記のようなルーチンにより次のような制御が行われることになる。まず
ステップ908でフィードフォワード制御量が計算される。ステップ924でフ
ィードバック制御量のうち、偏差対応分Pが計算され、またステップ928で偏
差の積分値対応分Iが計算される。ステップ932でIとPとを加算することに
より、フィードバック制御量Dpiが算出される。その際のフィードバックゲイ
ンは、アイドルスイッチがオンの場合(すなわち、スロットル全閉の場合)には 、オフの場合の値(KPO及びKio)のそれぞれK1及びK2倍としてある。従って
、スロットル全閉時における変速制御の応答性及び追従性は非常に高くなる。こ
れにより、急減速時においても車両が停止する前に最大変速比まで変速させるこ
とができ、Vベルトの滑りの発生を防止することができる。 なお、ステップ906〜946の間では上記の他に次のような制御が行われる
ので、これについても説明しておく。 偏差eの絶対値がC2よりも小さい場合にはその偏差eの値に定数Kpを乗じ
たものがPの値とされる。従って、Pの値は実際の偏差eに比例して変化する値
となる。一方、偏差eの絶対値かC2よりも大きい場合には一定の値C2にKpを
乗じたものをPとする。従って、Pの値は常に一定の値となる。これにより大き
な偏差を生じた場合にもPの値は所定値以上にはならないことになる。また、偏
差eの絶対値が所定値C1よりも小さいときには、偏差の積分値に定数Kiを乗
じたものがIとなる。これにより、Iは積分値に比例して変化することになる。
しかし、偏差eの絶対値がC1よりも大きい場合にはIの値は0にリセットされ
る。従って、Dpiの値は偏差eの絶対値がC1及びC2よりも小さい場合には通
常どおり偏差eに比例した値(P)に偏差の積分値対応分(I)を加算した値が
フィードバック制御量となる。また、C1>C2とした場合には、C1〜C2の間は
積分値対応分だけが変化し、偏差対応分は一定の値になる。また、偏差eの絶対
値がC1よりも大きくなると、Iの値はリセットされると共にその加算が停止さ
れる。これにより非常に大きな偏差を生じた場合であっても必要以上に大きな目
標ステップモータ位置PDが指令されることはなく、変速時のオーバーシュート
が防止され変速時の回転速度の変化が円滑になりショックが低減される。 以上説明したように、本発明によると、シフトポジションがDレンジでの走行
中にフットブレーキ作動状態に移行すると、直ちにフィードバックゲインを増大
させるようにしたので、急速な減速が行われる場合でも車両停止までに最大変速
比まで変速させることができ、これに続く再加速時などにベルトの滑りを防ぎ、
ベルトの摩耗を防ぎつつ、良好な加速性能が確保される。また、目標値と実際値
との間に非常に大きな偏差を生じた場合には、フィードバック制御量の増加を制 限するので、変速の目標値が必要以上に大きくなることがなく、変速時のオーバ
シュートが防止され、変速時の回転速度の変化が円滑になりショックが低減され
る。 【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の構成要素間の関係を示す図、第2図は無段変速機の動力伝達
機構を示す図、第3図は無段変速機の油圧制御装置を示す図、第4図は無段変速
機の変速制御装置を示す図、第5〜8図は制御ルーチンを示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 変速アクチュエータの動作位置に応じて変速比が制御されるベルト式の無段変
    速機であって、運転条件に基づいて無段変速機の入力回転速度又は変速比の目標
    値を決定する目標値決定手段と、無段変速比の入力回転速度又は変速比の実際値
    を検出する実際値検出手段と、目標値決定手段によって決定される目標値と実際
    値検出手段によって検出される実際値との偏差に応じて変速アクチュエータのフ
    ィードバック制御量を決定するフィードバック制御手段と、を有する無段変速機
    の変速制御装置において、 シフトポジションを検出する手段と、スロットル開度を検出する手段と、フッ
    トブレーキ作動状態を検出する手段と、シフトポジションがDレンジでスロット
    ル開度が全閉でかつフットブレーキが作動状態のエンジンブレーキ状態にあるこ
    とを検出するエンジンブレーキ検出手段と、このエンジンブレーキ検出手段がエ
    ンジンブレーキ状態を検出したときはそれ以外の場合よりも上記フィードバック
    制御手段のフィードバックゲインを増大させるフィードバックゲイン変更手段と
    、前記偏差が所定値以上のときに偏差に応じて決定されるフィードバック制御量
    の増加を制限する手段と、を有することを特徴とする無段変速機の変速制御装置

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