JP2505326C - - Google Patents

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JP2505326C
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、乾燥剤等として好適に使用されるマグネシウムジアルコキシドの製
造方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 粒状のマグネシウムジアルコキシドは、乾燥剤等として種々の工業分野で利用
されている。この場合、上記マグネシウム化合物は金属マグネシウムにアルコー
ルを反応させることによって製造されているが、従来の製法では、得られるマグ
ネシウムジアルコキシドは、原料である金属マグネシウムの性状を反映した粒径
、粒径分布や形態を有するものとなるか、または不定形な微粉となるかのいずれ
かであった。このため、所望の粒径のものを得るためには、原料金属マグネシウ
ムの粒径を制御したり、得られたマグネシウム化合物を粉砕して分級することが
必要であった。 【0003】 しかし、金属マグネシウムの粒径を制御する方法は、安全上の点で金属マグネ
シウムを小粒径化することが難しく、かつ得られる化合物の形態が不定形になる
。また、得られたマグネシウム化合物を粉砕,分級する方法は、やはりマグネシ
ウム化合物が不定形になるとともに、粒径分布を狭くしようとすると歩留まりが
低下する。 このため、粉砕、分級等の煩雑な操作を行なわずにマグネシウムジアルコキシ
ドの粒径、粒径分布や形態を制御する方法が望まれている。 【0004】 かかる現状に鑑み、本発明者らは、球状で粒径及び粒径分布の制御されたマグ
ネシウムジアルコキシドを一段階の反応で製造することについて鋭意検討を行な
った結果、金属マグネシウムとアルコールと特定量のハロゲン及び/又はハロゲ ン含有化合物とを反応させた場合、粒径分布が狭く、粉砕,分級等の粒径調整処
理を施さなくてもそのまま使用することができる固体生成物(マグネシウムジア
ルコキシド)が得られると共に、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び
/又はハロゲン含有化合物との反応条件を適宜選択すれば、固体生成物の粒径制
御も自由に行なうことができることを見出し、本発明をなすに至った。 【0005】 【課題を解決するための手段及び作用】 すなわち、本発明は、金属マグネシウムと、アルコールと、上記金属マグネシ
ウム1グラム原子に対し0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0098
グラム原子以上の量のハロゲン又は上記金属マグネシウム1グラム原子に対し0
.0001グラム原子以上、好ましくは0.0098グラム原子以上の量のハロ
ゲンを含む塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、
ヨウ化マグネシウム(MgI2)、エトキシマグネシウムモノクロリド(Mg(
OEt)Cl)、エトキシマグネシウムモノイオディド(Mg(OEt)I)、
塩化カルシウム(CaCl2)、塩化ナトリウム(NaCl)、および臭化カリ
ウム(KBr)からなる群から選ばれる一以上のハロゲン含有化合物とを撹拌下
に還流下で反応させることを特徴とするマグネシウムジアルコキシドの製造方法
を提供する。 また、本発明は、上記金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハ
ロゲン含有化合物との反応を良好に行なわせることができるマグネシウムジアル
コキシドの製造方法を提供する。 【0006】 従来より金属マグネシウムとアルコールを反応させる際には少量のヨウ素やオ
ルトギ酸エチル等を投入することが知られている(特公昭46−7093号公報
、米国特許第4,412,132号明細書)。しかし、これらの反応においては
ヨウ素等は単に反応開始剤として用いられているにすぎず、量的にもごく微量で
ある。それに比べ、本発明において用いるハロゲンの量は反応開始剤として用い
るよりはるかに多量である。 【0007】 以下、本発明を更に詳しく説明する。 本発明の製造方法において、金属マグネシウムの形状等は特に限定されない。
従って、任意の粒径の金属マグネシウム、例えば顆粒状、リボン状、粉末状等の
金属マグネシウムを用いることができる。また、金属マグネシウムの表面状態も
特に限定されないが、表面に酸化マグネシウム等の被膜が生成されていないもの
が好ましい。 【0008】 また、アルコールとしては任意のものを用いることができるが、炭素原子数1
〜6の低級アルコールを用いることが好ましい。特に、エタノールを用いると、
触媒性能の発現を著しく向上させるマグネシウム化合物が得られるので好ましい
。アルコールの純度及び含水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用い
ると金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]が生成され
るので、含水量が1%以下、特に2000ppm以下のアルコールを用いること
が好ましい。更に、より良好なモルフォロジーを有するマグネシウム化合物を得
るためには、水分は少なければ少ないほど好ましく、一般的には200ppm以
下が望ましい。 【0009】 ハロゲンの種類については特に制限されないが、塩素、臭素又はヨウ素、特に
ヨウ素が好適に使用される。 また、ハロゲン含有化合物としては、塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化
マグネシウム(MgBr2)、ヨウ化マグネシウム(MgI2)、エトキシマグネ
シウムモノクロリド(Mg(OEt)Cl)、エトキシマグネシウムモノイオデ
ィド(Mg(OEt)I)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化ナトリウム(
NaCl)、および臭化カリウム(KBr)等からなる群から選ばれる一以上の
ものを挙げることができる。これらの中では、特にMgCl2,MgI2が好まし
い。 これらの状態、形状、粒度等は特に限定されず、任意のものでよく、例えばア
ルコール系溶媒(例えば、エタノール)中の溶液の形で用いることができる。 【0010】 アルコールの量については問わないが、金属マグネシウム1モルに対して好ま
しくは2〜100モル、特に好ましくは5〜50モルである。アルコール量が多
すぎる場合、モルフォロジーの良好なマグネシウム化合物の収率が低下するおそ
れがあり、少なすぎる場合は、反応槽での撹拌がスムーズに行なわれなくなるお
それがある。しかし、そのモル比に限定されるものではない。 【0011】 ハロゲンの使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、0.0001
グラム原子以上、好ましくは0.0098グラム原子以上である。また、ハロゲ
ン含有化合物は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン含有化合物
中のハロゲン原子が0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0098グラ
ム原子以上となるように使用する。0.0001グラム原子未満の場合、ハロゲ
ンを反応開始剤として用いる量と大差なく、所望の粒径のものを得るためには固
体生成物の粉砕分級処理が不可欠なものとなる。 【0012】 本発明においては、ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞれ1種を単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ハロゲンとハロゲン含有化合
物とを併用してもよい。このようにハロゲンとハロゲン含有化合物とを併用する
場合、全ハロゲン原子の量を金属マグネシウム1グラム原子に対して、0.00
01グラム原子以上、好ましくは0.0098グラム原子以上とする。 ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の使用量の上限について特に定めはな
く、目的とする固体生成物が得られる範囲で適宜選択すればよいが、一般的には
全ハロゲン原子の量を金属マグネシウム1グラム原子に対して0.06グラム原
子未満とすることが好ましい。 本発明製造方法においては、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の使用量
を適宜選択することにより、固体生成物の粒径を自由にコントロールすることが
可能である。 【0013】 金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との
反応それ自体は、公知の方法と同様に実施することができる。例えば、金属マグ ネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物とを、撹拌下に
還流下(約79℃)で、水素ガスの発生が認められなくなるまで(通常、約20
〜30時間)反応させて、固体生成物を得る方法である。具体的には、例えばハ
ロゲンとしてヨウ素を用いる場合、金属マグネシウム、アルコール中に固体状の
ヨウ素を投入し、しかる後に加熱し還流する方法、金属マグネシウム、アルコー
ル中にヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還流する方法、金属マグネシ
ウム、アルコール溶液を加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法など
が挙げられる。 いずれの方法も、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で
、場合により不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサン等の飽和炭化水素)を用い
て行なうことが好ましい。 【0014】 金属マグネシウム、アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の投
入については、最初から各々全量を反応槽に投入しておく必要はなく、分割して
投入してもよい。特に好ましい形態は、アルコールを最初から全量投入しておき
、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法である。このようにした場合
、水素ガスの一時的な大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望ましい。
また、反応槽も小型化することが可能となる。更には、水素ガスの一時的な大量
発生により引き起こされるアルコールやハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して
決めればよく、特に問わないが、操作の煩雑さを考えると通常5〜10回が好適
である。 また、反応自体は、バッチ式、連続式のいずれでもよいことは言うまでもない
。さらには、変法として、最初から全量投入したアルコール中に金属マグネシウ
ムを先ず少量投入し、反応により生成した生成物を別の槽に分離して除去した後
、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を繰り返すということも可能
である。 【0015】 さらに、大容量のスケールで反応を実施する際には、撹拌槽を用いることがで きる。この場合、撹拌槽の撹拌翼としては、撹拌槽中心部に設けられた撹拌軸に
配設される翼が好ましく、例えば図1に示すマックスブレンド翼(住友重機械社
製)のような格子翼や図2に示すフルゾーン翼(神鋼パンテック社製)のような
多段翼が特に好ましい。 上記撹拌翼は、撹拌槽10の中心部に設けられた撹拌軸1に配設され、かつ槽
低部11近くに位置するボトムパドル翼部とそれより上部に位置する上部翼部と
で構成されている。この場合、反応の際の液レベルをL、槽低部11から上部翼
部の最上部までの高さをHとした場合に、H/L>0.5となり、しかもボトム
パドル翼部の最上部が液レベル面より低くなるようにして用いることが好ましい
。 【0016】 撹拌翼は、例えば次の(1)〜(5)のようにすることもできる。 (1)回転軸1に取り付けたボトムパドル翼部2と、槽底部11のクリアランス
は、粒子を十分に浮遊させるためになるべく小さい方がよい。また、ボトムパド
ル翼部2は1枚でなくてもよく、例えばタービン翼のように何枚かを連ねたもの
でもよい。さらに、ボトムパドル翼部2は後退翼でもよい。 (2)上部翼部3は、ボトムパドル翼部2で吐き出された粒子を十分に混合させ
るためのものであり、ボトムパドル翼部2と一体のものでもよく、多段のもので
もよい。また、ボトムパドル翼部2と角度がずれていてもよいが、格子状の形状
のものが望ましい。 (3)槽底部11から上部翼部3の最上部までの高さHと液面高さLの比が0.
5以下であると、上部で滞留部が生じ、凝集物が生成し粗粉量が増大する。この
凝集物生成を回避するためには撹拌翼の回転数を増大させる方法があるが、微粉
量が増大し粒径分布が拡大する。従って、H/Lは0.7以上1以下が特に望ま
しい。 (4)翼径dと槽径Dとの比はとくに問わないが、好ましくは0.3<d/D<
0.8、さらに好ましくは0.4<d/D<0.6とする。 (5)撹拌槽10の壁側面に、軸方向に沿う複数本の邪魔板(バッフル)12を
配設しても良い。なお、図中13はジャケットを示す。 【0017】 本発明において、撹拌槽を用いて反応を行なう場合、撹拌翼として撹拌槽中心
部に設けられた撹拌軸に配設されたものを用い、撹拌翼の径をd(m)、回転数を
n(rpm)としたときに、4.3×103<n32<4.0×106の条件下で行な
うことが好ましい。また、より好ましくは9.8×103<n32<3.6×1
5の条件下、さらに好ましくは6.5×104<n32<7.8×104の条件
下で行なう。 この場合において、撹拌翼としては、前記マックスブレンド翼、フルゾーン翼
の他、パドル(平羽根)翼、傾斜羽根翼、タービン翼、アンカー翼などのスラリ
ー混合撹拌に使用し得るものであればいずれのものでもよい。また、一段の形で
使用してもよく、多段の形で使用してもよい。なお、撹拌槽の壁側面には軸方向
に沿う複数本の邪魔板(バッフル)を配設してもよい。 回転数の範囲に関しては、n32の値が、4.3×103以下ではスラリー中
の粒体の混合が極めて悪くなり、反応に際して凝集物が生成する。一方、4.0
×106以上では粒子は破砕され、微粉の増大、粒径分布の拡大が生じ、かつ粒
子形状の悪化(球形でなくなる)が起こる。 この場合、平均粒径は回転数の増加とともに小さくなり、上記回転数の範囲内
では粒径分布を変えることなく平均粒径を自由にコントロールすることができる
。 なお、翼径に関し、翼径dと槽径Dとの比はとくに規定はないが、好ましくは
0.3<d/D<0.8、さらに好ましくは0.4<d/D<0.6に設定する
。 【0018】 こうして得られたマグネシウムジアルコキシドは、必要により洗浄、乾燥を行
なって製品とすることができる。いずれにしても、得られたマグネシウムジアル
コキシドは、粉砕あるいは粒度分布をそろえるための分級操作をすることなく用
いることができる。 【0019】 本発明の製造方法により得られるマグネシウムジアルコキシドは、球状に近く 、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみても、
球形度のばらつきは非常に小さい。 この場合、該マグネシウムジアルコキシドは、平均粒径が1〜300μmで、
かつ下記式(1)で示される粒径分布指数(P)がP<5.0である。 P=D90/D10 ・・・(1) (D90は累積重量分率が90%に対応する粒子径、D10は累積重量分率が1
0%に対応する粒子径を示す。) ここで、D90とは重量累積分率が0〜90%に対応する平均粒子径をいう。
即ち、D90であらわされる粒子径より小さい粒子群の重量和が全粒子総重量和
の90%であることを示している。D10も同様である。 【0020】 また、該マグネシウムジアルコキシドは、下記式(2)で示される球形度(S
)がS<1.60であることが好ましい。 S=(E1/E2)2 ・・・(2) (E1は粒子の投影の輪郭長、E2は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。
) 【0021】 さらに、該マグネシウムジアルコキシドは、CuKα線で測定したX線回折ス
ペクトルにおいて散乱角5〜20°の範囲に強ピーク3本が出現し、しかもこれ
らのピークを低散乱角側から順にピークa、ピークb及びピークcとした場合に
、ピーク強度比b/cが0.4以上であることが好ましい。 【0022】 【実施例】 次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に示すが、本発明は下記実施例
に限定されるものではない。 なお、以下の実施例、比較例においては、下記の試薬を用いた。 金属マグネシウム:顆粒状(平均粒度350μm) エタノール:和光純薬(株)製、試薬特級 ヨウ素:和光純薬(株)製、試薬特級 塩化マグネシウム:和光純薬(株)製、試薬特級 【0023】 また、平均粒径、粒径分布指数(P)及び球形度(S)の測定並びにX線回折
測定はそれぞれ以下の通りに行なった。 平均粒径: 固体生成物を液状炭化水素中に懸濁した状態において、光透過法により粒径を
測定する。求めた粒径分布を対数正規確率紙上にプロットし、50%粒子径を平
均粒径とする。 粒径分布指数(P): 固体生成物を液状炭化水素中に懸濁した状態において、光透過法により粒径を
測定する。求めた粒径分布を対数正規確率紙上にプロットし、90%粒子径(D
90)及び10%粒子径(D10)を求めて前記(1)式で算出した。 【0024】 球形度(S): 乾燥後のマグネシウムジエトキシドのサンプルを、走査型電子顕微鏡(日本電
子(株)製JSM−25SIII)にて、加速電圧5KV、150倍で撮影し、ネ
ガを得た。次に、このネガを透過法にて画像解析処理した。画像解析処理は、画
像解析装置(nexus社製)により、20画素(1画素を1.389μ×1.
389μとした)以下の粒子をカットし、残りの粒子約2000個について行な
った。画像解析処理により、その輪郭長E1及び粒子の投影面積に等しい円の周
長E2を求め、前記(2)式で算出した。 【0025】 X線回折測定: マグネシウムジエトキシドを平均粒径10μmとなるように粉砕した。粉砕物
を常温で真空乾燥し、得られた乾燥粉体を不活性ガス雰囲気下でマイラーフィル
ム製セルに充填した。マイラーフィルムの厚さは6μmであり、マイラーフィル
ムと乾燥粉体とを合わせたセルの厚さは1mmであった。このセルを、粉末X線
回折装置[理学電機工業(株)製]に取り付け、透過法によりX線回折スペクト
ルを測定した。対陰極には銅(Cu)を用い、電圧50kv、電流120mA、 及び波長(λkα)1.543オングストロームの条件を用いた。 【0026】 実施例1 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積0.5リットル)をアルゴンガスで充分
に置換し、金属マグネシウム8g、エタノール121g及びヨウ素0.8gを投
入し、撹拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで反応さ
せ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥さ
せることによりマグネシウムジエトキシドを得た。 得られたマグネシウムジエトキシドの平均粒径は60μm、粒径分布指数(P
)は1.6、球形度(S)は1.21であった。また、電子顕微鏡観察により球
状であることが確認された。 さらに、このマグネシウムジエトキシドについてCuKα線を用いてX線回折
分析を行なったところ、2θ=5〜20°の範囲に3本の回折ピークが現われた
。これらのピークを低角側から順にピークa、ピークb及びピークcとした場合
に、ピーク強度比b/cは0.75であった。 【0027】 実施例2 撹拌機付きのSUS製反応器(内容積2.0リットル)を窒素ガスで充分に置
換し、金属マグネシウム53g、エタノール800g及びヨウ素2.7gを投入
し、撹拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで反応させ
、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させ
ることによりマグネシウムジエトキシドを得た。 得られたマグネシウムジエトキシドの平均粒径は16μm、粒径分布指数(P
)は1.7、球形度(S)は1.32であった。また、電子顕微鏡観察により球
状であることが確認された。 【0028】 実施例3 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積0.5リットル)をアルゴンガスで充分
に置換し、金属マグネシウム8g、エタノール121g及び塩化マグネシウム( 無水)0.6gを投入し、撹拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生が
なくなるまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む
反応液を減圧乾燥させることによりマグネシウムジエトキシドを得た。 得られたマグネシウムジエトキシドの平均粒径は99μm、粒径分布指数(P
)は1.6、球形度(S)は1.23であった。また、電子顕微鏡観察により球
状であることが確認された。 【0029】 比較例1 撹拌機付きのガラス製反応器(内容積0.5リットル)をアルゴンガスで充分
に置換し、金属マグネシウム8g及びエタノール121gを投入し、撹拌しなが
ら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状反応生
成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることによりマ
グネシウムジエトキシドを得た。 得られたマグネシウムジエトキシドの平均粒径は520μm、粒径分布指数(
P)は7.5、球形度(S)は1.87であった。また、電子顕微鏡観察により
不定形であることが確認された。 【0030】 比較例2 実施例1において、配合量を金属マグネシウム8g、エタノール121g、ヨ
ウ素0.0021gとしたこと以外は、実施例1と同様に行なった。 得られたマグネシウムジエトキシドの平均粒径は62μm、粒径分布指数(P
)は6.4、球形度(S)は1.69であった。また、電子顕微鏡観察により不
定形であることが確認された。 比較例3 実施例3において、塩化マグネシウム(無水)の使用量を0.0015gとし
たこと以外は、実施例3と同様に行なった。 得られたマグネシウムジエトキシドの平均粒径は83μm、粒径分布指数(P
)は7.5、球形度(S)は1.82であった。また、電子顕微鏡観察により不
定形であることが確認された。 【0031】 実施例4 撹拌機付きのSUS製反応器(形状は図1〜4に示すような4枚のバッフル付
きの縦型で、内容積は80リットル)を窒素ガスで十分に置換し、金属マグネシ
ウム2.2Kg、エタノール31Kg及びヨウ素0.2Kgを投入し、撹拌しな
がら還流条件下で系内から水素が発生しなくなるまで反応させ、固体状反応生成
物を得た。なお、撹拌翼は図1に示すようなマックスブレンド翼(住友重機械社
製)を用い、撹拌回転数は130rpmとした。 この固体状反応生成物を含む反応液を、減圧乾燥させることによりマグネシウ
ムジエトキシドを得た。 【0032】 実施例5 反応翼をフルゾーン翼(神鋼パンテック社製)に変更し、かつ撹拌翼回転数を
110rpmに変えた以外は、実施例4と同様に行なった。 比較例4 H/Lを0.40に変えた以外は、実施例4と同様に行なった。 比較例5 撹拌翼を図4に示すパドル翼5に変更し、かつ回転翼回転数を40rpmに変
えた以外は、実施例4と同様に行なった。 【0033】 実施例6 撹拌翼を図3(a),(b)に示す径0.2mのファードラー翼4に変更し、
かつ回転翼回転数を450rpmに変えた以外は、実施例4と同様に行なった。 実施例7 回転翼回転数を50rpmに変えた以外は、実施例6と同様に行なった。 実施例8 撹拌翼を径0.2mのパドル翼に変更し、かつ回転翼回転数を200rpmに
変えた以外は、実施例6と同様に行なった。 比較例6 回転翼回転数を500rpmに変えた以外は、実施例6と同様に行なった。 比較例7 回転翼回転数を40rpmに変えた以外は、実施例8と同様に行なった。 以上の実施例4〜8、比較例5〜7の撹拌条件及び結果を表1,表2に示す。 【0034】 【表1】 【0035】 【表2】 【0036】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明の製造方法によれば、球状で粒径が制御され、か
つ粒径分布が狭く、粉砕,分級等の粒径調整処理を施さなくてもそのまま使用す
ることができるマグネシウムジアルコキシドを一段階の反応で製造することがで
きる。この場合、条件設定により粒径制御を容易に行なうことができる。従って
、本発明で得られるマグネシウムジアルコキシドは、触媒原料、化学的中間物質
、乾燥剤等として有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 マックスブレンド翼を設けた撹拌槽を示す概略図である。 【図2】 フルゾーン翼を設けた撹拌槽を示す概略図である。 【図3】 同図(a)はファードラー翼を設けた撹拌槽を示す概略図、同図(b)はファ
ードラー翼の平面図である。 【図4】 パドル翼を設けた撹拌槽を示す概略図である。 【符号の説明】 1 撹拌軸 2 ボトムパドル翼部 3 上部翼部 10 撹拌槽

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属マグネシウムと、アルコールと、上記金属マグネシウム1
    グラム原子に対し0.0098グラム原子以上の量のハロゲン又は上記金属マグ
    ネシウム1グラム原子に対し0.0098グラム原子以上の量のハロゲンを含む
    塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、ヨウ化マグ
    ネシウム(MgI2)、エトキシマグネシウムモノクロリド(Mg(OEt)C
    l)、エトキシマグネシウムモノイオディド(Mg(OEt)I)、塩化カルシ
    ウム(CaCl2)、塩化ナトリウム(NaCl)、および臭化カリウム(KB
    r)からなる群から選ばれる一以上のハロゲン含有化合物とを撹拌下に還流下で
    反応させることを特徴とするマグネシウムジアルコキシドの製造方法。 【請求項2】 請求項1記載の反応を撹拌槽を用いて行なうにあたり、撹拌翼
    として、撹拌槽中心部に設けられた撹拌軸に配設され、かつ槽低部近くに位置す
    るボトムパドル翼部とそれより上部に位置する上部翼部とから構成された撹拌翼
    であって、反応の際の液レベルをL、槽低部から上部翼部の最上部までの高さを
    Hとしたときに、H/L>0.5となり、かつボトムパドル翼部の最上部が液レ
    ベル面より低くなるような撹拌翼を用いることを特徴とするマグネシウムジアル
    コキシドの製造方法。 【請求項3】 金属マグネシウムと、アルコールと、上記金属マグネシウム1
    グラム原子に対し0.0001グラム原子以上の量のハロゲン又は上記金属マグ
    ネシウム1グラム原子に対し0.0001グラム原子以上の量のハロゲンを含む
    塩化マグネシウム(MgCl2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、ヨウ化マグ
    ネシウム(MgI2)、エトキシマグネシウムモノクロリド(Mg(OEt)C
    l)、エトキシマグネシウムモノイオディド(Mg(OEt)I)、塩化カルシ
    ウム(CaCl2)、塩化ナトリウム(NaCl)、および臭化カリウム(KB
    r)からなる群から選ばれる一以上のハロゲン含有化合物とを撹拌槽を用いて還
    流下で反応させるにあたり、撹拌翼として撹拌槽中心部に設けられた撹拌軸に配
    設されたものを用い、かつ撹拌翼の径をd(m)、回転数をn(rpm)としたと きに、4.3×103<n32<4.0×106の条件下に撹拌を行なうことを特
    徴とするマグネシウムジアルコキシドの製造方法。

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